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悪役放棄、更に自由人へ(仮)  作者: 平泉彼方
第一章 逸般人な悪役令嬢、好き勝手過ごす
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86 とある貴族の絶望状態

 読者の皆様どうもこんばんわ。今週も2話投稿出来るか怪しい状態の平泉です…多分土日に投稿出来ないと思います。申し訳ないです。


 さて、今回……予め警告しておきます、シャドウが気持ち悪いと。書き手である私でさえ引いています。


 それでは本編をどぞ!

……………(???)……………



「…一応忠告しておくが、早めに口を割る事を勧めておく。」



 黒いスーツに身を包んだ黒眼黒髪の額に傷の有る男。その目には若干侮蔑があるものの、殆ど無表情……私達へまるで関心が無い様な目をしていた。


 きっとこの瞬間、悪辣公爵の娘が居なければ幾らでも私を殺すのだろう。私達の命など無関心、吹けば消えるような埃同然だと認知しているのだろう。



 少なくとも暗殺者を使っていた私だから分かる事だが、これはそんな連中の目だ。



 今まで私は私利私欲ではなく国を思って裏の連中を使って要人暗殺等をして来たのだが、どうやら間違いだった様だ…少なくとも私がここでこうして尋問を受けている時点でそう言う事なのだろう。


 だが、後悔も反省も無い。


 今の国王、王国の在り方にそもそも私は不満を持っていた。そしてそれは私だけに限らない……暗躍している連中は私以外に沢山居るのだ。



 今回捕まった連中は氷山の一角。もっと巧妙で賢い者など幾らでも居る。



 私達が捕まったのは、足の付く様なやり方をした事と目立ち過ぎた事が原因だろう。


 私だってあの子供を使ったやり方には意義申し立てていたのだ……だが提案して来たのが『歩く闇商人』だったので、結局ゴリ押しで実行されてしまったのだ。


 こればかりはもう……何故『影』とつながりの有る者とつるんでしまったのかと後悔したものだ。


 前提からして間違っているか……


 何故私はシャドウ率いる『影』と知り合ってしまったのだろう……それさえなければ知りたくない事を知らなくて済んだのに。


 汚したくない手を血塗れにせずに済んだと言うのに……



………………………………



 あの連中、とりわけ『シャドウ』本人とは接触したら駄目だ。



 対峙した時感じた率直な感想としては……多くの暗殺者を闇ギルドで見てきたから言える事だが、アレはもう“別次元”の存在だろうと思った。


 寧ろ人間ではなく伝説上の『死ニ神』だと言われた方が納得する。


 アレの前で逆らった者、いや、一瞬でも反発する意志を持った者が居ればいつの間にか居た事でさえ“無かった事”にされる。そんな風に好き勝手する為に必要な力と手段を幾つも持っている。


