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エリシュオンの歌  作者: きのこVSたけのこ
1/8

第1話 ベタベタな異世界転生。

初めまして、れっちーです。


今回、暇つぶしに趣味で書いた小説を投稿してみました。


面白くなかったらごめんなさい...。

西暦2006年 8月10日


夏休み真っ最中のこの日、皆でプールや祭り、旅行など普段出来ないようなことを楽しんでいた。


そして、この家族も例外ではなく。


「お父さん!まだつかないの?」


「ハッハッハ、キョウヤはせっかちだなぁ。さっきもその事を聞いたばかりじゃないか」


「キョウヤ、まだかかりそうだからじっと座ってなさい。もう少しだから、ね?」


「もーお兄ちゃん、子供なんだから。」


「お前も子供だろ~!リンズ!」


と車内でたわいも無い会話をしていた。


竜崎家は東京に向かっていた。何故なら竜崎家の長男、竜崎恐也が


「お台場のガン〇ム見たい!」


とせがんできたからだ


父もせっかくの夏休みだから、と承諾。妹も芸能人に会える!と大喜び。


これから楽しい旅行になる


はずだった。


「・・・っ!?」


突然、対向車線からトラックが突っ込んできて


ドガッシャーーーン!!!


ぶつかった。


「う・・・ぁ」


恐也は奇跡的に軽症だった、足はいたんでおそらく骨折していると思われるが生きていた、だが・・・


「お父・・・さん?」


父は即死。


「う・・・かは・・・っ」


母も尋常じゃないくらいの血が出ていて。


「お、お兄ちゃん・・・?パパ・・・?ママ・・・?」


妹、目リンズも目が潰れ、長くはなさそうだった。


「お父さん・・・お母さん・・・リンズ・・・皆・・・うぅ・・・」


恐也は泣き出しそうだった、これから家族楽しく旅行をする予定だったのに、みんな死にそうになっている。


なんで?どうして?


恐也はどうしようもない感情に押しつぶされそうだった。


「き・・・キョウヤ・・・」


「お母さん!!」


恐也の母は最後の力を振り絞って声を出した。


「ごめん・・・ね・・・キョウヤ・・・東京、連れてけなくて・・・」


「お母さん・・・やめてよ・・・死なないで・・・!お母さん・・・!」


「キョウヤ・・・あなたは・・・生きるのよ・・・私達の分ま・・・で・・・」


それきり、母はピクリとも動かなくなった。


「お母さん・・・!お母さん・・・!」


恐也は必死に揺さぶったが母は2度と目覚めなかった。


それから数分後、救急車が来て恐也達は救出された。


父と母は死亡、リンズも搬送先の病院で死亡が確認された。


竜崎家は、恐也だけとなってしまった。


9歳の時の出来事だった。


これ以降恐也は生きる気力を無くし、日々を這うようにダラダラとなんの感動もなく過ごしてきた。


そして、9年の歳月がたち・・・


ーーーーーーーーーーーーーーーーー


2015年 8月10日


あの日からちょうど9年。

片時も忘れたことが無い、あの忌々しい日。

自分から家族を奪い去った時のことを思い、恐也はやり場のない怒りを感じた。


恐也は今、一人暮らしだ。

中学までは親戚の家に住んでいたが、高校に入る時、恐也の意思で出た。

これ以上知り合いが死ぬのを悲しむ位ならば一人で過ごした方が気楽だからだ。


今は夏休み真っ最中、学校は休みだ。

恐也は線香とリンズの大好物であったミカンを持ち家族が眠る墓へと向った。


墓場につき、恐也は迷うこと無く奥の方にひっそりとある三つの墓に向った。


「よう・・・父さん、母さん、リンズ」


恐也はそれぞれの墓に挨拶をして線香とお供え物を起き合掌した。


(あれから俺は生きる気力を無くしちまった・・・なにも楽しくなんかない、どんな事をしても、美味しい物を食べても・・・何も感じない。母さんは生きろと言ったけど、俺はこんな人生早く終わらせたいよ・・・。)


一通りの事を済ませ、恐也はこれ以上居ても仕方が無いと思い帰ることにした


帰路の途中、様々な家族連れを何人も見た。恐也は9年前のことを思い出しまたやり場のない感情がこみ上げてきてしまった。


信号が赤の時、向かい側に居た家族連れを恐也は無気力な目で見つめていた。

そして信号が青になり、恐也は進もうと足を前に進めた瞬間。


横からトラックが止まる気配なく向かってくるのを見た


「アヤカッ!」


父らしき人が叫ぶ、子供はすでに横断歩道を半分も渡ってしまっていた。恐らくはしゃいで走ってしまったのだろう。


恐也は咄嗟に動いていた。


「危ない!!!」


恐也は女の子を突き飛ばして回避させた、だが今度は自分が道路の真ん中にいた。


咄嗟に避けるも間に合うわけなく・・・


「うわぁぁああっ!!」


恐也の体は思い切り吹っ飛ばされた。


(トラックに轢かれたのか・・・あの時と・・・同じだな)


