26 その頃の家の様子。
読者の皆様どうもこんばんは。感想、訂正等、本当に有難うございます。
さて今回は、ルーナ出奔後の家の様子です……王子視点が入る上に変態的な思考が有るため、少々混沌としております。汚染させないようご注意下さいw
それでは本編をどぞ。
……………(ルーナパパ)……………
また家出された……………糞王子のせいで……
「大変です、義父様!!」
「…………殿下、私は貴方を娘の婿とは認めていませんからね?」
一応丁寧な言葉遣いは何とか変えずに済んでいるが……正直コイツはさっさと家から放り出したい気持ちなのは仕方の無い事だと思う。
私の大事な家庭を壊しやがって………
幸いルーナの行き先を事前に今回は知っているし、その上で最強の護衛が一緒に居るので心配は無い。
そもそもルーナは守られる様な柔な存在ではないからな……それでも心配するのは親の特権だろう。
ちなみにルーナの家出を知って慌てて我が妻ラーニャは帰宅したが、結構怒っていた。
主にルーナと王子両方に対して。
………帰って来たら恐らくルーナは締められるのだろう…こればっかりは仕方が無い。
まあ、その前に彼女なら逃げそうな気もするが…
それはさておき。今の問題は『王子』だ。
怒ろうが何をしようが、何故か放心状態になっている。そして時々ブツブツ
「何が間違っていた?ルーナの好みになる努力をしたのに…」
と独り言を呟いていた事を使用人から聞いた。
訓練もしているが、最近では力が全然入っていないそうだ。その上攻撃を喰らうとこんな事を言い出す様になったそうだ……
「ルーナ様の鞭の方が何百倍も気持ちいいわ!こんなの効きもしないぞ!!」
………………さらに最近自分に鞭を打ち付けては
「足りない………ハァ、ルーナ様」
等と、気色の悪い表情でほざいていたらしい………
そこから得た結論なのだが、どうやら王子は変態の様だ……それも被虐趣味であり、ルーナから与えられる痛みを至高とする…
それとなくウォルターが尋ねてみて、それが判明した。
曰く、ルーナに構ってもらえるのなら痛みも傷も全てご褒美なのだそうだ……
今まで散々存在を無視されて来た反動なのだろうか……何れにせよ、ルーナが原因である事も言葉の端々から分かってはいる。
ルーナよ………この王子は下手に関わっては成らない人種だった様だぞ?
恐らくもう逃げ切れないだろう………
まあ、ウォルター曰く既にもっと怖いモノがルーナの周囲に沢山いるので問題無いそうだが……正直そちらの方が問題ではないのかと疑問に思うのは私だけなのだろうか?
正直分からない………
王子に限定するなら分かりたくもない……私はノーマルなのだから。
私は溜め息をつき、書斎で仕事の続きをするのであった。
………………(マゾ王子w)………………
……何故か今、物凄く馬鹿にされた気がしたが…まあいい。
それにしても…私は何処で間違ってしまったのだろうか?
ルーナ、我が愛しの婚約者殿。彼女と距離が縮まったと思った途端、また距離を広げられてしまった。
今彼女は私が嫌で、家出している……
これは流石に私でも分かる……幾ら空気が読めない私でも。
理由は正直分からない。私はただ、ルーナの好みに合わせただけなのだが、それではいけなかったのだろうか?
………正直ルーナに与えられるものであるならあの痛みでも苦い言葉でも何でも良いのだ、実際。ただ、ほんの一握りでも良いから私の事を思ってくれていれば別に良い。
でも、出来れば私を愛して欲しい。贅沢な願いである事は分かっているが。
今私の手元に有る彼女を思わせるものは、先日から私の訓練の為に使っていた漆黒の薔薇鞭と銀色のマスク。
曰く、成長したら私に似合うだろうとの事だ。
正直彼女が私の気にしていた事を解消してくれるとは思っていなかった………この目の色と顔を隠せるマスクを用意してくれるとは。
以前、と言ってもこの家に来てからは特に実感したものだ……私の顔立ちやら雰囲気が彼女の好みではない事を。
彼女は気付いていないが、よく専属執事のウォルターの自然と放つ渋い空気や守護竜の醸し出す大人の色気に反応している。そして彼女の契約している獣の人型が、大体大人の男性が多いのだ。
それも、皆共通して色彩が控えめだ……狐やスライムの人化後の髪色でさえ、少し控えめだったのは良く覚えている。
その上総じて皆、大人の包容力?と言えば良いのだろうか、そんなものを持っているのだ………私では到底持ち得ない。
結論:ルーナの好みは渋い大人の男。
………そりゃあ私は好きには成らないだろう。私の逆なのだから。
だから私は私で別の路線を行こうとした。だが……失敗した。
