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悪役放棄、更に自由人へ(仮)  作者: 平泉彼方
第一章 逸般人な悪役令嬢、好き勝手過ごす
2/142

1 プロローグ的な何か、其のニ

 本日二本目です!

「…と言う事が有ったんですよ。」


「うんうん、グスン。ボクのせいで御免ね。」


 日本茶ウメェとお茶を啜りながら、目の前に座る小学生位の男の娘に何が有ったか話した。


 ちなみにこの人一応転生を管理するシステムらしい。よく分かんないけど宇宙のシステムに組み込まれているんだって。


 さっき暗闇から一本釣りしたらしい。ただ、一応言っておくけど正直何でそんな『システム管理室』に私が居られるのか分からない。ただ、1つ分かる事は……


「私、別に死ぬはずじゃなかったんだ……」


 どうもうっかり因果律システムが乱れてしまい、その影響で何人か死んだらしい。ただ、私はまだ運がいい方で、何とか意識が消えなかったとか。


「いや〜危なかったよ。後もう少しで存在ごと消滅していた。実際他の人達はそんな感じに成ったしね……」


「……ソレは何とも………」


 うん。消滅は何かヤダ。つか、そうなると家族とかどうなるの?後私の友人とか知り合いとか職場の連中とか。


「別にどうも成らないって訳ではないけど、そうだね…大分運命は変わるかも。」


「例えば?」


「そうだね……君の両親は離婚していただろうね。その結果君の父方の祖孫が地球の核について研究してさっさと人類は滅亡していたかもね。」


「………………。」


 何か今とてつもなく物騒な事を聞いた様な………


「一応気のせいではないけど、まあそう言う未来もあり得たって事だよ。実際そう成っちゃった世界も有るしね…」


「え?人類滅亡ですか?」


 まあソレならあり得るだろうけど。


「いや………











 地球が無くなっていたりとかね。」





 

 ……………………………oh


 って、そんな呑気に話す事では……ああでも、この人(かどうか怪しい存在)には関係ない事なのかも………多分因果律のシステムだって言っていたしその辺の路傍の石と変わらない認識でしょうね。


「さて、与太話はこの辺にして、これからの君の処遇に付いて話し合わないと行けませんね。」


「私の処遇ですか?あっさり消されるかと思ったんですけど?」


 何か冷静になったのでよく考えてみたけど私って多分この世界ではバグ見たいなもの何じゃないだろうか。なら、多分データとして消去されるのが道理だとうな……凄く嫌だけど…


「君って何か……まあいいや。結論を言うとね、別の場所に他データを付属させて転生させる事になったよ。ちなみに世界はランダムだけど、一応地球等の様に科学を発展させた世界とは真逆の所に成ると思う。まあつまり、科学や生活は中世レベルだけど剣と魔術の発展した世界って奴か?」


「え、地球みたいな所ではないのですか…そう成ると直ぐ死にそうですが………」


「…いや、君が瞬殺ってどんな世紀末な世界だよ?!……まあいいや。でもそれについては全く心配要らないよ。だってその世界は多分君達にとっては下位の世界だからどうしたって君はそこで規格外な存在になるだろうから。」


 え、それって……


「ああそれと転生先今確定したみたいだからさっさと変わらないうちに送るね。じゃ、悪かったね。」


 ……………殆ど説明受けていないのですがって、え?!落とし穴?!!


 ギャアァァァァ……覚えていろよ〜!!!!!!!


