表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役放棄、更に自由人へ(仮)  作者: 平泉彼方
第一章 逸般人な悪役令嬢、好き勝手過ごす
6/142

5 暴走した結果

 読者の皆様どうもこんばんわ。そしてムーンライトから読んで下さっている方々有難う御座います。本日更新したのでどうぞ宜しく御願い致します。


 さて、今回から少しだけ悪役になったが故の話しが出てきます。それでは本編をどぞ。

5


 魔術の修業を始めて2年が経過した。そしてその結果……


「ウォルター!」


「お、お嬢様………駄目です、捨てて来て下さい。」


「い・や・だ!!私のペットにするの!!!」


『ふ、不覚……こんな小娘にやられるとは…』


「今日から私の子分だからよろしく!!」


『(ボロッ、ガックリ)』


「……ルーナ様………」


 軽く竜位なら捻られる様になりました。


 いやね、前から竜に乗る事に憧れていたのよ。それも出来れば黒くてでかいごつい奴に。


 この世界にはどうも従魔契約とかが有って、魔物をテイム出来るらしいんだよね。で、私としては出来るだけこれからの事を考えると、自分のみを自分で守れる奴がいいと考えた訳だ。


 そこで、RPG等を通して憧れた事を思い出したのだった。


 私の憧れ……空を動物の背に乗って飛ぶ事。


 某小人が指輪を壊しに行く物語に登場する巨大な鷲の背中。某紅白ボールでモンスターを捕まえて使役する物語に登場する謎生物達。そして中世前から各国の伝説に出て来る“竜”。


 戦闘等に使うのではなく、只単に乗って空を飛ぶ事。


 そして前世では単なる“憧れ”や“夢”だった存在が今世では普通に徘徊している。自身の力さえ強ければ幾らでも従魔に出来ると言う破格の状況下。


 さて皆さんならばどう致しますか?


 私?私はね……実行したよ、普通に。つか、する以外に選択し有るか?


 その結果…オッサンのくろいりゅうが、なかまになった!!


 初対面から私のご飯を強奪しようとするわ、『人間風情が』とか『最弱生物』等と散々馬鹿にしてくれるわ、食材を駄目にしやがったので、取り敢えず全力で凹々にしてやった。ザマァ〜


 ちなみに以前から私の従魔にしている連中は指差して爆笑していたので後できっちり締……お話ししようと思っている。だからそんなに怯えた顔をしなくてもいいのよ(ニッコリ)?


 ああ、彼らのお披露目は追々ね。


………………………………………


 さて、今私達が居るのは『霊山』と呼ばれる場所です。どうやらウォルターのコネで修業場として貸して頂ける事になったのです。マジであの人の人脈は可笑しいと思うのですが……


 まあでも有り難い事には変わりないですね。


 こんな幻想的で危険な環境で修業出来たのですからね。もう既に2ヶ月は居ますが、並の冒険者並みにサバイバルは出来る様になっています。


 ああでも私の場合元からそう言った知識等は有ったのだけどね。


 前世ではよく野宿とかしていたので結構慣れているんですよ。キャンプとかそんな楽しそうな奴でなかったけど……そうだな、例えば……


“砂漠地帯で2週間、水約1ℓのみで生き延びる”


 地獄の2週間が終わった時には人間の新たな可能性みたいな者に目覚めた様な気がしたりしなかったり(遠い目)……でももう二度とやりたくないと思いながらもっと厳しい条件に置かれた事も有ったな……


 まあいいや。そんな分けで、いいリハビリになりましたとも。それにここの野営は魔物が多い分地球のそれとは若干異なる部分も有る訳だしいい勉強になった。


 そして、今日下山します。理由は黒竜と契約したから。


 竜持ちって国に報告しないといけないみたい何ですよね〜……正直面倒くさい。そして冒険に行きたい。


 つか、攻略対象に相当する人物に遭遇したくない!!


