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悪役放棄、更に自由人へ(仮)  作者: 平泉彼方
第一章 逸般人な悪役令嬢、好き勝手過ごす
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83 因果応報・自業自得とは、あの連中の為に有る言葉。

 読者の皆様どうもこんばんわ。何とか投稿間に合いました。


 さて、今回はルーナちゃんターン。もうその一言でいいと思います。前半はシリアス風味、後半シリアルです。


 それでは本編をどぞ!

 祝賀会会場へ戻る前に、私はまず今回の被害者家族の待つ控え室へと行った。



 そこに居るのは全員時限爆弾術式を子供の身体に描かれていた貴族達……我が子がどうなったのか、とても不安そうな顔を皆している。


 中には酷く取り乱した者や気絶した者も居る。


 時限爆弾術式を解除した事、それから子供達に罪は無い事を伝えてから首謀者をフフフフフ……



………………………………………



 被害者である子供達の親御さんは、本当にいい人達なのだ……子供の教育を除けば、と注釈が付くが。



 治める領の様子、取引先として、そして何より直接接してみて皆大体貴族の中でも正面である事は知っている。実際何度か分身体が領民へ意見を聞いたが割といい評価だった。


 そしてこれは極め付けだが、屋敷で清掃作業のバイトを冒険者ギルド経由で受けて潜入捜査をしてみて横領等の不正行為を一切していないことは分かっている。


 …ただ、それだけ維持する為私の様に分身体や優秀な部下達が居ない事も相まって、子供の教育は疎かにしていた。



 その結果、子供達は親に構って欲しさで悪行を繰り返した。



 幼い頃はまだよかった…まだ笑って許される様な事しか出来なかったから。それに、どんな事が悪い事なのかまだよく分からない時期でもあったから。


 だが、成長して行くと同時に悪化した上癖になってしまった。


 更にそれを増長させたのは、悪い事を悪いと言わなかった周囲の大人とその行為をそのまま肯定した親達……子供達の将来の為にも悪評が付かないよう隠蔽し、金と権力で相手を黙らせた。


 また子供を叱る等の行為をしなかったので子供達の行為は悪い方向へとエスカレートして行った。


 一言で『ネグレクト』だと言える行為を結果的に行った訳だ。



 私は常々この話しを聞いて思うのだが、ここで一度ちゃんと子供と向かい合って話し合えば少しはマシになったのではないだろうか。


 小学校高学年以降なら反抗期も相まって親の言う事等全く聞かない所か反対の事をする可能性が高い。


 だが、小学校低〜中学年の子供ならばまだ親に甘え盛りで時折叱られて反省したりするのだ……少なくとも前世私の居た地球ではないここは、子供がマセていないので接し方次第で通用すると思う。



 けど、それをせず結局放置してしまったのだ……忙しいと言う理由で。



 幸いまだ学校に行く前だったので、規律の厳しい学校へ入れれば何とかなりそうではある。まだ10代前半なのだから、更生の機会は幾らでもあるのだ。


 そしてその一縷の望みに掛けて、ラウツェンスタイン領にある平民も通える学園へ入学させようと考えている様だ。


 まあでも、入りたいからにはそれなりの基準を突破する必要が在る……特に貴族は元々学べる環境に最初から居る訳だからそれなりの水準を私は求めている。


 別に私や殿下程でなくてもいいから兎も角その足下くらいは欲しい。


 親達に相談されてそう答えた所、彼らは勉強させる方法を聞いて来た…机に向かわせる為にはどうしたらいいかと。


 それから仕事と家族関係を両立出来ない事への悩みも含めて相談された。



 私は取り敢えず食事だけでも一緒に摂り、そこで会話する事を勧めておいた……我が家で採用しているやり方なので。


 後、小遣いを人質?として課題をやらせる方法を勧めておいた……応用問題とか付けておいて、出来た分だけ小遣いを上乗せする形式にするとか、色々やりようが有ると思ったので。



 それから暫くして『ハルメルン失踪事件』が起こった。



 その時子供達を一旦保護した。だが、ラウツェンスタイン領で彼らの世話係をしていた元平民身分である学園の卒業生へ散々無礼行為をしたので、領民から総スカンを喰らったのだった。


