63 分身体達の戦い(=行く前から実は戦っています)
読者の皆様どうもこんばんは。何とか投稿間に合いました……ただ、前話同様行間ちゃんと開けていない事に関して御詫び申し上げます……後日ちゃんと直しますので読みにくいとは思いますがもう少々御待ち下さい。
さて、今回は『百獣連合』へ先に行っていたルーナちゃんの『分身体』達の話しです。それでは本編をどぞ!
…………………(???)…………………
きょうはとうさんがかえってくる……かあさんがたのしみにしていた。
りんごのパイをやいて、にこにこしていてしあわせだった。
だけど………かえってきたとうさんは、たおれた。
たおれたあと、あせだらだらながしてくるしそうにウンウンいっていた。
かあさんは、おいしゃさんをよんだ。テールスおじいさん、やぎのおじさんだ。
いつものまるいめがねとくろかばんをもってきて、おとうさんのことをみていた。
テールスおじさんは、わからないってこまったかおでいった。
とうさんからだがどこかわるいのかな?
だっていつものげんきなとうさんじゃないし、かあさんもかなしいかおをしているし、それに、テールスおじさんもつらいかおをしている。
みんなげんきがない……だから、はやくげんきになってほしいな。
……………………………………………
………いきが、くるしい。
からだにちからがはいらない……げんきがでない。
もうあれからどれくらいたったかな?
とおさんはもっとげんきがなくなって、かあさんもげんきがなくなった。
そして、テールスおじさんもげんきがなくなった。
とおさんはくちやはなからまっかなちをながしていくるしいかおをしていた。
かあさんがたおれたのはそれをふいたあと。
そして、テールスおじさんもおなじだった………
ぼくはみんながたおれたからげんきなぼくだけでがんばろうとおもって、とうさんのあかいちをふいた。
そしたらだんだんからだがあつくなって……きづいたらたおれていた。
あれからとうさんかあさんとはあっていない………ぼくは、テールスおじさんのじょしゅのおじさんに、べつのところにはこばれたみたい。
だいじょうぶかな?
………………(end)………………
一足先に、『分身体』で有る私は『百獣連合』の領へと赴いていた。
ああちなみに『本体』の作った薬剤は全て亜空間倉庫に入っていおり、その上で現在も量産中である……『分身達』が。
本当に『分身体』は重宝するな………使い過ぎると頭がパンクするのが欠点だとしてもね。
私は辺りを見回す………人通りが有り、賑やかではないにしても一応村?街?として成り立ってはいる。
だけど、所々吐血しており“変形”の始まった連中が居た事は確かだ。
まだそこまで派手な広がりは見せていない。まだ間に合うか……
だけどこの状況……恐らくは数日前から仕込んでいたのだろう………恐ろしい敵だ。
もし私がここに来ていなければ、『百獣連合』は終わっていただろうな……それを今から私が何とかする訳だが。
よし、がんばってみるか。
…………………………………
『百獣連合』の中も一枚岩ではない事は聞いていたため知ってはいたが、ここまでとは……
全くもって想像していなかった……
「おい、この弱い女をさっさとつまみ出せ。」
「ニンゲンのくせに何粋がっているんだか……」
「劣等種の癖に我々と同等に口を利くとは、信じられん。」
例えば目前に居る阿呆な村長?町長?まあそんな存在。
先程私は提案した事は至極単純明快な事……その上で、相手にとっては確実に利益に繋がるが私にとっては何の特にもならない様に見える事なのに…
私が提案した事は、体調を崩した者の治療を手伝うと言う事。
一応筋を通す為に言いに来たのだが………駄目そうだな。
「悪いが人員は足りているし、君の様な劣等種に頼る事は多分無いからそれよりさっさと出て行ってくれる?」
……………ああこういう奴ってどこにでも居るよね?
はいはい。
関わらないのが1番だね。この街に足を踏み入れた瞬間から蔑んだ様な目で私を眺めていたとおもったらそう言う事ですか……
“別にどうしても救う義務が有る訳でも無いからね……”
前世の傭兵時代も良く考えていた事だけど、何で知的生命体って大概皆さんこうやって他人と差異を付けたがるのかね?それも悪い方向にさ……
だって結局身体を形成している構成成分とか諸々そこまで変わらないよ?
そりゃ見た目とか頭のつくりとか性格面でとか、色々違いは有るだろうけどそんなものは個人差でしか無いし?
それを一々気にしていたって切りが無いと思うんだよね……つか、無駄だよ。
変えようと思っても変えられない部分だってある訳だしね………でもだからって別に沈む必要も無い。努力すれば良いからね。
言動は変えられるし勉強すれば皆有る程度の知能は付く。生まれよりも生後の環境と努力に左右される部分の方が大きいと私は思うよ。
それに見た目だって最悪美容整形する事だって可能だしね……地球の医療ベースに魔術使っているので副作用とかの危険性も無いし。
だから、比較→否定する必要とか無いんでないの?
