第七話「紳士の戦い! ダニオは決して歪みねぇ!」①
さて、俺氏である。
リアンちゃん、ベッドに入るなり寝込んじゃったロゼを着替えさせようとしてる。
身長差があるせいか、結構苦労してる感じ……でも、ロゼこの調子だともう起きそうもないし……。
腕とかプランプランに脱力しきってて、生きてるのって心配しちゃうくらい熟睡してる。
あ、メイド服が脱がされて、ロゼたん下着姿にされちゃった……リアンたん、なんか手際いい。
でもまぁ、俺氏紳士だし。
これ以上は敢えて見ないようにしよう……さすがに、ロゼに悪い気がしてくる。
覗きとか卑怯……いくない!
リアンちゃんなら、酷いことはしないだろうし。
たぶん、これからきっと濡れタオルとかで身体を拭いてあげてお着替えさせてあげるんだよね。
……ロゼ、大暴れして汗まみれなのに、そのまま寝ちゃったけど、リアンちゃん、優しいコだから。
その辺、気遣ってくれてるんだね……ほんと、気が利くというか甲斐甲斐しいと言うか。
世話かけてごめんね……俺氏、君のことますます好きになりそうだよ……。
でも、気のせいかな……リアンちゃん、なんかすっごくハァハァしてるように見えるけど。
ええっ? リアンちゃんも脱ぐの? あ、パジャマへのお着替えだね……って、下着に手をかけてどうするんの?
アーッ! まさかまさかっ! これはまさかの百合展開?!
なんとなく、百合っ気のある娘だとは思ったけど、今がチャンスとばかりにロゼたん食っちゃうの?
衝撃の展開に俺氏思わず、モニターにがぶり寄り!
ちょっとこれは、見逃せないよ……録画だな……録画しなければ! ええいっ!
飛天の眼よ! 何やってるんだ! もっと近くで良いアングルへ移動するのだ!
……と思ったら、唐突に飛天の眼の中継が切れる。
「アイエエエエ! ナンデエ!? このタイミングで絶妙にカットとかヒデェヨォ!
あんまりだぁあああああっ! あんまりだぁあああああっ! ちょっと待てこら! 映せよ! ザッケンナ!」
しかしながら……俺の切なる願いを無視したようにモニターは沈黙を保つ。
今頃、リアンたんは無抵抗なロゼたんを好き放題、百合百合なプレイの真っ最中……。
うわぁ……中途半端に見ちまったから、余計に気になる。
「気になる気になる気になるおーッ! おうおうおうおうふーっ!」
思わずブリッジして、ビクンビクンと転げ回る。
傍から見たらきっとキモい光景だろうけど……そんなもんどうでもよろしい!
「アアアアアアアーッツ!」
などと叫びながらのたうち回っていると、不意に何かにぶつかって止まる。
見上げると、そこには見知らぬロリがいた。
ピンク色のふわっとしたロングヘア。
……黒タイツ、ガーターベルトに白いフリフリなゴージャス下着。
その上には白いコートと言うまるで、痴女のようなスタイル。
ガバッと起き上がると、正面からまじまじと見つめてみる。
……なんで、正面から見ておパンツ丸見えなの? このロリ。
ああ、でもどっかのソシャゲのキャラのこんなのいたな。
「……すみません、どちら様で? あ、俺氏……ダンマスのダニオです。」
思わず、正座をするとそりゃあもう丁寧にお辞儀。
だって、なんかこいつ怖いんだもん……考えてもみ? 唐突に密室に痴女スタイルの幼女が湧いてるんだぜ。
いくらロリ好きな俺でも引く……ドン引きだぜ!
「私はリリエンヌと申しますの……貴方様へはダンジョンコア……と言った方が解りやすいでしょうか?」
ダンジョンコア? ああ、迷宮の総括システムの事か。
この俺から、ダンマスの権限を奪い取った憎いあんちくしょうっ!
でも、コイツ……こんな人間に化ける機能とかあったっけ?
コミュニケーションすら怪しい石ころ風情が人に化けるとか……いや、出来なくもないかもしれんな。
と言うか、出来たのならもっと先にやれという話。
「ほほぅ……要するに、ダンジョンコアの使い走りかメッセンジャーってとこなのかな?
で、俺氏に何のよう? あと、その痴女スタイル……悪いけど、それないわー。
あのさ……おパンツは見られると恥ずかしいからこそ、見れた時萌えるのであって、そんな堂々とバーンと見せられても、全然萌えないから。
ホント解ってないねぇ……悪いけど、チェンジ……お前自身のチェンジを要求する!」
「んなっ! こ、これでも貴方様の嗜好を理解した上でこのような姿をしているのですよ!
あ、貴方様はこのくらいの人間の子供が好きなんですよね……この姿に何か感じるところはないのですか?」
「だったら、尚更だお! もうね……魂胆ミエミエだし、何その勘違いっぷり!
って言うか……飛天の眼の中継を切ったの……お前だろ? はやく、再開するんだお……話はそれからだ!」
うん……目の前に痴女スタイルの生ロリがいたって関係ない。
ロゼたんとリアンたんと言う俺的どストライクな二人が今頃、百合百合プレイの真っ最中なのだ。
見なきゃ、ウソだろー。
「解りました……脱ぎます! 脱げというのですね!」
そう言って、なんかコートを脱ごうとするリリエンヌとやら。
コートの下はお約束のように、おパンツオンリー! はい、痴女です……どうしょうもなく痴女です。
夜の公園とかで女の子の前でコートがばっと広げて、色々見せつける特殊性癖変態の女バージョン。
ハッキリ言って、全然萌えない。
だーかーらーっ! 誰もそんなリクエストしてね~し、そんな臆面もなくズバッと見せるなっちゅーの。
こいつ、もう頭おかしい……頭おかしい幼女にはさすがに萌えない。
萌えないロリはただのロリだ。
……もう、帰って欲しいですー! いや、むしろ帰れと言いたい。
「だから、止めろっての……ホント、お前……所詮機械のやる事なんだって、良く解る!
……萎えるわー! まじないわー! もう帰れ……出直して来るがよい!」
「そんな! 私は帰りません! いったい何が不満なんですか!」
しつこく食い下がるロリ痴女。
帰れと言って帰ってくれないとなると、俺氏に出来ることは……ないっ!
つまみ出そうにも、俺こっから出れないし……。
仕方ない……少しくらい相手してやるか。
「解った解った……ならば、特別に俺氏が相手してやろう……あ、とりあえず、コートは着なさいね。
パンツとか見せないで、下までボタン付けてしまっていいから……そうそう、そんな感じ。
で、体育座りしてこっち向け……足はちょっと開き加減に……おお、悪くないアングルじゃないか!
……うん、そのままで、話を聞かせてもらおう。」
コートだけ着て、体育座り……正面で正座してる俺氏から見ると、秘密のトライアングルがばっちり。
無自覚っぽい感じでボーッとしてるのもポイント高い……これでなくっちゃ!
うっかり、見えてしまっているのを思わず見てしまう……それがエロシチェーションの匠というべきもの。
ちょっとテンション上がってきた……やはり、ナニをするにも萌えは必要!
萌えこそ、我が生きる原動力に他ならないのだから!
いよいよ、ラスボス(?)ダンジョンコア登場!(笑)
ただし、痴女スタイルロリ……スタイリーッシュ!
ちなみに、ダニオのブリッジ状態でカサカサ走ると言うのは、映画「エクソシスト」が元ネタです。
最近の人は知らんかなー、アクロバティック子役。(笑)
ダニオはどんな時もブレないから、ダニオなのだ!




