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第十一話「俺氏思ふ諸行無常の響きありだお!」①


 氷結ダンジョンの完全陥落……わずか一時間足らずで最深部攻略完了とかなにそれ?

 しかも最深部には、ホワイトドラゴンだのアーマードデーモン、ヘビーガーゴイルとか上級モンスターもいっぱい居たのに……10トンもあるような大質量弾ブチ込んで一撃必殺とかどうなのそれ?

 

 ロゼたんに付けた飛天の眼で、現場映像を見ながら、さすがの俺氏も背筋が寒くなる。

 

 氷結ダンジョンの無残な最期を見ていたリリエンヌたんは、お股の蛇口が全開になったらしく、ジョビジョバ状態……とりあえず、可哀想なので俺氏、そっとリリエンヌたんの頭に俺氏特製おパンツを被せておく。

 

 じゃかじゃーん! 俺氏、NEWスキル!

 

「クリエイテッド・オブ・パンツ!!」

 

 俺氏のイメージした通りのパンツを作れるだけにとどまらず、ブルマ、スパッツ、スク水だって自由自在にいくらでも作れる!

 

 実は地味に身体能力向上効果付きなんてのが時々出来たり、デザインや素材は俺氏のこだわりが自在に反映されたチート仕様!

 この世界の王族とか知ったら、金貨の山と引き換えにしてでも欲しがるだろう……その程度には逸品!


 もっとも、今んとこロゼたんがスパッツ装備してくれた程度。

 

 なんだけど、パンツじゃないなら恥ずかしくないとの理屈で、割りと嬉々として履いてくれた上に、派手に蹴り技多発で魅せてくれた。

 

 おまけに、基本は直穿きって言ったら、ホントにそうしてた……うん、それ割と薄手だから、お股のラインとかくっきり出るんだお……。

 

 飛天の眼の目の前で盛大に大開脚してくれた瞬間なんて、スパッツァー俺氏、むしろむせび泣いた。

 

 ロゼたん、やっぱ萌えるお……リアンたんもいいけど、やっぱロゼたんの健康美は素晴らしい!

 クンカクンカしたいお! そ、そろそろデレたって良いんだよ?

 

 それにしてもリリエンヌときたら……。


 ……つついても反応ない様子から、どうも立ったまま気絶してる模様……さすがに、刺激が強すぎたらしい。

 お前はラ○ウか。

 

 まぁ、今なら何しても気付かれないと思うのだけど……白目剥いて、ヨダレ垂らして……ヒデェ顔だ。


 ……うん、やっぱこいつ無理っ! それに俺氏の紳士道ジェントルメンロードはそんな卑怯な真似を許しません。

 

 それにしても、やっぱ恐ろしいのは魔王サクラたん。

 

 挨拶とか言って、ノコノコツラ見せたホワイトウルフも心底アホだったけど、殺してもすぐ生き返る不死のライカンスロープをああも簡単に、ゴミのように片付けるとは……。

 

 ちなみに、氷結ダンジョンのマスター戦死とダンジョンコア破壊の報は、速攻各地のダンジョンマスターに伝わったらしく、さっきから俺氏の元へは問い合わせが殺到している。

 

 いわく、やり過ぎであるとか、ルール違反だ! だのなんだかんだ。

 まぁ、ダンジョンデュエルでマスター諸共、相手ダンジョンコアを完全破壊なんてのは、前代未聞だからねぇ……。

 氷結ダンジョンは、コア破壊、ダンジョン壊滅、マスター死亡で永久欠番……うちに迷惑かけられたから、腹いせに喧嘩売った以外、悪い事もしてないんだけど……。

 喧嘩売った相手が悪かった! それ以上でも以下でもない。

 

 調停者の残した基本方針は、ダンジョン同士はなるべく共存共栄を図る……と言うことで、これまで余程のことがない限り、相互不干渉を貫いてきたってのが実情なんだけどね。

 

