5・ナンヤ寮の自己紹介1
「皆について紹介しまーす。いえーい」
シュウがピースサインを出しながら、叫ぶ。
ぱちぱち ちらほらと拍手があがった。
ここは、リビング。2階の中央にある部屋だ。
シュウに呼ばれて来たは良いが、知らない人が多すぎる。というか、ほとんど全員知らない。
シュウは辺りを見渡すと勿体振った様子で告げる。
「えっと、今日から新しい家族が増えます!」
ほら、ハル?
シュウに優しく呼ばれ、ゆっくりと顔を上げる。さらっとした黒髪が横に流れる。
「ハルです。ナンヤ寮に入る事になりました。よろしくお願いします」
少し周囲を見渡す。7、8人の青年少年少女が好奇心旺盛にこちらを見ていた。
「よろしくー」
「よろー」
「よろしくやっても良いわよ」
「ぼくのこと!痛めつけてくれたらよろしくするよ!」
「ふざけたこと言ってんじゃねぇ。このっ」 ガンッ
「ああ~ん♪」 バタッ
「私の下僕が増えるわ!」
「あらー、よろしくね~」
何かいろいらとおかしいのが混ざっていた気がする。特にそこに倒れている少年は大丈夫だろうか。
「大丈夫。笑ってるから」
彼が倒れる原因を作ったもう一人の少年が爽やかに笑う。
それは……大丈夫といえるのか……
「ハルく~ん♪いつものことよ。慣れといた方が良いわ」
腰元まで伸ばした金髪、青い瞳の美女がウインクしながら微笑んだ。
「私はエリサ。センと同じく、親担当してます♪おかーさんって呼んでもいいのよ?」
「遠慮します」
即答する。エリサさんが残念そうに肩を落とした。
「エリ姉、こうみえて天然入ってるから」
シュウがコソッと囁く。どうやら、真面目に言っているようだ。
「そ、そうなんだ~」
エリサさんは要注意人物っと……心の中のメモ帳に刻む。
「次、ぼくするー」
はいはーいと手を上げたのは、さきほどまで倒れていた少年。もう大丈夫なのかな?
「あーじゃあ、よろしく」
中途半端なところですみません!
次回はマゾの予感!!