表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
エリシュオンの歌  作者: きのこVSたけのこ
4/8

第4話 苦労人体質...?

おまたせしましたー!面白くなかったらすいません(´・ω・`)

エヌ暦2741年


もう小学校3年生か、早いな。


小学3年生と言えばあの事故・・・家族を無くした時と同じだ。


────当時の俺は何が起きたのかわからなかった、目の前でお父さんがぺしゃんこで、お母さんのお腹には鉄が刺さってて、リンズはガレキで顔と手しか見えなかった。


俺は何故あの時間1人だけ助かったのだろうか。


アテナは「あなたにはきっとやらなければならないことがあるのでしょう、まだ死ぬ時じゃなかったのです」って言ってた。


やらなければならないこと・・・か。


俺に、俺なんかにこれから成すべきことがあるのだろうか?


それは俺に出来るのだろうか?


そもそも俺でいいのだろうか?


・・・それはまだ俺にはわからないな。


「ゾール!ゾールってば!」


「・・・あ、あぁレイ。」


レイは少しふくれっ面して睨んできた。


「もー!私の話聞いてたの!?」


あーそうか、俺レイの話を聞いてた途中だったんだ。


・・・何の話してたんだっけ?


「ごめん聞いてなかった・・・」


「・・・」


レイは無言で睨んでくる。


「ごめん・・・で、何の話だったの?」


俺は軽く謝って話を促し、レイはしぶしぶ口を開いた。


「・・・だから、ついに私達も決闘できる学年になったねって話だったんだけど。」


レイは不機嫌そうだ・・・後で機嫌直しとこ。


にしても決闘か・・・俺には縁のない話だ、欲しいものもあるにはあるが決闘なんてリスクの高い方法を取らなくてもいいし。それに倒したい相手も居ないし・・・


「うーん、決闘は別にやらなくてもいいからなぁ」


するとレイは微妙な表情を浮かべ


「ゾールはその気無いかもしれないけど、向こうはそうでもないみたいだよ?」


と、レイが指をさした先には


凄い睨みをきかせているフリースがいた。


「フフフ・・・ゾール、ついに決闘ができる学年になったねぇ!」


フリースはグイグイとレイを押しのけて俺に突っかかってきた。


「ゾール!いまここでお前に決闘を・・・」


「あっ、もうこんな時間じゃないか~さてとレイ帰るぞ」


俺はレイの腕をつかんでそそくさとその場から立ち去る事にした


「お・・・お前!僕にビビったのか!!そうなんだろう!おい!ゾール!ゾーーールーー!!!」


フリースが叫ぶ、俺は耳をふさぐ。


「えっ・・・えっ・・・?いいの?」


レイは困惑している。


「いーんだよ、相手してるだけ時間の無駄さ。」


俺はレイに適当に相槌をうち帰路についた。


どうせ決闘しても俺が勝つし・・・やっても意味無いだろ。


いや、慢心じゃないぞ?俺は日頃から体もそこそこ鍛えてるし、知識も蓄えてる。


魔法は使えないけどそれもカバー出来るくらいには努力しているつもりだし、先生も友達もそこは理解してくれている。


だからあんな温室育ちの坊ちゃんに負ける訳ないしやる意味もないんだよな。


・・・無駄なんだ、無駄無駄。


俺は髪型がコルネの吸血鬼の息子さながらのセリフを心の中でつぶやいた。


「じゃあ、また明日ねゾール」


「ああ、また明日な~レイ」


家につき、レイと別れて俺は家に入る。


「ただいま~」