 立地条件的に空気化してるようなダンジョンも多数あるから、正直こんなたくさんダンジョン作った意味あんの? って、俺氏も疑問だったくらいなんだけど。

 

 ……調停者も何がしたかったんだか全然解かんね。

 ゴミばっか後世に残して、思い切り害悪になってるじゃん……バカだねー。

 

 いずれにせよ、この一撃は、ぬるま湯生活をおくるダンジョンマスター共へ、ダンジョン同士の戦国時代の到来を告げる号砲とも言えた。

 

 と言うか、復活した魔王様のやり口が尋常じゃないのだよね。

 そもそも、これまでダンジョンをぶっつぶそうって発想をするヤツ自体がいなかった訳で……。

 

 ダンジョンマスターもそこが自分達の安全地帯であると確信して、上位種気取りで安寧を貪り続けていたのだよ。

 

 まぁ、俺氏もついこないだまで、代わり映えのしないルーチンワーク感覚でダンジョン運営してた訳なんだがね。

 ある程度完成してしまえば、そんなもんだ……ダンジョンマスターも自分達の命の危険なんてこれっぽっちも感じてない。

 ダンジョンの加護のお陰で、不老不死を約束されてるのもあるけど、ホント何様状態。

 

 けど、その常識がたった今、ぶっ壊れた。

 ダンジョンは破壊されるし、ダンジョンマスターだって死ぬときは死ぬ。

 

 まったく、誰が魔王様なんて物騒なお方を復活させたんだか……。

 

 って、俺氏じゃーん! ……いや、待って! 俺関係ないし、リリエンヌのせいだよなっ! 

 本人、これっぽっちも自覚ないだろうけどさ! とにかく、俺は悪くねーっ!

 

 それにしても……どこの世界にダンジョン攻略に空中要塞繰り出して来て、バンカーバスターで砲撃して完全破壊する奴がいるのだって話。

 

 お前、ファンタジー舐めんなおっ!

 

 将棋で真剣勝負してるのに、ここからは腕力勝負つって、将棋盤を叩き割るようなもんだお?

 棋聖とか言ってるようなやつでも、もう愕然だよなー。

 

 けど、さくらたんが史上最凶、最悪の災厄なんて言われてた訳がよく分かる……。

 魔王様、軽く世界征服実現しちゃうくらいには有能なんだけど、絶対空気とか読めない。


 何と言うか……これは酷いわ。

 

 だがしかし、俺氏としてはまぁ、想定内の結果である。

 ……だって、あの魔王様ですよ? さすが魔王様、さすまおっ!

 

 魔王様が本気で攻め込んできたら、今の俺氏のダンジョンじゃ対抗出来ない! 下手すると俺氏の命危うしっ!

 

 究極ドラゴンだって、あんなの動かしたらマナのストックが完全になくなっちゃう!

 実際、魔王様を撃退後、ガチでカラッケツになってエライ目あいましたから。

 

 なので、俺氏! 虎の威を借って、全力で日和る事にしたのだった! さすまおっ!

 

「だから、言ってるじゃんよ……魔王様は全世界のダンジョンを片っ端から殲滅するんだってさ。これは手始めの見せしめなんだお……チミら寄生虫はもう要らない子……まぁ、実際そうなんだし、もう無理ぽっ! ……幸いうちは魔王様も手出ししないって約束してくれたのよ……これも日頃の行いの差だね。

ん? 文句あんの? なら、ダンジョンデュエル承るよ?」


 ちなみに、今相手してやってるのは、灼熱の塔のマスターのベルダラキオとか言うドラゴン様。

 高圧的な上に非常にウザい、知能はゴブリン並じゃないかな……何度も同じことを説明してんだけど、理解が追いつかないらしい……もうゴールしていいかな?