恐也は薄れゆく意識の中で考えていた、自分のとった行動に悔いはなかった。


(生きていてもなんも意味は無い・・・待っててな・・・お父さん・・・お母さん・・・リンズ・・・俺は今から、行く・・・ぞ・・・)


恐也は静かに目を閉じ、それ以降開けることは無かった。


18歳の時の出来事だった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー


うーん、ここは・・・?

あぁ、そうか・・・俺、死んじまったんだっけか。


てことは俺は幽霊なのか・・・幽霊は信じてなかったんだがな。


まぁでもこれでやっとクソみてえな人生が終わった、これからまた父さんと母さんとリンズ・・・4人で仲良く過ごすんだ。


早く天国に行かなければ・・・。


「見てました、貴方のことを。」


・・・ん?この人は誰だ?


「まさかあんな事をするなんて予想外でした、貴方にそんな気力が残っていたなんてね、フフッ」


女の人はペラペラとしゃべり始めた。


「何者だよ、アンタ?」


「私ですか?私は女神ですよ?」


・・・・・・・・・は?


なんだよコイツ、イカレてんのか?


あ、いやでも俺も幽霊だしな・・・あながちホントかも・・・


「ホントかよ?」


「ええ、本当ですとも!」


自称女神はエッヘンと言わんばかりに胸を張った。


「・・・証明できるものは?」


俺は既に自分が幽霊という事もあり半分信じてはいたがそれでも女神という概念は非常に胡散臭い、証拠を見せてもらいたい所だ。


「出来ますよ、それは今からします。その為に来ましたのですからね。」


「何?」


どういう事だろうか、その為に・・・って、わざわざ力の誇示にだろうか?


「貴方の人生は悲しすぎます、人の生は辛い事もありますが楽しい事も沢山あります。ですが貴方はそれを享受出来なかった、それも9年間も。」


「・・・ほっとけよ、俺は生きててももう何も感じないんだよ。」


そうだ、あんな世界。

なにも楽しくない、あの日から・・・

楽しみなんてないんだ。


「いいえ、あります。私はそれをあなたに、いやキョウヤに教えたい、その為に・・・異世界でもう一度人生を歩んでみませんか?」


「・・・え?」


異世界・・・?なんだそれは。

そんなもの本の中だけの話だろう。


「私だけでの判断では連れていけません、キョウヤに同意して頂けなければ意味はありませんからね。」


「んな事言われても・・・そんなの・・・」


もう一度人生を歩んだって、そんなもの・・・意味無いだろ・・・異世界だろうが俺はもう・・・


「まだ、家族の事を引っ張っているんですか?」


「・・・っ!」


「・・・確か、キョウヤのお母さんはこう仰っていましたよね?『私達の分まで生きてくれ』と」


「それは・・・」


それはそうだけど、でも。


「キョウヤ、あなたはお母さんの最後の力を振り絞って出した言葉を無下にするのですか?こんな事で死んで、天国の家族に会って、なんというのですか?『あれからなんの感動も楽しみも無くトラックに轢かれて死んだ』・・・と。キョウヤはそう家族に話すのですか?」


それは・・・そんな話をしたら。

家族はどんな顔をしてしまうだろう。

お父さんは呆れるだろうな・・・

リンズはまた俺を馬鹿にするかな。

お母さんは・・・泣いてしまうだろうか。


「キョウヤ、まだ遅くはありません。異世界でもう一度人生を歩むのです、異世界は元の地球とは全く別の世界ですが楽しい事も勿論あります。辛い事もありますがそれも乗り越えて、そして胸を張って幸せだったと言えるように死んで、それでから家族に会っても遅くはないですよ。」


そうかもしれない、今の俺は・・・まだ家族には会えないかもれない・・・

胸を張れない・・・会ってもまた無気力な生活を天国で送ってしまうかもしれない。それならば・・・


「・・・行かせてくれないか、異世界に。」


異世界でやり直して、沢山思い出作って、胸を張って家族に会う。

それまではまだ・・・家族には会えない。


「ええ、もちろんですよ。辛い事、苦しい事もありますが、きっと乗り越えられます。そしてそれよりも楽しい事をたくさん経験してくださいね。」


「ああ・・・きっとな。」


「では、送りますよ・・・えいっ!」


瞬間、俺の体は光に包まれーーー


俺は新しい人生を歩む事になる。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー


異世界 エヌ暦2732年 9月28日


「~~~っ!~~~っ!」


「きばって!きばって!」


・・・ん?何この状況。

てか苦しい!早く出たい!!


