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悪役放棄、更に自由人へ(仮)  作者: 平泉彼方
第一章 逸般人な悪役令嬢、好き勝手過ごす
53/142

52 その頃……(続)

 読者の皆様今日も何とか間に合いました投稿……遅くなってしまって申し訳ないです。後、明日はお休みするかも知れないです……リアルが多忙で現在死にそうです(泣)


 さて、今回は前回に引き続きルーナちゃん(分身's)が裏で暗躍している姿を描きました。それでは本編をどぞ!

 さて、そろそろイルマサイドの『仕事』も終わったかな?


 宰相殿を驚かす事が出来た様だな……恙無く終わった様で何より。


 よし………それなら今度は『彼ら』の出番か。



 今現在私はいるのは“特別保護区”と呼ばれる結界を厳重に張った区域………外からは一切見えず、存在すら認知出来ない上に近付いても弾かれる仕様となっている。


 当然無許可で侵入する事はまず不可能。


 『遮断』の精霊が作った特製の結界であるから、仮に『シャドウ』が例の“目玉”で攻込んで来たとしても、破られない自信が有る。


 そして、ここで保護して居ているのは世間的に迫害を受けたりした種族……特に中でも社会復帰を望む者達だ。



 その中で、今回私が依頼をしに来たのが『緑人族』と呼ばれる種族。


 彼らは容姿こそ魔物である『ドライアド』や『トレント』に似ている。だが実際は只単に森で生活する内に保護色となるよう特殊な進化を遂げた『人族』の一種だ。


 それでも所詮人間……姿形や生活の違いだけで簡単に他を見下す。


 戦闘よりも毒や罠を駆使して生きて来た『緑人族』……森と共に生活していたため、森が無ければその生活も破綻する事は自明だろう。


 結果、生活のために森を出たが……戦闘能力を持たず、更に容姿も皆儚気で美しかったがために、“愛玩奴隷”として出回ったと言う。


 そしてその話しを聞き、慌てて我が領内に残っていた『緑人族』を説得して“特別保護区”を作成した。



 ……………あの時の説得は大変骨が折れた事は言うまでも無い。そも、人を全く信用していなかったからな……当然ながら。


 それに、多くの精霊と契約していなかったら多分今の関係はあり得ないだろう。


 彼らは『精霊』が見え、話す事も出来る。そう言う“進化”を遂げたのだ。その為、私は彼らに“同類”だと認められた…精霊が見えるので。


 更に………コレは本当に余談だけど、最初の内は何故か崇められた…………どうも彼らにとっては『固有属性』の精霊と契約している存在は伝説とか英雄とからしい……



 最初は別の連中と一緒に“亜空間倉庫”の世界へ避難させる事も考えたのだが、彼らは自分達の代々住む森に愛着が有るらしく残りたいと言われた。故に遮断の長『ネロ』に強化した結界を張ってもらったのだった。


 ……泣いて喜ばれた挙げ句、更に拝まれた事は言うまでも無い。


 現在は他の社会復帰したい部族の受け入れと、公爵家や『ルナライト薬品』との取引、他諸々してもらっている。


 ……………報酬としては、絶滅危惧種の植物や危険種の素材を分ける事が多い。他にも勿論生活必需品や趣味や娯楽を求める事も有るが。


 大概森で彼らは賄えるからね……



 今回はその技術力を活かして『新月』の薬品分析の結果から『製造方法』と『解毒薬』の作成をして貰うつもりだ。



「毒の制作方法と“正規”の解毒方法の解明……今現在多分この国では“我々”以外に成せる者は居ないだろう。だから諸君、存分に力を発揮してくれ。」


『はい!』


「それと、本体から伝言……………報酬は亜空間で保護している一部の危険植物の素材だって。よかったね。」


『…………』



 次の瞬間目の色が変わる緑人族の薬師達。


 ………皆美形だけど、そんな風に目を血走らせたり怪しい光を放ったりすれば只の変出者になれるんだね……


 思わず遠い目をしたくなったが、一応危険性とかも伝える必要が有る訳で……



(『新月』の説明中につき、暫く御待ち下さい。)



「………と言う訳で、取り扱いには十分に注意して下さい。」



 ……………………大変だった…中々戻って来てくれなかった上で危険性について中々理解してくれなくてね……



 最終的に私の代わりに説得してくれたのが契約している精霊達……あの薬に触れたら自分達がひとたまりも無い事を伝えていた。


 うん………精霊にとっては毒素だからね…魔素吸収出来なくなったら死ぬからね、確実に。


 まあでも飲み込まなければどうってことは無いからそこまでビビる必要も無いけどね?実際王子の治療に立ち会ってくれた精霊の長達は素手で何度も触っていたし。


 ………あのグロテスクな劣化スライムともナメクジとも、ヘドロとも言い難いナニカにね…あ、思い出しただけで鳥肌が……



 さて、後は彼らの様子を逐一観察していれば良いのかな?一応結果が出るまで待機するように『本体』が指示出していたからね。



………………………………………………



 カンカンカンカン……


 ウィーン、ギュリリリリリリリ………


 ウィン、ヒュイン、キーン、ギャリギャリギャリ……


 辺り一面、大工仕事の音がする。


 金槌や斧を振るう音。ボルト止めを魔道具で行う音。地面を削り取る音。


 活気が溢れ、人々が忙しなく働いている。



「オーライ、オーライ、オーライ、ストップ!慎重に後は置け!!」


『了解!!!』


「絶対に傷付けるなよ!!!」



 ゆっくりと『クレーン車擬』を動かす住民。それを指示するのはずんぐりとした体格に立派な髭を生やした小さなオッサ「アアン?!誰が極チビ豆粒親父だと〜!!」……いや、ドワーフと呼ばれる種族である。


