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悪役放棄、更に自由人へ(仮)  作者: 平泉彼方
第一章 逸般人な悪役令嬢、好き勝手過ごす
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25 再び出奔。

 読者の皆様どうもこんばんは。そして感想等有難うございます!王子に関しては本当に色々賛否両論有ると思いますが、彼もまだ11歳=未熟者なので見逃してやって下さい(_ _)


 さて、今回でこの世界の魔術等に関する見解を粗方説明しました。それでは本編をどぞ。


 今回ジャンクリと一緒に家出した際、契約している精霊の一部が一緒に付いて来る事になった。


 どうも心配事が有るらしい。


 ………恐らく魔王の出現に関係する事だろう。彼らが1番良く理解しているはずだ…ただ、聞いてみても事情が有って話せないらしいが……………


 ちなみに家以外に私の分身を100人程置いて来たので多分領内及び商会に関しては大丈夫だろう。


 さて。


 以前も説明したが、私は従魔数匹と精霊数百単位?まあ正確な単位は忘れたが、相当な数と契約している。そして今回少しだけ精霊に関して紹介しようと思う。


 まずはルナライト出版の『魔物図鑑』からの一説を御覧あれ。



『精霊族/精霊種』


 精霊とは魔素濃度の高い場所等に彷徨っている精神生命体の1つである。


 身体は大体70%が魔素、その他不明な物質で構成されている。詳細は知られておらず、現在調査中である。


 精霊は持っている属性によって部族が異なり、時折その関係から戦争が起こる。そこで発生する気候不順等を『精霊災害』と呼ぶ。被害は大抵甚大。過去、国が無くなった事例も有る。


 現在確認される精霊の種族は10種族確認されており、その内何種族かは基本属性、そして後は混合種である事が現在解明されている。


 魔力が特別高いかエルフの者で無い限り精霊は目視出来ない為、何れの調査も難航している。


 また現在精霊と死霊の明確な違いが確認されていないため、同一視している研究者も居る。



 まあ、一般的に知られている事はそれくらいで有る。中には私が知っている一部の情報を開示した内容も入っているけどね。


 さてと。次は私の契約している精霊についてか……


 まず何から説明すれば良いだろうか……ああ、恐らく皆が気になっている事からにしようか。


 恐らく何故私が自分の契約している精霊の数を正確に把握出来ていないか疑問だろう。


 これにはちゃんと理由がある。


 私が精霊の部族の『長』と契約しているからだ。


 部族の長と契約すると、その部族全体と契約した事になる。故に部族に含まれるどんなに存在が薄く力の弱い精霊であっても、私は契約している事に成る。


 そして、精霊は魔素の多い場所では勝手に繁殖する………我々とは違う繁殖方法を持っている為、非常に増え易いのだ。


 その結果………………一部族と契約するだけで私は何百何万の精霊と契約している事に成る。


 まあこれで私の契約している精霊の数に関する疑問は解消出来ただろう。


 さて。


 次に、今契約している精霊の部族の紹介をしたいのだが……その為にも以前私の考えていた『魔術』に関する仮説と彼らの魔術や魔素に対する見解について説明しよう。


 まず前に主張した事…


“魔術は科学等の秩序有る『現象』を理解する事が重要”


