プロローグ
初投稿です!
『世界』は、無限に存在している。
自然発生するものもあれば、元の世界から分裂し、独立する世界もある。最も多いのは上級神による“世界創造”だろう。
前者二つは、後に世界の管理を行う神が割り振られる。後者は、基本的に創造を行った神が管理を行う。
神は概念の数以上に存在する。
故に、世界は無限に存在するのだ。
無限に存在する世界のひとつに《ユウラハルガルダ》という世界がある。
ユウラハルガルダは、神王が一柱、炎の神ユリガドにより創造された。ユウラハルガルダは上位世界と呼ばれる世界だが、ユリガドが創造してすぐ、とある問題が起きたのだ。
ほとんどの世界は選択により枝分かれしながら進んでいく。AとBの選択肢があったら、Aを選んだ世界とBを選んだ世界に枝分かれするのだ。俗に言うパラレルワールドというものだ。ユウラハルガルダも枝分かれしていく世界。しかし、最初の選択肢が問題だった。
《宝玉》と呼ばれるモノがあった。それは魔素の塊であり、神ユリガドはその魔素をエネルギー源として世界を育むつもりだった。それ故に彼はユウラハルガルダから“宝玉が割れる”という選択肢を消した。割れたら、世界に魔素が散ってしまうから。
──消したはず、だったのだ。
ユウラハルガルダで初めて誕生した知的生物は、宝玉の近くで生まれた。神ユリガドによりユウラハルガルダの全ては宝玉を認識することさえ不可能なはずだった。しかし、原因は未だ解っていないが、その生物は宝玉に興味を持ち、割る割らないという選択肢を持ってしまった。
かくしてユウラハルガルダは魔素の存在する世界と魔素の存在しない世界に枝分かれした。それら二つは隣り合わせで存在させるにはあまりにも危険だった。神ユリガドは世界を分けて進めることを決めた。
魔素の存在しない世界をユウラハルガルダ。
魔素の存在する世界を《ガイアス》と名を改め、独立させ、別々の時を刻んでいくこととなった。
前述した通り、この二つの世界は元々一つの世界であり、ユウラハルガルダのシステムをガイアスにコピーし、独立させた。それ故にこの二つの世界では同質の魂を持つ者達が現れるときがある。
ユウラハルガルダとガイアスに同一人物が存在するようになったのだ。要するに“別世界の自分”というヤツだ。
さて、ここまでの話を踏まえて。
ユウラハルガルダに生まれ育ち、神格を得るに至った二人組がいた。
ガイアスに、彼らと同質の魂を持つ者達が生まれた。
──これは、同質の魂をもった二組四人が出会った結果の物語。
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