4・ナンヤ寮の部屋
「それじゃあ、まず部屋を決めるね」
センさんは穏やかな笑みを崩さずそう言った。
「うーん、部屋番号は401ね」
401……4って使うんだ……気になんないけど。
「えっと、シュウ。ちょっと部屋見せてきて」
「OK」
シュウが僕を振り返った。
「それじゃあ行こ」
シュウに着いていくと、401号室は2階にあった。廊下を進むと10栗号室の隣にあるようだ。
……ん?
「10栗号室?栗?」
えっ。ふざけてる?いやいや、栗だよ!栗。その前の部屋は……08号室……
「部屋の番号って何で決めてるの?」
冷めた瞳でシュウを見つめた。
「うーん。俺も分からないな。でも、俺って本名 秋夜だから。秋は10月ぐらいだろ?それで旬の食べ物は栗だと思うって10栗号室にしたって言ってたな」
あっつまりその場のノリで決めてるんだ……センさん。ついでにシュウが10栗号室なのだとか。
改めて、401号室は一人部屋とは思えないほど広く、落ち着いた造りになっていた。間取りもゆったりしていてよく寛げそうだ。
「うん、こんな感じだな。物は後から増やそう」
シュウが楽しげに笑った。そんなシュウを見ていると年上な感じがしない。
「ねえ、シュウって何歳?」
思わず、疑問が口から零れた。シュウはこちらを見て
「15だよ。今年、16だ」
と、微笑む。
「あっ同じ年だね」
やはり、予想は正しいようで。
「おお~俺ら何かの運命かもな!」
「そんな運命あるの?」
運命というものをあまり信じる気はないけど……
この出会いがただの偶然とは思えないから。
運命だったとしたら、これだけは神に感謝したい。
「部屋がわかったところだし、家族(住人)を紹介かな」
嬉しそうにシュウは告げた。
部屋番号の由来は後に出てきます。
次回はいよいよナンヤ寮の住人達が登場!
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