表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役放棄、更に自由人へ(仮)  作者: 平泉彼方
第一章 逸般人な悪役令嬢、好き勝手過ごす
3/142

2 転生後、暴走開始

 読者の皆様どうもこんばんわ。


 さて、今回はユキちゃんの選んだ道(つか、将来への意思表明?)が明らかになります。それでは本編をどぞ!

「2歳の誕生日おめでとう!!」



…………………………………………………



 目を覚ますと…身体が小さくなっていた。そして体全体から湯気が出ているんじゃないかって思う程熱が出ていて当然頭痛が酷い。


 

……知恵熱ですね。分かります。



 まあそりゃそうか…だって2歳になって前世の記憶全部取り戻したんだから。



 さて、一応幼い朧気な記憶を頼りに自分の置かれた状況を色々整理してみた所………


 何と、この世界が乙女ゲーム『茨ノ王宮』で、私は悪役侯爵令嬢『ルーナ・カーマイン・フォン・ラウツェンスタイン』に転生していた件について。



 し・か・も・だ!!



 このキャラってどのルートに転んでも死亡フラグが折れないどころか増えて行きまくり何だよな……


 そして何故か攻略対象全員が精神病チックだから面倒くさい……


 ああ、こんな事ならもっと詳しくこのゲーム好きだった従姉妹に聞いておくべきだった…仕事で殆ど海外に飛び回っていたから疎遠になっていたし……そも、乙女ゲームとか興味なかったし…


 まあでも仕方有るまい。だってね…再従兄妹関係に当たる人と無理矢理御見合いさせられそうになっていたからな……私、近親相姦はしたくないのだよ。それに大体恋愛とか苦手だったし……



 さて、このまま行けば私は婚約者等に殺される訳で…(考え中)。



 よし、方針は決まった!!



 まず、この世界って意外な事にRPG要素も入っているため冒険者として活動する事も可能なのだ。これだけは何故かはっきり覚えていたんだよね!


 そして私は今の所公爵家の長女。しかし上に兄2人が居ます。妹何て無視してしょっちゅう喧嘩しているけどね。



 まあ結論から言うと、公爵家出奔して冒険者になろうと思う。



 パパ上様は特に私を政治の道具として使おうってつもりは無いみたいだしね……つか、この国の王様もパパ上に逆らえないんだ〜っていい笑顔で言っていたし……


 ………一体何したんだよ、(狸)親父。



 それと学園は行かない事を予め言っておいた。



 わざわざ死亡フラグだらけで頭御花畑な目出度い主人公が居る貴族の学園に通わなくたっていいだろう?私は自由を得たいのだ!!


 ……それにその結果死んでしまったとしてもまだ納得が行く。何故ならこの世は結局『弱肉強食』なのだから。



…………………………………………



「お嬢様、甘いです!!」


「フッ、他愛無い。これしきで…」



 キン、カンキンキンッ



「まだまだぁ!!!」


「フンッ!!」



シュットントンキンカキン



「……参りました。本日も有難う御座いました。」


「此方こそ。さて、これから反省会と致しましょうかお嬢様。」



 目の前に居る執事のウォルター・O・クレセント(御歳50)。…はっきり言って戦闘能力が異常である。



 某吸血鬼を使役する英国機密機関の漫画に出て来る暗殺執事みたいな名前だと思っていたが…まさか技までそれっぽいとは……



 ワイヤー使いで剣を軽く弾いて来るんですよね…



 まあ、別に裏切らないし吸血鬼になっていないし衰えるどころか現役より漲っている変態(脳筋)らしいが(父親談)……



 今は私専属で魔術理論・武術・礼儀作法の教師として師事しています。滅茶苦茶鬼指導官である事に変わりはないが、教え方はピカ一である。



 そして今日も私は彼に面倒を見て貰っている。



「それにしてもお嬢様、本当に出て行かれるのですか?」


「ええ、この家に居てもその…権力争いとかぶっちゃけ面倒なだけですし、それに自立したいので。」


「……なら私も同行させて頂く事は…」


「貴方が抜けたら父上が困るでしょう?それに…家から出た時点で私は公爵家の人間ではないし貴方みたいな優秀な方を雇う事は…」



 無言で発言を遮った執事……ならば、彼の言い分を聞きますかね。



「…失礼ながら……これは私の独り言なのですが。


 かつて私は裏社会で傭兵をしていましてね、家族も居たんですよ。嫁は病死してしまったのですが、娘を1人残してくれたのです。


 とても可愛かった、そして私が直々に鍛えたのでそれなりに強かったです。ええ、本当それなりに。多分お嬢様を除けば私の取った弟子の中でも最強だと思われます。


 ですが、クライアントの敵に罠を張られて1人で冒険者稼業をしていた時………勿論敵は取りましたよ。挽肉にして差し上げましたとも。


 私は同じ過ちを繰り返す気は御座いません。中途で弟子を一人にさせるのは危険ですので師匠として私は同行する事を決めていました。」



 寂し気に語るウォルターの目は真剣そのものだった。だけど、少しだけ枯れた様な印象を受けた……まあだから少しだけ意表返ししますかね。



「……独り言には聞こえませんが、納得致しました。では未熟な『弟子』の為にも『師匠』として私の旅に付き合ってもらえませんか?」



 フフン、驚いて目をぱっちり開けたな。いつもは眠そうに細めているからね……その奥には獰猛な目が宿っていますが。


 ああ、性的な意味ではないよ?


 ゴホン、そして師匠ウォルターは清々しい笑顔で



「Yes, your highness.」



と跪いた。
















 あ、ちなみに私は今5歳になりました。ええ、毎日前世の『師匠』に教えてもらった訓練方法を実践しつつ、一応両親の前では基本子供として甘えています。


 冒険者になれるのは10歳から。そして自立出来るのは最低12歳になってから。故に後7年頑張れば私はこの家と設定から解放されます。



 さて、自分の生存に掛けて頑張りますかね。


 ヘル○ング知っていたら多分作中のネタでニヤリと笑えたかも知れないですw


 それでは次回も宜しく御願い致します。


8/23: 弟子を一人似→一人に 訂正致しました。ご指摘有難うございます。

9/16: ”師事”の使い方のミスを訂正致しました。ご指摘有難うございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