73 結論:日頃の行い、コレ絶対大事。
読者の皆様更新大変遅れまして申し訳ないです。忙しかった事に加えてPCが何度かダウンしてしまうと言う……そして相棒がダウンする度に保存していなかったデータが……orz(→結局書き直そうとしましたが、”後書き”に記す通り少し内容変更していたらこんなに時間がかかりました)
本当に日頃の行い(=細やかな保存)は大事だと痛感致しました。タイトル関係ないですけどw
さて、今回は『百獣連合』襲撃編の終わりに近付きます。それでは本編をどぞ。
『百獣連合』へ病原体を駆逐しに来てから数日後、見事街内の浄化を終えた………と言っても実質3つだが。
1つは言わずともがな鬼達と行動を共にしている『本体』である私が居る街。そして、恐らく今回の騒動で1番の被害に遭った場所だろう……生存者は大体90名。
街全体が2〜3千人位だったので、相当数の死者が出た事が確かだ。
救えなかった事は残念だけど、正直自業自得だからね……
そして死んだ者達は選民思想に凝っていた『大人達』ばかりで生き残った子供達はそうではなかった事は今後の事を考えるならば僥倖だと言える。
……『百獣連合』領内の別の街に受け入れられなかった場合は『百鬼会』に来る事になるだろうからあんな思想持っていたら色々暗うるうだろうからね。
2つ目は、『分身体』が早々に受け入れられた結果病原体がその真価を発揮する前に大体食い止められた街だった。
元々少人数だった事と街の人々が随分協力的で完治した人々が自ら次々働いていた事も幸いした結果だとも言える。今はリハビリしている数名の元重症患者を除けば大体皆復帰している。
ま、元々魔獣族の肉体は丈夫だから完全回復は時間の問題だろう。
ただ……私の倒れた原因はココで働いていた分身体達が記憶等の選別を行わずにフィードバックした事も要員となっている。
そして、もう1つの街は………現在私達が浄化し終えた街である。
「……有難うございます。」
「いえいえ、貴方達からすれば異種族である私達の援助を受け入れた『責任者』の英断の方が凄いと思いますよ……ただこれから苦労するでしょうから頑張って皆さんで支えて上げて下さいね。」
「勿論でございます。」
私が今話しているのは羊の魔獣族……市長の“秘書”ではなく“執事”をしている者だ。
さて、少しだけ時間を遡って話しをしようか。
………………………………………
恐らくもう予想出来ているだろうが今回助けた街は『選民思想』の激しい場所……まあ、一部だけだが。
街の中はそうでも無かった…と言うかお人好し集団?
街に入って直ぐ、魔獣族の住民の皆さんが心配して色々忠告してくれた。特に多かったのが……奴等に見付かったら奴隷にされるからココから逃げろって言う注意。特に私は見目がいいから一生愛玩奴隷にされるって心配してくれた。
まあそんな人達が居たから“どんな手”を使ってでも助けようと思ったのだけど。
いや〜だけど実際酷かったよ。特に酷かったのが上層部の連中………私を見るなり
「この部屋に奴隷を入れたのは誰だ。つまみ出して牢に繋いでおけ。」
「後で私に売って下さいね?言い値で買います。」
「グへヘ楽しみだな。俺にも後で味見させろよ」
とか下衆顔で舐めた事をのたまってやがったので、取り敢えず裏通りに連れて行って少しだけ脅…穏やかにお話して最高責任者へご親切にも渡りを付けてくれた。
その責任者の者が一応話しの通じる相手だったので、さっさと今回の顛末について話した。