 そうそう、この仮説の事………これは実際に間違ってはいない。特に魔力を使って『現象』が発生する原因を作り出せる種族に関して言うなら少なくとも。


 だが、これは精霊には適応しない。いや、これは精霊に限らず“霊”と付く者達に全てと言った方が良いだろう。


 まずここで注目してもらいたい事は、“霊”と付く精神生命体は皆一様に身体を型造る元素の内、地球には存在しなかった特殊なものが圧倒的な量を占める。


 もうお分かりだろう。以前も紹介した『魔素』だ。


 私は、正確にはこの粒子を『魔元素』と呼んでいる。理由は元素に限りなく性質を持っているからだ。


 まず、ヒッグス粒子で出来ている事は確認出来ている……これは世界にアクセスした上で判断した内容なので、間違いは無いだろう。


 まあこの世界も地球同様ビッグバン由来の世界で有って、只単に銀河系が違うだけだって話しなのでそこまで驚く事は無いだろう。


 ざっくり言うなら地球と然程変わらないが、地球には存在しなかった物理法則等に喧嘩を売っている様な元素が存在し、その上で別体系の秩序が存在すると言う事だ。


 それが『魔術』と呼ばれる現象。


 余談だが、『生命活動』も1つの立派な現象で有り、秩序は魔素が加わった事意外は地球と然程変わらなかったので(例えば基本と成る生物のエネルギー媒体がATPである事等)安心している。


 最初は違った場合どうなるのかとヒヤヒヤしていたものだ……


 さて話しを戻すが、今までの話しは私の立てた仮説と世界の情報へのアクセス、つまり『鑑定』によって知った事だ。


 私は精神が別世界から来た為か、アクセス権限を持っていたので良く利用していおり、そこには魔素の成分等の情報も含まれていた……残念な事に、一部私では見られない部分も有ったのだが。


 そして、魔素を私の分身使って調べた所………驚くべき事が分かった。それは……


“『魔素』とは、万能物質である”


 そんな発見だった。


 魔素は決められた軌道や波動の形等が無く、只そこに存在する簡単に説明するなら『単体では何も影響を及ぼさないもの』である。


 そう、『単体』ならば。だがそうで無い場合はどうか?


 実は、魔素自体は現象を起こさないのではなく起こせない仕様になっており、外部の力が何らかの形で伝わるとその形を成すのだった。


 そして、その影響を与えるモノこそが世界の生み出す秩序、『魔術式』である。


 何となくこんな事がしたいと思うと頭に浮かんで来る術式の事を皆一様に『魔術式』と呼び、術者の希望した内容を脳内で術式に自動で変換する機能が有れば、魔物だろうが人だろうが誰でも出来る。


 そして、術式を起こすには現象を理解していた方が当然変換も容易に済むし、単純であればその負担は減る。


 魔力が使われる部分とは、『魔術式』を構成する場所だったのであった。


 余談だが、これは自分の目に魔力を集めてから他の人を見て、魔力の流れを観察して分かった事だ。


 そして魔力を測定して適正を調べる事だが………私は以前無意味だと思っていたのだがそんな事は無かった。


 理由だが、これは再び魔素の話しに一旦戻る必要が有る。


 魔素は先程の説明に有った通りそれ自体は現象を一切起こさない元素であり、魔力を使って構築した術式で現象は起こされる。


 ここまでは良いだろう。だが、魔素自体に何の特徴も無いと言えば嘘になる。何故なら魔素自体に『得て不得手』が有るからだ。


 そうだな………どんな現象を起こし易い(・・・・・)か、と言う違いが有ると言った方が分かり易いだろうか?


