35 皆、 出迎え御苦労!
読者の皆様どうもこんばんは。
さて、最近ブックマーク件数が減ってしまいました。多分私の文が稚拙で有る為見放されてしまったのでしょう……グスン。後は内容でしょうか……って、全否定?!
ですが、それでも私はこの話しを完結まで持て行きます!この話しと生み出したキャラにとても愛着が御座いますので。
読んで下さる皆様、駄文ですがこれからも頑張って投稿して行きます。最期まで御付き合い頂ければ幸いです。
ちょっと前置きが長くなってしまいましたが……今回はルーナちゃんとその部下との交流なので、癒し回です。ヒロインちゃんw登場は次回となりました。申し訳ないです。それでは本編をどぞ!
「随分待たせてしまって済まないな……傭兵『月虹夜』のドーラだ。」
私が数年間に渡って鍛えて来たジェニファーさんが奇麗な礼と共に出迎えた。
「御待ちしておりましたドーラ様。……そちらは?」
そして、ジェニファーに続く従業員達の洗練された礼と『民間警備会社』から回した警備兵の軍隊の様な敬礼にビビるケヴィン。
……………お前も一応兵隊だろうが……そのくらいは出来るだろう?
そんな目線を向けると、無理だと言わんばかりに顔を横へ振った。
え?普通じゃないのか?
……そうか……………それは何とも……残念な軍隊だな………
そんな風に微妙な顔をしていた時、ジェニファーの妹ジャクリンが私にこっそりと耳打ちした…
曰く、東方支部のトップは無能でその取り巻きが軍の規律を見出す程の馬鹿な連中だった。ウチでも色々好き勝手やろうとしたが、私の作った術式に弾かれたとか。
………今度ヴラド君に軍部の視察行く様に言っておこう。
それから、この国の市場も別にそこまで魅力的ではないから別に取引辞めて引き上げる事は何時でも出来る件に関してはきっちり理解してもらわないと。
−君の事が“君主”として気に入ったから、ただ私は物流をしているにすぎないからね……別に他のオキゾク様等どうでもいいし?
ニコリと笑って考え事をしていたら、何故かケヴィンが真っ青中をしていたが別に君が気にしなくても良い事だよ?
さて。
「ゴホンッ、敬語やよして欲しいものだが……まあいい。こちらは伝令兼案内のケヴィン殿だ。」
「ご紹介に預かりましたワラキア王国軍東方支部所属のケヴィン・ロードウェルです。地位は少佐でありますが、普段は伝令と訓練教官を致しております。また、この街の住民として…家族と暮らしておりました。」
へえ……これで少佐だったのか………割と判断力とか有るし、結構優秀だから少将辺りかと思ったけど違ったのか…
まあ確かに腰のへりくだり方が違うか……
「…それは家族が心配でしたでしょう…御心配なく、ロードウェル様のご家族は全員無事救出出来ております。ただ、現在は治療中ですので後一日待ってもらえますか?」
「…………そうですか、家族は無事でしたか……ありがと…ありがとう……有難うございます……グスッ」
途端に緊張感が途切れた様に崩れ落ち、泣き出すケヴィン……良かったな。
フォローはしておいたけど、無くなっていない事には越した事が無い。誰だって自分の家族が心配だし、本当は真っ先に助けたかった所をコイツは1人で中央へ向かったからな…
「ちなみに同僚の方々は、救出はしたのですがちょっと怪我が酷いので…“竜燐粉”等が無ければ復帰は少し難しいかと……」
まあ話しを聞く限りだと、真っ先に門へ向かって外へ逃げ出した馬鹿者達らしいからな………特に上の連中が。
さっきこっそり擦れ違い様従業人に耳打ちされたし、前から『私』の情報で知っているよ。
「そうですか……」
まあでもここはチャンスだから商人らしく行きますかね。そう思い、私は亜空間を後ろで開き……
「そんな貴方に朗報!ジャジャ〜ン、竜燐粉を5袋こっちに来るまでに調達しました!!言い値で今なら取引しますよ?」
「く、くだ…」
「おっと!でもこれは元々市場でも流れにくいブツであり、更に私が先程亜空間で処理したため最高級品になっております。それこそ一降り使うだけで全再生出来る位。」
「ゴクリ」
……嘘は言っておりまへんで。商売は信用有って出来るのだし。
「つまり……………私の様な素人ならば…そうですね、貴方の身柄と交換と言う事でどうでしょ「御願いします。」…お、おう?」
何か妙に食いついて来たケヴィンの予想外な行動に私は一瞬たじろいだ。
だけど……フフフフフ、優秀そうな舎弟ゲット。
「よし!引き抜き成功!!!イェーイ!!」
思わずガッツポーズを取っていた……ゴンは白い目をしているけど、そんなものスルーだ、スルー!