ま、自分を他人の良い部分と比べて切磋琢磨すると言う事は有りだと思うけどさ……自分や他人を過剰に卑下する様な行為ははっきり言って時間の無駄。
確かにどう仕様も無く自分・他人の駄目な部分は有ると思うよ?完璧な生命体なんて居てたまるか!って感じだからね。
でもそれだってね…やりようは有ると思うんだよね。
否定とか、そんな事をしている暇があったら互いの欠点を補充するべく相手の長所を見ようと努力すれば良いのに………本当に阿呆だとしか言いようが無い。
つか、そんな自分が優秀な存在だとか妄想しちゃっている辺りなんと言うか…物凄く痛い人に外からだと見える。
何て言うの?厨二病慢性的にこじらせている奴みたいな?
特に以前紹介した様に、宗教関連でそれやっていると……滅茶苦茶イタい………特にいい歳して選民意識を強く表に露わにして仰け反り返っている奴とかイタ過ぎる……
前世でも、いつもそんな連中は生温い目でみていたからな……戦闘では容赦しなかったけどね?
まあ、一部の人達がそんな偏った思想に陥った理由が『死にたくない』と言う考が根底にあったと言う事は分かっているんだけどさ……
あ、どう言う事かって?
そうだな………例えば“砂漠地帯”を想像してみれば分かるだろう。
水場が限られており、当然それにありつける人数も限られている状態……自分達の民族全員へとギリギリ水や食べ物が行き渡る様な厳しい環境下。
そんな中で同じ様に苦しむ“隣人”が居たとしよう。
その人達は当然直ぐ隣に居る水と食べ物を持っている人々へ助けを求めるだろう…
だけど、助けるだけの余裕が無い。
その結果彼らが選択する事は、“略奪行為”。
確かに人としてどうかと言われれば犯罪行為だし駄目だろう。
けど、これが生存を掛けた戦いであり生存競争だと考えるとどうだろうか?荒野で強い獣が弱い獣を駆逐して生きているのと同様だと思えば…
ああ確かに正当化されるだろう………『弱肉強食』として。
勝てば官軍。負けたものは衰退するのみだ。
駄菓子菓子、人とは面倒な生き物であり、必ず自分達の行動を正当化しようとする傾向が有る………そうしなければ、精神的に押し潰される様な弱小な心しか持ち合わせていないからだ。
その結果起こるのが『差別意識』。
それを支えるのが『宗教』だったり『血族』だったり『コミュニティー』だろう……他にも多分数えきれない程色々と有るだろうけど。
だけどそれはその内只単に“気に入らないものを排除する”事へと繋がる……つまり本来の『生存』と言う目的から外れてしまうってことだ。
具体的にはそうだな………絶対人は弱いから正当化するためにそう言う事に使う……とか?
ま、そうなるともうそれは単なる『我侭』であり、『生存競争』ではなくなるよな。
そんで、何処かの物語にもこんな事が描かれていたっけ……確か指定した奴を世界から“消す”事の出来るスイッチを得た人の話しだったっけ?
“『気に入らない』と言う理由で1人また1人と消していけば、残るのは『自分』のみとなる”
“人間とは『個人』の持つ力は他の生命体と比べて余りにも非力であるので、1人で生きていくことは厳しい”
結局あの話しの結末としては、スイッチを持った人が世界で1人きりになってしまった事に耐えきれなくて自分を消し去り、その結果彼の行った行為自体が無効になって消された人々が彼以外地上に戻る……
確かそんな皮肉っぽい感じのエンディングだったな。
故に、こんな方法で正当化して争うとか……不毛すぎるんだよね。
結論:“種族的差別”をしている奴は勝手に自滅していろ!
つか、マジで迷惑だから正直近寄って来て欲しくもないし、そもそもそんな馬鹿が存在している事自体が嫌だ。
ちなみにこの“差別行為”はスクールカーストとか嫌がらせ問題とかにも適応されるので、もしそう言う事をしている奴が居るなら即行で改める事を薦めるよ。誰とは一切言わないけどさ。
外から見ていてイタいからね………黒歴史量産したいなら別にいいけどさ。
だけど、はっきり言って時間の無駄だからね?……破壊行為をしていてマジで何が楽しいのか私には理解出来ない…
ま、そんな分けで、私は早々にこの場所を『見限った』のだった……
後で掃除させる為にも『本体』へ知らせないとね☆
…………………………………………
ここの村は悪化しちゃった所か………だけど、市長?兎に角最高責任者っぽい奴は直ぐに私を通してくれた。
つか、寧ろ来てくれた事自体に感激しましたと言わんばかりだったな……
まあいいか……差別する様な連中じゃなくてよかったよ。
そして、私は次々と運ばれて来る“意識不明”の患者達に用意した特効薬使って治療を開始したのであった。
後、手のあいている人達には取り敢えずトリアージしておいてもらう事にした。
「重傷者は紅い布。軽傷者は緑の布。それから悪化の危険性が有る者には青色の布を掛けておいて下さい。」
『了解致しました。』
私は忙しなく治療をしていった……重傷者の数が多過ぎる!!
