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旧世代勇者の物語(仮)  作者: キュルビス
旅の日々
38/43

自然の国の殺戮者

……これからペース配分を考えよう……


次回は来週土曜朝九時それか夜十一時!なるべく朝に投稿したい!

「んっ……んんんん~ったはぁ良く寝たぁ。今日も師匠は外かな?」


よ!っとベットから起きあがり窓の外を見る。昨日魔族の男を殺した湖畔で渡が白守をゆっくりと振って朝の運動をしていた。暫くすると運動が終わり珍しくムチなどの手入れをする。それらを全て終えるとのか明らかに近くには生えていない菊の花を少し場所が違うような気がする魔族の男を埋めた所に添え汗を拭きながら戻ってくるのが見えた。なのでシェアルも摩訶不思議な洗面台なる物で顔を洗い朝の運動を始める。五分程身体を伸ばし緋砲と群管を腰に吊るし最初は緋砲だけを抜き構え戻す。次は両方最後に群管のみ。それが終わると次に緋砲・両方・群管の順で今日はどれだけ早く再装填が出来るかを確認する。それも終わると最後にナイフを一列に並べ一本一本順番に握りを確認し鞘へしまう。三本目が終わると共に渡が朝食をもって部屋に帰ってくる


「えあうめひだあらぶっほうなもんしまへ(シェアル飯だから物騒な物しまえ)」

「え?なんて言いました?パン咥えながら喋らないで下さい」


そう言いつつも二本を残しベルトにナイフを下げる。机を片付け二人は食べ始める。渡の朝食は二枚のトーストとサラダ。シェアルの朝食はパン一斤と約一キロある三本の串刺し肉。食べている最中シェアルが昨日の魔族の事を話し出す


「そうそう昨日の魔族いたじゃないですか」

「ん~?いたか?居たないたいた。そいつがどうした?」

「あの後ランスロットさんとどうして魔族が人間の大陸に居たのかって話し合ったんですけど全然わからなくて……結局は師匠にも聞いてみようと言う事になりました。意見を下さい」


フォークで最後の野菜を突き刺し持ち上げシェアルを指す。シェアルはパンを囓ったまま動きを止める


「昨日俺が地図を描きながら最初に考え付いた方からか聞きたいか。それとも最後に考え付いた方からか選べ」


パンを喰いちぎり急いで飲み込みハッキリと真面目な顔をして答える


「最後からで!」

「最後に考えたのは、え~と恐らく奴らは偵察……前回の俺は全く気づかなかったが二年もの時間が空いてんのはそのせいなんだろうな~って思ってコレが当たりなら一人だけでは来ない!ってなって少なくとも二人多くたって三人だ一人はハデに殺しちゃったしマーク為れて最悪狙われる。こんな所かな」


