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悪役放棄、更に自由人へ(仮)  作者: 平泉彼方
第一章 逸般人な悪役令嬢、好き勝手過ごす
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88 制限時間付きの勝負に向けて

 読者の皆様なんとか投稿間に合いました……ちょっと誤字脱字有るかも知れないですが、後日見返します。申し訳ないです。


 さて今回前置きは無しで。それでは本編をどぞ!


 あ〜……こりゃ本体は暫く使い物にならんだろうな………



”こんな大事な時に…”



 そんな風に思いつつも自分の事なので分かってしまう…今までの無理が祟ったんだね、御苦労さん。



 ま、その為にも『私』を出したんでしょ?














 『本体とほぼ同等の防御力』を持つ分身体。


 それを生み出すある種禁じ手とも言える、チートな分身体術式を必死に研究して開発したからね。


 ……とは言え、まだまだ防御力の再現は本体の半分程だけどそれでも(本体)を基準に考えるならば十分だと思う。だって本体が化物級だからね。



 本体に近づけた事によるドッペルゲンガーとか乗っ取りの心配?私が謀反を企てる恐れが有るとか?


 イヤイヤ、それはあり得ないから。


 だって考えてみなよ……(分身体)(本体)と意識や記憶、それ以外諸々コピーした存在だから、その質問自体私に『自分を自分で殴るのか』と聞いている様なモノでしょ?


 それに、分身体をより繊細に本体へと近づけた結果時間制限が付く様になってしまったからね……



 私が行動出来るのは、恐らく一日だけ。



 具体的には長くとも明日の日没頃には本体へデータが還元される事になるのだろう。


 だからこそ、急がないとね………やる事が盛りだくさんだ。



 まずはそうだな……兎も角領内に有る物体Xを取り除く事を早急に行わねばならんな。


 同時進行で例の魔術式の解読を考古学者に頼まないとな……ロビンス・ニコロとオリバー・ニコロのニコロ親子。それからクローブ博士、キールトン学士辺りに頼むか。



 後やっておく事は……まだまだ有るけど時間が圧倒的に足んないよ…終わるか心配になってきた。


 けど、やらないと詰む案件が多いので全てやり遂げねば。


 それに私には本体からある権限が渡されている……それを上手く活用すれば達成出来ると言う確信が有る。


 早速そソレを使った……



”シャドウの案件を優先せよ”



 各分身体へとそのデータが行き渡るのを感じ、私は一安心する。これで一応まず最初の仕事終了っと。


 この能力便利だわ……全分身体への命令権。


 欠点としてはまあ、さっき言った様にこの身体自体が術式に耐えられず一日が限界となる事。そして、命令もまだまだ単純な内容しか無理だと言う事。



 その辺り、要改善かな?



 さて、本体へ戻る時にいい報告を出来る様にしないとな。出来る事から片付けて行こう。


 シャドウめ……絶対後で泣かしたる。覚えてろよ?


 さあ頑張るぞ!



……………(???)……………



 何であんな連中を庇うの?


 折角ボクは君を思って全て無に返してやろうと思っていたのに……これから君がそこで色々動く上でとても邪魔だよね?



 ボクにとっても目障りだからね♠︎



 ボクの美しい花に付こうとする害虫は駆除するに限る♢だから〜ボクは着々とその準備を整えて来たんだ♪


 一部失敗しちゃったけど、ボクを止めるものは居ないよ?



 だけどもうそろそろ彼女も気付いちゃったかもな……いや、まだかな〜…だって今頃彼女はダウンしているだろうから♣



 気付いていなかったみたいだけど、ボクの操っていた奴等が散々舞踏会の準備を妨害してくれていたみたいだからね……使えないゴミクズだとは思っていたけど一応訂正しといてあげよう♢


 とは言っても、ゴミはゴミでしか無いけどね♪



 そうだな………あの残飯と比べればまだ再利用出来るリサイクルゴミって所かな?



 そう…ボク結構今回の事、怒っています♠︎


 何でアレだけイロイロ裏で準備しておいて上げたのに……それにあれだけ沢山手を貸してあげたのに失敗しちゃうかな?



 ルーナちゃん対策とかも考えて上げたよね?



 術式の設置とか糞ガキ共の誘拐とかちゃんと見付からない様にして差し上げたし、それに隠蔽工作したり魔道具上げたり人形貸し出したりして上げたんだよ?


 十分なお膳立てはしたはず…寧ろこれ以上どうせよと?


 し・か・も、最高のステージまで用意したんだよ?



 まあでも、残飯にクリーム塗っても残飯だったってだけだよね?



 仕様がないか……別に最初から期待していた訳でもないしね♢上手く行けば目障りな害虫を駆除出来ると思っただけだし♪


 それに、利用した残飯自体をちゃんと処分出来た訳だから結果は上々と言えるのかな?




 まあ、もうどうでもいいや。


 ボクの計画自体がちゃんと遂行されればもう何も思わないよ。




 これから始まるのは1つの大きな悲劇……1つの大きな災害とも言えるかな?