ケヴィン君は結構見所が有るからね……見た所若いし、鍛えればそんじょそこらの連中相手なら無双できるだろうね。
それに彼は“鮮血の騎士”という吸血鬼の変異種への進化も出来そうだし……つか、移動中も何気に我々の戦いへ及び腰になりながらも数体の魔物倒していたしね…
そも、ゴンに乗っていて具合が悪くならなかった事のとても感心した………九尾だけに、妙な威圧出しているから、乗った人が弱いと後で疲労とストレスが原因で倒れるからね。
メンタル面は中々だと見た。そう言う意味でも逸材だよ。
今回の報酬とちょっとした意表返しとしてコレくらいは許せ、ヴラド君。
−まあ、見る目がなかったのだと諦めるのだな。
−その代わり王宮に巣食うゴミ共を一掃する時は手伝ってやるよ……『クロノス』か『ドーラ』としてさ。
「それでは『緊急避難区域』にご案内致します。皆様私の後に続いて下さい。」
「了解。ほら、行くよ。」
「あ、ハイ。」
室内に置いてある湯のみ茶碗を初めとする“和”を意識して自作した装飾品を見て目を輝かせるゴンと少しオロオロしているケヴィンさんを引き連れて、私達は移動した。
……………………………………………
「こちらです。」
一見普通な見た目の木製の扉を開くと……
−中は外の状況とはま逆と言っていい程奇麗な青空
−平和な鳥のさえずりの聞こえる青々と茂っている健康的な森
−奇麗に手入れされた“和”の匠を思わせる庭園と武家屋敷…と言うか、ここに於ける我が家。
−そのずっと向こう側に見えるモダンで小洒落た住宅地と芝のグラウンド
私の作った居住区の様子だ………相変わらず平和で美しい。
まあそれもそうか。日本をイメージして作ったからね……特に里山とか農村の長閑な光景を元に。
ああ癒される〜…
「日本よ、私は帰って来たぞ〜!!」
そんな風に毎回これを見詰める度に叫び出したくなる。流石にマジで叫ばないけどさ……虚しくなるだけだから…
「………………………」
ケヴィンさんは一瞬放心していたが、直後再稼働して…
「あの、これは一体?」
と聞いて来た。私は冷や汗をかきながらゴンとアイコンタクトを取った。
「(ヤベッ何も説明考えていなかった……どうしよう?)」
「(流石に世界を空間内に作る事が出来る何て教えた日には大変雨に遭うぞ?どうするんだよ……)」
「(う〜ん……………どうせ〜『百鬼会』との繋がり知られているし、どこぞの『古代文明の遺産』とでも誤魔化すか?)」
「(……妥当だろうけど、主……使うなら事前に考えておけよ…)」
「(まあ今度気をつけてみるよ、気が向いたら……)」
最終的に、ゴンはまるで
「お前絶対考えないだろう?……全く」
とでも言いたげな顔をしていた。
私はソレを華麗にスルーして…取り敢えず誤魔化しておく事にした。
「ああ、これは私がかつて仲間の一族から貰った遺産でしてね?」
「つまり………古代文明の遺産ですか?!」
「そうなるのかな……多分………」
まあ全部嘘ではないよ?
……精霊から貰った能力で作られた空間だからね?
うん。
私は、嘘は一切言っていない。だから勘違いした相手が悪い。
「ちなみにここの森には絶滅危惧種とか危険指定動物扱いされて理不尽な扱いを受けた種族もいるので余り刺激しないでおいて欲しい。最悪貴方を殺さなければならなくなるからその辺は注意して下さいよ、ケヴィンさん?」
「あ、は、はい。」
顔を真っ青にしながら答えるケヴィンさん……でも、悪いけどコレくらい言わないと手出しすると思うからね……………それくらい貴重な種族が何種かこの空間には住んでいるのだし。
それに、普段は人が来た時姿を表さないが……私が来ると、そうも行かないからな〜…妙に真面目な種族は融通が利かないからちょっと心配だよ。
私は思わず遠い目をしていた。
まあ、少しずつ外界でも暮らせる様に鍛えて入るけどね……今ならケヴィンさん位の実力持っている兵隊100人相手にタイマン脹れるのでは?
