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悪役放棄、更に自由人へ(仮)  作者: 平泉彼方
第一章 逸般人な悪役令嬢、好き勝手過ごす
28/142

27 食に対して”自重”をするはずも無く…

 読者の皆様どうもこんばんは。そして感想等有難うございます。


 さて、今回から暫く冒険が続きます。さらに物語が少しだけ動きます。それでは本編をどぞ。

 久々の冒険の空気に心躍らせつつ、拠点にて宿泊等の準備をしている時だった。


グオオオオオオオオ!!

ギャオオオオオオオオオオ!!!


 私達の頭上をワイバーンの群が徘徊し始めた……私達を獲物(ターゲット)に選んだ様だ。


 彼らにとって“ニンゲン”など特に苦労せず狩る事の可能な極上のご馳走だ。そして、一見彼らの『威嚇』に固まっている様に見える私達は、さぞ苦労無く手に入る“ご馳走”に見える事だろう。


 ここは『霊山』であり、“ニンゲン”は普段居ない。久々のご馳走を前に、彼らの顔は何だかやけている御様子だ。


 だけど残念だったな……相手が悪過ぎる。


 彼らが相対しているのは精霊を大量に連れ、更に竜の頂点たる黒竜を仲間に持つ“ニンゲン”。そして知性有る竜種は大体ワイバーンを『家畜』と称している。何故なら『捕食対象』だから。


 まあどちらが狩られる側かは明白だろう。


 さて、今日の晩ご飯がわざわざ自ら飛んで来て下さった様だし、ご挨拶でも致しますかね………とは言っても一瞬で終わるけど。


 さ〜て、お立ち会い。『ルーナの3分クッキング』始まるよ〜!!


 テレレッテッテッテッテ、テレレッテッテッテッテ、テレレッテッテッテッテッテッテッテッテ、テ、テ、テ、テ♪


(*某赤子天使なマヨネーズタイプの夢の3分間の歌を参照。)


 では逝ってみますか……


「イヤイヤイヤ、何か字が可笑しいからな?!」


 余計な声は無視して、さっさと行こう!時間もないしね。


 では、まず頭上に飛んでいるワイバーンに向けて全方位で『鎌鼬』を発生させて飛ばしましょう!!その際自分に当たらない様にする事と、真空状態を一時的に起こす訳なので周囲の環境には注意してね☆


「いや、もう既に環境破壊しているからな?!」


 いいの、どうせここって木も再生する森だから。それに薪も後で有効活用するから。


 では次逝って見ましょう!


 鎌鼬で落ちて来た生首は後で色々用途も有るので別の亜空間に一旦保存しましょう。同時に散って来た血は水流操作で全部1カ所に集めてそれも別に保存。最後に空中で血抜きを十分にした肉体の方は、使用分だけ取っておいて後は保存。出来れば解体をしておくと後が楽でしょう。


 魔術・魔法を使えばここまでで何と1分半!!


 では後半逝きます♪


 まず肉に関しては瞬間冷凍と解凍を使って寄生虫等は殺し、魔術で昼間なら太陽光集め、夜なら普通に火を出して時間操作によって3秒で焼けば………ローストワイバーンの出来上がり!


 次は血液の扱いですが………私のオススメは不味いポーションよりサラミにする事です!


 予めその辺に有る香草を集めて乾燥させ、亜空間に入れておきます。それらを取り出して、ワイバーンの血液と一緒にしてからラード部分を加えて軽く加熱………後は再び時間操作で血液中の水分を乾燥させれば完成!!


 以上が後半の1分半でした!!!


「イヤイヤイヤ……それ全部3分で出来るのは相棒だけだからな?!!つか、豊潤な魔力をそんな事に使うとは………世の魔導師が見たら泣くぞ?!?!!」


「それがどうした?それに『食べる事は生きる事』だよ?だ・か・ら、食事を“別にどうでも良くない?”とか言う言葉を撤回しない限りジャンクリは1ヶ月自炊してボッチ飯の刑だから、そこのとこ宜しく☆」


「……そこまで言ってねぇし…いや、悪かった…謝るから食事は一緒のヤツにして下さい、御願いします俺が全面的に悪かったです。」


 滅さ必死に謝るジャンクリ………何か久しぶりにいじめてみたくなって来たのは私の本能かな?