いやね、下衆のトップは国民投票(?)で決まるらしく、民衆の考え方の浸透している方だったんだよ。
ま、それ以前に元々市長の母親が異種族とのハーフだったらしく(本人はクウォーター)、現在領内に蔓延っている思想に嫌気が差していたらしい。
色々と出自に関して苦労が遭った事は対面したときから察せられた……某魔法使いの国の枢機卿みたいに鶏ガラみたいに痩せていたからね。
結果、割と直ぐに対策出来た。
上層の連中はお話ししても駄目だったので適当に圧倒的武力を見せつけて縛……お話し(物理)で沈黙させた後、街の人達と一緒に病魔を一掃した。
そして、ここで少し面白いモノを回収したので早速亜空間倉庫経由で領内の『分身体』へと送っておいた。今頃躍起になって研究所の連中が解析作業をしているでしょう。
いい結果が得られればいいが……
それは兎も角。
対応が早かったために病気に掛かる奴が元々少なくさっさと収拾が着いた。つか、それ以前に百獣領の奥地だった事が幸いして病魔自体がまだそこまで蔓延っていない段階だった事も影響している事は確かだ。
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さて、これで一応“約束”は守った。
あくまで『最低限救う』事を私は約束していたからね……その他の領に関しては浄化の為焼き払う事になるんだろうな。
何せ既に全滅している事は確定だし。
一部の賢く状況を見極めて“ここから逃げたい”と私が巡回した時助けを求めた連中と、情勢に詳しくないけど私がここに来ている事を心配していた優しい住民に関しては助けたよ?
だけどそれ以外は感染拡大しつつあった街に放置した。
助ける義理も義務の無いって感じたし、それに助ける為に来た人に高圧的な態度を取った上で攻撃行動をして来る様な礼儀知らずな連中はこの只でさえ色々厳しいセカイを生きる価値が無い。
巻き込まれた方が堪ったものでは無い……助けた後で何故事前に来なかっただ、拉致されたのだからこっちが被害者だ、或いは賠償金払えだとか言われる未来しかあの連中からは想像出来ん。
厚顔無恥と言うべきか…或いは只の無能と称すべきか……
前世のなんちゃってテ○集団とか祖国の某隣国とか西洋各国とか色々思い出して腹が立って半分八つ当たり状態で見捨てたって言うのも一理あるよ?これでも元日本人ですから。
第二次大戦以来、第三次大戦以前はずっと舐められて搾取されたり半内紛状態にさせられたりして不遇な目に遭っていた分けだし……
あの日々を思い出すどうしてもね……ま、今はもう関係ないしそれ以前に私の生きている間に解消した問題だったからね。
治安は世界一とは言えなくなったが比較的良く、それでいて陸空海の軍事技術も世界最新鋭となり、更に日本にとっては因縁のあった核を完全に無効化する技術も基礎研究の段階だったとは言え既に確立していたからね……
それに私の死後それらは実用化に向けて進んでいたみたいだし…ゴンが言っていたけど。
次いでに第三次大戦の時にベ○ナム方面から飛んで来た超長距離弾道ミサイルがとある礼儀知らず①の国を偶然、マグレで着弾して崩壊したらしいけ不思議な事もあったものだー。
助けを求めて来たみたいだけど薄情な国その②は受け入れなかったし日本は視界に入らなかったし、それに同盟していた米国はこの時色々遭って仲違いしていたから誰も助けに入らなかったから結局誰も助からなかった様だ。
