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異世界雑貨屋奮闘記  作者: 偽柚子檸檬
第一章 開店までの道のり
6/7

遂に登録

オ ク レ タ

パソコンが中々使えないので遂に3DSで書くという暴挙に(笑)

 朝。

 目が覚めると少しスッキリした。


 ◆◇◆◇


 アキエは既に起きていた。


「おはようございます、商也さん」

「ああ、おはよう」


 うーん、と大きく伸びると、服(ギルドの隣の隣の向かいにある店で一番安いのを買った。銅貨二十枚)を手に取り、そそくさと着替えを行った。


「それじゃ、行こう」

「ええ」


 なんか……心なしかアキエの態度が軟化した気がする。


◆◇◆◇


 宿で朝食を取り、早速冒険者ギルドに出かける。


「こんにちは~」


 挨拶をすると、依頼が張ってあるボードへと向かう。


「う~ん」


 その日は特に気になる依頼は無かった。

 なので、昨日と同じ様に薬草を取りに出かける事にした。


◆◇◆◇


 薬草を取り続ける事七日。

 アキエ曰く、俺はなんか密かに『薬草ハンター』とか呼ばれているらしい。……誰だ。

 しかし、大分蓄えができた。自分でも数えてないけど……今数えてみると、銀貨にして五十八枚あっ た。単純計算で銀貨八十枚だが、二十六枚は宿代&諸経費だ。

 なので……遂に商業ギルドへ登録しに行こうと思う。


 なので、九日目は早めに起きて、アキエに呼びかけた。


「アキエ……そろそろ、商業ギルドに登録しに行こうと思うんだ」

「遂に……ですね!」


 なんかやたら感動している。


「実は、私の父は里でも数人しかいない商人のリーダーでした。だから、商売には憧れてたんです! ちなみに、父は里から出る事を許されていたんですよ! だから外の世界に憧れて……」


 感激するのは別にいいんだけど、話が進まないな……

 気が付くと、こちらのやや冷ややかな視線に気づいたのか、アキエが喋るのをやめて続きをと促している。……やっぱりあの日以来アキエの態度が軟化したなぁ……なにかあったのかな。

 ……とりあえず話を進めるか。


「それじゃ、朝飯食ったらとっととでかけようぜ」

「分かりました!」


◆◇◆◇


「いらっしゃいませー! ……登録ですか?」


 商業ギルド――綺麗に整った建物だ――に入ると、出迎えてくれたのは受け付けの……お兄さんだ。

 男なんだ……と不覚にも思ってしまった事は深く胸にしまっておこう。

 しかし、やはり商人と言った所か、ギルド員の顔は全員覚えているようだ……記憶力(笑)


「はい、登録に来ました」

「分かりました。それでは、こちらへどうぞ」


 案内されたのはテーブルとソファが置いてあるスペースだ。


「それでは、おかけ下さい」


 ソファに座ると、受付の男の人が誰かを呼びにいった。暫くして現れたのはなにか厳ついオーラを漂わせている一人の執事(っぽい格好をしてる人)だった。


「おはようございます。あなた方が新しく登録したいと言われるお二方ですな。それでは、お金を……」

「はい、これですね」


 執事(?)さんに銀貨十枚を手渡す。


「うむ、ありがとうございます。それではこちらの真聡玉に手を当てて下さい」


 言われた通りに俺から真総玉――これは緑色だ――に手を当てる。

 すると、ギルドの時みたいに執事さんの(てのひら)にカードが徐々に出来ていく。

 完全に完成すると、執事さんが手渡してくれた。

 内容はこんな感じだ。



ショウヤ・オオミチ 年齢 十九

 種族 人間(種族補正装備品効果微UP)


 能力

総合レベル 三

交渉術 レベル一

接客術 レベル四

鑑定術 レベル二


 才能

商の才能 物づくりの才能 武の才能


 商業系スキル

交渉術初級(多少高値で売却 成功確率十%)