一斤丸々食べ終えたシェアルが言う


「妄想爆発してますね」

「お前が聞いたんだろうが……最初のヤツ聞くか?」


一本目の串刺し肉を持ったシェアルは少しだけ間を開け呆れた顔をしながら答える


「いえ最初のはボクが当てて見せましょう」


右手で持つ野菜が刺さったフォークを口に運びながら左手でどうぞと伝える。二本目の串肉を持ち上げて答える


「こう思いましたね。興味湧かねって……」

「正解」


朝食を食べ終えた渡が言う。そして今度は渡が質問をする


「そーいやぁランスはどうした?」

「ああランスロットさんは隣の部屋に泊まってますよ。ココは安くて良いね!って……」

「あいつはいつまで休暇を取ってるんだ?移動は楽だろうけどアレでも聖王都の最強騎士だぞ?」


そう頬杖を付きながら言う渡の背後から答えが帰ってくる


「安心して良いよ。王は私が帰ってきた時が休暇終了日だって言ってたからさ」

「だったら昨日帰っても良かったじゃないか」

「王に怒られるのは嫌だからね」


とても眠そうに目を擦り窓から入ってくる寝癖を付けたランスロット


「つかなんで窓から入ってくるんだ?隣の部屋だろ?扉から入って来い」

「なんでだろうね。寝ぼけてたのかな……なんてのは冗談さ。少し外を見ておきたかったんだよ」

「大丈夫。今のところ魔族らしいのは来てない。ああランスが飯を食ったら今日もシェアルと目標を捜しに行って来てくれ。」


何時もと同じく胸に手を当て深くお辞儀をする


「任せてください。私が受けている王の絶対命令は王への忠誠と貴方からの願いを出来る限り承諾する事ですからね」

「あ~はいはい」

「ところでワタルくん。昨日の魔族の真相はわかったかい?」

「その事ならボクが聞いておきました。恐らくは魔族側の偵察隊だろって……」


そう言うシェアルを見て渡が徐に立ち上がり手の平で机を叩き怒鳴る


「だーれが偵察隊なんて言ったぁぁあ!」

「師匠でしょ!?」


机を叩く手を平手でなく拳に変え打ち付けながら更に怒鳴り続ける


「俺は意見を下さいと言われたから思った事を話したの!真相と俺の意見とは別個じゃ!」


今の言葉を聞いて口元を引きつらせつつ真相を問うシェアル。それを再度椅子に座り普通に話し出す渡を見て頭を抱える


「真相は偵察よりも厄介」


厄介と渡の口から言った事に疑問を持つランスロット。それに答える様に渡は話し続ける


「俺らが入国した時に門兵が、最近旅人がよく来るな。って言ってたのを思い出しておかしいなと思ったんだ。昨日行ってみたら門兵は殺られて変わりに魔族が上手い具合に変装して門兵やってたよ」


渡は驚き目を大きく開けるシェアルとランスロットを御構い無しといった態度で話しを続ける


「ついでに壁上待機してる奴らも確認してみたけど十人魔族に全員すり替わってた。シフト表とか見ても後一週間は魔族がこの国に部外者を居れまいとしているのがわかる」


するとそこで驚いているだけだったランスロットが口を開く


「ワタルくん。結局のところ魔族は何が目的なんだい?」

「もうわかってんだろ?この国を滅ぼすつもりだろーな」


渡は即答した


「何故だ?他の国でも良かったんじゃないのか?」


それに対してランスロットも即質問で返す


「別にこの国だけじゃないぞ?恐らく……いや今代魔王は俺が倒した魔王よりも嫌な相手だ。人間大陸の至る所に上位魔族を派遣して潰させるらしい。面白い事に一人から二百人の部隊がバラバラに別れてるそうだ。誰と組むかはそいつら次第!一万……三万はこの大陸で戦いやすいように魔族が潜入してる」


そうニヤニヤながら答える渡を見て今度はシェアルが質問をする


「なんで知ってるんですか?派遣の事……」


そしてシェアルは今の質問をした事を瞬時に後悔した。元々ニヤニヤしていたのも気にはなったが危なそうなのでワザと触れなかった。だがこの質問がピンポイントで危ない所だったのだ。邪悪な笑みを浮かべる


