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第05話 あんたらいい加減にしぃーや

11/18 順番を入れ替えました

11/20 地文と会話文の間に改行を入れました。


 大会議室上座の檀上のミズハラ・カオリが会議室を見渡す。

その先には転生者たち全員が座席についてミズハラの言動を伺っている。


「え~ ほな、第一回転生者会議を行うで 司会は委員長キャラのうちがやるからええか?」

「異議あり!」


転生者の一人が立ち上がり叫ぶ。


「ほな、自分がやるんか?」

「いや、違う」

「何がちゃうねん」


立ち上がった転生者が拳を握りしめる。


「お前は委員長というものを冒涜している!委員長キャラというのは清く・正しく・美しくあるものだ! 決してお前のようなアバズレではない!!」


指を差しながら批難の声を荒げる転生者に、ミズハラは眉を顰める。


「あほなこといいなや、それと人の事指さすのやめーや」

「そもそも何なんだ。あの静かになるまでの先生ネタは完全に滑っていたんじゃないか。お前のせいで我々まで舐められたらどうするんだ」


別の転生者が席に座ったまま、やれやれと言った感じで発言する。


「あ、あん時はなー 檀上で話すの初めてやってし、慣れてへんかったり緊張したんや!」


ミズハラは耳を赤くしながら檀上の机をバンバンと叩く。

その中に一人の転生者が徐に立ち上がる。


「そもそもお前は俺たちを裏切った…」


会議室の一番奥に座る転生者が、殺意満ちた瞳でで発言する。


「裏切ったってなんなん? そんな人事悪い事言わんといてくれる」


ミズハラがむっとして答える。


「いや、お前は裏切った…」


男は続けて同じ事を述べる。


「待遇の交渉があんまりええようにいかへんかったからか?そやけどうち頑張ったんやで 交渉の場で一人やったし、向こうは家中のもんがおって怖い顔で睨んでくるし…」


ミズハラが少し弱気になって答える。


「俺はそんな事を言っているんじゃない!」

「バブ―」

「ほな、何がいいたいんやな」


殺意の転生者は、うなだれながらゆっくりと一歩踏み出す。


「俺たちは死を通じて突然この世界に引き寄せられた… 何も分からないまま…ステータスも開かない…ギフトも貰えてない…スキルも使えない、ジョブも分からない…」


殺意の転生者の拳がなわなわと震える。


「不安と絶望しかなかった…だが、一つの希望があった…」


男は徐に頭を上にあおる。


「俺達転生者の中に一人美少女がいた…俺達の心はときめいた…だがしかし!!」

殺意の転生者は拳を机に叩きつける。

「中の人は30のババアだった!!!お前は俺たちの気持ちを裏切ったぁ!!!!!」


殺意の転生者の叫びにパチパチと拍手が上がる。


「ちょっとそんな失礼な事いいなや! 私はババアちゃうでぴっちぴっちの30やで!!!」


ミズハラは自分自身に手を当て抗議する。


「我々の業界ではしわしわの30です」

「うるさいわ! そこの赤ん坊も拍手やめーや!!!」


ミズハラはバンバンと机を叩く。


「腹立つわー 人の事30のババアやっていうてるけど あんたらも中身は30・40のおっさんちゃうんか!」


その言葉に転生者たちはハッした顔した後、目をそらす。


「あっ 目ぇーそらしよった! 目ぇーそらしたな!!」


ミズハラが身を乗り出し、会場の男たちを指差して回る。


「あんたらも中身おっさんか!ええ歳超えたおっさんか!!自分の事棚にあげてよう言うわ」


男たちは意気消沈して項垂れる。


「ふん、まぁええわ。中身の歳の事については、お互い傷を抉り合うようなもんや…」


ミズハラふんと鼻を鳴らし、男達に向き直る。


「まぁ、あほな事は、いい加減にして、本題に移るで 先ず朝ごはんの事やけど晩御飯と同じここや 朝5時半から7時までに食べて欲しいそうや、遅れたらご飯ぬきやで。後寝床やけども赤ん坊・小さい子優先や 歳いったもんは応接間やら待合室やらで、ソファーや毛布使って雑魚寝や」


そういってミズハラは最前列の50台の転生者に視線を移す。


「悪いけどおっちゃん。堪忍なぁ。決まり事やからしゃーないねん」

「いいよいいよ、私は見た目も中身も最年長者だからね。我慢するよ」


おっちゃん転生者は優しく答える。


「おおきにおっちゃん。ほな会議は終了や」


異世界人達はぞろぞろと会場を立ち去った。


連絡先 ツイッター にわとりぶらま @silky_ukokkei

ツイッター慣れてませんがお気楽にお声掛けください。

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