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悪役放棄、更に自由人へ(仮)  作者: 平泉彼方
第一章 逸般人な悪役令嬢、好き勝手過ごす
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40 ”運び屋”活動開始。

 読者の皆様どうもこんばんは。


 さて、今回は運び屋ルーナ登場です。そして、ゴン君の記憶事情に関しては”黒幕サマ”より少しだけ状況を開示致します…後半です。

 何だか今日は強い寒気を感じるのだが、まあ気のせいと言う事で……


 さて、ゴン改め幼馴染みの大泉蓮君が復活?したので、取り敢えず2日後にこの場所を引き払う事にした。


 その際に注意する事項が幾つか有り、その代表格は以下の通り。



1. 建物や魔術式、更に我々の居た痕跡を完全に無くす事。


2. 逃走の際、相手に逃走経路等をばれない様にする事。


3. 護衛対象は全員安全かつ快適に移動出来る様に心掛ける事。



 まあこれらを完全にクリア出来る事こそが、護衛依頼を遂行する際最低限必要な事だ。


 更に本当は(師匠に関して言うなら)色々追加するのだが、今回はまあいい………つか、この状態自体が想定外だったので、準備とか護衛に向いている人員とか居ない訳だからね…


 つか、そもそも私は肉体年齢10歳だった……さっきまで完全に忘れていた。


 まあ正直どうもいいだけどね!