「ん〜どうしようかな?」


「あ、相棒〜」


 巨大で厳つい黒のジャンクリがウルウル涙浮かべて上目遣いで幼女(私)に向かって土下座&地面にのめり込んでいる所……尻尾とかも完全にしなだれている状態………


 きっと端から見たらシュールだろうな……つか、構図が面白い。


 そして、実はこの様子をばっちり見ているヤツがいるんですよね〜…主に私の首元に。音声&映像もばっちり取っています☆


 私は銀色(・・)の襟巻きに手をポンと置いてから……


「もういいよゴン、後で拡散ヨロ♪」


「コン☆」












 ジャンクリは知らない………


 この後領内の新聞で『とある写真』が出回っていた事を。そして領に帰還した後暫く大人から生暖かい目で、子供からは指を差して笑われる事を……………王子(変態)にまで爆笑される事を。


 また、それが原因で暫くストレスから後頭部付近の鱗が抜け落ちる事を……


 そしてその後も原因を作った“愉快犯”が誰なのか知らないまま時が過ぎるのであった……


 真相を知るのは大分後の時代。


………………………………………………


「「ごちそうさまでした。」」


「あ〜やっぱり何て言うか、こう、外で自然に囲まれて食べる食事も最高だね!」


 それにここでは敵を常に警戒している必要がないから尚最高だね……前世の戦場でも望まないバーベキューが有ったからね…主に血と肉と銃弾と弾薬と煙の満ちた戦場脇でね…


 しかも何かしらの毒を盛られる事も少なくなかったしね……師匠が普段の食事に軽めの毒を混入させて耐性を作っていなければどうなっていたのやら……


 うん。絶対誰がどんなに止めようと私は冒険に出る…そんで、今度こそ旅を楽しんでやる。


 面白可笑しく生きるのが来世の願いだからね。


「ああ同感だ。特に出来立てのワイバーン(最高級の肉)ステーキを喰えるのは最高だな。」


 肉ばかり食べていたジャンクリ……たまには野菜食べないと栄養バランス崩して禿げるぞ?


 実際そんな事態に成ったヤツを私は知っているのだし…まあ、ちょこちょこ横から然り気無く保護色に成る様に野菜つけていたし、全部知らずに食べていたから大丈夫かな?


 お、そうだ……


「フフフ、明日の朝はサラミが有るから楽しみにね!欠食児童君よ。」


 つまり、明日の朝はバケット焼いてサラミと野菜をサンドしたもの。そんで、何事も無ければ昼はピザを焼く予定です!……まあそう言う場合は大抵何か有るんだけどね…


 兎も角、そんなつもりで言ったんだけど……


「……食堂のおばちゃんか?」


 ………まあ、言われた直後に自分でもそう思ったから否定はせんよ?でも君、“欠食児童”の所突っ込まないのな…まあいいけどさ。


 それにしても食堂のおばちゃんか………この世界にもそんな存在はいますね〜…そう言えば。確か彼女がいるのは……


「下町にいる?下町の食堂と言えば、ステラおばさんの所どうなったか知りたいし、今度こっそり行こうね!」


「そう言えば最近あんまり行っていなかったな……分身に向かわせないのか?」


 う〜ん、あそこはちょっと……


「ステラおばさんには世話になっているしあの人直ぐ生身か分身か見抜くから、ちゃんと自分で顔出すよ?それともジャンクリは嫌なの?」


「いいや、あそこの飯も割と好きだから別に?一緒に行くなら俺が同伴するし、影移動使うから王子もついて来られまい。」


「うん、その時はヨロ♪」


 そして、食後のお茶を用意したので彼に手渡した。


「………いつの間に持って来たんだよ?」


 亜空間から取り出したティーセット&テーブル見て早速突っ込みを入れるジャンクリ。


「え?いつも大体持ち歩いているけど?主に亜空間でさ。」


 何でも事なのでそう答えると、彼は溜め息をついた。


「………何と言うか…才能の無駄遣いだな…」


 分かっていないね〜……仕方がない。


「美味しいものを求めて、私ルーナが……











 自重する訳無いじゃん!!」


「おお〜!!」


 文句が有るなら『厨房』へいらっしゃい!!!奇麗に調理して差し上げますわ!!


 ノリツッコミをしつつ、今後の事について私は思いを馳せていた………


 後どの位でこの心地の良い関係が壊れる危機が訪れるか。




 実は王子の指導に当たっていた数ヶ月の間に、数体の分身がわざと消えて私に複数のデータを送って来たのだった。それも割と重要であり、深刻な内容の……


 ……それは将来、他の攻略対象と共に私を追い込める存在について。


 それは、私が将来『王立学園』等と言う貴族のお見合い会場にていじめる(らしい…)人物。


 次いでに私が婚約者になった人を尽く堕す、通称『ゲスなビッチ』、『横恋慕性悪女』等と呼ばれていたらしい(従姉妹談)ヤツ。



 実は数年前、既にヒロインちゃんの特定は済んでいた……何故ならその本人が自重を一切しなかったから。


 今は散々贅沢をしている上で、領内の見目麗しい男を侍らせている……その他、自分より奇麗な女性は尽く排除しに掛かっている様子だ。


 所詮モブ扱いしており、『人』として見ていない事はコレだけでも明らかだろう。


 そしてその人物を監視していた分身がわざと複数消えたと言う事は………ついに動き出したか……


 私がこれ程までに色々警戒している理由…それは……











 彼女、カサンドラ・アルル・フォン・ピオトレ男爵令嬢は、事も有ろう事か『転生者』だったのだ。


 それも……………逆ハーレム狙いの電波系だった事を確認した。


 何度も言うが、私は乙女ゲームに詳しくない。そしてヒロインがいる事すら完全に抜け落ちていた状態で『ルナライト社』を拡大した。その結果……日本食等も出回る様になった。


