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第44話 恐怖からの解放

「舜多!ここは俺がなんとかする。お前はアジトに行け!」

アキツライザーに変身している基は、ユニバースヴィランに向かって走りながら舜多に言い放った。

「え、でも…」

舜多は戸惑った。

「早くしろ!!」

基はユニバースに攻撃を仕掛けた。

「は、はい!」

舜多は地図を頼りに、アジトへ向かった。

「私に耐性がある唯一の超人類…寺田も憎いことするよねぇ。」

ユニバースに変身している信幸は、アキツライザーの攻撃を全て避けた。

「君がいくら強かろうと、当たらなければ良い。それに君は今、連日の戦いで疲れている様子だ。」

信幸は、アキツライザーが繰り出した拳を手で受け止め、そのまま引っ張り、脚を払った。基は倒れることなく、手を地面につけてユニバースの顎を蹴ろうとしたが、避けられた。

「ハァ!!」

信幸が地面を蹴ると、地面が揺れ、半径一キロメートル以内の建物が全て崩れ落ちた。基には、周囲から子どもの泣き声が聞こえた。

「なんてことを…!」

基は怒りに震え、ユニバースに向かって蹴りを入れようとしたが、全て避けられる。信幸に重い蹴りを入れられた基は、人間の姿に戻ってしまった。

「さようなら!」

信幸が基にとどめを刺そうとしたその時、信幸に掃滅弾が当たった。撃ったのは、桜子だった。

「これより、民間人の保護及びニビル首領・ユニバースヴィラン…真木信幸を討つ!!」

桜子の背後にいた沢山の公安調査官たちは、それぞれ民間人の救助に向かった。桜子のもとには、掃滅弾を所持している調査官十数人が残った。

「ど、どうして動ける!?」

信幸は調査官たちが動けることに驚いた。

「私たちは恐怖という感情を捨てた。この国の平和を守るためなら、私たちはなんだってするわ!!」

桜子は掃滅弾を再び、信幸に撃ち込んだ。信幸はふらついた。

「ユニバースヴィラン!!ここで決着をつける!!変身!!」

基は再びアキツライザーに変身し、ユニバースに向かって走り出した。



 あの日から、廉は公安調査委員会に保護されていた。しかし、国内中で内紛が起こり、調査官たちがそれの対応に追われ、公安調査委員会の建物内の警備が手薄になっていた。そのため、斗織は廉に容易に会いに行けた。

「廉!!」

斗織が廉のいる部屋に突入すると、そこには包帯だらけの廉の姿があった。

「斗織!!…どうして…」

廉は泣いた。斗織は廉を抱きしめた。

「今すぐここから出よう。まっきーがニビルに捕まってるんだ。」

斗織は廉の目を見て言った。

「え!?うん、分かった。」

廉は体中の包帯を取った。体には、痣や生々しい傷痕がまだ残っていた。

「…なんか、おいら、恥ずかしいや。」

廉は自分の体を見て呟いた。

「お腹がつまめることがか?」

斗織は廉のお腹の肉をつまんでみせた。

「違うよ!!…まっきーに、心配かけちゃったことだよ。」

「なんだ、そんなことか。」

「なんだよ!!『そんなこと』って。」

「別にまっきーはそんなこと気にしてねぇし、また三人でダブルダッチができる、って信じてるよ。」

「え…?」

「とにかく、ここから出るぞ。」

斗織は廉の手を取った。すると、警備員が数名いた。

「チッ…めんどくせぇ。」

斗織が困っていると、廉が斗織の肩を叩いた。

「おいらに任して、耳を塞いで!」

「え?お、おう。」

斗織は耳を塞いだ。すると廉はシャウトヴィランに変身し、ガラスが割れるような大声を出した。警備員たちは爆音により失神した。廉は人間の姿に戻った。

「さ、行こう!斗織!」

「お、おう。」

斗織は戸惑いながらも、先に歩く廉の後を追った。



「ここが…ニビルのアジト…」

アキツリベルライザーになってニビルのアジトまで移動した舜多は、ついにニビルのアジトに辿り着いた。アジトは山の中の人気の無いところにひっそりとあった。すると、舜多のスマートフォンに電話がかかってきた。舜多は変身を解いて、電話に出た。