 さて、そんな訳なので今回の作戦はこんな感じにしてみました。




①まず私以外全員が異空間に入って貰う。


②私は魔術を極力使わず可及的速やかに建物を崩壊させる。


③分解魔術で細かな魔術の残骸を完全に消す。


④その後街の外までゴリ押しで突っ切る。


⑤街の外に有る森の木陰で移転魔術式を使う。


⑥門を潜ったらあら不思議………




「って、あら不思議じゃネェ〜よ!!」ガスンッ


「〜〜〜!!!!ちょっと痛いよ、ゴン?!!」



 思いっきり殴られて煙を上げているタンコブをさすりながら涙目で訴えてみると……



「うっ………だが俺は悪くない、絶対謝らないからな。」


『謝らないのかい?!』


「謝らないつってんだろう?」



 ウチの従業員は本当にノリが良くて良いわ〜……そんな分けで私もそのノリに乗って、泣き真似しながら



「うぅ………ゴン君が児童虐待しました〜」



と言ってみた。そしたら蓮君改めゴン君は焦った顔で……



「いや、そ、そんな、泣かすつもりとか……ないし?」



 …………何か滅茶焦っている感じだった。



「と言うのはまあ冗談なんだけど。」ガタンッ



 皆がひっくり返ったのは無視して。



「ゴンは私が1人で任務をこなす事に反対なの?」


「っっ……ああそうだ。何故だ?」


「そうだね………ゴン君、何で君は寝込んでいたの?その原因は?」


「!!…………………………チッ、俺ってマジ使えないな……」



 ご理解頂けた様で何よりです……だけど、相変わらず浮き沈みが激しいと言うか…打たれ弱いと言うべきか……


 仕方が無い、フォローも大事だからな……と言いつつ事実を言うまでだが。



「使えるか使えないかはこの際どうでも良いけど分かってくれて嬉しいよ。まあでも実際、ゴン君は私にとっては家族だし、それを抜きにして見ても必要な人材だから。」



 実際に、悪戯癖は健在だし甘えん坊でもあったが、よく周りが見えておりリヒター(兎)以上に気が回る部分も有るのだ。


 それで何度も私は助けられている……前世でも、今世でも。


 人格的にも彼は嫌いにはなれないしね。もし仮に嫌っていたりしたら、幼馴染み何てやっていない。とっくに縁を切っているよ…私はそう言う性格だからね。


 実際、我々の付き合いは多分クリス以上に長かった……あっちでは少なくとも私が死ぬまでだったのだし。



「今回はまあ、適材適所で言えば不敵材だったって事で大人しくちょっと待っていてよ。必要なときは必ず喚ぶからさ?」


「………………それを約束してくれるなら別に良いよ。」



 ふてくされた様な寂しそうな顔でゴン君は言った……実際元気が無いのは見ていて分かる。


 だってね……………狐ミミがシュンと撓垂れているからね…



 あ〜…ちょう触りたい………



 でも中の人がね……………『大泉蓮』だった人のミミをそうやってモフルのって………人に不用意に触れるのが大嫌いだったからな……


 うん、止めておこう。



 グッバイ、マイ、モフモフ………グスンッ



「……………触れたいのか?」


「え?」



 涙目で見上げると、私を軽々持ち上げて頭の上を触らせてくれた。



「ほれ…って、おい!やめ!?おう?!!」


「キュ〜!!!」



 思い切り私は奇声を上げながら撫で回していた………



「ゼエッゼエッゼエ、わるいが、もう少し手加減…次はしてくれ…」


「ご、ごめん…つい、その……気持ちよくて。」


「ゴパッ!?!!」



 そう言った瞬間何故か吐血して倒れた………って?!



「傷口開いちゃった〜!?!!メディック、メディ〜ック!!!」



 ………慌てて応急処置をするのだった。


………………………………………………


 さて、建物を解体する方法は皆ご存知だろうか?


 まあ日本だったら大体支柱となる場所を外して一気に解体するか、それとも資材を利用する為に奇麗に剥がして行くかどちらかだろう。


 ちなみに海外だと、爆薬を使う国も有る。(*本当です)


 私が今回使う方法は当然資材を再利用出来る方法である……魔術式をもう一度描いた上でもう一度位置から部品を作れとか言われても困るからな……


 但しそれを一から行えば当然数ヶ月は掛かるだろう。その上解体してもう一度建て直すのは時間と労力の無駄である。


 何故なら、大工に真っ向から喧嘩を売る様な方法が手元に有るのでね。


 ま、そんな訳で、ここでその裏技を使いますよ…っと。


 私は建物の外に出て、一旦囲んでいた魔物を駆逐した。そして、術式の構築を開始した。



………固有属性『縮小』起動。


……………………『目標物』の座標指定、完了。


 全体を術式で覆う……………




 っと、ここで妨害が入ったので一旦停止する。



 私はもう一度周囲を眺めた………そして、私は空から何か黒いものが降って来ている事を確認した。


 慌てて私は“遮断”の長ネロに頼んで遮断結界を張ってもらい、全ての物体Xを弾いた。


 その間に私はさっさと術式を構築し、建物全体を縮小させ………それを亜空間に仕舞った。



 そして空を見上げた。












 既に夜が明けたと言うのに、煙に覆われて黒い様な灰色の様な空。その中心部に不自然な罅が入っており、そこから目玉が覗いていた。


 ………ゴンから聞いていたけど…実際に見て見ると本当に気色が悪い。



—白目部分に血管の見える、本物の目玉の如き巨大な1つ目。


—どこまでも虚ろで生気の感じられない死んだ様な目。


—照準は何故か合っている様子で、はっきりと私が見上げている姿が反射されている。



 正直夜中に見たら、完全なホラーである………トイレに一人で行けなくなる自信が有る。


 ファンタジー世界だから当然妖怪とかも居ると思うが…あれ程生理的嫌悪感を湧かせるものは無いのではなかろうか? 



—特に、こういう風に監視されているのは気に喰わない。



 目玉は現在私達の事が見えていないはず……そう言う結界をネロに張ってもらったのだから。確かにそのはずなのだ………


 だけど………………目玉は確かに私の事を見ていた…それも真っ直ぐに。


 次の瞬間、背筋が凍り付く様な感覚に陥った。





“必ずボクは君を迎えに来るよ。”





 分からない………何が目的なのか。



 だけど、私は何故かその声に奇妙な懐かしさを覚えた。それが更に不気味に感じて身震いした。



 そして今回分かった事は…………黒幕の真の狙いは私の身柄らしい。


 それに対して私が浮かんだ感情はたった1つ…………………













“受けて立つ。それと、絶対沈める。”


 それだけだった。


……………………(???)……………………


 ボクの由樹ちゃんは相変わらず良い女だ。


 ボクに、圧倒的に敵わないと分かっているはずのこのボクに宣戦布告したのだ。



—ああ楽しい。



 だけど……………あの男爵令嬢、いや、”只の道具”は駄目だ…


 髪を帽子の中へ隠し、仮面を付けて学ラン擬を着た彼女……確かに凛々しい姿だとは思う。


 だから百歩譲って彼女をを男児だと勘違いしていた事は許そう………本来はそれだけでも万死に値するけどね。


 だけどボクが許せないのは………執拗にボクの貸した玩具で汚そうとしていた事。


 彼女にだけは絶対に手出ししないことを契約では約束したのだけどね………忘れたのかな?



