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悪役放棄、更に自由人へ(仮)  作者: 平泉彼方
第一章 逸般人な悪役令嬢、好き勝手過ごす
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79 気合と根性でそこに居ます。

 読者の皆様毎回更新が遅れて申し訳ないです。


 さて、今回は舞踏会当日ルーナちゃん視点です。それでは本編をどぞ!


 生誕祝賀舞踏会当日。



 私は前日の準備の為、過労と披露でぶっ倒れる寸前となっていた……と言うか、多分今の私は白く燃え尽きている様に見えるだろう。



 そう。実は3日で会場の整備が間に合うはずも無いのでこっそり侵入して防音しながらコソコソ準備しました=三徹です。


 そんな分けで私は超寝不足……つか、寝かせろ…


 だが、そんな風に思っていても現実はいつも非情であるのだった。



ガラガラガラトンッ「お嬢様、セティングのお時間です。」


「…………眠い……後五分…」


「そうも言っておられません!!お嬢様〜!!!」



 ハンナに強制的に起こされた後、応援で駆けつけてくれたジェニファーとジャクリンによって身体を隅々まで洗われた。


 その間殆ど意識がなかったですが何か?


 そして全身を香油等でマッサージされ、メイクと着替えを行って、最後に髪のセティングをされて終了。


 ……鏡に映るった自分を見て目が覚めました。



「いやいや、別人でしょ?!つか、誰?!!」



 そこに写っていたのは紛う事無き妖精?女神?天女?兎も角私では無い誰かだ。


 銀糸の様な輝きの有る髪は丁寧にまとめられてアップされているが垂らす所は垂らしてあり、品が良い。


 濃く暗いが透明度の有る蒼と緑の宝玉が黒に近い灰色のフレームに象られて髪に散りばめられている。その仄かな暗い煌めきが銀髪の明るさを絶妙に引き立てる。


 ドレスは黒に近いグレー……煌びやかな色ではないが、逆にそのお陰で桜色の肌が特級品の絹の如く柔らかで瑞々しく見えた。


 更にドレス生地に魔銀が縫い込んであるので照明の当たり方次第で色が変わるだろう。特に、ホールに使われた魔動式蛍光灯の下では恐らく蒼と緑を反射する。


 …これはきっとドレスを注文した王子の拘りだな。


 この姿が湖畔で見付かれば、確実に精霊と間違われるだろう……それくらい奇麗だった。


 ……それこそ驚いている顔が様に成る程。



 つか、マジで誰だコイツ?



『勿論ルーナ御嬢様で御座いますよ!!』



 満足そうに頷く使用人の皆さん……私は今現在ライフがガリガリ削られていますよ〜。


 …もうね、正気度0ですよ。ヒャッハーなのです(錯乱)


 冷静じゃないので判断ミスしそうで怖いな〜…間違って手加減出来なくて攻込まれたらぶっ殺……ゲフン、調…いえいえ、半殺し程度にしておきましょうかね?


 ええ、ええ。そうでしょう。



 この状態の私を襲撃しない事を今は祈っておきましょう。



………………………………………



 特性ポーションを一気に呷って何とか自分へ喝を入れた……原料がゲテモノ揃い(リザードマンの黒焼き粉末、ギロチン亀の血他、多分一般人が聞いたら卒倒する類の奴)だけに、やっぱり後味悪いな……


 ふむ、開発部に今度味の調整をさせてから試作品を試してもらうか……主にウフン♡な店で。



 さて、そろそろヴィンセント殿下と合流かな……あ、そう言えば2人きりの時だけジルヴァと呼んで欲しいとこの前言われたな。


 ……まあ今回は公的な場だからヴィンセント殿下でいいか。



 けど、こういう呼び方とかって多分大事なのだろうな……特に男性はこういう所を気にする傾向に有ったからな(偏見)前世の師匠にしろクリスにしろ五月蝿かったからな…


 思い出したら思わず遠い目をしていた。


 私?特に気にした事は無いけど……まあ確かに差別化する意味合いではバリバリ使っているか。


 ま、どうでもいい事だけど。


 そんな感じで何か色々思考に耽っていたらパタパタと早歩きする様な音が聞こえた。


 顔を上げて正面を見るとそこには凛々しい軍人が居た。一瞬息を呑み驚いた様な顔をする…同時に頬が紅く色づいた。


 直ぐにゴホンと咳払いをしてから冷静な顔に戻る。



「姫、御待たせ致した。」



 芝居がかった様に台詞を言うと、まるで騎士の如く跪く。そんな彼へ私は自然と手を差し伸ばしていた。



「面を上げよ。」



 彼のノリに乗って見ると、彼は顔を上げて私の手を取った。そしてそのまま指へ接吻した。


 温かく湿った彼の唇を指先に感じる……ドキドキする。



「私の姫、ああどうか私だけの姫でいて下さい、フロイライン。」


「許す、今宵は其方と共に有ろう。」



 この前視察がてら見に行った黒騎士と姫の駆け落ちをネタにした喜劇を参考にしているのは分かっていたので覚えていた台詞を私も返した。


 ……姫が駆け落ちを決意する舞踏会で言われた台詞、状況までそのままだ。


 違いは立場位かね?