ああもう………これは別の『分身体』も呼ぶしか無いかな……さっき別の場所で見事振られた奴が居た様だし。
そう思って手を休めず働いていたときだった………
ガラガラガラピシャッ!!
「助けてくれ!!家から一歩も出られない奴が……後、その子供が!!」
パニックになり、慌てた様子の犬耳の大柄な女性が詰寄るなり大声でそう言った。
………血の匂い………これは、急いだ方が良さそうだな。
「取り敢えず落ち着いて下さい。それから案内御願い致します。」
彼女の後を追って私は慌てて借りていた療養所を飛び出たのであった……
ちなみに簡単な処置は現地に居た人達に任せて来た……やり方は何度も指導したから多分大丈夫だと思う。
同時に私は移動しながら亜空間からトランシーバーを取りだして他の『私』へ至急応援に来るよう要請しておいた。
いざとなれば『転移』の術式陣を敷いておいたし診療所まで一瞬で来られるだろうからな……
それより今は、目前に広がる“変異”一歩手前の患者を諫めてから治療しないとね……その子供と奥さんも。
「ギャオオオオオオォォォ……グ、コロセ……」
暴れながらも私に自分を止める様に言う、虎の男性………恐らく駐屯兵か?
まあいいや。取り敢えず……
「術式展開……えっと、取り敢えずドーパミンとアドレナリンを一瞬ブロック。」
「グッ!?」
神経伝達物質を一瞬遮断され、糸が切れたかの様に倒れる男性。
血液のサンプルをちょっと頂いた後、早速特効薬を少し多目に投下した他、筋肉断裂部分が数ヶ所認められたのでその辺の再生能力をあげたりするなど、色々処置した。
それにしても、打つけ本番でさっきの術式が効いて良かった……被害が少なくて済んだからな。
その分、リハビリが大変かも知れんがそれはまあ…諦めて欲しい。
命有ってのものだねって言うでしょ?
そして倒れている奥さんと思しき女性とその息子さんかな?兎も角子供をその場で応急処置をした。
………女性の方は正直微妙だ。余りに血を失い過ぎている。
輸血はしたけど、多分再び起きられるようになるかは本人次第歳か言いようが無い。
幸い、子供の方は軽症で済んだ。
処置が終わり、応援に駆けつけてくれた地元住民に担架(取り出したら滅茶苦茶驚いていたな…)で彼らを運んでもらった。
この分だと、他の場所でもこんな感じになっていそうだな……
こうしたやり取りを暫く私は続けたのであった……応援で他の分身体達が集まってくれるまで。
「お疲れ!今から私達も参戦するから!!」
「後もう少しだし、がんばろう!!!」
次々と集まる『私』へ最初住民達は驚いた顔をしていたが、直ぐに順応していた……
そして粗方処置の終わった頃……
「とうさん、かあさん……どこ?」
両親が重傷だった虎の子供が、意識を取り戻したのだった。
「安心しな、2人ともちゃんと生きているよ。暫く掛かるだろうけど有る程度は元通りになるから……それより今は寝て居なさい。」
「ほんと!!よかった……スースー…」
安心してそのまま優しい寝息を立て始めた子供を見て、私は頭を撫でた。
取り敢えず両親の事は私に任せて身体を休めな。
………………………………………………
「………まじか…これは不味いな…『本体』に知らせないと。」
先程前線に居る『私』から送られて来た血液サンプル……分析結果が余りにもやばい内容だったので、私は他の分身体に仕事を引き継がせて『本体』へ戻る事にした。
「後は任せた。」
『ラジャー!!』
そうして私は消え、『本体』へデータとして統合された。
そんな分けで、王子達の戦闘シーンは次回となりました。
前回”次回は戦闘回です”と言っておきながら申し訳御座いませんでした。只これはあくまで良い訳ですが、ワンクッション置いてからの方がいいかとおもったのでこう致しました。
次回は多分戦闘回です。どうぞ宜しく御願い致します。
10/13: たぶん内→多分無い 訂正致しました。ご指摘有難うございます。
10/13: 水谷田部の→水や食べ物 訂正致しました。ご指摘有難うございます。