「おかえり!おにーちゃん!」


出迎えてくれたのはラシャだった。


「お、ラシャか、お母さんは?」


「お母さんはかいものしてるよ!」


ラシャは元気よく答えてくれた、ラシャはもう6歳だ。


大きくなったな・・・しかも素直でいい子なのだ。


俺はふと地球での妹、リンズのことを思い出して懐かしい感傷に浸った。


「おにいちゃん」


ラシャは俺の服の裾を引っ張りながら上目遣いで話しかけてきた。


「ん?」


「おうちひとりで怖かったの・・・だからおねえちゃん帰ってくるまで一緒にいて欲しいな・・・なんて」


あーまぁこの年でひとりで家にいるのも辛いよなぁ・・・


「あぁ、いいよ。」


とたんにラシャは笑顔になり


「わぁ!ありがとうおにいちゃん!だいすきだいすきだいすきー!」


と抱きついてきた。


「おわぁっ!ととと・・・あぶねぇあぶねぇ、びっくりしたぜ。」


ラシャはあわてて離れて


「わわっ!おにいちゃんごめんない!!」


と申し訳なさそうな表情を浮かべた。


「いや、怒ってないよ、びっくりしただけ。気にすんなって!」


俺はラシャの頭をくしゃくしゃに撫でた後に


「さ、リビング行こうぜ」


と声をかけた。


「うん!」


ラシャも笑顔に戻り後についてきた。


しばらくトランプや会話などをしてるうちに扉が開く音がして


「ただいま~」


姉の声が聞こえた。


「おねえちゃん!お帰りなさい!」

「姉ちゃんお帰り」


姉、エルムは小学校6年生だ。

俺や1年のラシャより授業時間が少し長いので帰るのも遅くなる。


「おっ、兄妹仲良くカードゲームかい?いいね~、私も混ぜてよ。」


エルムは俺らがトランプをやってるのを見かけてバックをほっぽりだし混ざってきた。


「姉ちゃんカードゲーム上手いもんな~」


実際エルムは強い、頭の回転が早いのだろう。

俺もエルムにはたまにしか勝てない・・・。


「おねえちゃん手加減してよね!」


ラシャはエルムに念押ししている。


「フフフ、任せて。実の妹に本気を出すほど大人気なく無いよ私は!」


「よかったぁ~おねえちゃん優しいね!」


その日はいつもに増して華麗なプレイングをやってのけるエルムに俺達はボロボロに負けた。


「お、おねえちゃんひどいっ!」


ラシャは泣きそうだ。


「ふふん、私を倒せる者は居ないのよ!」


エルムは上機嫌でカードを頬の近くに寄せて高笑いをしている。


「うえーん!おにいちゃーん!」


ラシャが俺に泣きついてきた。


「はは・・・よしよし、お前も頑張ったなラシャ。いつか姉ちゃん超えるよ。」


俺はラシャの頭を撫でつつフォローに走った。


「そうかな?」


ラシャは顔を上げ涙を流した目をこすりながら聞いてくる。


「ああ、きっとな!」


俺はポンポンと頭を撫でた


「むむ、ラシャ羨ましいな~。ゾール!私も頭撫でられたいぞ!」


エルムは大人気なくそんなことを言ってきた。


「むー!おねえちゃんはいいでしょ!」


ラシャは場所を奪われまいと抵抗をする。


まぁだけど減るもんじゃねえしな、と思い俺はエルムの頭を撫でてやった。


「フフ・・・ゾールは優しいんだ」


エルムは少し嬉しそうだった。


その後も色んな事で遊んでるうちにお母さんが帰ってきた。


「今日はハンバーグにするわ!」


この一言で俺らのテンションはさらに高くなった。


しょうがない、ハンバーグは美味しいのだから・・・!


