③ 私の生育過程に理由があるのか?(後)
つまらないことでガチギレするおじさん・我が父。
でも、(ツンデレっぽい?)カワイイところもあるのですよ。
こういう、つまらないことでガチギレして、しばらく経った頃。
彼は、さり気なーくみやげを買ってきたり、『会社でもらった』とか言ってお菓子を持ってきたり、するのです。
特に何も言いませんが、どうやら彼はガチギレした一件を冷静に思い返し、時には、ちょっと後悔しているようなのです。
金髪ツインテールのツンデレ美少女の台詞っぽく言うのなら
『あー、これね。久しぶりにワ・タ・シ・が! お菓子食べたくなったのよね。お店で思い出したから、ついでにアンタの分も買っておいたわ。ワワワ、ワタシが食べたかっただけなんだからねっ!ホント気まぐれ、たまたまなんだからいい気にならないでよねっ。かかかか、感謝して、味わって食べなさいっ!』
とでもいう感じかと(笑)。
ツンデレしながらも、そこはかとなくしょぼん、とした彼のたたずまいを見ながらお菓子を食べる、子供の私。
その姿に可愛げのようなものを感じつつも
(……めんどくせー)
が、実は本音でした。
いえね。
万が一、『これってこの前の罪滅ぼし?』的な指摘をすれば、彼が逆上するであろうこと、私は読んでます。
だからそれには触れず、曖昧に笑って
「ありがとー、おいしー」
と言わなければなりません。
仮に余計なことを言って彼が逆上しようものなら
「お前はもー食わんでエエ!」
とでも叫んで、最悪、お菓子をゴミ箱へぶち込むだろうな……、とも。
私はそもそも、『1+1=2』的な単純思考をする残念頭の子供です。
その私であっても、しょーもないことでガチギレしがちな父親の顔色をうかがい、裏読みするようになりました。
だって、可能な限り怒鳴られたくないですから。←結構シリアスに努力していました。
まあ、人生経験としては無駄だったと思いませんけど、面白くない経験ではあります。
もっと大変な思いをしながら子供時代を過ごしてきた方もたくさんいるでしょうけど、これはこれで、やはりそこそこストレスのある子供時代でした。
可能ならやりたくなかったですね。
それに。
もし『悪かったなー』と思っているのなら。
素直に
「この前、怒りすぎて悪かったなー。ごめん」
と、言ってほしかったのですよ。
父親としての面子とか、そういうのを考えるのかもしれませんが、こういう場合は素直にごめんと言った方がいいと思います。
悪い時は謝る、は社会の基本です、たとえ相手が子供であったとしても。
それにその方が、子供の中で父親の株は上がるんだけどなー、とおばちゃんになった私は思います。
(自分が出来るかどうかは五分五分かなと思うので、一方的に父を責められません。そうありたいとは思いますけど)
でも彼は、悪かったなーとは思っていても、素直に認めないのです。
悪いと思っていることを、子供に『察して』ほしくないのです。
でも自分はちゃんと子供に気を遣っているお父さんだと『察して』ほしくもある、という心の襞が見え隠れします。
子供心に『めんどくせー』と思いつつ、曖昧な気分で、美味しく?お菓子をいただいていました。
私に、子供でない者が『察して』な甘え方をしてくることに生理的とも言える嫌悪感があるとしたら。
おそらくこの辺が、遠因ではないかと愚考します。