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ナンヤ寮の日常!?  作者: 蒼月
2/13

1・ナンヤ寮へようこそ

本編です!

楽しんで下さい!

ぽつぽつと降り始めた雨。

暗く曇った空はまるで僕の心を表しているみたいだ。


「……はぁ」


零れたため息は雨音に掻き消される。


「くらっ何でため息何かついてんの?」


人懐っこい笑顔を浮かべた少年が覗き込んできた。

思わず、肩を揺らす。怖い……一瞬浮かんだ感情を殺すように僕は少年を睨んだ。

少年は笑顔を浮かべながら、言った。


「君、帰る場所ないんでしょ」


まるで全て分かっているように言ってくる少年に怒りが沸く。


「お前に俺の何が分かるんだよ!」


小さく、叫ぶ。


「……全て理解することはできないけど、君の居場所を与える事はできる」

だから、一緒に来ない?

「……っ」


何故、一緒に行こうとしたのかは分からない。ただ、彼なら僕のことを変えてくれる、そんな気がした。

少年は嬉しげに笑って僕を見つめる。


「オレのことシュウって呼んで!」


シュウは笑みを浮かべながら、僕に手を伸ばし、


「よろしく」


力強く手を握り締めた。


「俺は……ハル、で」

「うん!」


★☆☆☆★


どんどん先に行くシュウを追って、僕は駆け足で進んだ。

街灯に照らされた彼の横顔は綺麗で、ふわふわの茶髪は光に当たり、金に輝いていた。

僕と同じくらいの年齢だろうか。

華奢な僕に比べ、幾分か背は高いものの大人びいた印象はない。 


「……ゎ」

ドンッ


突然、足を止めたシュウに思いっきりぶつかる。


「痛つぅ」


鼻頭を押さえて、涙目で顔を上げるとシュウが申し訳なさそうに謝ってきた。


「ごめんなぁ。それより、着いたよ」

「えっ」


気付かないうちに着いていたらしい。

木造の柔らかい印象の家で思わず笑みが零れる。中からガヤガヤと声が聞こえてきた。


「それでは、改めて」


くるっとシュウが振り返る。満面の笑みを浮かべ、両腕を広げた。


「ハル、ナンヤ寮へようこそ」

誤字脱字を見つけたら教えてください!

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