“彼女の事を汚したら、ボクは君を自分から死にたいと思う程にズタボロにするよ?”



 愚かだな………


 彼女にさえ手出ししなければ別にハーレムだったっけ?よく分からないけど公認ビッチになろうが何だろうが、どうでもよかったのだけどね……


 ボクの中における君の認識何て、その辺に居る石ころと相違ないからね。


 ボクのルーナに手を出した事は許せない。まあでも今回は十分仕事をしてくれたからもう暫くは許してあげるけどね?



 でも………………………近いうちに壊さないと。



「フフフフフフフフ」



 さぁ〜て、彼女との攻防戦はどうやって楽しもうかな?どんなステージが良いかな?


 彼女にも楽しんでもらいたいからボクも一肌脱ごう!



『イヤイヤイヤ、マジで露出しなくていいですから!?』



 おっと………ボクの肌を見て良いのもそう言えば彼女だけだったね?


 危ない、危ない。


 さてと。


 それにしてもあの糞狐が記憶を取り戻した事は計算外だった…


 まあでも彼に関してはそもそも前の世界で死んでいなかったからルーナの彼に関する記憶を封じていなかった事も要因かな?


 他の人達は大体違うからね………


 大体ボクは自力でここに来た分けだし彼女に関しては別の奴がボクの手が入る前にここへ転生させやがったから君達と根本的に違う。


 言うなれば、君達のソレは“略奪行為”でしょ?


 別の魂が宿っていた身体へ侵略して書き換えたんだからね……まあ弱肉強食を考えれば別に犯罪にもならないけどさ。


 唯一違うのは、不本意ながらもあの竜だけだよ……あの状態なら一生ルーナ、いや、由樹ちゃんとは結ばれないけどね。


 だってさ、君こっちにきてから意識してかは知らないけど魂割いたでしょ?


 その影響で本来は何年も彷徨した後ルーナの生まれる1・2年前に入るはずだった肉体が君に引き寄せられている様だけどね………まあ、本体は変な成長の仕方をしている様だけどさ。


 ボクはもう暫く君達の様子を眺めているよ。


 どうせ彼女を最終的に搔攫うのはボクだから。だってボクしか彼女をシアワセには出来ないからね?














 それと、何かボクを監視している目が有るんだけど……鬱陶しいな〜いい加減出て来たら?



「久しぶりですね、『死ニ神君』。」


「………そう呼ばれる事をボクが嫌っているの、分かっていない訳でもないよね?嫌がらせのつもりかな?………傍観者君(ナレーター)?」


「いいえ、ただ貴方の名前をここでは呼ばないだけです………私はあくまで傍観する者であり、中立の立場でいつも居なければ行けませんから。」


「そう言う所はぶれないんだね……………調律者(・・・)と違って。」


「だからこそ1つ宜しいですか?」


「何?答えられる質問だったら答えてあげるよ?」


「何故我々の”事実”を知っているのにも関わらず、彼女を愛でる事が出来るのですか?」


「そうだね………別に知っている事と彼女は切り離して考えているからね、ボクは。でも君は違うでしょ?だから多分ボクを理解する事は不可能だよ。それより君に答えて欲しい事が有るんだ。」


「……何でしょうか?」


「えっとね………………………あの糞ガキをこっちに誘導したのは君だよね?何でそんな事をした?」


「?!…………………お答えで兼ねます。」


「そう…………………だったら最後に。













 君は邪魔、だから壊していい?」




「!!………三十六計逃げるに如かず。」シュッ


「あ〜あ……余計な事ばかりされるのが嫌だったから壊しちゃおうと思っていたのに……チッ」



 クロマク=サンの壊れ振りは変わりません……その上病んでも居るし、本当に救いようの無いえっと……死ニ神wです。つか、近寄らなくとも何か無差別に命刈り取られそうで書いているこっちが怖いです……


 あ、何かが枕元に……………(沈黙)


(リアルがルナティックに多忙過ぎで死に体な作者ですが……何とか投稿頑張ります。次回も宜しく御願い致します。)


11/1:使えるか使えないらはこの際どうでも良い→使えない 訂正致しました、ご指摘有難うございます。

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