第1話 夢中(夢の中)へ
入学式が終わるまで校内をブラブラすることにした全てが普通の『山崎智憲』は校舎の裏の桜の木の近くにいた。
そこで…
1つの影を見た…
人影らしきものを…
影が風と共に揺れてい。
多分髪の毛だろう。
そして、智憲は影が出ている方向を見た。
長い濃い桃色の髪の毛が風でなびいている。
髪の毛のにおいが…
風がにおいを連れてくる…
そして彼女は智憲に気付き智憲の方を見た。彼女はにこっと微笑み智憲の視界から消えた………
そして智憲は夢から目を覚ました。
『いつの間にか寝てたのか…』桜の木の下でいつの間にか寝ていた智憲は立ち上がった。
『それにしても…不思議な夢だったなぁ……まっ、いいや…』
『早く教室に行こう。』智憲は土間の前に貼ってあったクラス表を見た。
『1年6組かぁ…』
クラス表を確認すると、土間を通り、階段を登り自分の教室の前に着いた。
『東中出身、御手洗剛です…』
なにやら既に自己紹介が始まっていた。
『ヤベー、完全に遅刻だ。』
勇気を出して引き戸に手をかけた。
『キィー』
ドアを開けた瞬間、クラス全員の冷たい視線が智憲の心に突き刺さった。
『は、恥ずかしい…』
もちろんそうであった。あの静まりかえった場に途中で入るのは、授業中に皆が集中して静かな時に筆箱を落とすぐらい恥ずかしい。
しかし、この先生の言葉のおかげでこの空間を抜け出すことができた。
『お前が山崎智憲か?』
『そっ、そうです。』
『だったら、一番後ろの窓際に座れ。』
そう言われると智憲は自分の席へと歩いていった。この智憲が座っている席は日当たりが抜群にいいので、智憲は睡魔と戦っていた。
そして…
ゆっくり、
ゆっくり
夢の中へと…