第八章五行における具体的計略:土計
木計の活用法です
土計
基本戦略
愚直に信用を守る。長年かけて、相手との信頼関係を醸成する。
相手を裏切らない。仲間を裏切らない。顧客を裏切らない。顧客の利益になることを第一に考えて、
愚直にビジネスする。
頭をつかわなくてもいい。愚直に、正直に嘘をつかない。
これこそ、木信の最大の戦略である。
応用戦略
人海戦術
自国の人的コストが安く、敵国の人的コストが高いときに使う。
敵国の高等教育を受け、育成に高いコストをついやした兵士を味方の何の教育も受けていない
少年兵などを洗脳教育して襲わせる。味方十人で敵一人を殺したとしても、敵一人の人的コストが
高ければこちらの勝ち。
これはアフリカ諸国などで、少年兵を麻薬によって洗脳して使われている。
日常生活では、こちらが正しかろうと、間違っていようと、とにかく、自分たちは「正しい」と信じる。
そして、「正しい」と信じている人間を大量に集めて、集団で敵を攻撃する。相手が高等教育を
受けており、仕事が多忙で、多くの時間を割くことができない場合に有効である。
インターネットにおける炎上などもこの方法である。
炎上は正義の鉄槌である場合もあるが、間違いで誤爆する場合もある。
この炎上戦略は、正しい方法で使われていても、高等なプロパガンダ戦略を持っている人によって
反撃される場合がある。
具体的に土信の攻撃を防衛し、反撃する手段は「かわいそう」「やりすぎ」「この中で罪を犯したことがない人だけ石を投げなさい」など木仁戦略によって跳ね返される場合がある。
この戦略を好んで使うのは木仁によって力を得た火礼である。
いわゆる「被害者ビジネス」である。
具体的事例を紹介しよう。
お笑いコンビ・ウーマンラッシュアワーの村本大輔氏がインターネット民から攻撃され炎上し、
ラジオ番組をさせられることとなった。
その後も炎上が続いていたが、評論家の岡田斗司夫氏が「村本氏はインターネットでベッキーに
対するバッシングを可愛そうだよね、と擁護した。そうした優しい心がネット民の怒りを買って、
不条理に番組を降板させられた。しかも、実際に抗議しているのは多数に見せかけた一人だけだった」
と繰り返し、反復アナウンスし、見事この バッシングを沈静化させた。
これは、攻撃側に良心の呵責を植え付け、攻撃を鈍らせる方法である。
ベトナム戦争当時、中国の工作員がアメリカに入り込み、若者にアメリカが加害者であると
吹聴し、国内で内紛を起こさせ、前線のアメリカ兵に十分な支援がいきわたらないようにして敗北させた、被害者戦略も同類のものである。
この岡田氏の戦略は極めて見事であった。
まず、冷静に考えれば、メールアドレスは一人でいくつも取得できない。通常、番組を降板させるには
百人以上の抗議がなければならないが、メールアドレスはフリーメールを使っても100もそろえられない。電話でも音声で特定される。手紙も消印で分かる。だから、一人で芸能人の人事を左右するなど、
水智で解釈すればすぐに無理だと分かる。しかも、実際にリサーチしてみると、
村本氏が降板させられた理由は正義の心でベッキーを守ったから、女性の権利のために戦ったからではなかった。
『40、50で結婚していない女は、欠陥住宅と同じだ』
と発言し、女性の人権を侵害したことが降板の原因だった。
このように礼火の攻撃は水智によって防御することができるが、本来、土剋水であり、土信の人は水智が
嫌いであり、このような知的アプローチやリサーチをしない場合が多いので、容易く火礼に鎮圧
されてしまう場合が多い。
それに対抗するためには、歯を食いしばってでも、嫌いな水智を優遇して活用しなければならない。
ここにも、五行の活用戦略、相克がかかわってくる。
長谷川豊氏が「障碍者は金がかかるから殺せ!」と発言し、そのあと、自分は狂信者に攻撃されていると
被害者をアピールして知名度を上げようととしたのも火礼の被害者ビジネスの応用編、
炎上ビジネスであるが、これは社会的反感が蓄積し最終的には破滅しかない。
村本氏の女性差別発言も基本的に炎上マーケティングを狙った作戦であるが、これは高等戦術であるとともに自分が圧倒的強者であり論敵を圧力で握りつぶすだけの力がなければ不可能であるので、
無名の者が有名になるために使っても、被害のほうが大きく利益が上がらない場合が多い。
被害者ビジネスは基本的に圧倒的強者、圧倒的加害者のみが使いうる手段であることを心したい。
キーワード
物量作戦、知者の活用。コスト計算。リサーチ、ロジック
信念を貫くためには智者の援助が必須。自分を客観視する第三者的視点がなければいくら正義の心があっても滅びる。