3人の出会い(前)
大変お待たせいたしました。執筆途中のデータを保存し忘れて誤って消した人です。
~2年前~
「ウーリ?準備できたか?そろそろ行くぞ」
「はーい。今行くよー」
「まぁまぁ、そう焦らなくてもいいのよ。町へお買い物に行くだけだからね~」
今日は大好きなお父さんやお母さんと久しぶりのお出かけ。昨日から楽しみで夜あんまり眠れてないんだよな~。
「お父さん、お母さん、お待たせ!」
「おう。じゃあ行くか!クロースの市場へ!」
(※クロースとはウーリたちが住んでいる町の名前です)
「うふふ、本当に久しぶりですね。3人で一緒にお出かけなんていつぶりでしょうか?」
「確か、前回一緒に遊んだのは3か月くらい前だったか。ごめんなウーリ。もっと一緒にいてやりたいんだが、お父さんもお母さんも仕事が忙しくてな。あと少しすれば仕事も安定して、今よりも沢山一緒にいてやれるからな」
僕のお父さんとお母さんは同じ仕事をしている。お父さんの名前はガルフ・ヴィクリース。
貴族で子爵とはいっても、領民からの税金だけじゃ将来不安だと思ったそうだ。何より自分だけ何もせずに金を貰うということに違和感を抱いた父は身分を偽り、町で最も大きな商会である《ガーネ商会》に飛び込み面接をし、下っ端ならということで採用されたそうだ。
大きいといっても元々は町の人ならしてるくらいの商会だったんだけど、お父さんの働きのおかげで今では世界的に有名な商会まで成長している。そしてこの前、ついに副会長になったんだって!
因みに途中からある出来事があってから身分を隠すのが面倒になったから全部バラしたらしい。
「ううん。僕の事は心配しなくても大丈夫だよ。お父さんもお母さんも頑張ってることは僕も知ってるからね。いつもありがとう!」
「まぁ、なんていい子なのかしら。ウーリ、私たちこそありがとうと言わなければならないわ。私たちが頑張れるのは、あなたがいるからなのよ。あなたがいるから、もっと頑張ろうと思える。あなたがいるから、諦めないって思える。だからね、本当に、心からありがとう」
この女神みたいな人が僕のお母さん。名前はミハ・ヴィクリース。
元々お父さんが入る前からガーネ商会で働いていて、下っ端で入ってきた父の教育係だったらしい。そこから色々教えたりして共に働いている内に、お父さんの何事にも真面目に取り組む姿が好きになったんだって。お母さんから告白した後、お父さんが身分を明かしてもその気持ちは変わらなくてそのまま結婚したんだそう。以外にもお父さんのご両親からは特に反発されなかったみたい。
因みに仕事と私生活の切り替えが凄くて普通の人だと初見じゃまずお母さんに気付かないんだって。
「俺からも言わせてもらおう。俺たちのもとに生まれてきてくれてありがとう、ウーリ」
「えへへ、そこまで言われると僕も照れちゃうなぁ・・・」
「さて、そろそろ市場に着くぞ。ウーリ、ここは人が多いからはぐれないように気をつけろよ」
「はーい。ねぇねぇ、まずは何買うの?」
「そうねぇ。まずはお野菜を見たいわね」
「よし、じゃあ野菜を売ってる所に向かおうか」
楽しい時はあっという間に過ぎ・・・
「ふぅ。はしゃぎすぎてかなりの量を買ったな」
「だいぶ時間も経ったわね。セバスに頼んで生ものを先に家に運んでもらって正解だったわ」
「そうだな。けど、これだけ長く市場にいることもないから普段見られないものも見れたな」
「そうね~。良いも手に入ったから、結構有意義なお買い物が出来てとても楽しかったわ。ウーリはどうだったかしら?」
「僕もとても楽しかったよ!色んな珍しい物に目移りしちゃった。けどちょっと疲れたなー」
「そうだな。俺達も普段こうやって遊べないから、張り切りすぎて疲れてきたよ。それじゃあそろそろ───っとすまない。あと一か所だけ寄っていいか?」
「もちろんいいわよ」
「はーい」
そうして2人について歩いてる途中、ある路地の方が気になってしまった。よく見てみると、ナニカが浮いていて動いてるようだった。
(なんだろう、あれ。生き物なのかな?)
