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第六話「むせろっ! リターンマッチ!」④

 ……30分後。

 

「……うらぁあああっ! どうだぁっ! さすがにもう動くやつは居ないっしょ!」


 ……一日一回しか使えない鬼神モードで大暴れした結果……40体のメガネ犬は全滅した。

 今回、私の鬼神モードは火属性化した影響もあって、火炎放射とかも出来るようになっていて、あたりの木々諸共盛大に燃やし、破壊の限りを尽くしてやった。

 

 ゲート周辺50mくらいに渡って、ジャングルは焼き払われ消し炭になった!

 ついでに言うと辺り一帯は未だに炎上中……消火装置? もちろん、作動したけど……やらせるかとばかりに、その本体らしい四角い飛行物体をぶち壊してやった。

 

 全部で10機くらいいたけど、邪魔臭かったから、飛び上がって片っ端から叩きおとしてやった。

 

 なので、私の火を消し止めるモノは居ない……どうせ燃えるものがなくなれば、消えるでしょ。

 

 天井のある迷宮内では、あまり気にならなかったけど、オープンフィールドのここに来て、私……変身中は空も飛べることに気付いた。

 

 やばっ……鬼神モードマジで強い。

 

「はぁああああ……スッキリしたぁあああっ!

 ごめん、皆……結局、また全部の敵引きずり出しちゃった……。

 でも、半分以上は私が潰したから、許して……。」

 

 そう言って、ペコリと頭を下げて、パタリと力尽きる。

 他の皆は……ドン引きといった調子で、遠巻きに見ている。

 

 魔王様は……ガクブルしながら、安定の水たまり製造マシーンと化している。

 悪いことをしてしまったかなーと反省。

 

 でも……出撃前で敵がびっしり詰まった敵のベースをフルパワーファイアショットで、建物諸共焼き払うとかもう気持ちよすぎ……。

 

 向こうも火炎放射機とかで対抗してきたけど、残念……私に火なんて効きませんから。

 火耐性レベル10です! 10! 

 むしろ、火炎放射機とかこっちが火をかけたら、めっちゃ良く燃えて最高でした……ごちそうさま。

  

 戦わずして勝つとかやっぱ邪道よねー。

 敵は正面から、徹底的にぶっ潰ーす! 経験値美味しいよ?

 

 もう面倒くさいジャングルとか燃やして、片っ端から更地にしていこう。

 

「えっと……ロゼっち、とりあえずお説教は後にするけど、これどうすんの?

 消火に来た機械も全部撃墜しちゃって……このままじゃ、ここ火の海なんだけど……。」


「……燃えるものがなくなれば、消えるんじゃないのー?

 いいじゃない……ゲートまでまっ平らなジャングル(笑)ステージとか。

 次来た人達も楽勝って大喜びだと思うよ!

 ダンジョンの中なんて、定期的にリセットされるから、気にせず次のステージに出発よっ!」

 

 そう言って、なんとか起き上がってむしろ胸を張ってみる……。

 ま、まぁ……あっちこっちボーボー燃えて凄いことになってるけど……このステージ……なんか性に合わないし。

 なんで、虫とか蛇とかまでいるんだろうね? 太もも蚊に刺されるとかすんごく不愉快。

 

 ちなみに、エルフさん達は呆然と火の海を見てる……森が燃えるとか悲しいのかもしれないけど、ここあなた達の森と違うし……ゴミ燃やすのと変わらんでしょ。

 

 昔から言うじゃない……汚物は消毒だぁ! って格言。

 

 何と言うか、スカッとしたよ。

 反省はしていない……てか、疲れたからもう宿屋に帰ろうよー。

 

 -----------------


「ロゼっち! 聞いてんのかコラァッ!」


 エストのキレかかったダミ声で顔を上げる。


 ……魔王様の作戦を台無しにした挙句、第12階層を炎上させた件で、私はエストから絶賛お説教中。

 宿屋に戻ってから、食堂でいきなり始まった上に、もう小一時間位続いている。


 お腹空きました!

 ……女将さんとか他のお客さんもどうしていいか解らずに困ってるしー。

 おまけに何故か正座させられてるので、足が痺れてきて感覚がない。


 なお、お説教の内容は右から左なので、全然頭に入ってない……反省もしてません。


「あい……聞いてますから……寝てませんから。

 鬼神族は24時間戦えますから……寝ながらだって戦えます……これ、マジホント。

 と言うか、足がそろそろ限界でお腹減ったし、おトイレも我慢の限界なので、そろそろ勘弁してください……エスト様。」


「……寝てるとか、随分舐めてるね……反省してないでしょ?」


「……私の行いに反省する点なんてないわっ!」


「こいつ……言い切りよった! しかも何なの? その曇り一つ無い澄んだ瞳はっ!

 人の話全然、聞いてないでしょーっ! むがーっ!」


 背後に回られて、ヘッドロックを決められる……。

 エストの割と大きめのアレが頭に乗っかるとか誰得状態……割と重い。


 なんだこれ? 何で出来てるの? ふわっふわなんですけどっ! くそっ、羨ましいっ!

 こんなもの! ワシ掴みにしてやるぅっ!


「ちょっ! ロゼっち! 無言でおっぱいをワシ掴みとかすんな!

 痛いからっ! それ痛いからっ! やーめーてーっ!」


 思わず、ワシ掴みとかしちゃったけど……エストのって凄い。

 

 私もこんなの欲しいなぁ……私のなんて、ちょっと盛り上がってるだけの絶壁だし……。


「その……なんだ、エスト殿……もう諦めい。

 要するに、コヤツは定期的に暴れさせんといかんのじゃろう。

 そんなのに無手勝流で勝つことの素晴らしさなんて説いても、馬の耳に念仏と言うやつじゃ……。

 コヤツは基本的に暴れて、壊して、蹴散らしてなんぼのもんなんじゃろう。

 ワシ……なんか陳宮の苦労が解るような気がしてきたぞ。」


 陳宮ってだれー? 魔王様もたまに変な事言うんだよね……異世界人って皆、こんな調子なのかなー。


「良く解らないけど、言いたいことは何となく解るわ。

 この世界の逸話に「猛将ランテバッハと智将モンターギュ」って話があってね……。

 たぶん、それに近いんじゃないかなー。

 モンターギュはいつも考えなしの暴れん坊ランテバッハに振り回されっぱなし……世界史上随一の苦労人ポジって言う話。」


「なんか、呂布と陳宮に似とるのう……まぁ、今のわしはそのモンターギュと一緒っぽくね?

 どうせランテバッハと言うのも猪突猛進の暴れん坊将軍だったのじゃろ?」


「ご名答……どこの世界にも似たような話ってあるのねー。

 でもまぁ……鬼神族って皆、食って壊して、暴れまわるってそんな調子だったみたいだし。

 だから、絶滅させられた……そんな風に聞いてるわ。」


 エストが疲れた顔でそんな風に語る……何と言うか、色々教養深いのよね……この娘。


 でも、お説教一時間とかホント、よくやるわー。

 あ、これだけ言いっておかなければいけないよね……!


「異議あり! 眠くなったら寝るを忘れちゃいけないわ。」


 休める時に休んでこそ、存分に暴れられるののだから、その辺は大事、大事。

ロゼたんのやらかしで、大惨事……。


ロゼたん……鬼のように強いんだけど、脳筋! 周りは色々大変です。

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