因果応報、と言うか普段の行いの結果だといえるね。
ま、言いたい事としては兎も角恩を仇で返す様な連中に私が恩情をかけるはずも無いってことです。
そしてそんな事は『百獣連合』の長であるルドヴィン君も分かっている。
本来なら彼ら“魔獣族”、元は義理堅く若干直情的で戦闘狂な部分を除けば質の良い健全な部族だったと言えるからね……あくまで記録にしか載っていなかったし冒険者引退した爺さん達に聞いた話しだから確証は得られないけどね。
未だその性質が残っているのが極少数派だった事は至極残念な事であったと言える。
それはルドヴィン君も行きしな呟いていた話しだった。
そして、それを承知で、切り捨てられ、見捨てられる奴等が多い上、私は私が認めない限り絶対に容赦しない事は分かっている状態で、それでも彼らは私に事の収拾を依頼せざるを得なかった。
正確には私と『百鬼会』をだけど。
そうしなければ今頃この領は半永久的に『霊炎ファミリア』の占拠下となっていただろう。
彼らは精霊と限りなく近い“肉体”を持たない種族。だからこそ感染の心配も無いし、パワーに優れる魔獣族の欠点を突いて来る様な連中だからね。
以前話した魔獣族の“血の儀式”で戦闘員は一部を除いた全員が感染源となっている状況下、訓練も受けていない弱小な非戦闘員を寄せ集めて対抗しようとしても無理な話しだ。
戦争舐めんな……そんな状態なら侵略なんざ1日で終わる。
そして、対抗出来るのは夢喰いの魔獣と狐の魔獣を始めとする数える程度しか存在しない連中。
だが彼らは……真っ先に私の提案を受け入れて逃げた。
それはある意味当然の話し……何せ彼らは『百獣連合』全体に恨みが有るのだから。
「元々我々が傘下に下っていた理由は人質を取られていたからであって、彼らを奪還したのならばもうここに留まる必要は無い。」
それが彼らの総意であり、私は本部からさっさと“人質”を回収した……勿論『分身体』が、だけど。
今頃実家に亡命している頃だろう。
人質となっていた子供の“栄養状態”が最悪だった事。そして一部暴行を大人から受けていた事。これらを『夢渡り』で知っていながら多勢に無勢で助けようにも助けられず、何年も悔しい思いをしてきたのだろう。
救出した連中は、それはも酷い状態だった。そして緊急を要する事もあったので“移転”の簡易魔術式を有るだけ殆ど使って慌てて実家の医療特区へ送った。
今回は大赤字になりそうだが…致し方あるまい。戦闘員ならまだしも非戦闘員があれ程弱っている場合保護した側が何もする訳にも行かないからな、主に“人”として。
だがそれにしても特に有る程度成長していた女児は酷い状態だった……詳しい事を記す事も憚られる程。
恐らく一生カウンセリングが必要なのではないだろうか…上手く社会復帰が出来ればいいが、その辺はイッシー達に任せておこう。餅は餅屋だ。
ああ勿論そんな腐った○リコンな上層部連中は磨り潰して……二度と子を成せない様に徹底的にイロイロ“潰して”来た。
敢えて“ナニ”をとまでは言わないが。
後でジョセフィーヌさんに届ける予定だ……そして新たな扉の向こう側で犯罪を起こさない事を祈っておこう。
ま、あの人なら多分そう言う事はさせないだろうけど。
それは兎も角。
そんな分けで私は最低限しか助けなかった。
それと今回、色々と回ってみて思った事だが、正直この機会に腐った上層部と選民思想に染まった排他的で視野の狭い、頭の回転の鈍い大人達を一掃出来てよかったのではなかろうか?
