表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/4

研究所の存在


眩しいくらいの白がドーム状に固められた建物。

物、人、知識が集う港街から離れ、海岸沿い国道を走ること車で約一時間半

ちょうど地図の境目になる山一つ超えたところに、建物はあった。


国立第七研究所、環境調査室所属、聖物保護施設、SICCシック

人里離れたこの場所。海に隣接した半円体。ドーム。


建物の大部分を占めるこの部屋が、この研究所の存在意義。

外の海水と随時水を入れ替え続けるため、水の波打つ音、機械の脈打つ音。

中央に広がる巨大な水槽。背後で鉄扉が閉まる前に、足早に女性が水槽のふちに近づいて行った。

瞳は前髪で隠され、髪は淡い金味の混じった白色で、うなじで一つの団子にされている。

二十代後半、細身に白衣を纏う女性の名はイリ。


煌々と照らされた照明の下、イリは手中のモニターに移された画像を確認する。

そこには黒い背景に緑字で数字や変化する波、角度から撮影されている水中映像が映し出されている


「水温、水質に異常なし。体温、脈拍基準範囲。循環の波形に異変なし。皮膚、爪に可視的異常見られず。うん」


そしてイリは振り返って部屋の中央に歩み寄る。

深く広い水槽、波のない水面。


淡青色に色付けされた水底に、じ、と動かぬ黒い巨影。


「おはよう、聖獣さん。今日の気分はど?」


イリが見下ろす漆黒の塊に、変化があった

黒の中に小さな金色が二つ。水中のために揺らいで見えるが本来は真円の瞳孔だ。


すぐにイリが手元のモニターに指を触れた。小さな金色が画面一杯に映し出される。


「眼球にも異変はないね」


また情報を紙面に書いて、イリは顔を上げた。

すでに水中には黒影がゆらゆらと見えるだけで、金色の輝きは消えていた。


「聴覚にも異常なし、と」


イリの少し低い声が、ドーム内に霧散した。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