夏の世界
裸足で歩く草の上
やわらかな緑の絨毯の上
爽やかな色の風が 気ままに走り抜ける
そびえたつ木々が 風に呼応して葉を揺らす
まあ あの風は元気ねえ 大層男前だねえ
そんな調子で口々に 隣の木と噂する
空はただ 青い 太陽はただ 暑い
天から噂好きな木々を すばしっこい風を
そして緑の上に立つ私をただ眺めていた
幼い私もただ眺めていた
あまりに広くて大きくてどこまでも続く
夏の世界を眺めていた
今でも思い出せる景色
いつまでも思い出せる景色
振り返る夏の世界 繰り返す夏の世界