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第17話 聖夜の呪いを解いて

「舜多…舜多!」

舜多は、誰かに呼ばれた気がした。辺りは真っさらで何も無い。舜多は声のした方を振り向くと、友則と祢愛が立って居た。

「お父さん…お母さん…!!」

舜多は両親の方へ走ろうとするが、思うように走れない。

「来るな、舜多!!」

友則は舜多に叫んだ。舜多は走るのを止めた。

「父さんと母さんはもういないんだ。」

「ごめんね、卒業式と入学式に行けなくて。」

友則と祢愛は舜多にそう語りかけた。

「待ってよ…!どうして俺を置いていくんだよ…勝手に死ぬなよ!!」

舜多は再び両親に向かって走り出そうとするが、前に進まない。

「舜多…お前がどんな姿になろうと、俺達の子どもだ。此れからの人生は、自分で作れよ。」

友則がそう言うと、友則と祢愛は地平線の彼方へ消えて行った。舜多はその場に跪いた。

「…俺は、リベルライザーだ。人々を救うヒーローだ。自分が救われてどうする…!」

舜多は再び立ち上がった。

「もう誰も…失わない…!!」



 舜多が目を覚ますと、目の前にはアキツフューチャーを装着しているテラファイトが、銃口を突きつけていた。すると舜多は、テラファイトが持っている銃を掴み、テラファイト目掛けて銃で殴った。

「なっ…!」

一瞬よろめいたテラファイトは、銃をリベルライザーに奪われた。銃を奪った舜多は、直ぐにテラファイトを撃った。テラファイトは其の衝撃で倒れた。すると、舜多は体が癒されていくような気がした。

「これって…まさか!」

舜多は銃に力を込めた。すると、割れた仮面が元に戻り、青いリベルライザーの体が緑色になった。

「な、何だと!?こんな色のリベルライザーは見たことが無い…いや、有り得ない!!」

テラファイトは驚嘆した。

「まさか友則…リベルライザーに変な機能を入れやがったな…!おのれ友則ィ!!ドゥハハハハハハァ!!」

テラファイトは怒り出したかと思うと、急に笑い出した。

「貴様がどんな姿になろうと、貴様の動きを完璧に理解して対策をした俺ちゃんには敵わねぇよ!!」

「其れはどうかな…?俺の心と体の傷はもう癒えたよ。此れのお陰でな。」

舜多は銃を指して言った。そして、テラファイトに向けて銃を撃った。しかし、テラファイトの俊敏な動きにより、当たることは無かった。

「フン、どうやら、銃を使ったことが無いみた」

すると、外れた筈の銃弾が全て、テラファイトに向かって行き、爆発した。其の衝撃でテラファイトはアキツフューチャーの装着を強制解除させられた。爆発のどさくさに紛れて、テラファイトは隠し扉を開けて逃げた。其れを見逃さなかった舜多は、テラファイトの後を追って隠し扉の向こうへ走って行った。入り口にずっと立っていたモジャコヴィランは呆れ果て、其の場に座り込んだ。

「全く…何奴も此奴も自分勝手な…」

「本当だな、モジャコヴィラン。」

「な、其の声は」

モジャコヴィランが声のした後ろを振り向くより速く、アキツライザーがモジャコヴィランをうつ伏せにして取り押さえた。モジャコヴィランは胸のミサイルを放とうにも、自分の体が邪魔をして放てない。

「無駄な戦闘は避けたい。俺の質問に答えろ。人質は何処に居る?」

アキツライザーに変身している基は、モジャコヴィランに聞いた。

「私が裏切り者の貴方に言うとでも?」

モジャコヴィランは言い返した。

「勘違いするな、此れは脅迫だ。お前に選択権は無い。もう一度聞く。人質は何処に居る?」

基は、さっきよりモジャコヴィランの腕の関節を、あらぬ方向へきつく曲げた。モジャコヴィランは、少しでも動くと骨が砕ける予感がした。



 テラファイトを追って行くと、実験室の様な場所に辿り着いた。緑のリベルライザーに変身している舜多は、銃口をテラファイトに向けたまま、テラファイトを壁に追い詰めた。

「お前には聞きたいことが沢山ある。どうして俺を改造したのか、どうして『超人類』を創ろうとしたのか、そして…俺の父さんと母さんとは、どんな関係だったのか…」

「なぁ、餅搗舜多。貴様は何故他人の為に戦う?此処に来たのも、真木友祢を助ける為だろう?しかし貴様は真木友祢に嫌われたと思っている筈だ。」

テラファイトは舜多の質問を他所に別の質問をした。

「俺にはもう…大切なものは無くなった。だからせめて、他の人の自由と平和は守りたい。其れが、俺に出来ることだ。」

「嘘だ!!嘘だそんなこと!!だって貴様は俺ちゃんの自由を奪った!そして今も奪っている!!本当は超人類殺しを楽しんでるんだろ?ヒーローという名声に自惚れてんだろ?なぁ?」

舜多は銃の引き金に指を掛けた。

「お前が言うなよ…散々俺の自由を奪ったお前が…言えることかよ…!!」

舜多は引き金を引いた。しかし、銃弾はテラファイトに当てず、壁に撃った。

「お前を裁くのは俺じゃない、法律だ。大人しく警察に自首しろ。」

舜多は銃口をテラファイトに向けたまま、そう言った。

「其れで良い…流石俺ちゃんの最高傑作…!!楽しかったよ、餅搗舜多。いや、リベルライザーマザー。」

そう言った後、テラファイトは懐から拳銃を取り出し、銃口を自分の口の中に入れて発砲した。

「…え」

あまりの一瞬の出来事に、舜多は言葉を失った。テラファイトは爆発しない。テラファイトはヴィランでは無く、人間だった。其の時、爆発音の様な低く鈍い音がしたと思うと、地震の様な揺れが起きた。