 しかし王宮、それも国王に遭いに行かねばならないそうで…陛下の息子さんはちなみにバリバリ攻略対象です。


 オワターwww


 全く黒竜も迷惑な奴だ……私の昼食の炒め物(皿うどんタイプ)を横取りしなかったらそもそも凹らなかったのにね…


 ああしんど過ぎてうっかり黒竜をミンチにしてドラゴンハンバーグを作ってしまいそうだ(ジュルリ)。


『…な、なあ相棒、今物凄い悪寒が走ったんだが?』


「気のせいだよ……………………………………多分。」


『何今の沈黙…』


「あんまり細かい事気にしていると円形脱毛症になる…あ、竜だし脱鱗症かな?」


『俺は禿げて等居らんぞ!!!って、何我の鱗を見ている!!?』


「いや………幾らくらいで捌けるかなぁ〜と…」


『や、やめろよ!!?!!!?!』


「え、冗談に決まっている………………………かな?」


『何故疑問文?!!!?!!』


「ん?間抜けドラゴンの食費ってどうやって捻出されると思っていたの?後君の利用価値を実家に帰る前にちゃんと教えてくれたらいいと思うよ(ニッコリ)?」


『ウオォォォォォォォ〜ン!!!!!!』


 まあいいや、この竜何か抜けていて弄…遊…話すと面白いし。


 つか、名前だけは格好いいドラゴンなんだよね〜……『ジャン・クリストファー・ナイトロード』って本竜がドヤ顔で行ったんだよ。可愛くないと思ったので、渾名をジャンクリにしてやった。


 滅茶嫌がって『ジャンと呼べ』とか命令して来たけど、殴って黙らせておいた。それに何か似合うじゃん?


 少なくとも名字を文字って“夜帝(笑)”は黒歴史的な意味であんまりだと思ったのでこうした。


 ちなみに性別は♂だそうです。


「さて、お父様怒っていなければいいけど。」


「恐れながら私は……」


 実は、今回のサバイバル訓練は意外な事に父親が猛反対したのだった。仕様がないので置き手紙で『探さないで下さい。』と一筆書いてウォルター拉致って脱走しましてね。


 滅茶気不味いわ〜………ま、何も考えていなかった訳でもないし大丈夫そうだけどね。


「ああ大丈夫。私にいい言い訳が有るし、それに…多分これで万事解決ね☆ミ」


 実は修行中に何度かウォルターのギルドカード使って冒険者の依頼を受けたの。その時依頼次いでに助けたドワーフのオッサンが、お礼に“〇〇殺しシリーズ”の銘酒をくれたんだよ。


 確か銘は……ああそうだった、『竜神殺し』だ。


 どうも竜神に知り合いが居るらしく、数年前に樽数個別けてもらったらしい。命の次に大事なものだって私に2樽分くれた。正直前世も含めて今はお酒呑めないしどうしようか迷ったけど、思わぬ事で役に立ったな。


 某エセ縮緬問屋では無いが、『控え居ろう、この銘柄が目に入らぬか〜!!』が出来そうで少し楽しみだったりする。


 ああちなみに母親は納得済み、兄2人はそもそも私に無関心なので問題無し。


 さて。帰りますかね。


「…と言う訳だから、背中乗るね。」


「私も。」


『え、これって俺一人で皆を送ってく感じか?』


「「そう(です)だけど、何か?」」


『〜〜〜〜〜〜!!!』


 世の中所詮弱肉強食。敗者は勝者に従う、これ常識ネ。


……………………(公爵)……………………


 ああなんて事だ。娘が…あの可愛らしい娘が反抗期!!


 家出なんて………


 そ、そりゃあ私は親だから心配してウォルターが監修していてもサバイバル修業を許可しなかったが、それでも家で何て……


 ああ私の可愛いルーナよ、何故父の言う事が……


 今日で丁度2年。


 ちゃんとご飯は食べているだろうか、睡眠は取っているだろうか、怪我はしていないだろうか、魔物やウォルターに襲われていないだろうか……


 そして何より元気にしているだろうか…


 ああ心配だ。心配すぎて最近白髪が増えた気がしてならない…


 ああ早く帰って…


 バタン「旦那様!!ルーナ様がって…え?!旦那様?!!」


(*使用人の開いた扉に勢い良く頭をぶつけ、ノックアウト中)


……………………(end)…………………


 帰宅して暫くしてから親父が登場した……何故か頭に包帯が巻いてあったがどうしたのだろうか?


 まあいいや。


「父上、勝手に家を飛び手して申し訳御座いませんでした。」


「………」


 あ、アカン……これ、滅茶苦茶怒っているパターンだわ。


「そして修業をしていた時に現地の知り合いに、お土産としてこれを貰いまして…」


「!!……む、だが………」


 ……今一瞬反応を示したが、やっぱり駄目か…


 そして案の定切れた…結構予想外な理由で。


「ルーナ、私が怒っている理由は家出したとかそう言う事では無い。」


「?!」


「私が怒っているのは、いや、ただ心配だっただけだ。そもそも私が修業を反対した理由は自分の娘が心配だったからだって、何故気付かない?何故お前はそれ程自分を大事にしないのだ!!」


「………」


「どうもお前はずっと生き急いでいる様に見えるのだよ…少なくとも私はね。確かにお前の愚兄共を見ていると、焦る気持ちも分からなくはない。かつて私自身そうであったからな。