 結局私の鉄槌を彼らは受けたのだが、同時に領から出さざるを得なくなった…正確には親達が私へやり過ぎだと抗議したので。


 とんだモンペ(=モンスターペアレンツ)である。


 そして学習しない人達である、等と思った。


 本来なら『歩く闇商人』に何か仕掛けられていないか検査したかったのにそんな事態となったが為に出来なかった……



 その結果が今回の『祝賀会襲撃事件』。



 会場内には様々な国の重鎮が居り、更に祝賀していたのがこの国の王子の生誕。国王陛下やその関係者も居るのだ。


 最悪国家反逆罪だと言われて子供諸共家御取り潰しの危機だ。



 ………私が強引に貴族としての、公爵令嬢としての、或は『悪辣公爵』の娘としての権力を使ってでも彼らを検査していれば話しは違ったのか?


 それか、子供の起こした様々な不祥事を理由にして出入り禁にしておけばそもそも『ハーメルン失踪事件』も起こらなかったか?



 いや、そんなの憶測に過ぎない……それに傲慢でもあるか。



 私は全知全能の神でも何でも無く、只のちょっとばかり力を持った只の力なき“ニンゲン”に過ぎない。


 出来る事と出来ない事が有る訳で、当然過去の出来事を改変する事は出来ない…出来たとしてもやりたいとは思わない。


 それをやったらきっと私は私ではなくなるから…



 だから、いまやれる事をやるのだ……例えどんなに目を背けたい事であろうと。



……………………………………



「!!ウチのエドは無事ですか?!」「ウチのケヴィンは?!」


「娘のナナリーは5体満足ですか?」「息子は無事か?!」


「ルーナ様、どうか我が息子を御救い下さい!!」



 ・・・・・・



「皆さん落ち着いて下さい……全員無事、仕掛けられた術式は解除しました。それから今後この事は厳重注意だけで罪には問われません。」



 そう言うなり、皆の緊迫した表情はほっとした様に和らいだ……子供が心配だったと言う事がとても良く伝わった来る。


 親としてはどうかと思うが、やはりちゃんと親であるとは思う……それこそ国王陛下よりずっと。


 だが、私が容赦なく発した言葉で皆項垂れた。



「ただ、此方に居る皆様には何かしら責任が問われるかと思われます。詳細は後日国王陛下直々に通達されますので御覚悟を。」



 これは事実で、既に確認を取ってある。


 そして、国王陛下直々に何かしら罪への罰が通達されると言うのは相当重い事態であると当人は捉えなければならない。少なくともこの王国ではそうなっている。


 まあでも………多分罰に関してはせいぜい謹慎処分だろう。国王自身が子育て失敗しているから強い事を言えないしね。


 まあだからこそ、まだ関係修復が出来る範囲内に居る彼らには時間を取らせてさせるのだろう。重要な仕事を一旦取り上げて時間を作って上げる訳だ。


 その分父の仕事が増えるだろうから私にもお鉢が回ってきそうだけどね…ああ憂鬱。


 けどまあ国王の気持ちも分からなくはない。きっと物凄く後悔していて、自分を下ってくれている部下達にもその気分をどんな形であれ味わって欲しくないのだろう。


 国王は永遠に息子からの信頼を失ったからね……


 未だに親としてヴィンセント殿下は国王の事を見ていない…と言うか、最初からきっと見ていなかったのだと思う……そう言う対応をして来なかったから自業自得だと思うが。



 さて、一応伝えるべき事は伝えた。


 これ以上ここに留まっていてもきっと変な言いがかりを付けられると思うし、さっさと行くか。



………………………………………



 会場に戻ると予想通りに展開となっていた。



「??!アレは何ですの?!」「…何て品のない!!」


「おい、国王陛下の御前で何て無礼な事を…あの馬鹿共を誰か即刻止めろ!!」



 ヒソヒソと嘲笑いつつ罵る貴族達。



(誰か!誰かもう止めてくれ!!)(もう疲れた!!)


(これは儂がしたくてしている訳じゃないんだ!!!)



