試験が始まる前に
あれ?なんか投稿でけたぞ?
しかも、リタイア到着の回なのに、タイトルが…
どうも皆さん。世界で一番自由な勇者近藤渡です。一ヶ月と言う長い長い馬での旅が終わりました。今は、青い空の下で、リタイアの入国審査待ちです。流石は六王都商業の馬車が多い事で、どうでも良いか。ここで試験を受けて、合格して馬ともお別れです。え?なんで、お別れか?元々歩いて世界を回る予定でしたが、サクッと賞金稼ぎになりたかったので、馬で来ただけです。お!順番が来るぞ。
「はい、次の…帰った帰った。お前さんみたいなガキがくる所じゃねぇ。さぁ、帰れ。」
なんだ?人を見ていきなり押し出そうとは、全力で耐えてやる。オラどうした!」
「ぐ?ぐぬぬぬ!!な、なんだ?おっもい…全く動かない!」
「あの、コレ紹介状なんですけど…通してもらえますか?ガキも押せない門兵さん。」
「なっ!この野郎!ん?こ、これは元SSランカー・ジエ様の紹介状!?そんな馬鹿な!今、今直ぐ調べる!そこの部屋に入って、大人しくしてろ!動くなよ!」
おお!凄いな紹介状!コレが、あのおっさんの書いた紙切れの力か…もう少したかって、もっと書いてもらえば良かった。いや、独房で仕事してるんだ。あれ以上負担を掛けたら可哀想か。
じゃあ、その部屋とやらで待ってるか…ふむ、待ってる間は暇だな。そう言えば、動くなと言われたっけ、動くなと言われたら動きたくなる。良し!椅子を壁に、机を天上に設置してあげよう。物理的に…
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設置完了!来るまで寝て…扉が開いた
「す、すいませんでした。アーク様がまさか、ジエ様を越える実力者とは知らず…は?な、なんじゃこりゃあ!?」
「ああ、おかえり。さっきの態度とかがイラっとしたので、お礼に、この部屋を飾って起きましたよ。」
「ぬぐ!ぐうぅ!で、では先ず元々ジエ様が所属していたギルドへ…」
「その話なら、おっさんが別に俺の元ギルドじゃなくても良いって言ってたから行かない。ギルドカードの返却はそこら辺の、近い場所で適当に済ませる。」
「わ、分かりました。ここを出て大通りに出れば、そこら中にギルドがあります。良いご滞在を…」
「真偽が分からんから外出て門兵に聞くか。じゃあ、それの片付けよろしくね。」
あいつの悔しそうな顔、ックク思い出し笑いが出てしまった。しかし、最後だけ笑ってたな。あれか、おっさんが言っていた。「ワシの紹介状ってだけで一般兵も盗みに来る様な代物だから気をつけろ」って、因みに紹介状はあの門兵が懐に入れていた。貰った描写が無い?そりゃ、あいつ渡す気無いだろうしね…スッてやりました。お?
「なんなんだよ!!あのクソガキがぁ!ぶっ殺してやる!!クソがーーー!!」
あっはははは!!ざまぁみろ!いやー、あいつダサいな!ッブフ、ダメだ収まんねぇククク…あー、楽しかった。それにしても、最後はいかんな。最終的に怒っちゃってさ。それじゃあ、相手に弱みを見せつけてる様なもんだ。ありゃ、一生出世できんな。
「あ、そこの門兵さん。ここから一番近い冒険者ギルドは何処ですか?」
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ふぅ、コレで俺は冒険者じゃあ無くなった。紹介状で入った国に居られる滞在時間は五日間、急いで試験を受けよう。あ、因みに、ブチ切れ門兵は嘘を言っていなかった。一応言っておこうと思う。さてさて、取り敢えず賞金稼ぎの試け…
ドン!
「ゴメンよ!急いでるんだ!」
「あ、ちょっと!」
いきなり、路地から出て来てぶつかった。おそらく、『貧困街』に住む子供か。しかし、困ったな。あの子…俺のをいきなり財布スッて来るんだもの。スリ返しちゃったよ。あの子の財布ごと…流石にスラム住人には可哀想な事をしたな。返してやりたいが、こっちから行くのは面倒だ。
「どの位入ってんのかな?うわ、スラム住人にしては持ってんな。ん~、銀貨八枚分位か?」
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ドン!
「ゴメンよ!急いでるんだ!」
「あ、ちょっと!」
良し!やった!盗ったどの位入ってるのか楽しみだ!かなり重かったし!ハァハァ…これだけ離れれば大丈夫だろう。さて、幾らかな?あれ?無いぞ?…オレの財布も無い!ま、まさかあの冒険者が?クソ!取り返さなきゃ!
「クソ!何処だ!?………ハァハァ!今日は走ってばっかだな…あっ!」
け、剣が…いや、確かあれは刀だっけ?あの冒険者が持ってたやつじゃないか?あそこか!
「ん!路地に入った?誘ってるのか?…でも。」
アレは、オレの三年間の努力の結晶…奪われる訳には行かない!誘いに乗ってやろうじゃないか!
…居ない?いや、奥の路地にまで行ったのか。刀を降りやがって!絶対取り返さす!
「おい!オレの金返…うわ!」
ぐっ!なんだ?息が…路地に引きずりこまれた!?背中を強く打ったのか!
「ガハ!ゴホゴホ!」
「よう、スラムの住人。」
や、ヤバイ。殺される。スラム住人を人目につかない所で殺ってもなんのお咎めも無いからって!