 ……冒険者のカードの商人版といった所か……あっち(地球)の店では接客担当だったしなぁ……ま

あ、商品仕入れていたのは親父だし、交渉は一で当然といった感じだな。


 前をみると、執事さんがアキエのカードを手渡していた。


「二人とも、登録したてで総合レベルが一じゃないとは凄いですのぅ」

「「父から学んでいたので」」


 言ってから二人で顔を見合わせた。


「ふぉっふぉっふぉっ、息ぴったりですなあ」

「からかわないで下さいよ」

「お主ら、面白いですのう」


 この人Sか? と一瞬思ってしまう。


 暫くすると、ようやく表情を引き締めてくれた。


「それじゃ、商業ギルドについて説明するぞ」

「あ、はい」


 やっとメインか。


「商業ギルドとは、その名の通り商業に関係する事をまとめたりしているギルドじゃ。行商だろうが店を持とうが商売をするには商業ギルドへの加入が義務付けられる。更に店を作ったギルドに入れば様々な事が優遇される。商品や材料をギルドから直接仕入れたり、店の確保に主に資金面で協力したり、じゃ。次は禁止事項についてじゃが……まずは法に触れるもの……麻薬や国の管理番号が書かれていない金などを売ってはいけない。これが一つじゃ。後は、商業ギルドの悪口なんかを言いふらすのも当然ながら禁止じゃ。次はカードに書かれている事についてじゃが、名前、年齢、種族は分かるであろう? 能力では、その人の商人としての力が数値的に表されている。交渉術はその名の通り、交渉して安く品物を買ったり高く物を売ったりするとレベルが上がっていく。接客術はお客さんに対して丁寧に接すると上がっていく。鑑定術は良い物を仕入れると上がっていく。分かったかな?」

「は、はい」


 一息で言い切ったよすごいな執事さん。圧倒してちゃんと覚えているか謎だ……


「それじゃ、次の事だが……店を持とうとは思っておるか?」


 とりあえず、思考を進めよう。


「は、はい。でも、お金がないので暫くは冒険者ギルドでお金を貯めようと思っています」

「そうかそうか……それなら、行商をしてみてはどうかな?」

「行商……ですか?」

「うむ。それなら店を持たずにも商品を売ることができるじゃろう」


 行商かー、いまいちイメージ沸かないけど、それでもなんかお金掛かりそうだな……


「……考えておきます」

「ふむ。まあ、あせらずじっくりやるといい。それでは、わしはこれで。ちなみに、わしの名前はブルースじゃ」


 どうやら執事さんの名前はブルースというらしい。


「ブルースさん……ですね。俺はショウヤです」

「私はアキエと言います」


 二人で自己紹介すると手が痛くなるくらいの力で握手された……


「ああ。それじゃ、宜しく」


 ブルースさんは、最後にそう言うと去っていった。

 嵐みたいな人だな。


「……ふぅ~」


 ともかくも、遂に商業ギルドに加入できた!


「やりましたね」


 アキエもにっこりと笑っている。

 これでやっと商売ができるのか……!

家族に会えないのは寂しいけど、大好きな商売が誰にも縛られずにできるのは嬉しい。


「やったな!」


 俺もアキエに笑い掛けた。


◆◇◆◇


「お疲れ様でした。ちなみに、商業ギルドでは、年間銀貨五枚の会員費が掛かるのでご注意下さい」


 さっきの受け付けの人に声を掛けられる。


「あ、はい。今年の分は……」

「それは入会金で大丈夫です」


 やっぱり商業ギルドは依頼を受けたりする訳じゃないからそうお金を稼いだりはできないのかな。

 とにかく気をつけよう。


◆◇◆◇


 その後はとりあえず冒険者ギルドに行った。

 残りの時間で薬草取り。きっかり銀貨十枚ですよ。


 帰ってくると、アキエがぼそっと呟いた。


「そろそろ……飽きてきました」

「……だよね」


 それは、俺も感じていた事だ。

 安定して稼げる(どういう訳か薬草は根ごと取らない限り一日で生えてくる)からずっと薬草取りをしていたが、討伐とかも受けてみたい。そして何より……

 薬草を持っていったとき、別の受け付けさんに言われたのだが、


「あと一回Fランクの依頼をこなせばEランクに昇格です! 頑張って下さい!」


 明日、一回依頼をやればEランクに上がるのだ。

どうしてファンタジーでの受け付けさんは女性が多いんだろう。

気になる。

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