「ウラガンマスターッ! 貴様それでも栄光あるダンジョンマスターの一人なのか! 同胞を売って、安泰を得るなど……卑劣極まりない! 恥を知れっ! 恥をっ!」


 はい、振り出しに戻りました。

 もうコイツダメだろ……早く何とかしないと。


「はい、ストーップ! 壊れたテープレコーダーみたいに同じこと繰り返してんじゃないよ!

卑劣とか卑怯! うん、褒め言葉なんだお! 実は魔王様から目障りなダンジョンのリストアップされてんだけどさ……むしろ、その辺片っ端から喧嘩売るように言われてんだわ。そいや、お前んとこの灼熱の塔だっけ? そこもぶっ潰しリストに載ってたお……いやぁ、ご愁傷様……そんな訳で、お次はお前んとこに挑戦させてもらうわー。」


「なんだと! 何故、我が貴様ごときの挑戦を受けねばならぬのだ! そもそも貴様は我らのルールを破ったのだ! ペナルティを受けねばならん!」


「ペナルティとかどうやって課すつもりなのよ……調停者なんて随分前に仕事投げちゃったじゃない……。今まで自主暗黙ルールでなんとなく、共存共栄とか言ってたけどさ、正直、めんどうくさい!

もう時代が変わったのよ……マナ減退期なんだから余計なダンジョンなんて、イラネーッ! そう言う事なんよ……諸行無常の響きありだねー。」


「き、貴様……我らは神に選ばれた上位種なのであるぞ! それを……どこまでも恥知らずなのだ! 断じて許せんッ!」


「ニーチェは言ったよ? 神は死んだってね! 神様なんてどこにいるのさ? いるなら、今すぐ連れてきて! まぁ、出来ないだろうけど! 居ないもんはどうにもなんないよっ! ウヒャハホッ! あ、解った……お前の中にいるんだね! お前の中限定神! ぷぷっ……妄想乙っ!」


「……貴様、我のみならず造物主たる神をも侮辱するか……。」


「俺氏、無神論者デーっす! 何も出来ない神なんていないも同然どぅえーす! はい論破っ! あのさぁ、いっそダンジョンなんて放棄すれば? そうしたら命だけは助かるお! あ、でも……君ってば、有害生物指定されてるポイズンドラゴン様なんだっけ? いや、ごめーん……詰んでるね! んじゃ、挑戦状送ったから……断ってもいいけど、別に毒まみれの傾きかけた塔なんて誰も欲しがらないから、たぶん魔王様のバンカーバスターで一発崩壊ッ! 挑戦受けて、こっちに攻め込んで来れば、ワンチャンあるかもね! んじゃ、色いい返事期待してるお! バッハハーイッ!」


 問答無用で、ダンマス間ホットラインを切る。

 頭おかしい産廃ドラゴンとかもう知らね……魔王様に言って、ぶっ殺してもらおう。

 

 他にも何件か通話要請来てるけど、めんどいから全部留守番モードにする……うぜぇ。

 

(はいはーい! ウラガン大迷宮ダンマス俺氏! ただいま、お楽しみ会の真っ最中だお! 用件のある人は俺氏がヒャッハーって言ったら、用件をどうぞ……まぁ、録音なんかしてないから、独り言になるんだけどね! テヘペロッ! ヒャッハァー!)

 

 俺氏特製の留守番メッセージ……煽り効果バツギュン!

 

 ……まぁ、どうせこいつらと話しても同じようなことしか言わないから、意味ないしねー。

 どいつもこいつも、保身しか考えてないクズばっかり……ホント、こいつら……ただの寄生虫だよなぁ……。

 

 魔王様の英断、このダニオ……全面的に支持するものでありますっ!

ダニオの小物臭がハンパねえ。(笑)


と言うか、魔王様にダンジョン間引きするよう焚き付けたのはダニオだったり。

魔王様の興味が他移れば、自分は安泰他のダンマス売ります! と言うゲス理論。

まさに小物オブ小物!

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