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悪役放棄、更に自由人へ(仮)  作者: 平泉彼方
第一章 逸般人な悪役令嬢、好き勝手過ごす
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34 戦火の街を駆け抜ける(ヒャッハーしながら…)

 読者の皆様どうもこんばんは。


 さて、今回ルーナちゃんはゴン君と共に暴れます。テンションは割と高めですが、流石傭兵を前世からやっていただけあって意識はあくまで冷静です。それでは本編をどぞ!

 狐の様な良い笑顔で銃を片手に無双するゴン……目が何だか戦闘狂のソレと同様変な光を帯びているのが怖い………


(*ゴンは狐です。)


「オルラ!!!」ドドドドドドドドド


 でも、そんな風に解説しつつ私も現在精神状態が大分おかしな事になっている事は否定しない。


「フン」ザンッ、ザシュッ、グサッ、ブシュッ、ピュー


「ギャオオオオオオオオオオ?!!?!!!」


 知性の欠片も無いそんな攻撃私に決まる訳が無かろう!!図に乗るなよ、爬虫類(バケモノ共)が。


 ティガレッ○スに良く似た身体に緑色の鱗の鎧を被った魔物(ビースト)の群を何とか突破した………皮が硬いし非常に面倒な作業だったけど、素材的には美味しい。後で早速研究所に届けよう……きっと“彼ら”は喜んでくれるだろうからな。


 お、“竜ノ号泣”×5ゲット♪


 次いでに『竜燐粉』と『回復の石』も有ったので回収〜♡


 これらは全て激レアアイテムで有り、時折知性の無い連中が回復要因として極稀に持っている事が有るのだ。何と言うか…非常に“凄いライフポーション”と“持っているだけで再生力の上がる謎物質”だと思えば良いのかな?


 つか、流石ファンタジー……摩訶不思議物質が多過ぎる………


 兎も角、これで治療出来る人数は増えた事になる……現在私の持つ亜空間内の治療薬残量を考えれば。


−こんな事なら家出する時にごっそり持って行けば良かった…


 まあいい……後悔後先に立たず。今は前に突き進むのみ!!


 そして私の通る道を邪魔する連中は……


「「取り敢えずどけ!!!邪魔だァ!!!」」バキッ


 全員まとめて皆殺しだぁぁぁぁぁ


 ヒャッハー!!!!!!


「ヒィ」 「………主、自重。」


 もう何度切っては亜空間に素材を仕舞ったか分からない……少なくとも既に1000体以上の魔物と遭遇した事は明らかだろう。


 それにしても………やはり私は少し弱体化しているな。主に精神面が。


 魔物の死体に関しては既に素材にしか見えていないので特に問題無い。


 だが……………


 先程から状態の酷い“人”の遺体を沢山見て気分が悪くなっている……前世ではそんな事は一切無かったのに……


 まあ流石に集中力見出したり吐いたりする程でもないけどな…そんな事なら既に命も無いし。


 ここも最早マジな戦場だからね…


 戦場でそんな風に油断すれば直ぐに自分がその立場(遺体)となるのだから……クリスの様に。


 冷や汗を流しながら蒼い顔をしてガタガタ震えているケヴィンさん(カーナビ)を無視して、私達は魔物(ビースト)の波をかき分けながら最短距離でルナライト支店へと向かった。



 勿論魔物の遺体は全て回収致しています。後で色々有効利用が出来るからね……武具の作成とか素材の売却とか研究材料とか他色々。


 正直それだけでも今回の依頼はウハウハです……ただ、報酬が出ないし後始末が色々大変な所は割に合わないけどね。


 その辺は『百鬼会』に全部丸投げする予定だし?だってそもそも今回私が遠征した理由はそれだからね。


 ………………………爺に言って報酬は弾んでもらおう。


…………………………………………………


「案内お疲れ様。」


「……ここか。」


「ええ…………私としては、目の前の状況が信じられないのですが………………」


 ……………え、寧ろ何で?


 ゴンと私は一瞬顔を見合わせた後、唖然した顔をして2人して彼を見た。すると、苦笑しながら答えた。


「いえ…あれだけ何と言いますか、魔物の襲撃を受けているのに建物の破損が一切無いどころか何か再生している様な気がするので……と言うか、新築みたく見えるのですが…」


 まあ確かにこの戦火の中、あれだけ奇麗な建物は珍しいだろうね。


−白い白亜の様なコンクリ壁。


−罅や誇りの一切見られない奇麗な窓ガラス。


−戦場の中なのに、建物周囲の芝生が死んでいない。


 確かに一般的に見れば異様に写るだろうね………………私からしてみれば当たり前の結果だけどね?


