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第四話「その名は、魔王さくらたん」①

 まぁ……良く解かんないけど、名前が解ればステータス魔法で調べりゃ済む話だし。

 ……ここは一発、ステータスチェックどーんっ!


------------------------------------------

 

 名前:魔王ルシファルファ(本名:梅桃さくら)

 年齢:7歳

 クラス:ダークプリースト

 

 レベル:3

 

 最大 HP:17

 最大 MP:673

 攻撃力 :16

 防御力 :12

 魔法力 :154

 魔法防御:137

 敏捷性 :10

 運   :66

 

 武器:なし

 防具:なし

    

 魔法:ヒール 3 エリアヒール 1 プロテクト 2

    ダークブラスト 5 エナジードレイン 3 ファイブ・ブラスト 1

    

  スキル:近接戦闘(剣) 2

      物理保護結界 3

      対魔結界 4

      暗黒魔法 5

      強制魔術 6

 

 備考:ようじょになった魔王たん。

    残念ながら、くっそ弱い……そのうち強くなるよ! きっと!

 

-------------------------------------


 ……なにこれ? MPとか魔法系のパラメータがぶっ飛んでる以外、くっそ弱いんだけど。

 ダークプリースト? リアンと同類の回復職なのかなー。

 って言うか……なんか、魔王っぽくなくね?


 何より気になったのは……。

 

「……梅桃さくらって何?」


 私がそう呟くと、魔王様はビキって感じで固まる。


「う……うぁ……う……」


 なんか、見る見るうちに真っ赤な顔になってく。


「……えっと、どうかしたの? お名前、梅桃さくらでいいのよね?」


「うぎゃああああああっ! お主、何故っ! その名を知ってるのだっ!

 お、おまっ! ワシになにをしたぁあああああっ!」

 

 ……なんか、想像以上の狼狽えぶりだった……。

 あれ、地雷踏んだ?

 

「……何って、ステータス魔法……知らない?

 名前がわかって、本人が目の前にいればスキルとか能力値がモロ解りになるんだけど。」

 

「そ、そんなもんがあるのか……? でも、なんで? なんでぇえええっ! ワシの前世の名前が解るんじゃああああ?

 それは……この世界の誰にも言っとらん、ワシのトップ・シークレットなんじゃよぉおおおっ!」


「なんでって……そういう物だとしか……。

 言っとくけど、わざとじゃないし……ねぇ、ルシなんとかより、サクラちゃんとか呼ぶのはなし?

 そっちの方が可愛いし、見た目にもあってるんじゃないかな。」


「さ、さくらちゃん? う、うむ……その名で呼ばれるのは久方ぶりじゃ……悪い気分ではない……な。

 そ、そうじゃな……と、特別だ……部下がいない時なら、ちょっとくらいは構わんぞ!

 ほら、ワシ……今度こそは部下、領民、誰からも愛されるちょっと素敵な魔王様とか目指したいし!

 とにかく、無礼は問うまい……だが、そう言う事なら、ワシの実力を思い知ったであろう?

 はっはっはっ! 恐れおののけ! 我こそは史上最強の存在なのじゃからな!」


「……ごめん、魔王様……なんか、超弱いんだけど……レベル3で、この数値だと魔王軍の隊長クラスより弱い。

 魔法関係は数値がおかしいくらいなんだけど、防御とHPがアレだから、殴られたらすぐ死んじゃうかも。」


「ぬ、ぬわにぃいいいいっ! ど、どれ……ワ、ワシにも見せてみろ!」


 魔王様……なんかダッシュで私のそばに来ると、空中に表示されてるステータスをしげしげと眺める。

 

「これか? これがワシのステータスなんじゃな!

 なっ! ……本当にこれが今のワシの能力値なのか? じゃ、じゃが、比較対象がおらんとなんとも言えんぞ?」

 

「ちなみに、私達の中で一番レベル高いエストはこれくらい。」


 そう言って、隣にエストを連れてきて、彼女のステータスを魔王様に見せてやる。

 

「……なんじゃこりゃ……ワシ……ワシ! これではめちゃくちゃ弱いではないか!

 すると何か? ワシ……もしかして、お前達から見てかなーり雑魚なのか?」


「ごめん、いいにくいんだけど、その通り……。

 あ、でもこれだけ魔法系の数値が強いなら、後衛としては十分じゃないかな。

 でも、正面切って戦ったら……たぶん、私やエストならワンパン?」


 私がそう言うと、魔王様……跪くと、床に両手をついてズーンと落ち込む。

 ……なんか気の毒になってきたよ?


「あ、あの……良く解かんないけど、そんな落ち込まないで……。」


「き、気遣いなぞ無用じゃ……ワシ、泣いてなんか居ないもん。

 ほら? な、なにせ……ワシ、復活したてじゃからのう……つまり、脱皮したてのセミのようなもんなんじゃよ。

 つつかれたら、ふにゃふにゃじゃからすぐ死んでまうのじゃ……じゃから、つつくとか酷いことはしちゃいかんのじゃ。

 かつての力を取り戻せたら、きっとワシ最強、無敵ガガガなんじゃよ……ホントじゃよ?