当然気になった。超絶気になった。けどお父さんとお母さんから離れるわけにもいかないからなー、と思い見てみるとお店に着いたみたいで、あそこならさほど距離は離れていないしすぐ戻れば大丈夫だと思い、僕は自分の好奇心を満たすべく路地へ向かった。
「あれ?どこ行ったんだろう?この辺のはずなんだけどなー」
路地に着くとさっきまで見えていたナニカは消えていた。
「見間違いだったのかな」
そう思い戻ろうとすると
「あ!いた!」
路地を進んで更に曲がった先にふわふわと浮かんでいたのだ。
だけどソレに近づこうとするとソレは僕から逃げるように離れていく。
「この、まてー!!」
浮いて逃げる飛行物体?生物?とかいう興味の塊を追いかけないはずもなく、僕は自分がどこにいて何をしていたのか完全に頭から抜けていた。
「うーん、どこ行ったんろ。あ!あっちか!」
どんどんと元いた場所から離れる。そして曲がり角を何回か曲がった所でとうとう見失い
「うーん、見失っちゃったなー。仕方ない、そろそろ───あれ、そういえば、僕どっちから来たんだっけ……」
ようやく同時に自分がどこにいるのか分からなくなっていることに気付いた。
時は少し遡り・・・
クロースのとある住宅街にて
「母さん!行ってきまーす!」
「ママー?遊びに行ってくるねー」
隣同士の一軒家から同時に子供の声が聞こえた。するとこれまた同時に二つの家から家から男の事女の子が飛び出してきた。
「お、ようアディーテ!タイミングぴったしだな!」
「アレクもね。もしかして、ずっとスタンバってたの~?」
「そんなわけあるか。たまたまだよ、たまたま」
「ほんとかな~」
クスクスと笑いながらアディーテはアレクをからかう。これがこの子たちの日常であった。
「しつこいな!それで、今日は何するよ?」
「うーん。一通り私たちが知ってる遊びは全部やったからなー。色々思い出せないか考えてるんだけど、もう無理かな。そっちはどう?なんか面白そうな遊び思い出した?」
「俺も同じだな。多分おぼえてるやつは全部出し切ったと思う」
「マジかー。いよいよ何するよ?もう一周する?」
「それでもいいんだけど、流石に何回もやると飽きるよなー。あーこっちの世界にもⅮ〇とかsw〇tchとかあったらいいのに」
もし近所の人たちが彼らの会話を聞いても意味不明な単語が飛び交っていて訳が分からなくなるでしょう。多分頭のおかしい子認定されます。
それもそのはず、アレクとアディーテは前世の記憶を持って、いわゆる異世界転生をして生まれた子供なのだから。しかもそれが同じ世界、同じ星の同じ国、同じ時代に生きていた人で、転生した後も同じ年に生まれ家が隣同士とかいう奇跡すら生ぬるい事が起きていた。神様ちゃんと仕事してる?
因みにお互いが転生者同士って分かったのは割と最近。
「それなー。言っちゃ悪いけどこっちの世界マジでに何もないよね。だ・け・ど、もっといいがあったじゃん?」
「だな。まさか転生した先が魔法ありのファンタジーな世界だったとは。マジででそんなものが実在するとは思わなかったぜ。だけど……」
「うん、そうだね……」
「「使い方が分からん」」
「漫画やアニメじゃあんな簡単そうに使ってたのに全くつかえねぇ!あいつらひょとして全員天才だったんか!?」
「それなー。なんかそれっぽい動きしてもなんも起きないし、もう訳分かんなくなっちゃった」
「因みにそれっぽい動きって何よ?」
「へ?そりゃあ、か〇は〇波とか、元〇玉とか、あとは気〇斬とか」
「ぶはっ!全部ドラ〇ンボールじゃねーか!知識偏り過ぎだろ!」
「うっさいわね、そんなに笑わなくてもいいじゃん。それしか知らないんだからさ……」
「ごめんごめん、ちょっと予想外の答えが返ってきたからさ。普通プリ〇ュアとか辺りだと思うじゃん?」
「まぁ、それはそうなんだけど。私どっちかと言うと小さい頃アニメは男の子がよく見るやつを見てたからさ、パって頭に思い浮かんだのがドラゴン〇ールだったのよ。悪かったわね!女の子っぽくなくて!」
「いやいやそんなこと思ってねーって。そんな事言うなら男だってプ〇キュア見てたやつもいるからな?少なくともここに1人」
「どうでもいいわそんな事」
「うわひっでぇ」
「それで、何の話してたんだっけ?」
「アディーテがド〇ゴンボールが大好きな話だろ?」
「ちがう!その前よ」
「えっとー、そうだ。何して暇つぶしするかだ」
「もういっそ、シンプルに散歩でもする?まだ行ってない所とかもあるし」
「そうだな。よし!そうと決まればどこに───あれ誰だろ」
「へ?どこ?」
「ほら、あっちの方」
アレクが指をさした方向を見てみると確かに男の子が立っていて、辺りをキョロキョロと見まわしていた。
「んー?あ、ほんとだ。知らない子がいる」
「この辺に俺ら以外に子供っていたっけ?」
「確かいなかった、と思うわ」
「だよなー。じゃあ迷子かな?」
「かもね。私ちょっと声かけてくる」
「俺も行く」
そうして2人はその男の子に向かっていった。
ウーリが何故あんなに両親の昔の事や馴れ初めを知ってるかと言うと2人が酒を飲むと毎回のように同じ話を聞かされるからです。
因みに、ウーリのいる世界では異世界転生者や転移者は結構受け入れられてます。珍しい事に変わりはないですが、どの国にも大体数人いるので探せば会えるっちゃ会える。そしてその人たちは昔から優秀な事が多い傾向にあるので結構歓迎されて優遇もされますが、ただその分問題のある人も多いので世間一般的には「めっちゃ優秀だけどめっちゃ迷惑な人」という認識。
アレクとアディーテもそれを知って相談した結果「面倒なことになるのは嫌」という結論になり、周りの人には隠すことにしたそうだ。