 正直視界に入れなくても近くに居るだけでその恐ろしさが伝わった。


 私も私同様今回の作戦に異論を唱えた者も、彼に逆らう事は出来なかった……存在でさえ恐ろしいのにあんな凄む様な笑顔をされたときには…



——その一瞬だけで走馬灯が走った。



 けど1番の問題点は、ここで全てを語ってしまえば私達は勿論、既に亡命させた私の家族にも累が及ぶと言う事だ。


 ヤツははっきりと言っていた。



「ルーナちゃんには極力ボクの本意を知らせないでね★今はその時ではないからね〜……知らせたらそうだな〜フフフ♪」



 結局他人の子より自分の家族が大事。悪いが、私の子供や妻の為に犠牲になってくれ。


 そんな思いで今回自分の命と出来損ないの子供を使った。



 それをこんな所で…こんな尋問程度で言うわけにはいかない。



 確かに家族全員は安全な所へ亡命して有る程度裕福な暮らしをしているだろうが、シャドウに知られればどんな事になるか知れない。


 ヤツならどんな鬼畜な手段でも使うだろう。


 アレは異常者だからな……正直今回の件も含めて悪辣公爵の娘には多少同情しているし、その関係者達にも深く同情している。


 そこで蘇って来るのはヤツの言っていた事…殺された同僚が聞いていた質問の答えだった。



「悪辣公爵の娘の令嬢へ何か恨みでもあるのですか?」



「違うよ?逆にボクは彼女の事は愛しているよ……愛しているからこそね、彼女の回りが邪魔なんだよね♣邪魔でうざったくて、今この瞬間も消えればいいと思っているよ。


 ……雑魚の分際で、足を引っ張っているくせに、何で近くに入れるのって…さっさとそこから退いていろよ目障りだから……どうせ存在するだけで彼女を傷付けるくせに…


 だからね………さっさと彼女の周囲は全員速やかに滅びて欲しいとは思うよ?彼女にとって大事な者が亡くなればボクも遠慮する必要も無くなるからね☆」




“そうすればほら、ボクだけ(``)を見てくれるでしょ?”




 ……その時の表情がとても恐ろしかった。



 いきなり人間味の有る慈愛に満ちた、あり得ないくらい奇麗な笑顔だった。それまで無機質な胡散臭い笑みを浮かべていただけに却って怖かった。



 同時に有る程度シャドウの好きな様にさせなければこの国の未来が無い事が分かった。


 ……要するに、悪辣公爵や彼と仲の良い一般的に『国王派』と我々の呼ぶ派閥だけが強くなるとシャドウの介入を受けた後この国は潰えると言う事だ。


 故に中立派だった私達は『影』を知ってから阿呆が大多数を締める『王妃派』の派閥に入り、今まで様々な国内の事件に関与して来たのだ。



 まさか王妃の実家と組んで『新月』を使われるとは思わなかったが……あれは最大の誤算だった。



 あの事件があって以来、王妃派の派閥は極端に弱体化した……今ではごく少数派しか残っていない。


 王妃は刑に処され、今は無限結界の牢獄で地獄の様な日々を送っている事だろう…記す事が憚られる内容故、ここでは何も語らないが。



 舞踏会での襲撃は、成功していればある意味相手の力を削ぐ事の出来る良い機会となっていた。


 襲撃計画を組んだシャドウ本人は語った……



「相手の家の子供が潰れれば、長期的に見て相手の家が断絶するでしょ?」



 そして当然そうなれば、我々の派閥が強くなる。それはシャドウの目的と合致するのだ。


 もう1つそう言えば恐ろしい事を言っていた…



「それと、生殖器官を直接壊せばルーナちゃんを狙う同世代はきっと減るだろうからね★ボクとしてはとても好都合なんだよね♪」



 ………全員一瞬前屈みになった事は言うまでも無い。



 結局計画は失敗に終わり、我々は捕らえられた……そして現在尋問を受けているのだった。



………………………………………



 あれ?私は今まで尋問所でスーツ姿の人相が悪い男に尋問されていたはずだが……



 ここは森?


 ………確か家族と後で生き残ったら合流する約束をしていた場所だ…丁度何ヶ所かに分散して隠しておいた隠し財産のある場所の1つでもあった。



 だが、私は計画を失敗して既に捕らえられて……



 ?!



