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質問②

投稿が少し遅れました、すみません

残り1話になります

 文章自体は至って読むのが容易な様子。ではどうして読めないのか? 次に疑うべきは外乱の存在か……。


「3つ目。ゲーム中のアンタの行動を教えてくれ」


「3秒を正確にカウント致します。その間、1ミリと胴体を揺らすことはなく、足はこのマットから外に1ミリもはみ出さず、手はポケットに突っ込み1ミリも外に出しません。その他呼吸など言い出せばキリがありませんが、この辺りでよろしいでしょうか?」



 確かに、見れば彼女は扉の前の玄関マットのようなスペースに収まるように立っていて、手もいつの間にやら既にポケットに突っ込まれていることに気づく。



「オッケーだよ。4つ目。俺が全く知り得ない、未知の外乱が介入することは?」


「ございません。ゲーム中に、超常現象や、心霊現象など、科学で説明のつかないような不確かな出来事が起きることは一切無いとお約束致します」



 なるほどね。大体分かってきたよ。



・彼女が俺に対して危害を加え『妨害によって読ませない』訳ではない。


・また、その他ご都合主義のトンデモ展開によって未知のパワーが俺に本を読ませないよう働きかけてくる訳でも無い。



 1つだけ不安なのは、飛び道具などによる妨害だが、ポケットに手を入れていることでその可能性は除外されたものだと思っていいだろう。


 あとは、時限爆弾などの存在の可能性も考えられるかな。ま、それも『3秒をカウントする』以上は存在しないものと思って大丈夫そうだ。心配性な俺は、俺だけを狙った爆弾の存在、だとか、ゲーム開始前に襲いかかってくる、なんて都合のいい展開も想像もしてしまうが、そこまで心配なら、彼女と密着したり壁際に追い込んだりした状態でゲームを始めることも可能なのだ。(さすがに彼女に危害を加えて妨害を防ぐようなことは認められないだろうな)そんなところに仕掛けを置いているとは思えない。


 第一、『ゲーム勝利時点でアタッシュケースを与える』とルールの段階で言っているのだ。アタッシュケースが塵と化すような物騒な事態は想定しなくていいだろう。



「さて、残りの質問は1つです。いかがなさいますか? もし必要なければ、見送ることも可能ですよ?」


「まさか! 全部使わせて頂くさ」



 正直言って、俺は真実の目の前にまで迫っている自信があった。それが、今の一言で確信に変わるのを感じた。そう、今の一言は『焦燥』によるものだ。



「最後の質問だ」



 彼女は声色や表情こそ変えていない。が、その不意に出た『余計な一言』は紛れもなく俺に考える暇を与えたく無いという焦りの表れだった。いや、そうでなくてもいい。この局面、『俺が主導権を取る』構図こそ肝要……!!



「◯◯◯◯××××」



 ぴくっ。


 最後の言葉に、彼女の眉間が微かに動いたのを、俺は見逃さなかった。数刻の間の後、彼女はその答えをゆっくりと告げる。







 にやり。俺はこぼれる笑みを隠す努力さえしなかった。



 決まりだ。俺は核心をついた。

最後にどんな質問をしたのでしょうか

次回、エンディングです。6/5、18時の更新をご期待ください

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