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1話

「はぁ、なんか最近おんなじような設定のやつ増えてるよな〜。あっち見ても異世界こっち見ても異世界。たまには普通のサスペンスとかでも面白そうなんだけど。」


録画していたアニメを見終え、愚痴をこぼす夏樹。面白くないわけではなかったが、最近のアニメは同じ展開ばかりでつまらないと感じていた。


夏樹は大きく伸びをするとテレビを消してベッドに籠った。そしてスマホを開きSNSに投稿する。


『最近おんなじようなのばっかだよな〜。今期始まった異世界物のやつも結局テンプレだったしな。今後見るか悩むわ。#isekai』


これでよし。フォロワーも1万人超えてるし、共感者からのコメントも来るだろう。とりあえず明日も学校あるし寝るとしよう。


そう思い電気を消した。しかし暗くなることはなかった。


何故なら時間は午前7時を過ぎていたから。既に明日じゃない。




目が覚めると部屋のデジタル時計は9:26の数字を示していた。寝ぼけた頭で思考を巡らす。


(んん?登校する時間は確か8:30だったような...?今の時間は...。っっ!?!?)


一気に目が覚めた。急いで部屋を出てリビングへ向かう。リビングのドアを勢いよく開き叫んだ。


「お母さん!!何で起こしてくれないの!!」


しかし、その叫び声は静かな部屋に響くだけでそこには誰もいなかった。


「あ...。そっか、お母さんはもう...。」


夏樹は震えた声で言った。そんなに悲しむことはない。仕事の都合で家を早く出ただけである。


そんな茶番をしながら学校へ行く支度を済ませる。家の鍵を閉めて急いで駅へと向かった。


駅に着き、改札を通り抜け、電車に駆け込もうとしたその瞬間、電車のドアが閉まってしまった。本当にツイてない。


夏樹は一番後ろの車両にいる車掌さんに「開けてくれ」の気持ちを込めて意味不明なジェスチャーを送る。周りからの視線が痛い。


車掌さんが理解してくれたらしく、ドアを開けてくれた。電車の出発を遅らせて申し訳ない。だが俺は既に遅刻なんだ許せ。


そう思いながら電車に乗り込み席に座る。そして夏樹はようやく身を落ち着かせた。


夏樹の登校にかかる時間は電車だけで1時間はかかる。学校に着くのは11時過ぎになるだろう。怒られるのを覚悟して向かう。つもりだったが、余裕で爆睡してしまった。


はっとして目を覚ました夏樹は辺りを見回す。そこには見覚えのない景色が広がっていた。それに驚いた夏樹は思わず叫んでしまった。


「ここはいったい...!?こんなところ見たことないぞ!!」


そう電車の中で叫んだ。目的の駅を6駅程過ぎていただけである。我に帰り叫んでしまった事を恥じて黙ってそのまま席に座り直した。


というか、叫ぶ台詞を間違えていないか。寝過ごした!!とか叫ばないか普通。だが、そんなこと気にしたら負けである。


(くそっ!!今日はなんてツイてない日なんだ!!)


自業自得である。朝方まで起きてればそうなってしまってもおかしくない。


そんなこんなで次の駅に着いた。やむを得ずここで降りて折り返しの電車を待つことにする。夏樹は駅の電光掲示板を見た。


(次の電車何時だ?11:38か、もうすぐ来るな。どうせ遅刻だしもうなんでもいいや。そういえば昨日の投稿にコメント来てるかな?)


そう思いポケットへ手を伸ばす。が、ポケットの中には何も無かった。


(ま、まさか、ここまでツイてないのに更に追い討ちだとっ!?スマホまで忘れるとは...。)


夏樹は肩を落としながら駅のホームの椅子に座り込んだ。


(流石にこれ以上酷いことは無いだろう。帰ったらこのこともSNSに上げるか。)


そう思ったちょうどその時、駅のアナウンスが入った。


「11時38分発〇〇線△△行きの電車は、人身事故の影響で大幅に遅れが生じています。ご迷惑をおかけしますがもうしばらくお待ちください。」


(...おい。)

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