 だがな、それでも自分の事を追い込めないで欲しい。そして健康で幸せになってほしいのだ。私は親なのだから、自分の子供の幸せを願っても良いだろう?」


 ……ああ、確かにそれは言えているよ。ただ、私は死亡フラグの乱立する場所から逃れて今度こそ面白可笑しく生きる為に只奮闘しているだけ何だけどね…そも、命掛って訳でも無かったしね。


 まあでも、妄想癖とか精神病とかって言われて幽閉されても困るから私の抱えている事情は話せないけどね……だから実はかなりいつも罪悪感が有る。


「……………確かにそうですね、ですが…」


「まだ話しは終わっていない!大体何故あれほど過酷な場所を修業場所として選んだ!!他に選択肢は有ったと言うのに…」


「?!ご存知だったのですか!!」


「お嬢様、一応旦那様のお耳には入れておきましたので。」


「ウォルター?!」


「事実、ルーナ様は確かに幾つかの選択肢の中から1番過酷な場所を選択なさいましたよね?恐れながら今回は私が付いていたので大丈夫でしたが、修業初盤では何度も命の危険に晒されていました。」


「……………」


 グッ……反論出来無い………


「そして…そうですね、この際質問させて頂きますが、お嬢様はいつも寝ている時にうなされていました。」


「?!!」


「決まって必ず“助けて、死にたくない”とか“一体私の何が悪いの!!”とか“処刑も毒殺も斬殺も嫌だ…責めて畳みの上がいい”等と仰せられていました。一体何に怯えているのですか?それは私共では解決出来ない事なのですか?」


「…………」


  ……どうしよう。よし、一瞬だけ思考加速させて整理しよう。


 まず話した場合のメリット。もし彼らが信じてくれれば、もしかしたら私への婚約話は全部亡くなる可能性が出て来る。同時に王立学園に通わずに済む可能性が高まる。


 デメリットだが…言わずもがな信用してもらえなかった場、私は狂人として幽閉されて一生過ごさないと行けなくなる。他にも此方はリスク的な意味合いで色々危うい。


 そして何より……………拒絶された時を考えると、辛い。


 だけど恐らくウォルターは察していると見て良いだろう…何処まで知っているかは知らないが。


 なら一応教える方針としておこう。


 次に考えないと行けない事は、何処まで開示するかってことだ。


 まず前提として、ここが前世の物語だった事は言わない方がいいだろう。だって私自身そんな事いきなり言われても信じられないだろうから。


 故にこれは全て2歳の時“未来視”したって言えばいいか。


 我が家にこれから待ち受けている困難な道を何とか切り抜けるためにご先祖様が力を貸してくれたって言えば多分その辺は何とかなりそうだな……


 そして肝心なその無い様だが……私の身に起こり得る不幸とその対処法。それからこの家が没落しないための方策…馬鹿な兄貴2人をどうにかしないとこればっかりは何の解決にもならないけど…


 そんな所だろうか?


 ただ、残念ながらそこまでシナリオやら攻略対象には興味が無かったので、知らない事が多い。印象に残っていたのはRPG風で面白いってこと。それから……そうだ、悪役令嬢が不憫過ぎるってことだけだった。


 全ての話しで死ぬ上、死ぬ理由も手段もその……エグい。


 詳細は殆ど覚えていないが、少し嫉妬してヒロインを呼び足しただけで有る事無い事言われて婚約破棄。挙げ句学園追放、その後は家の没落。


 ………毎回従姉妹が攻略している所を横目で見ていて、何処が面白いのか何度も疑問に思ったものだったな…


 ヒロインもヒロインだ。何故寄りもよって婚約者が居る男性ばかり攻略するのか意味不明だった。……きざったらしい台詞と声優の声で従姉妹は誤魔化せても、私に一切それは利かないからな。


 ハニートラップ対策として、10代で男性の誘惑を見破る技能を身につけたからね……


 兎に角、フラグをへし折る為にも私は婚約を誰ともしてはならない。それを伝えよう。


 よし、方針は決まった。


「……ウォルター、父様。少しだけ私の話しを聞いて頂けないでしょうか?」


 次回も宜しく御願い致します。


8/10: 愚息→愚兄 訂正致しました。ご指摘有難うございます。


8/23: ドラゴン何だよね→ドラゴンなんだよね、家で何て→家出なんて 訂正致しました。ご指摘有難うございます。


10/25: 彼らのお披露目はおいおい → 追々 訂正致しました、ご指摘有難うございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