「リベルライザー!」

扉の向こうから基の声が聞こえた。舜多は急いでテラファイトの遺体を隠した。

「リベルライザー、人質の友祢は無事だ。想が入り口で介抱している。フューチャーベルトも回収した。それより、此のアジトは爆発するみたいだ。逃げよう。」

「あっ、はい。」

舜多は、入り口に走って行く基の後を追った。



「ん…此処は…?」

友祢は目を覚ました。気がつくと、布団の上に寝ていた。今居る部屋の扉から光が漏れている。友祢は扉を開けた。すると、隣の部屋に舜多と一人の少年が居た。

「あ、お兄ちゃん!あの人、目覚ましたよ!」

秀飛は友祢を見て言った。舜多は友祢の方を見た。

「そっか…僕、誰かに殴られて…」

友祢は頭を摩った。

「ごめん、友祢くんの家が分からなかったから、俺の家に…」

「いや、ありがとう。じゃ、僕はこれで…」

「あ、待って!」

帰ろうとする友祢を、舜多が止めた。

「よ、良かったら晩御飯、食べてかない?」



「アジト…無くなっちゃいましたね、モジャコ様。」

アジトがあった場所に居るマルリカヴィランはモジャコヴィランに言った。

「アジトが無くなる時…其れは即ちテラファイトが絶命した時…一刻も早くテラファイトの代わりになる幹部を」

「其の心配は要らないよ。」

すると、背後から声がした。

「あ?誰だお前。」

マルリカヴィランは振り向き、声の主のヴィランを挑発した。すると、其のヴィランは口を開いた。

「俺はナイトメア。テラファイト様の遺志を継ぎ、新たな超人類の計画を遂行する男だ。平和ボケした国民の心に火を付ける、最高の計画を、な。」



『速報です。梓川地区での地震の震源地から、何かが爆発された跡がありました。今回の地震は人工的なものと思われており、誰が何の為に爆発をしたのか、警察が現在調査中です。』

テレビのニュースキャスターは、今夜起こったニビルのアジトの爆発について話していた。しかし、舜多達以外は、ニビルのアジトだということを知らない。

 舜多は友祢にご飯を誘ったものの、気まずく、秀飛とばかり話してしまう。其の時、友祢は思い出した様に唐突に言った。

「あ、そうだ。僕、舜多くんに渡したいものがあったんだ。」

「え?」

「でも、僕の鞄、どっかに行っちゃったし…」

「あ、鞄なら、さっき寝てた部屋に…」

「あ、そう?ありがとう。」

そう言って友祢はさっき寝ていた部屋に鞄を取りに行った。戻って来た友祢は自分の鞄を持っていた。其の鞄の中から、ラッピングされた袋を取り出した。

「はい、クリスマスプレゼント。」

友祢は其の袋を舜多に渡した。

「此れを…俺に?」

友祢は頷いた。

「あ、ありがとう…開けても良い?」

「良いよ。」

舜多は袋を開けた。中には、パンダの縫いぐるみのキーホルダーが入っていた。

「あ、此れ…!」

舜多は驚いた。

「此れ…前から欲しかったヤツだ!」

「え、本当に!?」

友祢も驚いた。そして、笑い出した。

「なんだ、そうだったんだ。」

そして暫くした後、舜多が話し出した。

「ねぇ、友祢くん。」

「ん?」

「俺、怖いよ。此の先、大切な人が俺の前から居なくなりそうでさ…俺は…守るべき者を守れなかった…」

舜多は秀飛の方を少し見た。友祢は舜多の方へ行き、静かに抱きしめた。

「やっと…其の言葉を聞けた。舜多くんは充分凄いよ。誰かを守る為に戦ってさ。だから…」

友祢はさっきより強く抱きしめた。

「だから…死なないでよ…李杏みたいに…」

友祢は泣いていた。涙が舜多の頬に迄伝っていた。舜多はハッとした。いつも飄々としていて感情の起伏が無い友祢が泣いていた。舜多は文化祭の時、友祢に戦いを止められた時を思い出していた。

「そっか…友祢くんは僕のことを…」

すると、秀飛が立ち上がった。

「友祢のお兄ちゃん!舜多お兄ちゃんはね、死なないよ!だって舜多お兄ちゃんは優しくて強いヒーローだもん!」

秀飛は友祢に言った。

「…うん、そだね。」

友祢は涙を拭い、舜多の頬に付いた涙も拭った。

「舜多くん、年明けのテストが終わったら、一緒にご飯食べに行こうね。」

「う、うん。」

舜多は驚いたが、直ぐに頷いた。



 翌日の放課後、ギャラリーで廉と斗織が話していた。其処へ、友祢がやって来た。

「あ、まっきー!観てよ此の動画!リベルライザーっていうヤツが人殺してる動画が上がっててさ、どんどん転載されてて。もう今話題なのよ!」

廉は自分のスマートフォンを友祢に渡して、其の動画を見せた。其の動画には、実験室の様な場所で、緑のリベルライザーがある人に向かって銃を撃って殺している場面が映っていた。

「いやおいらは怪しいと思ってたんだよなぁ、あのリバイバルバイブとかなんとかってヤツ。」

廉は腕を組み言った。

「おい、まっきーや此の学校を救った恩を忘れたのかよ。此の動画、ソースも分からないし。」

斗織は廉に言った。

「でも動画だよ!?修正されてる様には見えないヒデブッ」

廉が斗織に言い返した時、友祢は廉の頬に廉のスマートフォンを押し付けて返した。

「さ、練習するよ!!」

友祢は廉と斗織にそう言い放った。

「お、おう。」

廉はそう呟き、三人は練習を始めた。

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