3人の出会い(後)
新生活めっちゃ疲れる...
「ねぇねぇ君。どうしたの?迷子になったの?」
僕が道に迷っていると、突然横から声を掛けられた。
「あ、うん。ふわふわ飛んでるものを追いかけてたらいつの間にかここにいたんだ」
振り向くと、そこには僕とそう年が離れていないような男の子と女の子が立っていた。この辺りに住んでいる子なのかな?
「と、飛んでるもの?まぁいいや。お前の父さんとか母さんがどこにいるかとか分かるか?」
「えっと、市場にいると思う」
「市場か。俺たちが歩いて10分くらいだな」
「そうね。じゃあ私たちと一緒に市場まで戻ろ!そうだ、あなたの名前は?」
「ほんと!?僕ウーリっていうんだ!」
「私の名前はアディーテよ。ウーリ君、よろしくね」
「俺はアレクって言うんだ!仲良くしようぜ!」
「アディーテにアレク、よろしくね!」
「うおっ、なんだこの笑顔!?」
「後光のようなものが見える!?とてつもなく眩しいわ!」
「どうしたの?」
「「何でもないよ!!」」
アレクとアディーテの申し出で市場まで送ってもらえるようになった。初対面の僕に対して2人は優しいなぁ。すると歩き出して間もなく「そうだ」とアレクが聞いてきた。
「ウーリは何歳なんだ?俺は6歳!」
「因みに私も6歳よ。アレクと同い年なんだ~」
「ほんとに!?僕も6歳だよ!」
「ホントかよ!?俺達みんな同い年じゃん!」
「すごいすごい!奇跡じゃん!」
今日たまたま出会った2人が同い年なんて、すごい偶然だった。これが運命ってやつなのかな?
「ねぇねぇ2人とも。僕達友達にならない?実は恥ずかしながらまだ同い年の友達がいないんだよね...」
「それは───」
「もちろんだ!これからは一緒に遊ぼうぜ!」
「いいの?やったぁ!ありがと2人とも!」
そうやって喜びをあらわにするウーリを傍目にアディーテはアレクに聞いた。
「よかったの?」
「ん?なにが?」
「いや、私達が転生してきた事とかバレるかもじゃん?」
「んー。まぁその時はその時だろ。というかこれは勘だけど、ウーリになら教えても大丈夫だと思うんだ。ほら、あんな感じだし」
と、未だに喜んでいるウーリを指しながら
「というか、もしこれからもずっと一緒にいるなら、俺は友達としてその辺の隠し事はしたくない」
「ま、それもそっか。ただし、責任はあんたが取ってよね?」
「おう。───というかいつまで喜んでるんだ!早く行くぞウーリ!」
「あ、待ってよー!」
「早くしないと置いてくよ〜」
そんなこんなで、ウーリにも友達ができた。そんな2人はまだウーリが子爵の息子である事を知らない。ウーリの家に遊びに行って腰を抜かすのは少し後のお話。
◆◇◆◇◆
「おーい!お父さん、お母さん!」
「ウーリ!どこへ行ってたんだ!心配したんだぞ?」
「よかった.....本当によかった.....私、目を離した隙に...攫われたんじゃないかって.....」
市場に戻ると直ぐにお父さんとお母さんの姿を見つけて駆け寄った
「ごめんなさい。これからは気をつけるね。だからお母さん、もう泣かないで?」
「いいのよ...目を離した私も悪かったわ」
「俺ももっと気を付けておけばよかった。ごめんなウーリ。怖い思いをさせてしまったんじゃないか?」
「そんな事ないよ!この2人がここまで連れてきてくれたおかげでちっとも怖くなかったよ!」
「本当かい?それはお礼を言わないとだね。2人とも、うちの息子を見つけてくれて本当にありがとう。今度またお礼をさせてほしい。良ければ名前を教えてくれるかな?」
「俺はアレクです!」
「私はアディーテといいます。お礼なんて気にしないで下さい。それに、もう貰ってるようなものですから。ね?ウーリ君?」
「2人とは友達になったんだ!」
「それはいい事だね。私の名前はガルフ、ウーリの父親だ。改めて2人とも、今回はありがとう」
ガルフが深々とお礼を言うと、やっと泣き止んだミハもやってきた。
「私はミハ、ウーリの母です。アレク君、アディーテちゃん。本当にウーリを見つけてくれてありがとう。2人には感謝してもしきれないわ」
そういってミハは2人の頭を優しく撫でた
「よければ今度うちにいらっしゃい?歓迎するわよ」
「いいんですか?」
「もちろん。ウーリのお友達だもの」
「ありがとうございます!是非行かせていただきますね」
「ミハさんありがとう!これでウーリといっぱい遊べます!」
嬉しそうな2人を見て、ミハも「うふふ」と微笑んだ。
「それでは、俺たちはこれで失礼するね。準備が出来たら、うちへ招待しよう」
「それじゃあ、2人とも。また会おうね!」
「おう!次はいっぱい遊ぼうな!」
「私達、よく町の広場にいるから暇な時はおいで。今度は迷子にならないようにね?」
「分かった!ばいばーい!」
「またなー!」
「またね〜」
そうやって見えなくなるまでウーリ達を見送った後、アレクとアディーテも歩き出した。
「超いい子だったな」
「ね〜。流石ファンタジーだわ」
「あれファンタジー関係あるのか?」
「さぁ?どうだろね」
「ははっ、なんだよそれ」
「だって分かんないものは分かんないんだも〜ん。けど、ひとつ言えるのは──守りたいあの笑顔」
「それな」
◆◇◆◇◆
「そういえば、ウーリはなんで迷子になったんだ?美味しそうなものでも見つけたのか?」
アレクとアディーテと別れた帰り道で、お父さんがそんな事を聞いてきた。
「違うよ。路地の方に、何かフワフワ飛んでるものが見えたんだ」
「どういう事かしら?」
「鳥とは違うのか?」
と質問されたので、どんなものだったのか思い出しながら説明した。
「えっとね、鳥や虫みたいな生き物とも違ったし、かといってものがただ飛んでるだけとも違ったんだよね。魔法で浮かしていたのかな?」
「ふむ・・・」
ウーリから特徴を聞いた後、少し考えるような仕草をすると続けてこう答えた。
「恐らくそれは精霊かもしれんな。もしかしたらウーリには魔法の適性があるのかもしれないぞ」
「本当に!?」
「あぁ勿論本当だ。確かにもう6歳だし、早ければそろそろ使えるようになってもおかしくない。帰ったら早速試してみよう」
「わーい!楽しみだな〜。早く使いこなせるようになりたいな〜」
「ふふ、迷子になった後だというのに元気ね〜」
「いい事じゃないか。それに、この年で精霊が見えるという事は、かなり才能があるのかもしれない」
「それじゃあ、帰ったら早速夕飯の準備をしないとね。魔法に目覚めた記念として、腕によりをかけて作るわよ」
「それは楽しみだな」
茜と水の混じった空の元、3人の家族はそれぞれ会えなかった時にあった面白い事や、驚いた事を話ながら家への道を歩いた。
作者のモチベーションが爆上がりするのでおもしろいと思っていただけましたら「いいね」と「評価」のほど、よろしくお願いいたします!