「~~っ!っあ!!」


「よし!出てきた・・・いい子でちゅね~」


ぷはぁ!はぁ・・・はぁ・・・

やっと出れた・・・ここは?


「はぁ・・・はぁ・・・」


「おめでとうございます、元気な男の子ですよ!」


俺が・・・抱きかかえられてる??

女の人に??


「男の子は・・・初めて・・・かな・・・」


「お名前は決めましたか?」


お名前って・・・もしかして俺のことか!?俺にはキョウヤっていう名前が・・・!


「えぇ・・・名前は・・・決めてます・・・名前は・・・ゾール・・・ゾール・フリードライト・・・です・・・」


「いい名前ですね!ではゾール君、お母さんですよ~」


えええ!?ゾール!?てかお母さん!?この人が!!?


「ふふ・・・私の可愛いゾール・・・これから・・・よろしくね・・・」


えっなにこの状況・・・!!もしかして・・・俺って・・・!


「オギャアアア!オギャアアア!」


「ふふふ・・・元気な子、将来が楽しみだわ。」


赤ん坊になってるやんけえええええええええええ!!!!!!


ーーーーーーーーーーーーーーーーー


落ち着かん・・・赤ん坊になるとは・・・

いや、新たな人生を歩むとは言ったがまさか赤ん坊から始めるとは思わないだろ・・・これからどうすれば・・・


「ふふ、無事生まれたようですね・・・あら可愛い!」


・・・・・・こ、こいつは・・・!


「オギャアアアアアアア!!」

(お前は女神!!この状況説明しろ!!!)


「しますよ、その為に来たのですから。あと泣かなくても心で念じてくれればわかりますよ。」


マジかよ!どうやってやるんだ・・・!?


(こ、こうか・・・?聞こえてるか?)


「ええ、バッチリ聞こえてますよ!」


ほう・・・さすが女神様、凄いな。


(そうか・・・じゃ、改めて俺の今の状況を説明してくれ!なんで俺赤ん坊なんだ!)


「言ったじゃないすか!新たな人生を歩むって!あなたはこれからゾール・フリードライトとして第2の人生を歩みます。ここは町外れにあるフリードライト家の館です。フリードライトの家はこの世界では有名な魔法研究家の家系です、キョウヤ君は次男なので跡づきの役割はお姉さんが果たすと思いますが・・・」


まぁ、だよな・・・

いいや、記憶は引き継げてるし・・・


(・・・やっぱり異世界では魔法があるのか。)


「ええ、この世界は機械はあまり発展せず魔法が発展した世界です。ここに生まれ落ちた人々は魔法の素質を持ち生まれます。ですが・・・」


ん?やけに神妙な顔つきになったな・・・


(・・・ですが?)


「どういう訳か貴方には素質がないです、魔法がからきし、という訳です。」


(は?・・・はぁ!?)


待てよ・・・素質が無いって!?そんなんじゃこの世界生きていけないだろ!!てかフリードライトの家は魔法研究の家系なんだろ!?


「安心して下さい、全く使えないというわけではないのです。ですが素質がないのであまりアテにはなりませんが。」


(・・・でもそんなんじゃこれからこの世界でマトモな職業には就けないんじゃないか?)


「・・・いえ、貴方はこれから力を得ます、その力は魔法ではない力です。そしてその力は貴方にしか使えないものです」


なんだ?それは・・・

俺だけの、力?


(おい、それはどういった・・・)


「それはのちのち分かります、今は元気に成長することだけ考えててください!」


(え、お、おいっ・・・!)


「あと、これを渡します。これで何時でも私と連絡が取れます、何時でも頼ってくださいねっ!」


そういって女神は俺にスマホのようなものを渡してきた、それは驚くことになんと俺の胸の中にススス・・・と入っていった


俺はもう混乱して考えがまとまらなかった。


(ええ!?なにこれ!!?胸の中に!?てか待て!おい!女神!!)


「アテナ・・・私の名前です、これからはそう呼んでください。とりあえず、すくすく元気に育ってくださいね!ではまた会いましょう!」


女神・・・アテナはそう言って消えてしまった。俺の新しい人生も大変になりそうだ・・・。


初投稿...右も左もわからんです。

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