サカナだべり
「昨日すし屋に行ったんだけどさ」
「寿司かしばらく食べていないな」
「そこで湯のみ見て思ったんだが魚の名前の漢字って変だよな」
「そこまで変か?」
「変だぞ明らかに」
「いやでも雰囲気とか、そんなものでつけてるだろ」
「例えば鰯」
「サカナに弱いと書くな」
「実際弱いのだろうか、捕食者のまえにはだれもが弱者なのではないだろうか」
「自然界をもちだすな」
「例えば鮪」
「サカナに有りと書くな」
「このサカナの味は有りだなってことでつけられたのか?」
「有りなしできめたものでもないと思うけどな」
「むしろ無しと判断されたのは毒とかもってたりしたんだろうか逆に気になる」
「いやそこまで気にならないな、鮪じゃないんだから」
「次に鰹」
「魚に堅いとかくな、これは分かりやすいだろ鰹節はたしかに堅いし」
「そこで何故加工品なんだ」
「イメージしやすいからいいだろ」
「イメージといえば魚で不憫なのは鯖だよな」
「そうか?」
「不憫だぞサバを読むの語源だぞ」
「あぁたしか大量に取れるサバを数えるとき痛みやすいからはやく数えて実際の数とあわないことから実際の数と違う事をそう言う様になったという説もあるからな」
「鯖悪く無いじゃん、人が悪い」
「いやまぁ鯖が痛みやすいことから由来されたものだろ」
「痛みやすい傷つきやすい心ならなおさらそんな言葉は鯖に向けて使うべきではないと思うんだ」
「鯖大丈夫だよ、サバサバしているとかいうから青い澄み切った青空の心を持つ魚で鯖だから」
「じゃあそういうイメージを今後もつように」
「わかったよメンドクセェ」
「イメージというのは重要だからその第一歩として魚をあらわす漢字も改めたほうがいいと思う」
「例えば?」
「金魚」
「覚えやすくていいと思うぞ」
「金を儲けるための魚とかくのにか?」
「言い方が酷いな!」
「金としかみていない浅ましい人間の心が反映された魚だ」
「じゃあなんだったらいいんだ」
「魚に祭りとかくというのはどうだ」
「お前こそ祭りの出し物としか見て無いだろ」
「たい焼きかもしれないだろうが」
「なお紛らわしいわ」
「じゃああれだ子供を騙すというところで擬似餌とか?」
「悪いイメージを定着させようとするな」
「金魚にいいイメージがない、ほら金魚のフンとかでいいイメージ持つのがむずかしい」
「いちばん不憫なのは鯖じゃなくて金魚だろ」
「いや鯖と金魚をいっしょにするなよ、食えない魚に用は無い、なるほど鮪の反対は金魚だったのか」
「絶対に違うと思うぞ」