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クズ男は誰の初恋でもない。はずだった  作者: まじりモコ
七周目 クズと裏返った彼女
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初恋トレッドミル(本論) プロローグ ねじ曲がった覚悟


     ■   □   ■


 ──お前はただあの家を破滅させる毒であればいい。


 身内から浴びせられたそんな言葉が、いまだに人生を縛ってやまない。


 ──お前は毒だ。葛和を破滅させる、埋伏の毒なのだ。


 だから待つ。その時を待つ。

 この偽証と罪咎にまみれた身を現さねばならない、裏切りの時を。


 ──お前だけは裏切るまい。


 幾度目かもわからない問いかけに、ただうなずきを返す。

 うなずいて、自分の意思など関係ないのだと否応なく痛感する。


 できることなど何もない。ただこれから自分が裏切らねばならない信頼に、胸の奥がじくりとうずいた。


 ──余計なことなど考える必要はない。


 常に一つのことだけ考えていればいい。必要なのは信頼を得ること。その時が来るまでは、引き絞った弓のように。

 どれだけ愛しい人でも、騙し通さなくては。


 なぜなら自分はただ一人、葛和を壊す共犯者なのだから。





 ──それでこそ、私のいとし子。


 母親のこの言葉に耐えられなくなったのは、いつのことだったろう。

 嘘でも昔は嬉しかった。けれどこの頃はもう重石でしかない。


 自覚がある。本当に欲しいのはもっと別の、手を伸ばしても届かない尊いあの人のことで。


 けど嘘つきの自分にはきっと、あの人に愛される価値はない。なのに希望を手放せないのは、向けられる笑みに溺れてしまっているからだ。


      ■   □   ■


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