そう考えると仮に責められたとしても……いや、駄目だ。
後で同考えても素材欲しさに私が絡まれる………
どうしよう……
少し悩んでいると、精霊がメッセージを持って来てくれた。
ん、何々………
今回は精霊を通してルーナ様御挨拶させて頂きたく存じ上げます。
外の状態が最悪で緊急事態故、吸血鬼族を多く保護した事は社員から既に伝えられております。
ルーナ様に御迷惑をこれ以上掛ける訳には参りません。我々の保護だけでもどれ程ルーナ様に苦労を敷いてしまったのか我々はこれでも分かっているつもりです。
このご恩は恐らく我々の代では残念ながら返す事は不可能でしょう……我々にこの様な安全で安心出来る平和な理想郷を用意して下さるとは……それも殆ど見返りを求めずに。
(省略。)
…故に我々は今回表に出る訳にも行かない為、この様な形で失礼致しました。
P.S. 若い連中が貴方にお会いしたいと言っておりましたので、お時間が御座います時集落へご足労願いたく存じ上げます。
そっか……察してくれて何よりです村長………きっと皆を説得須縄とか大変だっただろうな〜
思わず遠い目をしていた。
何か悪い事してしまったので、今度何か差し入れでも持って行こう………
「…大丈夫そうか?」
ゴンが心配そうに私の顔を覗き込んだ。
「今回は皆が引いてくれたから大丈夫だって。マジで良かった…つか、助かった〜…今度村長に礼持って行くよ。」
「………あんまりやり過ぎるなよ?」
「うん。」
「……宜しいでしょうか?」
先導していたジェニファーが振り返る。そして私は随分待たせてしまった事を慌てて謝った。
「すいません……行きますか。」
「いえいえ、いつも我々等を気に駆けて下さるルーナ様には皆感謝の念しか浮かびませんよ?それでも皆様お待ちですから向かいましょう?」
そうして移動しようと思って……言い忘れていた事に気付いた。
「ジェニファー……皆が無事で私は安心したよ。一応この建物作ったのは私だから自信持たないと行けないけど、それでも心配だったからね……どこまで正直耐久性有るか未知数だったから。
それと、今回の件は私の調査不足だった……この国のここでピンポイントに何か起こる事は予想出来なかった…本来はそのくらいやりとげるものトップの仕事であり、更に現場に着くまでどれ程の被害が出ていたかはっきり把握出来ていなかった……済まないな。それと、ありがとう。」
私は深々と礼をした。顔を上げると、先頭に居るジェニファーと周囲に居る社員達、それからその場に居た警備員が皆涙を堪える様にグワッと顔目に力を入れながら……
『光栄であります、御嬢!!!!!』
まるで、どこかの兵士達の様な敬礼をした。
私はその対応を見て少しだけ頭痛がしながらも、不覚ながら嬉しく思っていた………皆、本当に無事で行きていてくれてよかった。
実際に怪我を負った者も居る様で、職員の数等が普段より少なかったのだ。それでも皆死なずに居られたそうだ。
手足が千切れようが内蔵が飛び出そうが、生きている限り私とイッシー25が必ず直す。
特にイッシー25の中の『昇天返し』を名乗るカエルの様な医師なら絶対に病気だろうが外傷だろうが、生き返らせる事に定評が有るしね………
それに、無免許の黒い外科医や人外の内科医等も皆本当に優秀だ…それこそ私等よりずっと。
だから安心しろ………必ず復帰させるから。
「……ジャクリン、後で病棟へ連れて行ってくれ。それから転移門使って一度家から医者を連れて来る。」
「了解致しました。これからのスケジュールに組んでおきます。」
「済まないな……いつも唐突で。君が私の分身の秘書をしてくれていて本当に助かっているよ。」
「身に余る光栄でございます、ルーナ様。」
彼女の奇麗な笑顔は、いつもの営業スマイルではなく確かに心からの笑みだった。
いつの間にかそんな笑みが出来る様になって……拾った私は嬉しいよ。
さて。
この街の住民へ挨拶に向かうか……
それでは次回もお会い出来れば幸いです。
それと、以前読者の方に感想コーナーで頂いた”プロローグへ伏せんを入れておいた方が良い”と言うアドバイスを頂き、今日やっと実行致しました。分かり易くなったかどうか分かりませんが、どうぞよろしければ御覧下さい。
11/1:及び腰にながらも→なりながらも 訂正致しました、ご指摘有難うございます。
11/1:取り合えず誤魔化しておく事にした→取り敢えず 訂正致しました、ご指摘有難うございます。