 ステージの上にはキモいオッサンが数匹、御自慢の太鼓腹をブルンブルンと効果音が聞こえる程揺らして踊っている。



 宴会芸………腹踊りを。


 ベリーダンスとも言う(←絶対違う!by筆者)



 汗だく油まみれなのか、ステージの光りを受けてテラテラ表面が光る………ヅラの取れた頭頂部も含めて。


 激しい踊りでいつの間にか取れてしまった立派なカツラならば足下で修復不可能な程破損しており、今更拾い上げても使い物には鳴らない状態だ……アレウチの製品でも結構値が張るのだが。



 まあ取り敢えず…1つだけ言いた事がある。













 ざまぁカンカンカッパの屁



 主に私の睡眠時間とSAN値をガリガリ削り、王宮の地味に効く嫌がらせを搔い潜り、その間にも通常業務をこなして何とか企画以上の出来へと仕上げた舞踏会。


 それを壊す様な行為をしてくれたのだから、それ相応の報いその①だ。


 まだまだ終わらないからな……フフフフフフフフ



 でもな〜、自分で仕掛けておきながらなんだが…



「……アレは流石に無い」



 おっと…思わず声に出ていた。


 でも事実、あんなオッサン達の裸とか誰得だよ…腹の段が凄そうだったから面白いかと思ったけど、予想以上に気持ち悪い。


 何か、ドングリ虫(ゾウムシの幼虫)が縦へと伸び縮みしている様にしか見えなくなって来たのだ……きっと赤ら顔で体色が白いからだろう。


 まあでもね、これで実質的に社交界永遠追放。


 オッサン達には口を自由に利けない術式を掛けてあるから皆の認識として、この踊りは彼らの催した“余興”と言う認識になっている。


 そして腹踊りはど田舎で平民身分の人達が酔った勢いでやって女将さんの鉄槌を喰らう様な一般的に“低俗”だとこの国では言われている宴会芸だ。


 まあつまり、場合によっては相手を侮辱した事になるのだ。



 そも公の場=人前で、しかも異性や目上の人達がいるのに堂々と服を脱いでパンツ一丁になると言う事自体がマナー違反。



 これ程の生き恥を晒した相手に対して正面に社交してくれる様なヤツは居ないだろう。居たとしてもごく少数だ。


 王家に、国に喧嘩を売ってまで仲良くしようとはまず考えないはずだ……幾ら相手に金と権力があったとしても。



「ルーナ様、この後は如何致しましょうか?」



 丁度彼らを操っている精霊に聞かれた。



「暫く踊らせた後、あの部屋に有るコスプレを付けて例のアレを踊らせろ……端の方で舞踏会が終わるまで。」


「了解です。僕頑張りますので楽しみにしていて下さい!」


「うむ。」



 その10分後、会場の脇で魔法少女、猫耳メイド、巫女装束、そしてスク水エプロンと次々衣装を変えながらオッサン達が汗だくでダンスをしていたのだった。


 当然参加していた客はその見苦しさに阿鼻驚嘆……いい気味だと嘲笑うものが多々居た。



 無理も無い……家とは違う意味で嫌われ者だったし。



 更にこの後私による私達の為の私の大好きな拷……ゲフン、O☆HA☆NA☆SHI☆タイムが待っているので、オッサン達も大変だー(棒)


 開発部門の試作品が沢山有るし楽しみだな〜♪


 けど生き恥晒しただけじゃあ私の気も収まらないし、せいぜい頑張ってね★



……………………………………



 舞踏会終了。



 あ〜疲れた……でもこの後もまだまだ眠れませんよ。


 色々と片付けもしないといけないし、優待イベントが出来なかった分その時渡そうと思っていた物品を送らないといけないし。


 それ以外にも今日来られなかった人達から届いた物や花の処理とお返し等、色々あるのです。


 寧ろ会が終わった後の方が忙しい件。



 そして本日メインイベントがまだ待っている。



 そう、隅の方で既に燃え尽きて灰と化している老害共……今回会場で様々なトラブルを起こした後散々笑い者になってくれた連中だ。


 彼らには、沢山聞くべき事がある。


 心休まる時間なんて有りませんよ?覚悟は宜しいかな?


 

 さ〜てと、1つ1つ片を付けてからメインディッシュ頂きますかね。



 それにしても何か忘れている気が……何だろう?


 気持ち悪いな、う〜ん……













 あ、王子出すの忘れていた……て、テヘ。



 そんな訳で、悪いオッサン達は赤っ恥を皆の前で晒しましたとさ☆ミ


 更に次回、ルナライト社技術開発部門がルーナパパの捜査の為に作った様々な器具(意味深)の中からとびきりのを選んで面白愉快にイロイロやらかしてくれそうな予感。


 ある意味自業自得ですが、同情も少しは…いや、同情の余地は無いですねw


 それでは次回も宜しく御願い致します。

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