二次創作ガイドラインはあった方がいい ~著作権だけでなく著作人格権も守ろう~
著作権者(著作者)に無許可で違法な二次創作を行った場合、著作権法によって刑事罰に問われてしまう可能性があります。
二次創作行為をした場合にどのような犯罪が成立するか。
◆著作権侵害
著作権者に無断で二次創作を行うことは、著作権の一つである翻案権の侵害に該当します。
翻案権の侵害に対しては、「10年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金に処し、またはこれを併科する」ものとされています(著作権法第119条第1項)。
◆著作者人格権侵害
著作者に無断で二次創作を行うことは、著作者の有する同一性保持権の侵害にも該当します。
同一性保持権の侵害に対しては、「5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金に処し、またはこれを併科する」ものとされています(著作権法第119条第2項)。
で、コレを最初に紹介した理由なんですが……
最近は事前に著者がどこまで許容できるか表明しておかないと、上記法律を参照してファンなどの第三者がファンアートなどを描いた人などに凸る可能性があるからです。
原作が、小説・マンガのメディアミックスも一種の二次創作です。
表現媒体が違いますし、実写などになるとドラマや映画の尺が存在するので、その尺に収まるようにするには原作のぜんぶを収録することなど不可能だからです。
楽曲のノベライズやコミカライズもそうだな、と感じます。YOASOBIが有名になった「夜に駆ける」も、星野舞夜先生の短編『タナトスの誘惑』からインスピレーションを受けた二次創作といえます。
原作者がいいよ、と許容しる範囲だったとしても、いきすぎたファン活動だと非難する人が表れたり、
逆に原作者が嫌だというラインを知らないまま、訴えられなければ大丈夫と曲解して許容範囲を超えた二次創作がされてしまう可能性もあります。
二次創作ガイドラインの必要性について、物議が醸されるようになったのは、芦原妃名子先生の一件が大きいでしょう。
出版社・編集部・TV局側の制作陣の原作者への対応がどうだったのか、芦原先生が急逝されて一週間経過した今も不明瞭です。
「セクシー田中さん」ドラマ化による悲劇をくり返さないためにも、一次創作者となりえるクリエイターたちがどう立ち回っていけばいいのか考え直す必要性がでてきました。
「小悪魔教師サイコ」の二重コミカライズ問題
合田蛍冬先生のコミカライズ後、別途WEBTOON連載を開始し、許諾なく合田先生のマンガ表現を引用した。
http://aidakeito.blog.fc2.com/blog-entry-279.html
「男装のパルトナー」連載終了
編集部の浅月のりと先生への連絡不備などが要因
https://magazine.jp.square-enix.com/biggangan/information/20231125.html
https://twitter.com/norito_a/status/1728391861075927502
「勇者の母ですが、魔王軍の幹部になりました。」連載終了
原作の野山歩先生と漫画担当のツヅル先生の関係は良好であったが、編集部の
https://comics.manga-bang.com/news/178293
https://twitter.com/touya_tsuduru/status/1736400869187322204
編集者がに同一原案の原稿作成を二人の漫画家へ依頼した問題
依頼されたえばんふみ先生とちさこ先生はその事実を知らず、どちらも被害者。
https://twitter.com/fumi_mikan919/status/1747530658573152678
https://twitter.com/chicochisako/status/1745824026206122476
https://twitter.com/fumi_mikan919/status/1748264284004729102
直近だけでも、これらの問題が発生しています。
小説家や漫画家は、一つの出版社専属になることは少なく、作品ジャンルなどに応じてさまざまな出版社と仕事をするので、担当編集者がかならずしも味方とは限らないのです。
芸能人には仕事をとってくるマネージャーがいます。
きっと仕事の契約に関して、クリエイター業の人は信頼できる仲介人がいたら一番いいのでしょう。
また、自分ひとりで抱え込まないよう、相談できる窓口の存在を知っておいた方がいいです。自分が調べた範囲では下記がそういった関連のものです。
◇相談窓口
・文化庁 ぶんかる
https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/kaizoku/contact.html
・漫画家協会(漫画家向け)
https://nihonmangakakyokai.or.jp/
・CRIC 公益社団法人著作権情報センター
https://www.cric.or.jp/counsel/index.html
著作者にはどんな権利がある?
https://www.cric.or.jp/qa/hajime/hajime2.html
◇エージェント契約
博報堂 CNPYRA
https://conpyra.com/creator
収益の一部を渡す必要があるようですが、その代わり契約関係は任せられるようです。
(他にも信用おけそうな仲介業者ご存じの方がいれば、追記するので教えてください)
そして商業化有無に限らず、著作人格権が損なわれる問題が発生する恐れは常にあります。
著作者人格権
・公表権
(第18条第1項)自分の著作物で、まだ公表されていないものを公表するかしないか、公表するとすれば、いつ、どのような方法で公表するかを決めることができる権利
・氏名表示権
(第19条第1項)自分の著作物を公表するときに、著作者名を表示するかしないか、表示するとすれば、実名、変名のいずれを表示するかを決めることができる権利
・同一性保持権
(第20条第1項)自分の著作物の内容又は題号を自分の意に反して勝手に改変されない権利
著作者人格権は誰にも奪われない権利です。どうぞ大事になさってください。
二次創作ガイドラインはそういった問題を予防するための盾のひとつです。ファンがいると感じられる方は一度、表明してみてはいかがでしょう?