「ただの話し合いさ。最初は頑固だったけど時間が解決してくれたんだ。それに大丈夫さ。もうこんな辛い世界に居れないようにしてあげたからね」


うわぁ本当に楽しそうに言うな。という顔をするシェアルと必要悪だね仕方ない!うんうんと首を縦に振るランスロットを見て更にニヤニヤする渡が話しを戻す


「俺の調べではこの国に来ている上位魔族は百二十人。中位は二十二人下位は八人だ。もしかしたら今言った数よりももっと多いかもな」

「随分多い人数ですね」

「それはまた少ないね」

「向こうでの一小隊だからな。それだけ強い奴が居ないって事だけど」

「……」

「……」

「なんかすいません」


シェアルだけが勘違いをしているのでランスロットが教える


「シェアルさん。この大陸は確かに相当大きいけど四大陸の中では一番小さいんだ。魔族の大陸は人間大陸の三倍以上と言われてる」


マジで!?と驚くシェアルに渡が追撃


「故に人口は向こうが圧倒的に多い。大陸の真ん中へ行けば行く程魔族は強くなっていくしな」

「だからと言って負けはしないよ?人間の中には本当に稀だけど私や王、ワタルくんみたいな魔族側魔王の直属部下の七人も引けを取らない力を持った者がいるんだからさ」


お前とアーサーじゃ人質取られた瞬間勝てなくなるだろ。と渡が誰にも聞こえないように呟いた後ランスロットに一言


「ランスは俺の願いを聞いた後はどうすんだ?」

「勿論魔族を排除しなきゃいけない。それにワタルくんがくれた情報のおかげでいろんな場所に危機が迫っていることがわかって良かった。さ!王に伝えるため仕事をしないとシェアルさん行こう」

「早く仕事を終らせて帰りたいのはわかるがちゃんと寝癖とか直して着替えて行けよ?」


あっそっかと言い窓から出て行き数分で戻ってくる。昨日と同じくシェアルの手を掴み窓から飛び降りようとした時渡が止めに入る


「ちょい待ち!忘れてた忘れてた」

「?どうしたんだい?」

「師匠?何を塗って……」


バッ!と勢いよく振り返った渡の手にあるのは手配書。今回の目標が載っている。それを顔の目を覗いた全てを黒で塗りつぶしてある。黒く塗られた手配書を見て二人は気付く


「ワタルくんまさか」

「コレは感だが王宮騎士の大量殺人だぞ?人間技かな?」

「もしそうだとしたら……」

「とても怠いですね」


渡とランスロットがタイミング良く


「「そうじゃねぇだろ(ないよ)!」」

「へ?え?」


ハァーと長いため息の後渡が答える


「王宮騎……いや先ずは別の話をしておくか。魔族は四大陸の中でも最も同族思いだ。一人でも身元がわからなくなったらその国総出で探す」

「?ハァ……」

「昨日俺は二人殺して丁寧に埋めてやった。八割がた……もしかしたら既に俺らは復讐対象かもな」

「それなら宿から出ない方がいいんじゃないですか?」

「それは正しい」


なら何故?と首を傾げるシェアル


「渡、私が話そうか?」

「いや良いよ。えっと、それは正しい。だから最初に戻すんだ。王宮騎士を大量殺人出来……あっ!この世界で大量殺人者と呼ばれるために何人殺る必要があると思う?」

「また唐突に話を変えましたね……え~十人位ですかね」

「俺の世界では八人でも大量殺人者。この世界では一人で百人を一年以内で殺すこと」


少し嫌そうな顔をしてシェアルが言う


「一年ってじゃあボク達だって……」

「全開ぶっち切りで殺人者だなまぁコレが言いたかったんだが!」

「威張りながら言えることじゃないからね!?」


そう言って渡を叱ろうとするランスロット。説教もどきが始まる前に渡はシェアルの質問を変なテンションで回答する


「まぁ王宮騎士ってのは凄い厳選為れてる正義感と力を持つ奴にな。それを大量殺人出来る奴なんて……そりゃそうだ普通に考えりゃあり得なかったんだ!クッソ!少なくともただの上位魔族より圧倒的に強い。そんな奴を外に居させるのは……危険過ぎる!」