 し、信じてくれぃ……あ、あと……とってもすまんが、この事は皆には黙っていて欲しいのじゃ。

 なにせ、ワシの威厳に関わることなのでな……あと、本名も……な? 武士の情けじゃ……この通り、頼む!」

 

 そう言って、ジャンピング土下座を決める魔王様……もはや、この時点で威厳も何もなかった。

 

「……解った……その辺は配慮するから、立ってよ……。」


 なんかもう、この土下座スタイルの時点で、部下に見せちゃ駄目な感じ……とりあえず、手を貸して土下座解除してもらう。

 

「お、おう……なんか、すまんのう。」

 

「誰が見てるか解かんないんだしさ……土下座とかやめよ? ね。

 黙ってるのは構わないからさ……それより、聞きたいのはリアン達を呼びつけた理由。

 まだ話してくれてないよね? って言うか、あんたよりも、むしろギャプロンの方に用事あったんだけどさ。」

 

「……うむ、ラピュカ皇国の皇族の件について、是非直接伝えたくてのぅ……それが呼びつけた理由なのじゃが。

 まずは姫殿下らを脅迫して、面白半分で死地に赴かせた事については、ワシから先に謝らせてもらおう……。

 まったく、ギャプロンの奴、非力な者が足掻く姿が見たかったとか平然と抜かしよったからのう……アヤツにはそれなりの罰は与えるから、それで手打ちとしてくれんかのう……。

 最初は、ギャプロンから魔王の座を引き継いだ時点で姫殿下達は引き上げさせるつもりだったのじゃ。

 けれどもなんぞ、面白そうだったのでな……つい、お主らの戦いぶりを見学させてもらっておった。

 失敗続きから、学習して……仲間と共に力を合わせて、困難を乗り越える。

 ……お主らの戦い……王道展開ながら、実に見ていて楽しかったぞ。」

 

 ああ、なんか納得がいった。

 無神経にお風呂場に入り込もうとしたのも、同性だったからって事か……誤解して悪いことしちゃったかも。


 これもひとえにダニオが悪い!


 けど……ギャプロンの仕出かした非道や暴虐については、正直納得はできない。

 魔王様本人は……なんとも憎めない奴なんだけど……それとこれは話は別……下の不始末は上の責任だと思うの……罰は与えるって言ってたけど、そんなの知らないし。

 

 侵略戦争とかしまくって、ばたばた人死も出たって言うし……頭が代替わりしたからって、そうそう改められるものか……そもそも、この魔王様、くっそ弱い……。

 

 結論、ギャプロンがどれくらい強いのか知らないけど、一発ぶん殴らないと気がすまない。

 

「なるほど……で、その監視が音信不通になったから、気になって、代替わりの挨拶ついでに呼びつけたと?」


「まぁ、そう言う事になるのう……ギャプロンめが幽閉しておったラピュカの皇族については、すでに解放させておる。

 ひとまず、人間どもの統治者として、我が魔王国の内政を担当してもらうと言うことで話を付けておる。

 まぁ、事実上ラピュカ皇国の政権復帰なんじゃがな……。

 一応、名目上は我が魔王国の一部という事になっておる……ひとまず、軍事はワシらが受け持ち、税収の一部をワシらに貢ぐ事になっておる。

 他の傘下の国々についても、同様に主権を各国家に移譲させるべく調整中じゃ。

 最終的に、ワシら魔王軍は各国の軍事と国家間の仲裁のみを請け負う、言わば連合国家の盟主として君臨することになるであろう。

 そんな訳で……リアン殿下とルーシュ殿下もご家族たる皇族たちの元に戻ってもらって構わん。

 ……ワシが至らぬが故に多大なる迷惑をかけたようじゃが……色々すまなかったのう……許せ。」

 

 そう言って、リアンとルーシュに向き直ると深々と頭を下げる魔王様。

 ……あれ、こいつ意外と良いやつ?

魔王ルシファルファ様、終了のお知らせ。(笑)


口調とかオーバーアクション気味な感じは……CVは、けもフレのツチノコちゃんを当てるとそれっぽいかも。

ちなみに、小林ゆうと言う方らしいです……シュタゲの「るか」とか、進撃の「サシャ」とかの人。

ア"ア"ア"ア"ア"!!!


ちなみに、MPの数値がぶっ壊れてますが。

魔法使いが調子こくとあっさり即死するのがダニオダンジョンなので、バランスブレイカー……では無いです。(笑)

ダニオもですが、転生チートの一人なので、こんなもんです。


なお、背丈は120-30cm台のリアンたちより更にちっこくて、110cmくらいしかありません。

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