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迷い


協会に来ていた

明日人を殺すことへの後悔感じ神に懺悔しに来た訳ではない


むしろ

こんな運命を仕込んだ神が許しを請うべきだ。




迷っていたただただ迷っている

昨夜殺すことを決意したものの


どうしても脳をよぎる少女の顔


それだけでも決意が揺らぐというのに


見えてしまったんだ。

重なって見えてしまったんだ。

古い自分に。



だからこそ、分かる

全てを終わらせた後に少女の選ぶ選択が。

少女の辿る道筋が。



今まで復讐の為だけに生きてきたのに。

それだけが目標だったのに。

やっと奴を見つけたのに。


今は揺れていた

自分が砕けて消えてしまいそうな程に。




「大丈夫ですか?」


声をかけられた


顔を見る、声をかけられたのだから当然だ。


相手の顔はとても見覚えがあった

二回しか見たことがないのに

決して忘れることのない顔だった。


「とても酷い顔をしてますよ、何処か悪いんですか?」


男が隣に座る


「…」


一言も言葉が出なかった


「ご迷惑でしたか? だとしたらすいません」


男が微笑む


「でも、あなたを見ていると昔の私みたいでつい、声をかけてしまいました」

「…」


言葉がでない



「何か悩んでるんですよね? 良ければ聞きますよ? あまり力にはなれませんが、人に話すと少し楽になるかもしれませんよ?」


微笑んでいる、ずっと

天使のように優しかった


だから、俺は逃げた



ただ遠くへと走った


走って、走って、走って走って走って



裏路地で膝をつく



最悪の気分だった。


胸の奥から何かがこみあげてきているのに何も出ない。

嗚咽だけが漏れる。



あいつは、あの男は俺の敵なのに


「なんで、優しいんだよ」



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