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悪役放棄、更に自由人へ(仮)  作者: 平泉彼方
第二章 自由気ままな冒険譚⑴
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6 地味にエグイ攻略方法

 読者の皆様どうもこんばんは。本日も何とか投稿出来ました。


 さて、今回戦闘回なので残酷な描写とかばっちりです…苦手な方へ向けて後書きに概要書きます。それでは本編をどぞ!


 相手の先制攻撃………いきなり山椒魚らしく毒物と思しき物体を吐き出した。見るからに毒々しい紫と茶を混ぜ合わせた様な色合いをしており、地面に当たった瞬間プスプス音を立てた。


 そして、あっという間に緑煙を出して地面が抉れた。


 次いでにその攻撃は、護衛と思しき魔物へ当たりそうになっていた…慌てて保護した事は言うまでもない。大事な私の素材(エモノ)の数を減らすなんて事は勿体無くて出来ません。



 安堵した様子?の魔物はそんな私の視線を受けた途端恐慌状態となったのか泡を吹いてパタリと倒れていた。



 視界にそんな格下の様子を収めつつ、私は魔物が毒を履こうとする瞬間を見極めていた……あの毒物、何とか確保出来ないかなって。ウォルターへの良い手土産になるだろうし。


 亜空間倉庫からこっそり出しておいた『保護』の魔術式が刻まれた特殊なガラス瓶へ改めて魔術式を書き込んだ…命令内容(オーダー)は、まあ見ていれば分かるか。


 魔物が口を大きく開いていよいよ毒を出そうとしたその刻、ガラス瓶は魔物の口目掛けてロケットの如き速度で向かった。そのまま空中停止するなり巨大化し、動作を止められない混乱気味の魔物の口がズボッとガラス瓶の口へ嵌った。


 そのまま魔物はペッと毒を吐き出す…硝子は溶けた様子無し。


 その場で魔物から離れるなりガラス瓶は収縮し、元の大きさへと戻る……そして封が上から掛かった状態で私の手元へ戻って来た。



 もう一度上から保護と劣化防止の術式を刻むと、ラベルを張ってから亜空間倉庫へ突っ込んでおいた。忘れていなければウォルターへ渡る事になるだろう。


 少しでも漏れそうなリスクやラベルの張り忘れが有れば地獄何て生温い『特訓』が待っているからね……確認作業は大事だよ、本当。



 そんな事を軽く考えながら魔物へと攻撃は忘れていません。



 さて、皆さんここで一つ質問。亀がやられたらきっと1番嫌な嫌がらせって何でしょうか?多分幼少期を日本で過ごすか日本となじみ深い場所で暮らしていたなら直ぐ分かると思うな……ソースは割と有名な話しからだし。


 では皆さんが色々想像している間に少しだけ“処理”しています。








 さて、では答え合わせと行きましょうか……と言っても現在の状況を簡単に説明すれば終わりですけど。



 GYAAAAAAAAAA!!!?!?!?!?!?!?!?!!!



 叫び声ではないガチな悲鳴を火山地帯に轟かせながら、ジタバタと不自由に手足をばたつかせている巨体はまあ、圧巻の一言につきますね………まあ、姿形がもう少し亀に近かったらもっと可愛かったのだろうが。


 けどね…やっぱり亀型だと有効と言えるだろう。


 多分もう既に色々分かったと思うけど簡単に説明するなら奴を私は文字通り“ひっくり返し”ただけ。日本昔話の『浦島太郎』の話しでも亀の虐待シーンが有っただろうけど、それがソース。本当、それだけだが効果覿面で奴は、それはまあ、焦る事、焦る事……正直雑魚だね。


 ボスなのに雑魚…


 最初から戦闘能力にはそれ程期待していなかったけど、流石にそよ風(私的に?)で少し転ばせただけなのに戦闘不能に陥るとは予想出来なかった…予想以上の雑魚敵だったみたいだ。



 ただ、一つ予想外な事は……奴が堅い事か。



 簡単に言うと、即死級のダメージを何度も与えているのに中々沈まない…亀らしく甲羅に籠っているからこそ有効な攻撃をしているというのに。どんな攻撃か?決まっている…甲羅の穴から亀の得意と思われる属性と反対の属性の攻撃をするだけだ。


 つまり、水・氷・風に関わる現象が甲羅内部で起こっている筈。


 実際余りに辛かったのか、悲鳴を上げながら涙眼で甲羅から顔を出したのだし…顔にはびっしり鼻水?涙?の凍った痕が付いていた。一応ここは火山地帯、つまり灼熱の中では有るのに凍った訳だからどれ程の威力だったのか想像し難くはないだろう。