ちょうどご飯ができた頃に


「おっ、今日はハンバーグかな?」


と、お父さんも帰ってきた


「んー!おいしいー!」


ラシャはすごく美味しそうにハンバーグを食べている。エルムも


「やっぱりお母さんのハンバーグは一番!」


とご機嫌な様子だ。


無論、俺も・・・


「むしゃむしゃ・・・もぐもぐ・・・」


感想を忘れるレベルでがっついているのだが。


「ふふ・・・作った甲斐があるってものね!」


お母さんは得意げだ。


「もぐもぐ・・・ごくん、ゾール最近学校どうだ?」


お父さんはいきなりそんなことを聞いてきた。


「むしゃむしゃ・・・ごくん、特に変わったことは無いかな・・・もぐもぐ。強いて言えば決闘に誘われそうになったことくらい・・・ごくん。」


途端にみんなの目つきが野次馬のそれに変わった。


「ええ!相手は誰?」


エルムはこの手の話題大好きっ子だ、がっついて聞いてくる。


「ん?フリースって奴だよ。もぐもぐ」


するとお父さんが


「えっ、フリースってまさか・・・」


と聞いてきたので


「フリース・シャンブレー、シャンブレー家の長男って事で有名かな・・・ごくん」


そう答える


「「「えええええ!!?」」」


エルム、お母さん、お父さんの3人はグリフォンが電気超電磁砲食らったような顔をしている。


ラシャはわかってない顔だな、当たり前か。


「お、お前・・・!」


お父さんはなんて奴に喧嘩売ってんだ!と言わんばかりの表情だ。


「大丈夫だよ、受けてないし。受けなくったって勝負は明白だよ・・・むしゃむしゃ。」


お母さんもお父さんも何故かそれで納得したようだ。


・・・多分俺が負けるって風に捉えたんだろうけど説明するのもめんどくさいし、ハンバーグ美味しいからしゃべる暇はない。


食べ終わったあと、俺は部屋で決闘のことを考えていた。


「やーっぱやるのも無駄だぜ・・・」


と、つぶやいた跡に今日の事をアテナに伝えるためにアテナからもらった端末で連絡しようとした


・・・のだが。


「あれっ、おっかしーなぁ。」


一向にでない。


前はすぐに出たのだが・・・


「・・・忙しいのかな、まぁいいや」


向こうにも事情があるのだろう、俺は寝ることにした。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー


「なぁ、レイ」


「・・・なに?」


学校が終わった後、フリースは1人で座ってるレイに話しかけてきた。


「君はなんでいつもあんな才能無しと一緒にいるのか?」


「才能無し・・・って、ゾールの事?」


「あぁ、そうだよ・・・付き合ってるのかい?君たちは」


「はぁ!?そ、そ、そんなんじゃ・・・!」


レイは顔を真っ赤にして大袈裟に否定する、するとフリースは口元を歪ませた。


「だったらさぁ・・・僕と付き合ってみない?」


「・・・は、はぁ!?」


レイはこれまた大袈裟にリアクションをとる。


「ご存知の通り、僕の家は名門だ。結婚まで行けば君の人生は輝かしいものに・・・」


「はぁ、あきれた。寝言は寝てから言って。」


「お、おいっ!待てよ!!」


その場を去ろうとするレイの肩をフリースは掴んだ。


「ちょっ・・・」


「俺じゃダメなのか!?やっぱりゾールがいいのか!?」


フリースは自然と大きな声になっていた、当然クラスで悪い意味で目立ってしまった。


「僕はお前の事を・・・!」


フリースがレイに何か言おうとしたけどその時


「・・・何やってんのお前ら」


トイレか何かで教室から離れていたゾールが戻ってきてしまった。


「ぞ、ゾール!」


「あっ・・・」


レイはあっけに取られているフリースの手を払いのけてゾールの元へ駆けつける。


「・・・クソッ!おいゾール!君みたいな才能無しがなんでレイと関わっているんだよ!レイが迷惑だろ!!?」


「えっ・・・レイ迷惑だったの!?」


フリースの言葉を何故か鵜呑みにしてしまったゾールに対して少し呆れたレイだったが


「そんな訳・・・ほら、ゾール。思い出してよ・・・『ずっと友達』って約束。」


「だよな!まぁそういう事だから別にフリースにとやかく言われる筋合いは無いぜ。」


「お前・・・っ!」