 次の瞬間私は駆け出していた……とても嫌な予感がして。



 向かった先は隠し財産のある場所………家族に渡してある地図に乗っている場所。そこで何かが起きている予感がしたのだ。



 もしかしたら……いや、しかし。



 自分の勘を信じて進むと、その場所で数名血塗れになって倒れていた……そして離れていても何となくそれが誰だか分かる。


 近付いて行き、私の予感が正しかった事を確かめた。



 確かにこれは私の家族だ……妻と子供達、そして私自身の父母、兄弟そして親戚達。



 大方ここで私を待っていたのだろう。私は先に行っておいて欲しいと言っていたにもかかわらず……そうすれば、いや、そうしていたとしても時間の問題だったか。


 彼らの事だ……計画が失敗した腹いせに依頼したか、或は『影』が私達を次いでに消したか、そのどちらかだろう。



 切り口を見て確信する……これは『影』の仕業だと。



 彼らは敏腕な暗殺集団なので、時々私自身依頼をだしていたのだ……どうせなら利用しようと。


 その時相手を確かに殺した事を示す為に相手の一部を以来達成証明の為に持ち込むよう要求した。


 そこで見たのは恐ろしく美しい切り口。


 切られた相手の身体が切られた事を気付いていない様で、血抜きをしていないのに生首から血が流れる事がなかった。



 けど、今はそんな冷静に構えていられない……



「…………うそ、だろ………おい、ディナ、メル、フィリ、父様、母様……メイヨー、アレク、フィル……」



 私は彼らに駆け寄り揺らそうとする……だが私の手は彼らをすり抜けた。



「神様……確かに私のした事は悪かった。だが、家族は関係ない。そうだろう?何で…何でだ!!!うわぁぁぁぁぁぁああぁぁぁぁ!!!!!!」



 娘も息子も既に事切れていた。妻は即死。父母も兄弟も、そして親戚達も……



 私はその光景に絶望した。


 もう、何もかもがどうでも良くなった。



 私の守りたかった、大事だった者は全て失った……私の原動力となっていた家族はもう誰1人として残っていないのだ。



 責めて、こんな仕打ちをしたシャドウへ一矢報いたいが…私等では……



 次の瞬間耳元で声が聞こえた…この世の者とは思えない声が。



[シャドウへ恨みが有るなら、ヤツの事を全て話してしまえ。]



 …………え?



[俺もヤツへ恨みを持っている。ヤツの事で少しでも知っている事を話してくれ。そうすればお前の無念も晴らしてやれる。]



 ……………そんな事、本当に出来るのか?



[ならお前は何もせずにここで消えるのか?家族だってきっと生きていたかっただろうし、怖かっただろう。お前はその無念を晴らさなくていいのか?]



 次の瞬間見えるのは、私の子供達の顔、妻の顔、そして両親や親戚達の顔。


 皆穏やかに、普段通りに笑っていた。



 そして次に見たのは生気を無くした彼らの顔……青ざめ、絶望した様な表情をしたまま永遠に止まっていた。



[死人は口無し、されど彼らの仇は取れる。どうする?]


「………話す。」



 そして私は語った……シャドウの事で私の知っていた事を今回の襲撃の事も含めて。



 私の予想とこれからの事等も。



……………(ウォーゼ・カムイ)……………



「しかし……お前の方法ってマジでエグイね。」


「…どの口が言っている。」



 解せんな……そこまでえげつないだろうか、俺の方法は。効率的ではあるが、そんな風に思った事は一度も無い。


 それに、俺の方法だと穴が有るからな……寧ろ抗う機会をかなり残している俺の方法は優しいものだと思うが。


 ……そうと話すと、決まってこう言われる。



「……無自覚っていうのが余計怖い。」



 何故だ……何故それほどまで恐れられるのだろうか。



 俺の使っている方法は至って単純、ただ相手にとって最悪だと思える映像を見せる事。


 俺の特技は影に入る事なのだが、相手の力量が俺のを下回った場合に限り相手の闇が見えるのだ。


 相手が何を恐れ、何に怯えているのか。


 そして俺は俺以下の相手にのみ出来るもう1つの事を実行するだけ……簡単に言えば、精神操作の部類に入るのだろう。


 本来、これは相手の影を操って相手の身体へ直接影響を齎す技だ。だが、相手の夢や思考を少し誘導する事も出来る。



 それを利用して、相手の見たくない最悪の未来を見せる。



 相手が絶望して自暴自棄になった所で全てを吐かせるのだ……勿論相手が廃人にならない程度に相手に取っての最悪を弄ってはいるが。


 しかし俺も随分とお人好しになったものだ……こうして御嬢に提出する映像にも相手の心配事等を残しているのだから。



 これで一応、尋問相手の家族はルーナが保護するはずだ。



 居場所はルナライト社の商品を少なからず使っている限り特定出来るはずだ。商品を悪用された場合のコードを使えば相手の位置は分かる。


 さて、一応罪人達だが……俺も端に寄せておけばいいか。



 しかしシャドウか……何故かこの世界で初めて知った相手だとは思えないな…


 はて、どこだったか……


 ま、御嬢の敵は俺の敵。故に、敵をただ追撃して完膚なきまでに潰すだけだ。


 シャドウは狂っています。大事なのでもう一度言いますが、彼は病みを通り越して色々発狂しています。


 そしてカムイがエグイ理由ですが……ルーナちゃんの影響を受けた事もそうですが、それ以外にもちゃんと理由が有ります。


 最後の方にフラグを立てましたが、その内明かされます。


 それでは次回も宜しく御願い致します。

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