頬杖をついていた手はこめかみを抑え目を瞑りながら苦悩の表情を若干隠すように見せつける。次の瞬間目を見開いてシェアルを指差し告げる


「だから捕まえて来い!」

「危険過ぎると思っても尚オレ達だけかい!お前も動け!良い事言うなと思ったのに!」

「シェアル……さん?」

「あっぶないな!いきなり蹴り入れんな!落ち着けな!?」


素が出てるシェアルを宥める渡を見ながら窓際に立つランスロットが口には出さないが


「(ああ、微笑ましい。本当にワタルくんが王宮図書館にある真の歴史書で最悪の鏖殺者おうさつしゃと為れてるとは思えないね)」


そう思い笑う。それに気付いた二人は不思議そうに首を傾げる


「ふふ、ソロソロ行こうかシェアルさん。」

「ぴい!」

「ぴい?おいシェアル。なんだそのふざけた返事は?」

「いやボクじゃ無いですよ」


するとベットの上にある昨日も着ていたシェアルの部屋着からフェイが出て着て煙をあげる


「ごはん!」

「第一声から素直な欲求をありがとう少し待ってくれ。さて…… シェアルもランスも行け行けフェイの飯は俺がなんとかするから」


右手でフェイの頭を撫でるが左手で二人にシッシッと手を振るが直ぐに止めた


「あっ!そうだ……もし今のが真実だとしたら逃げて来たのは魔族側の重要人物かもしれない。それだけ集まる護衛の魔族が多いだろうから忘れないでおくようにしかしまぁ可能性だがな。おらさっさと行け」


いそいそと窓から二人は飛び地面に着地。悲しそうにランスロットが言う


「ワタルくんって朝起きたばかりのフェイちゃんには甘いよね。たまにはあの優しさを私達にもくれ無いかな……」

「ボクは時々あるからそれで良いです」

「王も嘆いていた何時になったらワタルくんとまともな会話が出来るんだろうとね……」

「ボクは時々あるからそれで良いです」

「ワタルくんは【円卓の騎士】って言うか聖王都の人には厳しいからな……」

「ボクは時々あるからそれで良いです」

「シェアルさん。もう少し会話しようか」

「……」

「実はさっきのワタルくんがフェイちゃんに優しく振る舞う行為怒ってるの?」

「……」

「ねぇシェアルさ」

「ダマレ……」

「……(またやってしまったー!)」


女を怒らせるモノではない頭を抱えるランスロットは再び誓う


~~~~~~~~~


シェアル達が行って一時間位たち。その三十分後にはフェイを情報収集に行かせた。そして現在渡は外を走っていた……いやもう全力で逃げていた。渡の背後を追う総勢十人の全員が全員フードを被っている所を見るからに魔族だろうと予想は簡単。なるべく人の居ない方へ走る渡は叫ぶ


「俺の馬鹿野郎!あそこが一番人いないじゃん…………………よし壁に沿って走ろ一日中。そんなに大きくないし回れるだろ」


後ろの奴も道連れに!そう言って銃黄を取り出す。なんともぶっ飛んだ思考回路である


「良いか!諦めようとしたらぶっ放してやるからな!……クククもし俺が飽きたら攻守チェンジだけどな」


ここで渡の長い長い鬼ごっこが始まった


~~~~~~~~~


同時刻


血飛沫と水飛沫が混じった液体が飛び散る。大き目の湖で三百強の上級魔族を一人で葬り続けるランスロット。その上空で水の塊に乗るシェアルは驚きっぱなしだった


「つ、強い!ランスロットさんが強いのはわかっていたけどココまでとは……」


感心しているシェアルの下。ようは湖ではランスロット全力で手加減しながら戦っていた。何故こうなったのかソレは九分前に起きた


,

,



この国の城付近で情報を集めようと昨日と同じ市場を通り抜ける為に向う二人は警戒度を最大にしていた


「シェアルさん。わかるね」

「流石にコレはヤバイです。何処か良い場所……てか戻りましょう」

「同感だよ。やはり市場ココ付近はマーク為れていたか」

「数が異常です。感知しなくても増え続けてるのが気配だけでわかります」


小さい声での会話が続く二人が目を合わせた瞬間。己の持てる最大級の瞬間的な肉体強化を使い来た道を走り抜けた。昨日と同じく緋砲を取り出し昨日とは違う使い方で敵を感知する。そこでやっと気付く追って来ているのが何十では無く何百の多さだと


「多過ぎます!上級魔族なんて戦った事無いからわかりませんけどこんなにいちゃいけない気がする!」

「やっぱり大量の魔族が昨日の内に国へ入って来たのか……ワタルくんに報告した方が良い。もうすぐ宿へ行くための坂だ!少し辛いが頑張ろう!」


走る二人の目線の先には分かれ道がある。右側に行けば坂があり宿へ続いている。左側に行けば昨日の湖へ続いている。ランスロットが右に行こうとした時シェアルがランスロットの首根っこを掴み左の道に入る