まだ何か言おうとしたフリースにゾールはデコピンして黙らせた。


「ゾールありがとう、助かった」


「おーう、もう帰ろうぜ」


ゾールは自分の席に戻って荷物をまとめはじめる


それを見つめるレイに対してクラスメートの女子ひとりがレイに話しかけた。


「・・・ねえレイちゃん、聞きたいんだけどさ」


「ん?」


「ゾール君とずっと友達って事はさ・・・その、付き合ったりとかして無いの?」


「えぇっ!?いや、今はまだかな・・・」


レイは顔をまた少し赤くしてしまった。


「ふーん、ならゾール君にアタックしちゃおうかなぁ~」


「・・・えええっ!?」


「いいでしょ、別に。それともレイちゃんゾール君のこと好きなの?」


「いやっ、そっ、それは・・・」


「ならアタックしちゃお~」


クラスメートはそう言ってゾールの元へ走って行ってしまった。


「あっ・・・ぁ・・・」


レイはただそれを見つめる事しか出来なかった。


「ゾールくんっ!」


「どうした?」


「あのさ・・・もし好きな人とか居ないんだった私と付き合って下さい!」


「・・・はい?」


「も、もう・・・2回も同じ事言わせないでよ!付き合って下さいって・・・」


ゾールは少しの間目をキョトンとさせた後、いつもの表情に戻り


「あー・・・まぁ気持ちは嬉しいけど、他あたってくれ。」


「ええー!なんでよ!」


「まぁ、色々・・・おーいレイ帰るぞ」


突然話しかけられたレイはびっくりしてしまい


「ひょえっ!?あっ・・・うん、わかった。」


変な声が出てしまった。


「・・・」


クラスメートはそんなレイを少し見つめた後に


「・・・レイちゃんには勝てないかぁ」


と、一人つぶやき何処かへ行ってしまった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー


今日は大変だったなぁ・・・トイレから戻って教室入ろうとしたらフリースがレイの肩つかんでよろしくない雰囲気だったし。


なんか告白されたし。はぁ・・・


いつもの帰り道、俺はレイと帰りながら1人今日の出来事を振り返っていた。


「ねぇゾール」


「ん?」


「告白・・・されたんでしょ?」


「あっ、聞こえてたんだ・・・」


レイは結構、地獄耳だ。


「うん、でもなんで断ったの?」


えっ?あー・・・

言われてみれば、なぜ断ったのか自分でもわからない。


「よくわかんないなぁ」


「そっ、か・・・フフッ」


「えっ?俺なんか変な事言った?」


「なにも~」


レイは何も答えてくれず、ただ少しだけ上機嫌になっていた。


レイと居ると何故か落ち着く・・・願わくばこの関係を保ちたいものである。


「ほらゾール!早く歩かないと置いてっちゃうよ!」


「おっ、競争か?受けてたってやるよ」


「ちょっ・・・ちょっと!ゾール本気出さないでよ!?」


「手加減してやるほど、俺は甘くない」


どこぞの神将よろしくそんなセリフを吐いた後俺は猛ダッシュした。


「あっ・・・ゾール!ああもう!」


それに続きレイも走り出す。


「さぁ、こっちまでこれるかな?」


「はぁ・・・はぁ・・・!追いつくわよ!」


家に着くまで俺達は全速力で走っていった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー


「おにいちゃん!今日は何の日か知ってる?」


「あーわかんないなぁ」


「我が弟は男子の一大イベントすら把握してないのか・・・情けないぞ」


「ホントだよ~」


姉ちゃんとラシャは呆れたような目線を投げかけてくる。


「・・・で結局なんだよ!」


「もう、おにいちゃん・・・今日はバレンタインデーでしょ!」


「はぁ・・・え!?」


バレンタインデー!?うそやろ!?

異世界でもそんなイベントが・・・あ


俺はアテナの言葉を少し思い出した。


「この世界は科学より魔法が発展した〝もしも〟の地球です。」


もしもの地球・・・だから大陸の配置や形は地球のそれと同じだった。


歴史も途中までは大体同じだったのだと言っても産業革命などは魔法の技術の発展で起きているのだが。


てことはまぁイベントがあってもおかしくはない・・・のか?