 まあ兎も角だ。


 私を含めた人々の先祖が考えた『属性』とは、魔素が起こし易い何種類かの現象の事を差していたのだった。


 もしかしなとも、恐らく『古代』では魔素の研究がなされていたのだろう………それも、今の時代よりずっと進んでいたに違い無い。


 これは古参の精霊に聞いた事だったのだが……一度この星では文明が廃れたらしい。それも戦争等が原因ではなく、世界全体を巻き込む様な“災害”が発生したとか。


 ………恐ろしいものだ。


 それはさておき、魔素に属性が有る様に、人にも得て不得手は存在する。それが『適正属性』と一般的に呼ばれるものだ。


 それでは何故私は全適正な上に固有魔術の行使も可能かと言う理由だが………恐らくこれが以前“因果律管理プログラム”の言っていた『上位存在』で有るが故なのだろう。


 但し、適正とは言え人にも英知があるので正しく現象を理解した者に関しては適正を無視して行使出来る様だ……ウォルターの様に。


 そしてこの『適正』だが、1番顕著に現れているのは精霊だと言えるだろう。


 魔素が構成因子となっているその身体は、魔素の属性そのものの影響を受け易い。その結果、扱える魔素の性質が決まってしまう。


 故に、精霊ははっきりと属性に別れているのだった。


 そして別れた者同士住み分けていると思うだろう?だが現実は違ったのだった………


どうも、魔素の多く集まる場所はランダムであり、更に属性も様々であるらしく、それ故その場所を巡ってよく属性の違う部族同士で争うのだと言っていた。


 これが一種類の魔素しか集まらないとかだったら、もっと平和だったのに………そこはかとなく悪意を感じるのは私の思い違いだろうか?


 まあそれは今どうでも良い事だ。


 そんな部族での争いも、私の居る場所では起こらない……私が魔力を常に供給しているので。


 どうも彼らは契約すると、契約主と繋がりが出来るそうだ。そこから常に魔力が循環されている事が現在分かっている………勿論、精霊の属性に合わせて魔素・魔力は自動で選別されてから送られるらしい。


 さて、ここで皆さん疑問に思うかも知れない。


“ならば、精霊全員人と契約すれば万事解決じゃね?”

と。


 駄菓子菓子、そんな甘い話しは無いのだ……


 まず普通の人は精霊を見る事も声を聞く事も出来ず、更に触れる事等論外なのだ。それらをするには体内に溢れる程魔力を持っている必要が有る。


 更に………体内魔力が魔素に近い存在である、もしくは魔素そのものが魔力と共存している事。それが契約の前提条件となっている。理由は精霊とは本来基本的に魔素しか受け取れないからだ。


 まあ私の場合は先程挙げた契約条件に置ける前者だったので問題ないのだが………魔力に変換された魔素は性質が大幅に変わる事が多いのだそうだ。


 それは爆薬と同じ様な原理と考えていいのかも知れない。


 グリセリン自体は火をつけても燃える程度で爆発と言う現象は起こさない。その上基本的に反応の起こりにくい高分子有機化合物である。


 だが、様々な行程を経て硝酸と反応した場合………『ニトログリセリン』となって爆発しやすい物質になる。


 さて、魔素と魔力自体もその関係とそこまで変わらない……と思う。残念ながら研究が最近出来ていなかったため、まだ仮説を証明している段階なのだ。


 今分かっているのはただ、魔力の方が魔素よりも現象を起こし易い事だけである。そして魔力へ変換された時に変わる部分は、個人差が多くあるので法則性を見付けるのは前途多難だ。


 だが、何れにせよ『魔術』は非常に効率の良いし法則だと思わないだろうか?何故なら結局の所、『現象』を起こすのに使っているのは結局魔素だけなのだから。


 話しを戻す。こういってしまえば身も蓋もない話しに成ってしまうけど……結局精霊との契約は厳しい条件が付き纏うと言う事だ。


 まあその分リターンが大きいのだが。


 まず、精霊は魔素を直接使うので、魔術ではない別の原理で同様の効果を発揮している。


 そうだな………『魔法』を使っていると言えば分かり易いか。


 『魔力で構成された術式』が基本となっている『魔術』に対し、『魔素の持つ有る一定の法則をそのまま使う』事が『魔法』である。まあ、彼らが『精霊魔術』と呼んでいるものを勝手に私が『魔法』と分かりにくいから呼んでいるだけなのだが……


 ざっくり言うなら、魔術よりも簡単かつ低予算で現象を起こすのが魔法である。


 それが可能と成るのが『精霊』とその『契約者』。そして使える属性は契約している部族の持っている属性に限られている。


 ちなみに私が現在使えるのは………火・風・土・水・光・闇の6属性、それから最近加わった精霊の持っていた固有属性だ。


 そして、契約しているのは『火・土・光』の部族、『水・風・闇』の部族、後は各固有属性の部族とはぐれ複数だ。固有はまた今度説明するが、そうだな……他の物理法則(重力等)や、言霊等の説明不明な能力が有る事だけここに記す。


