プロローグ
初投稿です。
第一部はラストまでプロットができてるので、ちょくちょく更新できる・・・はず。
――生は卑しく身は醜なれど、相においては聖白なり。
「なに勝手に寝てやがんだぁ? おぉ、奴隷の分際でよぉ、 立てやコラァァァアっ!」
「もうよせ!」
「あぁん?」
「もう、死んでる。死者をこれ以上、虐げるな」
――千夜の苦界に堕ちれども、陰ること無き慈の光。
「おぃ、てめえ誰に向かって何を言ったかわかってんだろうなぁ?」
「その者の荷は余が運ぼう、だからこれ以上は――――ァグっ!?」
「ゴミがっ、人間様にっ! なにを意見してるんだっつってんだ!」
「グぇ、ア、や、――――ぁうぁァぁっ」
「いいかゴミ、奴隷は人間じゃねえ、家畜にも劣るすぐにおっ死ぬ消耗品だ、そんなものが何を口きいてやがんだ、人間様にむかってよぉ!」
「……ぅ、ぁ」
――人たることさえ許されず、いまだ何をも持たざれど、
「ちっ、おいゴミ。次来るまでにその荷物運んどけ、あとその動かなくなったゴミもいつもんとこ捨てとけや」
――されどこの者ヒトの王。
――世界を総べる王の始祖。
――神に等しき智をもちて、瞳にうつすは確たる未来。
――背にしたものを守るため、己が運命に弓を弾く。
少年が名はエルク。
エルク・ランクロット。
後の世に漆黒の聖賢と謳われし一族が始祖なり。