 つまり、もしかすると既に知られているかも知れないのだ……私の存在を。


 もし仮に私の行っている活動が知られた場合、きっと私を排除しに掛かるだろう………何しろ私や私の周囲の人々の身に降り掛かる火の粉を払えば、彼女は“イベント”とやらが起こせなくなるのだろうから。


 そうなると、非常に困る……


 存在するかしないか未知数だが、『世界の補正力』に関しても油断ならない。現に、原作に有った『魔王の兆候』は現れているのだ……今回は対応出来たから良かったが、次はどうなるか分からない。


 そしてそんな時期である今、ヒロイン様が何か余計な事を致した場合……流石の私も対応しきれる自信が無い。


 もしかすると、私の味方になってくれている従魔達や家族にまで影響が出るかも知れないのだ……


 彼女は『洗脳』と言う手段を持っている事は確認済みであり、それ以外にも何かしら未知な力を持っている。


 まるで“ハッキング”の様に相手の情報を書き換える術で有る事は一応知っているが、今の所それに対する有効な対抗策は何も考えつかない……


 唯一それを行使するには一定の“条件”をクリアしなければいけない事は知っているが、残念ながら詳細は本人のみ知っている。


 そんなやばい敵相手にどこまで私が対処できるのか知れない…


 唯一何をされても裏切らないと確信しているのは、私の契約した精霊達。何故なら彼らは『世界』からの影響を受けにくい種族だからだ。


 それから………今、茶菓子を頬張っている黒い竜。


 どちらも心強い味方だ。彼ならば私を地の果てまで逃す事が可能だろう。


 だけど、1つだけ彼女に関して許せない事がるのだ………


 どうも以前王子の誕生日に会場に居た様なのだが……私を護衛していた従魔達に他の貴族令嬢と同様目を引かれていた様だ……私の存在等一切気付かず。


 そしてこの様なふざけた事を言った。


「この世界は私を中心に回っているのだし、彼らもきっと近いうちに私のハーレムに加わるわね。ええ、私が加えて差し上げるのですから……それに公爵領は魔王の生贄になるのだから彼らだけでも助けたいって思うのだし。


 やっぱり魔王イベントは欠かせないからね〜…じゃないと“彼”との出会いイベントを起こせないから仕様がないよね?それに物語のメインである私の為に死ぬのだし、光栄でしょう?」


 ………ヘルメスをわざと支店に行かせて見れば、そんな事を影で言っていたので確信した。


 それと、彼女の台詞は続きが有るのだが…何と言うか酷いのでカット。


 つか、口に出すとか阿呆だとしか言いようが無い……『壁に耳あり障子に目あり』と言う言葉を知らないのかな?


 まあ、そのお陰で先程挙げた彼女の手段を幾つか知っているのだが……行使している所も見たが、まだ解析が終わっていない。


 それにしても………彼女の頭がそこまで良くなかった事に感謝するべきなのか…それとも現実を見ずに逆ハーレム等の頭の緩い事を考える馬鹿さ加減に嘆くべきか……


 次いでにヘルメスもこの様子をちゃんと見ていますし、映像と声は録音済み。とても商人らしく良い笑顔をしていたのを覚えていますよ、ええ………暫く使い物にならないので、私の分身が男装して“少年A”として商売しなければならなくなったもん。


 でもあり得ない、あり得ないのです………人を感情無き“モノ”扱いとは。ラウツェンスタイン領の民を生贄にしよと思っている所とか、許さん。


 それにここは『現実』。ゲームの世界とは違う。


 大体私が居る時点で既に大きな違いが生じているのだし、それに以前も言った通りここでは怪我もするし病気にも成る。


 そして何より『痛覚』が有るのだから、現実だろう。


 故に、私や私の大事な者に干渉して来たら………その時は…











 『サイレンサー』の弟子、『クロノス』として………お前をこの世界から文字通り『消す』。


 勘違い系の電波ヒロインがやっと登場しました。その内彼女視点で彼女の事情等の話しも出てきますが……当分先です。


 次回も宜しく御願い致します。


11/16: 訂正 何か久しぶりにいじめてくなって来た→何か久しぶりにいじめてみたくなって来た ご指摘有難うございます。


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