「それで、私と共にいてくれると解釈しても宜しいか?」


「ええ…貴方が嫌でなければ。」



 立ち上がって軽く服を払い、奇麗な笑顔をする王子。



「では今宵は共に有ろうか、我が婚約者殿。」


「ではエスコートを御願いしますね。」



 差し出された黒一色の生地に魔銀の糸と細々とした紫の装飾をしたヴィンセント殿下の腕。そこへ、私の手をそっと添えた。


 絹の手袋と軍服の厚い生地越しだと言うのに彼の温かい体温が指先に伝わって来た……ドクンドクンと刻む心音と少し荒げた吐息を間近で感じる。


 ……不覚にも、ドキマギしてしまった。勿論異性として。



「フフッ」


「??」



 己の未熟さと彼の成長に少し笑みが溢れた…彼は首を傾けるが一緒に笑顔になる。


 そして一瞬破顔した。



「願い、叶った……舞踏会でルーナの隣にいる事が」



 そういえばそうだったね。



「今のヴィンセント殿下なら、エスコートされてもいいと思いますから……貴方も随分成長成したね…」



「それはお互い様だ……ルーナはお世辞では無く何処までも魅惑的で知性的に成長するものだからいつも必死だ。


 これは本音だが、正直何時貴女に拒絶されるか不安だよ……貴女の周囲には私以上の存在が多過ぎるからな。」



 ……それについてはコメントしかねるな……別に今更この人捨てる気にはならないけどさ。


 もっとも、まだ異性として誰を選ぶかなど決めてはいないけど。



「なら、しっかり私をエスコートして下さいね殿下。」


「ああ、そうさせて頂くよ。」



 同時に私は暗器をちゃんと所持しているか軽く確認し、私自身もちゃんと持って来たか最後の確認を行った。


 まあ最悪私達の服に縫い込まれた魔銀の糸に魔力を通せば強力な鎧にもなるから普段着より余程今の状態の方が安全ではあるけどね。


 でも敵対者を追撃出来ないのって何となくムカつくから武器所持するけど。



「ルーナ様、ヴィンセント殿下。お時間です。」



 私達の前の扉が開き、いよいよ誕生祝賀会が始まる。


 さて、運命は如何に。



………………………………………



 会場へ行き、王子と共に国全体の人々へと軽く挨拶した。


 その後プログラム通りに私達はファーストダンスを披露した……私の前世から書き下ろしたグラズノフのマズルカをBGMに。


 この曲は只明るいだけではないけど中々盛り上がる。


 と言うか、譜面を世に出してから直ぐ聞いた話しだが夜会で割とよく使われているそうだ。


 それもそうだろう……私も実はこの曲が1番好き、勿論マズルカの中ではって話しだけど。


 ああ地球に今から行ってオイストラフ様のソロで弾いてらっしゃるピースをダウンロードしたい……


 も、勿論今弾いている人のやつも悪くはないんだよ?ええ、本当に上手だと思うよ?地球で初めて聞いたあの演奏には敵わないけどさ……比べるのも酷だしね。


 ちなみに今ではグラズノフ先生を知らない人はいないらしいです。


 やったね!



 ちなみに人間の五感に作用する魔道具で、大理石製の古代の王城の豪華なダンスホールのイメージを会場に掛けており、まるでギリシャの神殿の様な様相となっている。



 そしてファーストダンスが終わると次はセカンドダンス……


 今度は少しゆったりしているけど流れを感じるワルツ。チャイコフスキーの弦楽セレナーデ第2番だ。


 まるで夕日に当てられた秋の槻並木が舞う様を下から見ている見た時の気分をいつも思い出す……ステンドグラスみたいで奇麗だったな…と言うか、そう言う風景を魔道具で張っている。