 人為的に行うから災害とは言えないか…


 誰が行うのか?ボク?違うね…


 結果的に見れば、ボクが直接手を下した事にはならないだろうね……だって実際ボクはただ、そうなる課程や道筋を用意しただけ何だから。












 ああそうだよ……そうなる事を選んだのは、この国の連中だ。


 自分の利益を追求する余り、アレに手を出しちゃったんだから…まあそもそもボクに頼ったらどう考えても不味いって事に気付かない時点で積んでいるけどね。


 ルーナちゃん、きっと知ったら悲しむんだろうね…この国やその周辺が想像を絶する程腐っていたって事実に。


 彼女は頑張ったからね……けど、及ばなかったけど。



 まだ足掻いているけど時間の問題だよ。



 もう既に配置が終わり、後残す所はそうだね…タイミングだろうね。


 だって彼女には被害が出ない様にしないと駄目だから。


 それに、彼女の関係者も一応残しておかないとね……無事かどうかは一切保証しないとして。


 けど生きられるなら別にいいでしょ?


 腕の一本、足の一本位は易いと思うよ、このボク相手に。それこそ本来ならもっと奪われてもいいはずだし。



 ボクの長きに渡り耐えた喪失感……それをそこでお前らも味わうといい。



 ボクは長年彼女の居ない孤独と寒さに耐えて、思い知った事が1つだけ有るよ……案外生きている方が辛いってことがね。


 だから殺さないであげる。


 死なない、死ねない状況にしてあげるよ……そこで苦しんで、苦しみぬけばいい。



 けど、ルーナちゃんを失った時、君達はどうなるんだろうね?



 ボクみたいに狂うか、それとも廃人と化すか。まあ確実に後者の方が本人は幸せだとは思うけどそれはそれで悲劇だよね?だって日常は続いて行くのだし…



 ああだけど、アレだけは確実に仕留めないとな……



 きっと“彼ら”が生きていさえすれば、彼女は何度でも帰ろうとするんだろう……前の時だってそうだったし。


 ボクの元を再び離れようとするのだろうね。


 そうなったらまたボクは1人……孤独に身を苛まれながら君の事を思うあの辛くて苦しい日々が待っている。



 君が居ない、冷たい世界…

















“許さないよ?”



 ボクは十分待ったのだから。


 ボクは何度だって君が来るのを待ったし、今回だってそうだよ…君が年齢に達するまで待っていた。



 そして時は来た。



 だから今度こそ君を……



「その為にも、ボクもそろそろ最終準備に入るかな♢」



 本当なら君の帰る場所を全て塵にしようと思っていたけどそれは止めたよ……別の方法を思いついたから。


 君の大事なものをどうせなら人質にすればいい。



“そうすれば、ボクを受け入れざるを得ないよね?”



 断ったら目の前で何度も崩壊する様子を見せて上げよう…ボクの力を使えば壊れる事を防げる。


 回りくどい?


 けど、仕方が無い……まさか転生した時『管理者』が『傍観者』と一緒にあんなモノをつけるとは思わなかったんだもん。



 あんな、接触禁止になる様な方法をするなんてね……彼らだってボクがこんな風になった原因の一旦を担っているのに。



 ボク、いや『私』がああなった責任は連中にあったのに。



 おかしな話しだよ……彼女を何度も何度も殺しているんだから。それも、理不尽な自分達の“事情”に巻き込んでね。


 バグという言い方は正確さに欠けるよ…


 アレは単なる職務怠慢でしょ?それにほら、こうしてボクを監視しているうちに同じ様な悲劇が世界の至る所で起こっているよ。


 何も救えないくせに。



「君達だって好き勝手しているんだから、ボクがしたら何が駄目なの?」



 それにボクの願いは結構可愛いものだと思うよ?



 結局は、ルーナちゃんと一緒にただ永久の刻を過ごしたいだけなのだから。



 彼女の身も心も全てボクだけに向けたい。ボクだけを考えボクだけを包み込んでボクだけを求めて欲しい……そう、ボクだけにね。


 他は要らない。



 本当、世界はボクとルーナちゃんだけで十分だ。



 雑音やゴミは引っ込んでいればいい……そして全て消滅してしまえ!


 もうボク、いや『私』と彼女の仲を引き裂かないでくれ!!もうたくさんなんだよあんな思いは……



 あんな、彼女の泣き笑いみたいな表情は…


 あんな、冷たい石みたいな体温は…



「さて、始めようかな…


 最後の、とっておきのゲームをね!!」



 リリリリーンと音がする。


 受話器を取って、ボクは1つだけ命令を下した……術式発動の準備を進めろと。



 勝負は後半年…それ以上は掛けない。



 さて、後は野となれ山となれ……だれが勝って最後に笑うのか。


 それは流石に最期の瞬間まで分からないけど、ボクは死んでも君を諦めない。


 何度だって復活して、ボクは君を手中に収めるまで続ける。



 それだけルーナちゃん、君を愛しているよ。




 恐らく劇中の中1番真実に近い位置に居るのはシャドウと王子でしょう……けど、意外な人物が既に全てを知っていたりします。しかも結末まで予想済み。


 幾つか伏せんを用意していますが、本格的なヒントが出るのはこの先です。


 今回シャドウが多分気持ち悪いでしょうが、これも彼の愛情と狂気故です……そして彼がそんな状態になった理由も彼自身が気付いている様に、彼だけが原因だと言い切れない。


 ある意味被害者なんです……だからまあ、大目に見てやって下さい。


 さて、次回はまたルーナちゃん視点に戻れればいいな〜と思っています……主に癒して的なイミで。


 それでは宜しく御願い致します。

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