「…悪かったな。財布盗って、お前さんがいきなり盗るもんだから。ついな。ホレ、着いでに銀貨十枚オマケしてやる。」
は?なんで?
「ぐう!…なんで殺さない。それに、なんでオレに金なんか…」
「う~ん、さっきのギルドでな。弱そうな冒険者だけを、狙ったスリが居るって話を聞いてたんだ。」
「それが…なんだよ。」
「そこで、恐らくはスラム住人だろうなと思ってた。…でも、まさか子供とはな。」
「子供扱いするな!オレは十五才だ!どうせ、スリを捕まえて来るとかの依頼を受けたんだろ!」
「あっはっはっは!十分子供さ。別に依頼なんて受けてないし、今の俺は機嫌が良い、それに用事があって急いでる。大方その金で冒険者にでもなりたいんだろからな。今直ぐどっか行けば、見逃してやる。さぁ、行け。とか言って俺が行くか、急いでるんだった。」
なんだ、こいつ。全部分かってるみたいで…あれ?こいつって、オレが求めていた…はっ!
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「じゃあな。スラムの子ど…」
「お願いします!オレ…ボクを弟子にして下さい!!」
はい?なんて?弟子にして下さい?なに言ってんのこの子…
「あなたは!あなたは、ボクが探していた人なんです!見た目では判断出来ない強さを持ち、優しく自由なその姿!ボクは!ボクはそんな風になりたいし!世界をみて回りたい!お願いします!ボクを弟子にして下さい!」
「はぁ~、俺は優しく無いし、冒険者でも無いし、弟子も取る気は無い。他を当たってくれ。じ…離せよ。足、離せよ。」
「お願いします!どれだけ拒絶しようと、五年間もそう言う人を探していたんです!もう、冒険者で無くとも外の世界をみて回れれば構いません!絶対に諦めません!」
うわ!だりぃ!めんどくさい!首根っこを捕まえて、そこらのゴミ箱に…シューーートゥ!さて、逃げよう逃げよう。
「ぬわーーー!ゴフ!…ボクは諦めませんよ!見つけてやりますからね!」
なんと言う執念。どうでもいいか。先ずは、宿を取ろう。五日間、ココが勝負処だ!
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ふぅ、良い宿が見つかった。賞金稼ぎ専用の酒場。入るにはライセンス、紹介状などが無ければ絶対に入れないそうだ。賞金稼ぎに成るためには、酒場に入るか。一般人向けの講習から入らなくてはならない。講習などと言っても、激しい肉体労働とかだそうだ。んで、そのすぐ近くの宿を取った。歩いて七分位、近くて良いね。早速行くか。
ガチャ、
「待ってましたよ!どうかボクを弟子にして下さ…」
バタン、
なんでだ?あいつに付けられないように、最大の注意をはらって全力で逃げて来たのに、もう見つかった?あり得なく無いか?
「師匠!開けて下さい!お願いします!」
「うるさい!俺はお前の師匠じゃないし、開ける気も無い!帰れ!」
う~ん、能力か?追跡系?だとしたら、ゼル位だよな。いやいや、そんな事はどうでも…見てみよう。
「あっ!開けてくれ…フギュ!ふぁんでくひをつかうんでふか?なんえ、まどをあえて…ひょっとまっえくだはい!うぎゃーーー!」
なに言ってんのか全く分からなかったから、窓から放り投げてやった。コレで俺は優しく無い事が分かっただろうな。さて、能力能力
シェアル・サイド
能力ランク『レゼ』
能力 『盗賊魔術』
と、盗賊魔術?なんだ?それは、名前だけじゃ全く想像出来ない。てか、名前変じゃね?まさか、レゼとはな。まぁ、考えても仕方ない。試験を受け…
ガチャ、
「お願いだ。オレを弟子に、してく…」
ドサ、といい音で倒れた。はぁ、やっぱり能力を使ってたか。かなり疲弊してるな。仕方ない。…俺って意外と子供に優しい?だから勘違い為れるのか。…断腸の思いで、試験を諦めよう。明日だ明日!取り敢えず、宿にもう一人分の金を払ってこよう。
弟子…か。ふぅ、めんどくさいな。
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「ん、…う~ん、あれ?ここは?何処だ?」
「お!起きたかシェアル。それと、ここは俺が泊まってる宿だ。飯なら机の上にある。食っとけ。」
「あ、ありがとうございます。」
「その慣れてない形式的な敬語を辞めろ。いつもの口調に雑な敬語で良い。その方が楽だろ?」
「…どうもです。それに、ありがとう。」
「くっ、はははは!良いねその感じプクク中々面白いよ。俺の弟子の話…聞いても良い。」
「ほ、本当!?嘘じゃない?」
「ああ、嘘じゃない。しかし、俺は厳しい。死ぬかもしれない。嫌になって投げ出したく成るかもしれない。それに、お前が思っている程、俺は優しく無い。それでも、着いて来るなら…一ヶ月ため為せてもなう。それで、俺が認めたら。弟子にしてやろう。どうだ?」
「…重々承知ッス!一ヶ月!耐え抜いて認めてもらいます!」
「そうか、じゃあそれの準備とその他色々で四日間待って、賞金稼ぎになって来るから。」
「しょ、賞金稼ぎッスか?」
ガチャ、
「ああ、時間は掛からないと思うから、待ってろ。後は、買い物位さ。じゃあ行ってくる。ココは後、三日間取ってあるから安心しろよ。」
バタン、
こいつが、俺の…
あれ?意外と急ぎ足だなこれ?試験は少し伸ばそうかな?
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