第七章:五行における具体的計略:火計
火計の具体的使用方法
火計
通常戦略。
燃えやすい家屋に火をつけて敵の戦力を消耗させる。
これは通常マーケットに応用すると、ディスカウント戦略である。
たとえ赤字になっても安い値段で商品を売り、ライバル企業が疲弊して撤退してしまい。
市場を独占すると値段をつりあげて元を取る。
ディスカウントによる市場のぶんどり合戦は経費がかからず、安易に出来るが、
利益が縮小して思うような利潤を得られない欠点がある。あくまでも敵を潰すための
消耗戦である。
これは、戦場における焦土作戦も同じであり、民間人への絨毯爆撃は、敵を消耗させるが、
敵を屈服させるには至らない。
本来占領すれば鹵獲できる敵の物資も灰になってしまう。
火計は安易にローコストでできるが、やり方を間違えると、自らも被害を受けるという点で、
極めて重要な計略であり、リストと効果を十分に理解した上で、こちらが圧倒的強者であり、
敵が圧倒的弱者の集合体である時が使いどころである。
相手が弱者であってもその数が多いと掃討がやっかいである。そういう時にこの戦略を使う。
応用戦略
木計との併用。
被害者ビジネス。
自分は被害者だと訴えつづける。それが嘘であっても何度も連呼することで、衆人を信用させることができる。
ただし、これも、自分が圧倒的強者であり、攻撃対象が反論してきても、集団と暴力によって
沈黙させられる場合にのみ有効である。勢力が均衡しているときにこれをやると、敵側も
反証をもってきて、攻撃した側が社会的信用を失う。戦争においては、国際的信用を失う。
よって、相手の国が崩壊し、反論できる放送局を喪失している場合、欧米の対イスラム戦などにおいては、一方的に欧米は被害者、イスラムは悪というプロパガンダを流布し、同盟諸国の首長にも、
それを連呼させる。有色人種の主張に「テロとの戦い」と反復して言わせることにより、
それら諸国の国民にも「自分たちも被害者なのだ」という被害者意識を醸成され、加害行為に
加担することへの良心の呵責が麻痺する。
いずれも、火計は攻撃側が圧倒的優位であり、物資、情報とも掌握している場合に大きな成果をあげる。
勢力が拮抗している場合に行うと、失敗する場合もある。ここがキーポイントである。
被害者ビジネス応用編。
自分たちは善良でるのに攻撃されていると嘘であっても被害を訴え続けることと併用し、
相手が同質の被害者プロパガンダを行ってきた場合は、
「あれは実際には存在しない仮想的を作って国内を団結させる手段だね。実際は敵なんていないのに」
「誰と戦ってるの?」
と実際に敵が存在しているにもかかわらず、敵など存在せず、自国のリーダーが悪意を持って他者を攻撃している。と敵国国民に自国が加害者であると思いこませる。特に敵国が劣勢で国民の心が弱っているとき、敗戦直後には徹底的に相手が加害者であると圧倒的な力をつかって言わせつづける。心でそう思っているかどうかは問題ではない。良心の呵責を捨てて、徹底的に弱った相手を加害者と思いこませる。これは相手が荒廃している時ほど効果的である。相手を愚か者である、被害妄想であるというプロパガンダを繰り返しすることによって、相手が狂信者であり
話しが理解できない人間だから殺してもいいという洗脳を兵士に行い、より効率よい敵への殺戮を
兵士に実行させることができる。
ここでのキーワードは
「反復」「実際は絶対的強者でなければ自分が被害者だと認めさせることはできない」
「圧倒的優位の時使用すべし」「一瞬でも良心の呵責をもてば失敗する」「嘘は殺されてもつきとおす」
「嘘も100回言えば本当の事とされる」「嘘を認め、謝罪したら負け」
火計は圧倒的優位の時に使用しないと効果が薄い。
各国でも、自国の国力が被害者国より圧倒的優位である時に積極的に使われている。