 こうして私は転生を果たした。


………………………(narrator)………………………


 その日、中東のとある組織が丸ごと壊滅したと言われている。


 その日、紛争地帯の避難キャンプで逞しく暮らす多くの難民達が号泣し、有る人物を惜しんだと言う。


 その日、某国家の重鎮の息子数名が誰かの後追い自殺をしたと言う。


 その日、某企業の次期社長が眠る様にホテルで死んでいたと言う。


 その日、ここ数年誰も訪れていない墓に雪見草と白薔薇が1輪ずつ添えられていたと言う。


 その日、某有名国立大学の学生達が秋雨の中をハンカチ片手に葬儀へ参列したと言う。


 その日、裏組織の中で最も恐れられていたと言える、ある不死身の暗殺者が、その姿形、そして確かに居た痕跡等までも奇麗に消し去ったと言う。


 どれも真相は明らかではない。


 だが、判明している事は1つだけ有あった………それはバラバラに見える事柄に全て共通している事。


 日本に居たしがないOLである“本郷由樹”と呼ばれる女性がその辺りの時期に丁度無くなって居り、その訃報が流れた直後に全ての出来事が有った。


 ちなみに死因は酔っぱらい運転をしていたトラックの運転手が起こした交通事故。加害者は後日拘置所で破損状態の酷い変死体として発見されたと言う。


 それは………まるで拷問されたかの様な苦渋に満ちた表情で。


 真相は誰も知らない。死人は語らず。


 マスコミは彼女の生い立ちからどのような職業だったのかを散々騒いだが、直ぐに芸能人のスキャンダルに方向転換した様だ……数名の記者と取材班が完全に消息を絶った後。


 真相は闇に葬られ、この事は一旦終止符を打った。


………………………………………………


「………やっと『彼』は地球から出て行ってくれたか…長かったな。」


「全くだよ。此方も随分手を焼いた……だけど、彼女には申し訳ない事をしたよ。」


「まあでも、次は多分そこまで酷い人生じゃないと思うよ?」


「そう言いつつ無理ゲー(ルナティックモード)だったろうが……」


「ん?それが?だって彼女は多くの味方を引き連れてあっちに転生したんだよ?それこそ古代の王族達みたいにね。それに、彼女は非常にタフだ……何せ、僕の同僚の弟子だったからね。」


「それもそうか……だが、奴が手を下さない訳が無いだろう?どうするんだよ……結局大変な役回りじゃん。」


「ん?別にそうでもないって。まあ見ていなよ。」


「……お前がそう言うのなら、そうさせてもらおう。」


 さあ、全ての役者は揃った。茶番劇の始まりだ!


 一体誰が最期に笑い、誰が生き延びるのか。


 世界に正しい在り方なんて無い。世界を引っ掻き回せ、転生者共!



………………(???)………………


 彼女が死んだ?!いや、あり得ないでしょう!!だってボクが手塩にかけて育てたあの娘だよ?


 ボクと並び立つ程の諜報力と武力を持っており、さらに親父さんに生前“息子だったら後継者だった”と言わしめただけ有って相当な切れ者。


 そんな彼女が死んだ?!それは何の冗談なの?


 冗談じゃないの………


 ボクの所に戻って来ないでニホンと言う平和で死亡率の少ない国で、何で彼女は死んだの?


 え、交通事故であっさり死んだのか……まるで数年前に死んだ君の愛していた同僚や暗殺された両親を追う様にね……


 許さない……ボクを一人にして………


”許さない、許さない、許さない、許さない、許さない、ゆるさない、ゆるさない、ゆるさない、ゆるさない、ユルサナイ、ユルサナイ、ユルサナイ、ユルサナイ、ユルサナイ、ユルサナイ………”


—ボクは君が好き、いや、とても愛していたよ。


 死ぬくらいだったら、ボクの元に戻って来て欲しかった……ニホンに何て戻らないで。


 ボクは君の帰りをずっと待っていた。君が来てくれる事を信じて。


 でも結局君は現れなかった………そして死んでしまったね。


 正直君が居ないセカイなんて要らない。生きていても仕方が無い…だって生きる意義を見出せないのだから。


 だから……………………ボクも“そっち”に行くよ?


 君に再び遭いたいから。


 そして、今度こそ君をボクだけに振り向かせてあげる………その結果君の全てを奪ったとしても。


 だから少しだけ待っていてね、ボクの由樹ちゃん。







 アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ……



 次回も宜しく御願い致します。


8/6:”浜逆→は真逆” 訂正致しました。

8/31:文全体を少し変えてみました。

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