私の残した行った連中は多かれ少なかれこの土地に愛着を持ちながらも特に選民意識を持つ訳でもなく、自分自身の誇りと信念に基づいて生きている割と健全かつ勤勉に生きている連中だった。
ほんの一瞬しか接していなかったがそれを私が肌で感じたのだから確かな事だ……これでも相手を見る目には長けているので。
復興の際に腐った連中が地盤ガタガタでそよ風程度で倒れる様な脆い組織を大人数で形成するよりか、少数精鋭で地盤が堅固で天変地異が起きようとその場に留まっていられる位頑丈な組織を作った方が断然ましだと言う事は明白だろう。
そう。今現在私が『分身体』として存在している街は私の気に入った連中が多かっだからこそ街全体を助けたのだった。
そして冒頭の様に戻る訳だ。
……………………………………………
「………私はこの後『本体』へと戻りますが、くれぐれも貴方達の持つ魔獣族としての“誇り”を忘れずお天道様に顔向け出来る様な生を送って下さい。」
次期代表者の面々に向かって一礼をして、スピーチを終えた。
中には感激している者もいれば、厳しそうな顔をしている者もいる……私の話している事は結局“理想論”で有る事には違いが無いから当然だろう。
だが、理想を追い求めてどれ程それへと『現実』を近づけるかと言う事が今後の課題だ。
選民思想にどっぷり浸かった連中は大体排除したが、それでもこの土に蔓延るそう言った思想自体は消えない……
これも私達“ニンゲン”がかつて“彼ら”文化を完全否定して野蛮な獣として、そして奴隷としてこき使った事が原因となっているのは分かっている。
現在も我が国の馬鹿貴族と周辺国にちらほらと“獣人族”や“魔獣族”の奴隷がいる。
だからこそ一方的に分類上“ニンゲン”だといえる私がそれを完全否定するのは間違っている事も確かだ。
更に言うなら人同士や魔獣同士でも差別意識が有るのだから、これが異種族同士となれば必然的に軋轢が生まれるのも至極当然の事だ。
だが、それでも私は……私は彼らの持つ“誇り”に賭けたいと今回思ったのだった。
「ご期待に添えるか分かりませんが、私達も相応の努力は致します。至らない点も御座いましょうが、コレからもどうぞ宜しく御願い致します。」
何だかすっきりした顔で目を見ながら返事をした市長……その目にはこれからどう復興して行こうかと次の事を考えている、不安と情熱が完全に混ざった色を宿していた。
確かにこれから大変だろう……新たに街をまとめる役人やら制度の見直し、それ以外にも被害者へのケア等、上げても切りが無い程に問題を幾つも抱えているのは明白だ。
だけどやりようによっては何にでもなれる、スタートラインに立った状態でもある。
それも1から始める訳でも資材や仲間が0と言う訳でもない。
故に頑張れるし、やりがいの有る事だと感じている事が分かる……そして当然私も応援したくなる。
故に復興に必要な資材は有る程度提供した。
後は彼らのがんばり次第だ。
まず、今回の内容は少しだけ説教じみていたでしょうか?ご不快に思われた方々、申し訳ないです。ですが、少しだけ言い訳をさせて下さい。
人間を含めた”知的生命体”が社会を形成して生存する時当然軋轢とか色々起こるだろうなといつも思います…主にニュースや新聞とか見ると顕著ですね。そして、特に最近色々遭って思う所が結構有ります。
軋轢が起こった時皆様はどう致しますか?ぐっと我慢するか他人の責任にして相手が折れるまで追求するか、多分反応は人それぞれだと思います。そして間接的直接的いずれにせよ、それが原因で人が多く死んでしまう事はとても悲しく思います。
また、個人的には互いに妥協点を見付ける事が重要なのでは無いかと思われます……ルーナちゃんではないですが、理想論だと言う事は十分分かっていますが。
ただそうしなければ最終的に種族として絶滅するのでは無いなと結構不安に思ったりしている今日この頃です。
後、前述の様に最近酷い事件が他国で発生していますが、それらを見ていて何だか戦闘等の残酷描写を余り居れたいと思えなくなりました…特にココ最近の話しは国と国同士の争いでは御座いませんが国民の多くを死に至らしめる様な描写が多かったので……
そう言う訳で、私の都合で戦闘描写を予定以上に減らしてしまいました。ご期待して下さっていた方々、本当に申し訳御座いません。
ただ、ストーリー上今後必ず戦闘描写は出てきます防衛戦的な意味合いで…そしてまだまだ物足りない部分も有りますが、今後ご期待下さい。
そして最後に一応もう一度触れておきますが……この物語に出て来る『地球』は私達の現在居る地球とは全く別の次元の地球です。故に特定の国に関しての描写や意見はリアルの地球には反映されないものだと考えて下さい。
長々と失礼致しました、次回も宜しく御願い致します。