 そして曲の終わりに近付くと、少しだけ余韻を残して終わる。



 サードダンスは王子のリクエスト通りに●執事のアニメで使われていたディアボリックワルツ。


 この曲が使われた物語について少しだけ話したのだが、何かが彼の琴線に触れたらしい……恐らく境遇が少しだけ似ているからかも知れない。


 もっとも、彼の場合は傍観されていたとはいえ父親は居るし親戚(我々)も居るので大分マシだろうが。



 でもやっぱり思った通り、この曲が掛かった時少しざわめいた。



 確かに余り祝賀会等の特殊な舞踏会に使われる様な曲ではないからね……夜会なら兎も角。


 と言うかそれ以外この曲を活かせる映像は無いと思ったので、夜会が行われている館の庭をイメージした風景を張っている。ちなみに空は地球風の真夏の月が輝いております。


 本人は満足した様な笑みを浮かべて生き生きと踊っている。



 その後も何曲か舞踏して、私達は休憩に入った。


 結局ヴィンセント殿下は私を一度も離さなかった……他の人達と本来なら交流するべきなのに、他の人が私と触れる事に我慢ならなかったらしい。


 彼の誕生日なので私のついつい許してしまった…


 それに、別に人脈これ以上広げる必要も特にないしね……私達はこの国から出て行く訳なのだし。


 更にその辺既に兄達に任せちゃったし。



 さてと。



「もうそろそろ食事取りに行きませんか?」


「そうだな……ルナライト社食品部門、期待出来るな…」


「ええ、腕に寄りを掛けて作らせましたとも!それも私の考案した新作を出したのですから!!」



 和洋折衷色々揃えておりますとも……盛りつけも異国情緒溢れるタイプにしております。


 何よりね、米使った料理が華やかだとおもう。


 ラウツェンスタイン領以外では、まだまだ普及しきれていないから、今回売り込む意味合いでも結構必死に努力しましたよ!


 サフラン擬つかってパエリア作ってみたり、赤飯等の混ぜご飯を作ってみたり。


 まあ当然チャーハンはありますよ?カレーもね。



 勿論ご飯系以外にもお惣菜は色々揃えておりますよ、ええ。多分種類と衛生面や素材を見る限り、今までで最高なのではないだろうか?


 豪勢かどうか聞かれれば……ま、まあ、金箔とか散りばめていないから微妙なんだろうけど。



 1番のポイントは、立食パーティーのバイキング形式にしてある事だろうな……それもその場で温めたり焼いたり捌いたりしてくれる様な形で。


 好きなものが取れるし新鮮だしでいい事ずくめでしょ?


 もっとも毒入れられたりいちゃもんつけられたりしても困るから、料理を取って運ぶのはルナライト社の社員に任せているけど。


 けど、受け入れられるかどうか不安では有る。


 少なくとも母上曰くお茶会とかでもこの形式大丈夫だったとお墨付き貰ったし………大丈夫だよね?



 と言うか………ざわついている?!



 よくよく見ると1ヶ所に人集りが出来ており、その中央で何かしら言い争いをしている様に聞こえる。


 少なくとも誰かの怒鳴り声…一応聞き覚えの無い声だから、知り合いではないだろうな。つまり取引先相手ではないだろうから一応その辺は安心できる。


 けど、何故だか嫌な予感がしてならない……


 変な汗が背中を伝って行く感触が何故か鮮明に感じられた。更に気付いたらヴィンセント殿下の袖を皺が出来るくらいギュッと掴んでいた。


 慌てて離そうとすると、温かく大きな手が覆って来た……ああ随分私の手は緊張で冷えていたんだな。



「……ルーナ。」


「…すいません、少し冷静さを欠いていましたね。」



 そして、安心させる様に私を引き寄せギュッと抱き締めた。



「安心しろとは言わない……だが私は今宵も貴女の側に居るから」


「………有難うございます、少し落ち着きました。」



 若干私より温かな体温は、今は更に温かく感じた……つまり、相当私は緊張していたらしい。


 まあ無理も無いか………社交界の交流は殆ど母に任せきりにしてしまっていたから舞踏会馴れしていなかったからね。


 正直滅茶苦茶ダンスも緊張したし…失敗とかしていないか。



 まあ1番の心配事がルナライト社の名をここで落とさないよう細心の注意を払わないと行けない所だと言う訳だが……それ以外にも色々有るけどね。


 株主達とか株主達とか、シャドウとかシャドウとか…後、ヒロインちゃん(笑)とか。



 若干不安になりながらその場所へと向かったのだった。




 ちなみにルーナちゃんコルセットが大嫌いなので、お母さんに進言してコルセット無しで着られるドレスを『LuNA』で作成させています。


 今回の舞踏会では宣伝の意味も込めてその新型を着用しています。


 故に動き自体は阻害されたい為『パンプ○ン・シザーズ』のア○ス・L・○ルヴィンさんみたいな事は起きません。スカートは破らず魔力を通して何かします。


 具体的にナニを致すか?何でしょうねー(意味深)


 後、使われた曲を見てにやけて下さった方々……ネタに走った事、作者は後悔も反省も無いです(キリッ


 それでは次回も宜しく御願い致します。


 

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