「シェアルさん!?どうしたのさ。ワタルくんにも手伝ってもらった方が君の負担にならないよ?」

「師匠が部屋に居ません。縄でグルグルに為れたオーナーと従業員と思わしき人が地下室に転がってるだけです」

「じゃあワタルくんは……」

「わかりません……でもやる事は一つ」


シェアルが一人の魔族を狙い発砲。排除を確信して


「エネミーダウン!」


と言うがそう甘くは無く。弾丸は魔族がキャッチしていた


「倒すだ……ハァ!?」

「ワタルくんが言ってた中位以上の魔族には銃は効かないってこう言う事か……銃を使うとこうやって効かないのか」

「じゃあなんで師匠はボクに銃なんて教えたんだ?国を出て直ぐ教わったら使いたくなるじゃないか」

「オリハルコンなら出来る事があるからじゃない?最終的にはオリハルコン製の銃を渡すつもりだったとか。それに昨日だってワタルくん普通の弾を撃たなかったじゃないか」


その言葉を聞き納得するシェアルは再度魔族達の方に銃を向け発砲。地面に着弾する。着弾した瞬間に地面が爆発し一部の追っ手を払いのける


「へぇー良いね。私もオリハルコン製の武器が欲しいよ」

「師匠が見ただけで絶賛した剣持ってるのに?」

「それとこれとは種類がまるで違う……よ!」


会話中湖に着く。すかさずランスロットがシェアルを掴み水に触れ両方を上空に投げ飛ばす。不安定な態勢で空中に居るシェアルは思う


「(何故投げた!?態勢悪過ぎて立て直せない……水面に叩き付けられる!)」


事は無く何時まで経っても落ちない。背中はひんやり冷たくシェアルは目を閉じていたがゆっくりと開き現状を確認する


「浮いてる?この水沈まないし落ちないのか」


バシャンと音がするので下を見るソレはランスロットが湖の上に着地する音だった


「ふぅワタルくんの助けを得られないと言う事は私が主体で戦わなきゃね。シェアルさん君に傷を付けたら怒られるのは私だから……そこで見てなさい良いね?」

「は、はい」


何時もは見せない真剣な顔に圧倒為れるシェアルは動けない。守る約束だ。と小声で言ってからゆらりと立ち上がり声を張る


「どうも魔族の皆さん!私はランスロット。貴方方魔族側が殺したい人間ランキング第三位ですよ!」


この言葉に魔族達は、あの話は本当だったのか?本当にランスロットか?とか殺ったら昇格確定じゃなど呟き始める


「ハァ……ブツブツ言ってないで早く来なさい。そこまで長い時間かまってられないんだから」


魔族も本物だろうと偽物だろうと同族殺しの仲間と言うだけで十分と言う結果になり敵意剥き出しの表情をしランスロットに襲い掛かる


「やっとか……」


そう言うと先ず一番前に二人居た魔族の男女の頭を掴み後ろに投げる。投げられた魔族の女は干からびて絶命しており男は目が飛びたし身体が爆散する。コレらを見て魔族達はなんだと、あり得ないなどの言葉が飛び交う。