「なーに変な顔してんのさ」


「いてっ」


姉ちゃんに頭をはたかれた俺は思考を強制終了させられた。


「はーい、可愛いゾールよ。お姉ちゃんがチョコを上げるぞ~」


「・・・マトモなチョコ・・・だと・・・」


渡されたチョコは存外普通のもので拍子抜けした、姉ちゃんのセンス的にもっとエグイのを覚悟してたのだが。


「失礼な弟だな・・・」


「おにいちゃんおにいちゃん!次は私!」


「おお、可愛いチョコだな。ありがとう」


ラシャのは本当に女の子って感じのハート型チョコだ。


「えへへ~!ありがとう!」


ピンポーン


「ん?誰だろ」


俺は玄関まで行って扉を開くと


「あっ、レイじゃん」


「こ、こんにちは・・・ゾール」


そこには何故か少し恥ずかしいそうにするレイが立っていた。


「どしたん?」


「あっ・・・あの・・・今日バレンタインデーじゃん・・・だから・・・これ」


「おーおー、うまそう」


レイのは様々な種類のチョコが入った物だった。


「ありがと・・・もぐもぐ、うめえ」


俺は姉ちゃんのチョコを食いながら話をしていたので


「ちょ、ちょっとゾール他にもチョコ貰ったの!?」


と言われてしまった。


「え?姉ちゃんとラシャがくれた」


「あ、あぁ・・・ならいいか」


「ん?もしかして渡さない方が良かったかしら?」


「うおっ姉ちゃん」


いつの間にか後ろには姉ちゃんとラシャがいた。


「エルムさん!い、いえそんなことは・・・!」


「・・・フフッ、ゾール。いい彼女さん持ったねぇ」


「はぁ?」

「ええっ!?」

「ふぇっ!?」


俺とレイ・・・と何故かラシャは驚きの声をあげた。


「い、いや別にそんなんじゃ・・・」


「お、おねえちゃん!」


「幸せにしてやるんだぞ~」


俺とラシャの声に答えずそんな事を言ってレイは部屋の奥に行ってしまった。


「か、彼女・・・ゾールの・・・私が?そう見えたのかな・・・えへへ・・・」


レイはぶつぶつなんか言っている。


「むぅ~おねえちゃんったら、変な事言って。」


ラシャも不機嫌だ。


「・・・」


この状況どうすりゃいいんだ!


「は、ハハ・・・寝るか。」


時刻は夕方の18時、明日は早く起きれそうだ・・・。


「あ、じゃあ私もおにいちゃんと一緒に寝る!」


「えっ?」


「な、なら私だって今日はゾールと寝る!」


「ええっ?」


2人とも冗談だよな?


・・・って思ってた時期が俺にもありました。


よりによってレイが泊まることを俺の両親もレイの両親も快諾してしまったのだ。


ご飯食べた後、そろーっと別の部屋に行こうとした俺の肩をレイとラシャが掴み、俺の部屋に連行された。


「・・・」


「ゾール、寝ようよ~」

「そうだよおにいちゃん」


時刻は深夜11時、良い子は寝る時間だ。


「・・・俺は寝ないぞ・・・」


寝てたまるか、てか寝れねえよ!

ああもう、なんでこんなことに・・・


レイとラシャは我が物顔で俺のベットで待機している。


世の男性なら喜ぶだろうさ、だがな・・・俺達はまだ小学生なんだぞ!?


あっ、俺は中身大人だけどね。


いや待てそれじゃ余計に犯罪臭が・・・っ!!


くそ・・・今日は一睡もしない覚悟で・・・。


「よいしょっと。」


「うわぁー・・・」


そんな覚悟はラシャとレイにベットに引きずり込まれることで見事打ち砕かれた。


「・・・えへへ、おにいちゃん久しぶりだね!こうやって寝るの」


「ぐぬぬ・・・!」


「・・・」


俺は真ん中で右手をレイが、左手をラシャがそれぞれ抱き枕みたく抱きついてきている。


「ぞ、ゾール今日学校楽しかったね!いつも私を助けてくれたりさ!」


「むぅー・・・!」


「・・・」


2人はもう夜中なのに俺を挟んでちょっとした戦争をしていた。


「寝ていい?」


「「ダメ」」


・・・チクショー・・・バレンタインデー・・・恨んでやるからな・・・


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