 契約している精霊が強いため、当然その威力は強い。その上現象発生時のタイムラグが魔術よりも短いので急いで使わなければ成らないとき等重宝している。


 さらに、私の場合魔力量が変態を通り越して呆れる程増えている最中なのでそれを誤魔化す事にも一役買っているし、常に魔力が一定量取られている状態であるため増量の訓練にもなっている。


 そして、魔力が足りなくなると従魔契約で命運を共にする精霊達は魔力の補充をしてくれるのだ……普通に空気から吸い取って。


 ……………私が以前魔力使い過ぎて倒れた時にも助けてもらった事がある。勿論強制ではなく、彼らの好意で。


 残念ながら彼らの一度に吸い取れる魔力の量は一定で有るため、魔力風邪(=魔力過剰症の別名)には効かない。


 さて、今精霊について分かっている事はそれくらいだ。


 ちなみに私が契約している精霊は基本的に皆少数派で有る混合属性の部族と固有属性種族である。


 混合属性を持つ連中はそこまで個体数が出来ないので総じて群全体で見た場合弱い。当然個人戦となれば単一属性の連中に負ける事は無いが、如何せん集団の単位が違い過ぎて戦いにも成らないのだ。


 そして固有属性は言わずもがな。特に彼らは魔素溜まりに行ったとしても、彼らの属性に合った魔素がそもそもごく微量しか含まれていない場合が多い。故に魔素枯渇で消滅し易い。


 だからこそ、私は固有属性の精霊を発見した場合は相手が拒否しなければ即行で契約している。


 その結果、多分固有属性だけで大体50属性は越えているのではないだろうか?10属性までは数えていたのだが、基本的に常時発動している或いはよく使うタイプのもの以外、残念ながら覚えていないのだ。


 …………何より、記憶が追っ付かない。


 そして今回家出した時付いて来たのは、そんな固有属性の連中だった………霊山に興味を持った者も居たが、私と主に親睦を深める事、それから危険が迫っているので護衛する事が目的だとリーダー格の奴が言っていた。


 まあ護衛に関してはそこまで期待しないつもりだが、この旅で互いの事をより良く知れれば良いとは思う。


 もっとも、精霊は普段割と好き勝手に行動している生物なので何処まで一緒に大人しく居られるかは知らないが。


 お!霊山に着いた様だ。


 ちなみに霊山へ避難する事は事前にウォルターとその知り合いに連絡したので問題なかったりする。故に御心配無く。


「おい、ついた。」


「相変わらず速いね!」


「当たり前だ、ほら拠点作るから降りろ。」


「はいはい。ありがとうね。」


 軽くポンとジャンクリの背を叩くと、私は浮遊しながら地面に降り立った。


 そして全身でここの澄んだ空気を肺に入れる。一緒に入って来る毒に成らない程度の濃い魔素。そして温かくなった空気をまた排出して新鮮な空気を取り入れると言う作業(つまり深呼吸)を暫く続けた。


 ああ懐かしい………ここでウォルターと修業したんだよな。


 そんな風に色々思い出に浸っていると、精霊に呼ばれる。そして拠点作成をしていたジャンクリを慌てて手伝った。


 でもここはやっぱり最高だ。冒険の匂いがする!


 今までの話しに出て来た”魔術”に関する内容と矛盾が生じているかも知れないですが、此方の方が正しいものだと認識して下さって構いません。ただ、こちらも一応”仮説”の部分も有る為、また変更が有るかも知れないです。


 それでは次回も宜しく御願い致します。


P.S. 本当に毎度申し訳御座いませんが、ムーンライトの方は多分来週投稿する事になると思います……リアルで数日忙しいため書き溜めしている此方の作品は多分投稿出来ますが、彼方は無理です。本当にすいません(_ _)

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