ランスロットの能力クラスはレゼ『液体支配ヒカイト・クエスト』ありとあらゆる液体を支配下に置く力


「さあ来なよまさか一人や二人同胞をあっさり殺したのに慄いてるのかい?」


安い挑発に乗り十人程の魔族が一斉に襲い掛かる。ランスロットが右手の平を魔族達に向け右から左に振る。すると水が襲い掛かった魔族が水に阻まれその中に入っていく


「なんだ?動けない!?どういう事ガボォボコボコ!」


手の平を拳に変えるそれが合図だったのだろう。急に水中に入れられその場から出ようともがく魔族十人を一瞬で肉片と血溜まりに変えた。そしてコレが九分前から今のお話




「アロンダイトは抜かなくても良さそうだ」


ランスロットが両の手を合わせる。水が魔族達の両サイドから迫り避けれない魔族が飲み込まれランスロットが手に力を入れるとまた血飛沫と水飛沫が混じった液体が飛び散る。右腕で掌底を左上に伸ばすと魔族の足元の水が飛び出て魔族を飲み込みそこで拳に変えると再度血飛沫と水飛沫が混じった液体を飛び散らせる。今度は人差し指で横一線するように手を振る薄い水の膜が発射され一番前に居る魔族を二つに両断する。そしてココでシェアルのみが異変に気付く。両断した魔族が持つ物を見て顔を青くする。


「く……そが道連れにだ。くら……え!」


その魔族は指弾を放つシェアルが撃った弾丸が今度はランスロットの額を撃ち抜く。額を撃たれたランスロットは前のめりに倒れ湖に沈んでいく


「ランスロットさん!」


今の声に反応して約五百の目がシェアルを見る


「くっそ!」


銃を構えて発砲!……では無く構えて終わる。シェアルが見ていたモノそれは水中で満面の笑みを見せ手を振るランスロットだった。手を振るのをやめ目を切り下から魔族を見上げる。シェアルに襲い掛かろうとしている魔族全員の足が水に掴まれる。魔族がなんだと確認するする前に湖に引きずり込まれ強制的に口、鼻、耳から水を体内に流され残り約二百五十人を溺死体に変える。ランスロットが湖から這い出て来て水面に座のはその直ぐ後


「ランスロットさん。よかった!無事だったんですね」


そう言って上に居たシェアルが飛び降りドボンと湖に落ちる


「うん。全然大丈夫。支配者は支配している物に慣れるからね。ワタルくんだって魔素になれるんじゃないかな」

「ブハァ!そりゃ凄いですね。所でなんで魔族もランスロットさんも水面に立ってるんですか?」

「やっぱり知らなかったか。私は皆とは違うけどシェアルさんだって水面に立てるよ?魔力具現化で足場を作る。以外と簡単さ」

「魔力の無駄遣いじゃ……」

「元々魔族は魔力が多いからね。ほら」


ランスロットがシェアルを持ち上げ水面に座らせる


「なんで!?」

「私の場合は水を圧縮してその場に居れるレベルにしてるだけ」

「そんなヴァカな!」

「はは冗談さ。擬似的な水層を作ってるのさ」

「水層……ああアーサー王の持ってる剣と同じ鉱物ですね(師匠のだけど)」

「そうそう。さっきシェアルさんが乗っていたのも擬似水層だよ」

「成る程……ヘックチ!」

「(何そのクシャミ可愛い……)水に濡れてしまったし部屋に戻ろうか」

「そうですね。帰りましょう。もう直ぐ師匠も帰ってくるでしょうしね」


~~~~~~~~~


昼もとっくに過ぎ真上の空が橙から黄に染まる頃、渡はまだ魔族に追いかけられていた。しかし魔族側の人数が減り十人から六人に減っている。援軍を呼ぼうと追う事をやめようとした所渡に撃ち殺されたのだ


「逃げんなクズ!お前ら奴を絶対に逃がすな!同胞を六人も殺りやがったんだ!」

「当たり前だ!目の前で四人もだぞ!?生きて来た事を後悔させてやる!おいお前!さっさと止まって諦めろ!」


悪口雑言を受けた渡が言い返す


「うるせぇ!追いかけてくるのは別に構わないが離脱・体力切れにはぶっ放すって最初に言っただろうが!自業自得じゃボケェ!」

「何処までも追いかけて必ず捕まえてやる!」

「やれるもんならやってみろ!決めたぞお前らの体力切れを待つぞ!惨たらしく消し炭にしてやる!」


この日渡が宿に帰って来る事はなかった


