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螺旋
宿に戻りずっと考えていた
いろんなことを
だけど、答えは出ず
気付けば夜になっていた
当たり前だ
五年信じてやまなかったものが
数日で壊れたのだから
横になるも
同じ考えが何度も頭を巡り
中々眠りに着けない
◇
ただただ黒く、何もない空間に立っていた
どこを見ても吸い込まれてしまいそうな黒が広がっている
やがて、二人の
いや、一人と一つの姿が浮かび上がってくる
昨日見た少女とただの肉塊へと化した父親だった。
運動も何もしてないのに息が上がる
少女が倒れた父親の身体を揺すっている
「ねぇ、おとーさん起きてよねぇ、ほんとは寝てるだけなんでしょ? ねぇ?」
少女は泣いている、だけど、その顔にはほんの少し笑みが浮かんいる
不器用な笑みだ。
無理矢理作った笑顔だ。
瞳孔が大きく開かれるのが分かる。
動悸を感じる。
体が震えているのが分かる。
少女の顔から笑みが消える
ぐったりと座り込んでいる
俺は一歩も動けなかった。
短くも長い時間の後
少女は顔を上げ
”こちらを見る”
「全部お前のせいだ」
◇
ベッドから飛び起きた
息は絶え絶えで
服は汗で濡れていて気持ち悪い。
いつの間にか寝ていたようだ
外はすでに明るく
鳥がさえずり
人が活動している
そんな、光景を見て息を吐く。
自分のことなのに意外だと思った。