「もしもし。」

「もしもし、舜多か?」

相手は陸だった。

「アジトには着いたか?」

「あ、はい。」

「そこは昔、信幸や友則、寺田たちと建てた民家があった場所なんだ。今でもたまに来る。それにしても、本当にやるつもりか?あれを…」

陸は舜多に質問した。

「はい。もしもの時のために、です。」

舜多は呟いた。

「そう、か…」

「あの、天海さん。アジトを調べてくれて、ありがとうございます。」

「いや、私はただ、自分にできることをしているだけだよ。じゃ、幸運を祈っているよ。」

「…はい。」

電話は切れた。舜多は、ニビルのアジトに入って行った。すると、現影と沢山のマーサナリーヴィラン、沢山のダークライザーがいた。

「餅搗舜多、いや…リベルライザー。来ると思ってたよ。お前の大事な人を助けに、な。」

現影は薄ら笑いを浮かべた。

「友祢はどこにいる!!」

「まあそんなに慌てるなよ。真木友祢を連れて行きたければ、ここを通るんだな。」

そう言うと、現影はサイキックヴィランに変身した。

「行け。」

現影が舜多を指差すと、マーサナリーやダークライザーは一斉に舜多に向かって走り出した。

「超変身。」

舜多はアキツリベルライザーに変身した。

「アキツリバティ…!!」

舜多はライザーダガーで一気にマーサナリーとダークライザーを切った。ダークライザーは、アキツリベルライザーの能力をコピーする暇もなく散った。

「その力さえあれば…!」

するといつの間にか、マーサナリーに紛れた、サイキックに変身した現影が舜多を洗脳しようと舜多を触ろうとした。

「しまった…!」

「フューチャーパンチ!!」

舜多が振り向こうとしたその時、アキツフューチャーがサイキックを殴った。

「行けぇ!!リベルライザー!!」

アキツフューチャーに変身している百瑚は、舜多に叫んだ。

「あ、はい!」

舜多は一瞬困惑したが、先を急いだ。

「痛ぇなぁ…!」

パンチで倒れた現影は起き上がった。

「日向現影。あなたを、許すわけにはいかない。」

百瑚は現影に言った。

「嫌だなぁ。俺は先輩と戦う気は無いですよ。」

「でもね、私にはあるの。平和を守るために。」

「ハッ…!一体、どっちが平和を脅かしてんだか。いいですか?超人類は、ニビルは、人間のように恐怖を持たない。だから殺し合いしない。それぞれが力を持っているから。」

「じゃあ、燦之嬢くんが殺されたことは?」

「は?」

「あのジョーカーを殺せる人なんて限られる。あなたが一番知ってるんじゃないかしら。」

「フッ…だから?」

「恐怖が無いと錯覚してるのは、ユニバースが恐怖で支配しているから、そしてあなたも、洗脳で恐怖を誤魔化しているから。違う?」

「誰かが支配しなければならない!野放しの人間ほど恐ろしいものはない。見たでしょう!?この国の現状を。超人類はあんなことしない。」

「だから人を殺してもいいと?そんなの、自分勝手よ!私は…私はもう、人が死ぬのを見たくない。現影が苦しむところを見たくない。だから私はあなたを止める。もうそれは覚悟したことよ。」

「…」

現影は黙った。

「なら俺も、覚悟を決めるよ、先輩。」

すると現影は、近くにいた数名のマーサナリーの脊椎を素手で取り出して、食べた。

「ちょ、何を…!?」

「超人類がオプファーや他の超人類の髄液を飲み込むと、それでしか栄養を取れないが、強力な力を得られる。」

「何よ、それ…」

百瑚は呆然とした。すると現影の息が荒くなり、体が熱くなった。

「うおぉぉぉ!!」

叫び声を上げた現影は、目にも留まらぬ速さで百瑚の顔に蹴りを入れた。百瑚は吹き飛ばされ、壁にめり込んだ後、その場に倒れた。その衝撃で仮面が割れ、血で赤くなった目が見えた。

「さようなら、先輩。」

現影がそう呟いて百瑚にとどめを刺そうとした時、現影は百瑚を蹴るのをためらった。

「フューチャーパンチ。」

その隙に百瑚は立ち上がり、現影の脊椎目掛けてパンチをした。現影の脊椎は砕け、人間の姿に戻った。倒れそうな現影を、百瑚が抱えた。

「…どうして、とどめを刺さなかったの…?」

百瑚は現影に訊いた。

「…あの時もそうだった…ジョーカーを殺そうとした時も…俺はどうやら…洗脳はできるが…殺しは無理…みたいだ…」

「全く…昔から虫も殺せない優しい後輩だものね…」

百瑚は嗚咽交じりに言った。百瑚の目からはいつの間にか血ではなく涙が流れていた。

「本当は…怖かった…永夢も…首領も…先輩…ありがとうございました。」

すると現影は最期の力を振り絞って、百瑚を突き飛ばした。現影は爆発した。百瑚は変身を解除した。

「あの天海とかいうやつに、ニビルのアジトの場所を訊いておいて良かったな。」

外で待っていた想は百瑚に言った。

「…えぇ。想も、バイクで送ってくれてありがとう。」

「俺には、これくらいしかできないからな。」

想は、爆発せずに体が残ったダークライザーの死体に目を落とした。そして、百瑚に見えないようにダークライザーのベルトを取った。

「私…もしかしたら現影を救えたかもしれない。それなのに…」

百瑚はいつまでも現影の爆発後の炎を見つめながら呟いた。

「一応言っとくが、人が死ぬのはその人のせいにすぎないから、お前が気負うことはねぇぞ。」

「…ありがとう。」

百瑚は涙を拭いて想の方を向いた。



 舜多は、最上階の首領室に来た。そこに信幸の姿は無かった。

「まぁ、いないよな。…ん?」

すると、首領室の隣の扉に「TOMONE」と書かれていた。舜多はその扉を開けた。すると、子供部屋が広がっており、ベッドに友祢が寝ていた。舜多は変身を解除し、友祢の所へ歩んだ。

「綺麗…」

舜多は、白髪に戻っていた友祢の容姿端麗な寝顔と華奢で透き通っている体を見て、思わず涙が溢れた。すると、友祢が目を覚ました。

「ん…?舜多?」

友祢は目をこすった。

「友祢。迎えに来たよ。」

舜多はその場に座り、友祢の手を握った。

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