~~~~~~~~~


各々の部屋に戻ったシェアルとランスロットは身体を拭き着替え少し休んだら再度渡とシェアルの部屋に集まる事にした。そして着替えている所でランスロットは気付く


「シェアルさん!シェアルさん!大変だ!」

「何ですか女子が着替えてるかもしれない部屋に窓から入ってこないで下さい」

「そ、それはゴメン……って今は言ってる場合じゃない!」


とても焦ったランスロットを見てコレはただ事では無いと気付いたシェアルも神妙な面持ちで耳をかたむける


「な、何をそんなに……」

「私は気付いてしまったんだ……ワタルくんのお願いをまだ終わらしてない!」


その言葉を聞きシェアルが表情を凍らせた。急いで窓の外を見て太陽の位置を確認する。太陽は真上を通り過ぎていた


「夜……に…………きゃ……」

「そうだねシェアルさん!絶対に……」

「「絶対に夜までに捕まえて来なきゃお仕置きさせる!」」


そのまま窓から飛び降りる二人。実は、うわやっぱり高い。と午前中言っていたシェアルも今はそれどころでは無い。最近の渡のお気に入り道具は蝋燭と三角木馬である。走る二人の下瞼には若干涙が溜まっていた。直ぐに二人で湖に沈めた魔族の顔を確認する……しかし居ないので街に走り出す。因みに水で圧殺した魔族達の顔はランスロットが覚えており問題無いの事


「シェアルさん感知だ!感知すれば早くすむ」

「生憎ボクの感知も師匠のと同じで個人を判断できないんですよ」

「万策尽きたか!」

「諦めるの早過ぎでしょ!一個しか言ってないですからね!?立って走ってください。うなだれてる場合じゃないんですから」


慌てつつも神速的かつ正確に歩いてる人間の顔、家の中に居る人間の顔を確認し走る二人。小さな国と言えど一人一人見て捜すのは時間が掛かり直ぐに夕暮れ時になってしまった。しかし二人が本気の捜索をした結果。国の土地や人ほぼ全てを目にし安全という結論に至った。残るはこの国の城門近くにあるかなり高めの市場と城内部だけ


「ゼェゼェ……ランス…ロットさん……ハァハァ」

「何?なんか見つけたの?」

「……なんでそんな……ピンピンして……ゼェゼェ…それは良いや…気づいちゃった……んですけど」

「ファァ……なんか眠くなって来ちゃったよ。所で何に気づいたの?」

「ハァハァ……フェイちゃんが……ゼェゼェ」

「ちょっとだけ休もうか。何か買ってくるよ」

「すいません……」


ランスロットは人ごみに入って行き直ぐに戻ってくる。その手には青いドロドロした何かが入った紙コップのような物を持っている


「ランスロットさん?なんですかその気色悪い液体は……」

「え?私の好きな飲み物だけど?」


毒々しい青色の飲み物を受け取り覚悟を決めて一気に飲む……苺とパインの中間みたいな味がし他にも色々な物が入っているのだろうとシェアルは思った


「ワタルくんの機嫌取りにならないかな……」


瓶に入った青いドロドロの液体を見せる


「なんか渡した時の反応が凄く怖い気がしますけど……無いよりはマシじゃないですかね」

「だよね……」

「「ハァ見つからないな……」」


ココでランスロットが何故休憩してるのかを思い出す


「あっそうだ。所でさっきは何に気づいたの?」

「ああ……冷静に考えてみたら違うような気がして来ましたけど聞きます?」

「十中八九この市場にも居ないだろうし……市場を一通り見てから聞こうかな」

「わかりました。直ぐに見て回りましよう」



渡・シェアル・ランスロットこの三人はまだ知らない……この国まで追って来た者の異常な人格と圧倒的狡猾さに






二話では終わらなかった……おっかしいなぁ

まぁ良いかなランスロットも暴れさせれたし……次回でこの国は終わりにしようそうしよう。その次は小話回とか、う〜んでも毎回戦うのも嫌気がさしたし二、三話だらっとしたお話を書こうかな……


もう一回言っておこう。次回は土曜朝九時それか夜十一時投稿予定です。


長々と失礼しました

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