 そして彼らは『ルナライト建設』から派遣された技術者兼現場責任者。



 もうお分かりだろうか………ここは絶賛復興中の『ヴェネチモール』。



 まだ『大氾濫(スタンピード)』の傷痕と私直々の『トドメ』の影響(地盤沈下を通り越して完全な陥没とか…)が残っているものの、大分完成して来たと言えるだろう。



—整備され、今後氾濫とかを極力抑えられる様にした河川。


—ラウツェンスタイン公爵領をモデルに行った奇麗な道路舗装。


—碁盤状に並ぶ上空・陸地どちらから見ても美しい街並。



 その上で、今回は街全体が有事の際に“シェルター”となる術式が発動するように色々調整した。



 あれから2ヶ月と少ししか経っていないのにこれ程復興している理由は勿論我が『ルナライト社』の社員の力が有ってのものだと断言出来る。



 だが、それだけではない………元住民の皆さんが、復興を強く“望んだ”み、その上で協力したからだ。


 それが有ってこそ、現在のペースで復興が進んでいるのだと言えるだろう。



 『吸血鬼族』の特徴としては時折血液を外部から輸血しなければ貧血で倒れる以外、非常に強力な腕力と器用さを持っている。


 今回、建物の建造こそ『ルナライト建設』が全て行ったが、それ以外は殆ど地元住民が共に行っている。



 例えば“堤防”と“堀”の作成。ブルドーサー擬を実際に使っていたのは地元住民であり、ルナライトの社員が行ったのは“指導”のみ。


 それ以外にも、家の“基盤”を作る作業をしてもらったり、その上に家を設置する作業を現在進行形で行ってもらったりしている。



 そして私はその様子を見守る『分身』………今の所異常無し。



 目玉も居なければ、空は青いし皆は元気だし、ここはもう大丈夫だと思う。


 確かにまだ精神的な外傷は有るだろうけど、ここに残って診断してくれている医師団が街の復興が進む度に皆落ち着いて来ていると報告してくれた。


 幸い死者自体もルナライト社へ避難が間に合った様で少なかったからね………怪我人は多かったけど。



 それにしても………良かったな。



 瓦礫撤去の手伝いをしながら私は精霊を通じて定期連絡を行った。



………………………………………………



[ピピー…こちらL−20、ターゲットは今酒場を出た所だ。どうぞ。]


「こちらはL−α、映像を確認した。全員配置に付け。尾行班、陣形は“フェニックス”で袋小路へ徐々に追い込めろ。狙撃犯はもう少ししたら此方から仕掛けるので準備しておけ。」


『ラジャー』


『了解。』



 さてさて………今回は上手く行ってくれよ?


 画面越しに見える普通の街の風景と、そこに写っている『男』の後ろ姿を見ながら現在実行している作戦内容をもう一度振り返っていた。



“裏組織『影』の尻尾を掴んでいる情報屋”



 今回、冒険者ギルドからある情報屋の保護と捕獲の依頼を見つけ、私は早速受けた。


 ウィリス爺さんは厳しい顔をしていたが、私なら出来る事は承知だろう………報酬はふんだくるけどね。


 まあ今それはいい……こいつを尾行して、私は『影』の支部が有る場所を探る気でいた。



 ただ…………………想定外の事が起こった。



 何と、その情報屋さん……『影』から命を狙われているっぽいんだよ……それも、別に裏切った訳でも無さそうなのに。


 大方やば過ぎる情報を知ってしまった所か?



 まあ、口封じされる前に私が搔攫う気だけどね………どんな情報でも良いから何とかヤツについて知らないとね。



 お、ぞろぞろやって来てくれた……………情報屋を殺しに来た『殺し屋さん達』……おうおう、見事に気付かれていないのな。


 此方の事にも相手は気付いていない様だけど……



 さて、先手必勝。



「襲撃班、狩り開始予定時刻3秒前、2、1、実行。」


「第一陣発射。」



 一部を除き、ヘッドショットでもって1発で音無く仕留めていった暗殺者……30人中19人死亡。


 残り11人の内、6人が怪我状態。5人にGPS擬を付着させた。


 目標達成。



「その間に情報屋は回収開始時刻3、2、1、実行。」



 そして不穏な映像が届く……同時にレイダーが赤く点滅……追加で来た暗殺者か……………鬱陶しいな、全く。


 まあいい……………少々捻ってやろう。



「追加で新たに40名の暗殺者が来ている。他に被害が出ないよう、気付かれていないうちに全員狩れ。討ち漏らしは私が対応する。」


『了解。』



 私は目に“鷹ノ目”の術式を掛け、遠方を見る。そして今回使用許可の降りた銃器を亜空間から出した。


 ……うわ〜…ウジャウジャ湧いて来たなこりゃ……


 銃のセッティングは親切設計なので不要……故に、構えたら撃つ、構えたら撃つ、と言う作業を暫く続けた。



 そして次々とレイダーに写っていた反応が消えていき……やがてオールグリーンとなった。



『こちら狙撃班。全てクリア。どうぞ。』


「御苦労。周囲を警戒しつつ撤収……くれぐれも居た痕跡を残すな。」


『ラジャー。』



 さてと、情報屋は無事回収出来た事だし『本体』へ報告するか。



 ご意見・感想等、有難うございます。リアルやリアルが忙しい上にちょっとごたごたしていますが、これからも頑張って投稿していきます。どうか宜しく御願い致します。後、感想等への返事は明日以降行います、申し訳御座いません。


 さて、ルーナちゃんの暗躍は今後どんな風に実を結ぶのか……お楽しみに。


9/20: 狙撃犯→狙撃班 訂正致しました。ご指摘有難うございます。

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