 だってこれって私と殆ど同じスペック持った分身達が皆協力したうえで、オリジナル()が意識をリンクさせて約私1000人分の頭脳で作った魔術式のふんだんに使われた特製の“要塞”だからね。


 ああ次いでに店だけど。


 そも、ルナライト社作った理由は実家が没落したり、領地が襲われたりした時の逃げ場所にする為だったからね……


 少なくとも今、ルナライト社を潰したりしようものなら最悪取引の有る国が幾つか滅びるし……流通とか色々私達有ってのものだからね。


 ほら、生きるための必需品を結構扱っている上に色々な商会を合併させたり我が社の傘下に置いたりしたので、今や我が社に逆らえる者はいないのよ。


 最悪私達や領民達の新たな就職先にもなるし、それに私を敵に回した国は取引しなければ良いだけだし?


 顧客が多いからそんな事をしても潰れる事は無いしね。


 まあ、そんな分けで逃げ込む場所だし脱出路の確保と秘密基地の作成、それから建物の強化を色々やりましたとも……主に私の分身と従業員達が。


 ちなみに従業員達が私を裏切る事は絶対にないと言える……雇う上で契約している事もそうだし、彼らは大体全員スラム出身者。


 底辺を知っている為、裏切ってルナライト社(食扶持)が無くなった後の生活がどう言うものかを良く知っている。


 まあ、その辺に居る馬鹿な坊ちゃん達よりも彼らは回りが良く見えている……賢いしね。


 だからこそ、彼らも建物の建造に関わらせてよりセキュリティーのしっかりした強固な建造物になった訳だ。


 侵入しようとすればトラウマと悪夢の待つ要塞。その上でそもそも侵入事態も容易くなければ破壊行為はほぼ不可能。


 そんな所にたかが巨大だったり多勢だったりするだけで無能で無秩序な脳筋共(ビースト)が敵うはずも無かろう?


 だから私とゴンは言った。


「「ルナライト社(我々)の、設計して建築した店が壊れるはず無いでしょう(だろう)?」」


 あっさり納得して頷いたケヴィンさん……よろしい。


「さてと……どうやって内部に呼びかける?」


「(ボソッ)あれ、精霊使わないのか?」


「(ボソッ)う〜ん…上手く社員に伝えてくれれば良いけどね〜…」


 他の人へ誤って伝令されると今回は不味いのだ……彼らも生き物だけに、時々やらかすからね………


 故に、私はもう1つの通信方法を取り出した……本当はここで披露したくはなかったが、仕方有るまい。


 携帯電話、それもスマホの時代の人達には分からないかも知れないが、コレは“トランシーバー”と所詮呼ばれる奴だ。


 第一次大戦の時、ドイツが強かった理由は電話を利用した通信方法によって情報伝達が相当上手く行った事が要因に有ると聞いた事が有る。


 そして、現在でも会議に使われるテレビ電話や、世界の何処でも何時でも論文や小説等にアクセス出来る技術……


 まだ実現は先だが、私は電波に寄る通信に関しては成功させた……もうそれは必死に研究して。


 高校で物理を専攻し、大学でも友人に頼んで技術系の授業を何度か聴講した私でも、流石に一から全部組み立てるのは大変だった事を良く覚えている。


 それに私の出したアイディアを全て実現させたのは、紛れもなく我が領で保護しているドワーフの技術屋達。


 彼らもとある理由から“異端”扱いされて国を追われてスラムでその日暮らしをしていた所をスカウトした。


 彼らの技術は本当に凄い………


 どのくらい凄いかと言うと、江戸時代の敏腕カラクリ職人や凄腕鍛冶屋を生で見ている様だった……


 いや、多分それ以上に凄いのだろう………正直ここでは彼ら以上の腕前を見た事が無いので残念ながら比べられないが。


 さてと……そろそろ連絡するか。


ピッ、ザザザーッ「こちらドーラ、傭兵のドーラだ。聞こえるか?どうぞ。」


ザザザー「こちらジェニファー、Eの6班責任者のジェニファーです、会長……どうぞ。」


ザザー「こちらドーラ。今、店の前に着いたので、これから侵入する。警戒は念の試しておけ。後、会長呼びはどうにか出来んのか?どうぞ。」


ザーザザー「こちらジェニファー。了解致しました。ゲートは解錠致しました、御待ちしております。それと恐れ多くてため口は私には無理です!どうぞ。」


「…それ程私も偉くはないのだが………それでは通信を一旦切る、どうぞ。」ザー


「そんな事は御座いません!!皆、貴方を御慕いしていますから!!!では後ほど、失礼致します。どうぞ。」


 私は筒状の鉄を亜空間へ仕舞い、待っている2人を見て


「これより我々は突入する。」


 と言った。


 爬虫類型の魔物を猟った所でもしかしたら某狩ゲーのネタが出て来た事に気付いた方が居るかも知れないですwまあパクリは嫌いなので設定自体色々変えましたが……


 ですが、これからも”なろう様”へ通報されるリスクが有ろうと好きなゲームや漫画のパロネタは出す所存です!もっとも私の知っているものは結構偏りが有りますが……


 次回は、到頭黒幕の名前とヒロインちゃんwが出てきます。宜しく御願い致します。

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