彼女は良い表情で私に鞭を振るっていた、だからそう言う趣味が有るのだと思った。まあ、実際鞭に打たれているうちに快感を覚えたのは本当だが……私自身もその様な趣向が自分に有った事自体に驚いた。
これは後に知ったが、『被虐趣味』と言うのだそうだ。
そしてその感情の赴くままに行動したのだが、彼女は恐れる様な表情をして後退り、壁に背中をつけて私に怯えていた。
この時何故かまた別種類の快感を得た。これは訓練中、私より弱い者に当たった際相手を甚振っている時に感じるものと同種だった。
こちらも後に知ったのだが、『加虐趣味』と言うらしい。
だが、彼女に対して感じた快感は、今までに無いものだった……これほど甘味な感情は他に見付からないだろうと思う程。
一瞬だけ以前教育の際家庭教師の見せた春画の様に、彼女を組み敷く様な行為をしたくなったが……流石に嫌われそうなので止めた。
だが、これも後で知った事だが、私のその時の表情は狂気に帯びており婦女子がこぞって逃げ出す様な悍しいものだった様だ……
私は彼女が好きだ。愛している。勿論異性として。
過去は只の憧れで目標だった。今もその事に変わりはない。ただ………私は彼女を蹂躙したい、組み敷きたいと言う感情が有るのだ。
そして、そんな事をする私を叱って欲しいと……
他人に言われずとも分かる………私は11歳にして、変態になったのだと。
そして私の変態性を表在化させたのは、ルーナ以外は思い当たらない。
だから、私は責任を取ってもらおうと思う。
彼女が帰って来たら、その辺りも是非話し合いたいものだ。
それに………別に彼女は私1人を選ぶ必要は無い。彼女の為なら喜んで法律を書き換えよう。
彼女が望むなら、別に何人同時に愛そうと構わないのだ。ただ、私も愛する人の中に入れてくれるのであれば。
だから、少しでも私を愛してくれ……ルーナよ。
……………………(アラン)…………………
ルーナ〜………王子が壊れた。
何か不気味なんだよ、コイツ……ルーナの名前呼びながら最近色々妄想して暴走気味だし………
まあ年齢的にもう精通していても可笑しくないし?僕自身も欲求不満な事が有ったから分かるが……それでもだ。
妹を兄達の前で“ネタ”に使うのは、どう言う了見をしているのかきっちりと話しつけなきゃ駄目だよね?
……やばいやばい、笑顔が何か黒くなっていた……僕の黒い部分を表沙汰にするつもりは無いから注意しないとね。
さて、一応ジェイル兄にはもう既に話しは通している。それに父上は既に知っていたし。
つか、父上曰く妹が王子を変態にしてしまったとほざいていたが……はっきり言おう、王子が全面的に悪い。
あの訓練を受けた程度で被虐趣味の変態になるとか……軟弱過ぎだからな?!
いや、だってさ、ルーナ滅茶苦茶手加減していたよ?家臣団や時々僕達鍛える時以上に。多分国の重鎮の息子だから汚させない様に気を使っていたんだろうけどね。
それにルーナの訓練は厳しいし身に付くけど、ウォルターの拷問じみた精神攻撃とか我が家の騎士隊長の大怪我間違い無しの訓練と言う名のナニカとは違う。
そんな激甘な状況で何故変態になった?!いや、マジでイミ分からないからね?!!
つか、メンタル弱すぎだろう……マジワロスwww
いや〜一応自称文官向きの僕でもそんな事に成らなかったのに……つか、本当にこの国大丈夫か?
将来真面目にクーデター起こす事を考えた方がいいか、それともこの領だけ『ライツェンスタイン公国』として独立させるか……正直悩むな。
まあ別に家の領や民さえ被害が来なければどうでも良いけど。
さて。一応王子の独り言が聞こえたので何を要求して来るか分かっているし、その件についても報告しないと………親父(公爵)に。
僕も日々、僕達を見捨てなかった大事な妹を何とか守らないと。つか、今回の件で僕だけでも兄の威厳を取り戻したいものだ…元から有った訳ではないから獲得の方がしっくり来そうだけど、そこは敢えて突込まないのが約束だろう?
まあ正直僕達が下手に出るより彼女を溺愛する従魔達に任せた方が安全だけどね………でもやり過ぎるからな…
どうしたものかな。
ルーナの汚染を1番受けていたのがアランだった件。そして、王子はギャグ補正の為、別の扉を開いてしまいましたwwドンマイ。
でも王子に朗報。ルーナちゃんは嫌っている相手に関しては、記憶から抹消するか存在をこの世界から抹消する事が有ります。間違っても稽古を付けたり思い悩んだりする事は無いです。
次回は本格冒険回です!宜しく御願い致します。
10/25: 時何処 → 時々 訂正致しました、ご指摘有難うございます。