 後は雷撃を時折硫酸銅を流し入れた後に電離とか狙って流したのだが、此方も利き方は微妙らしい…元々酸性毒と思しき毒素を吐き出していたのだから酸性の毒物も意味離さないか。だがこれはシアン化カリウムへと毒物を切り替えても同じだった…



 仕様がない……素材をあまり傷付けたく無いけどアレをするか。



 今回は雑魚相手なので、リハビリ戦として自身に武器を使う事を禁じている…武器をこれ以上傷付けないためとも言うが。うぬぬ、ガラス瓶に掛けた術式の欠点さえ解消されれば武器が使えるのに…何故『保護』と『攻撃』が両立出来ないのか未だに疑問だ。


 それで、武術は一切使わず魔術のみで仕留める訳だが……まだ私は自分に気性に合った攻撃を実は一度も放っていない。確かに雷撃は便利だけど違う…残念ながら雷の攻撃に関しては狙いを定めるのが難しいという欠点が有る。


 更に付け加えるなら、氷に関する魔術式は戦闘であっても基本温度を下げる事へ使っているので精密な操作は不慣れな部分が有る。場所の指定は大雑把に行って局所的な大吹雪(南極を意識した)を起こす訳だが、亀の甲羅の穴と甲羅の体積から本体の有る場所を大体予測した上で行っている。恐らく温度は普段の攻撃と比べて随分温い状態になっているのだろう。


 他にも色々有るのだが、それは一旦割愛。



 攻撃………しますかね、本当に乗り気ではないけど。



 私は亀の頭を強引に引きずり出した…声無き悲鳴を上げて眼からは涙が溢れているが無視して口を開ける。そして相手が毒を出そうとしているのを無視してそのまま舌を引きずり出した。


 ヌルリと出て来た長い舌は、良く見るとネコ科の猛獣によく見られるタワシ状となっていた…先端が鋭くなっているだけに、恐らくライオン同様あの舌で舐められでもしたら間違いなく大怪我だ。


 そこへ私は一ヶ所ブスリと短剣を刺した。



GRUUUUUUUUUUUU???!?!!?!??!!!!??!!!



 正直同じ生物だとしても魔物と魔獣の肉体構造は随分違うので通用するか疑問だが、実行。


 効いた様で結構。


 先程上げた声は断末魔だった様で、ぽっくり死んでしまいましたとさ……最初からこの手を使うべきでしたかね。まあ良いですが…自分の実力を知る意味でも、ね。



 え?何をしたか?



 ではここで再び皆さんに質問。何で古来より舌を切る事は死に直結する可能性が高いと言われているのでしょうか?


 ではその間にまた作業をしているのでシンキングタイムと致しましょう☆








 さて、剥ぎ取りは終了しました。やっぱり傷ついていたので素材的に勿体無い事をしてしまった…まあいいや、毒殺しなかったお陰で今夜は亀肉食べられるし。毒物に関しては血と一緒に抜いたからまあ何とかなるでしょ、解毒薬もさっき作っておいたし。


 では丁度いいし答え合わせをしちゃいますかね。


 簡単に説明するなら舌って身体の中で1番血管が集まっているんですよ。ほら舌は元から紅いでしょ?アレは血の赤ですよ。それに1番体内の筋肉で発達している所だった筈だし(適当)。


 で、そんな血管だらけの場所を切断したらまあ分かるかも知れないけど血がドバーって流れちゃう訳ですよ、一気に。そうすると貧血になるか、或いは口を塞いだ状態であったら窒息する事になる。


 同時に感覚神経が集まっている所だから滅茶苦茶痛いとか。


 そうすると、少なくとも死因は幾つか見付かると思いますね…失血死か窒息死か、或いは心臓が悪ければ心臓発作とか。それでもまあ死なない相手っているんですけどね。


 しかし、今回使ったのは上述の殺害方法ではなく寧ろその前の“知識”の方。血管が集中しているって事実から、血管内部へ異物を混入させる事に使いました。


 本当なら首筋の太い血管使えれば早かったが、新しい魔物だった事もあって身体の内部構造とか完全に把握していなかったので余計なリスクは背負わなかっただけ…まあ舌の件も完全に賭けだったけど。


 見事賭けに勝った訳だが。


 舌の血管からちなみに送った術式は一言で言うなら『血中のFeは針等の刃物を形成』と言う類の命令文。私の魔素に従って送られたソレは相手の赤血球を破らせた直後身体をズタズタに切り裂いた。


 もうね、内部からの崩壊が酷かった…何と言うか、ミンチ状態みたいな感じ?


 赤血球が圧倒的に血液の成分を占めている事からいい感じに血抜きは成されたから良かった。けど、見た目はモザイク掛けても意味成さないレベルの放送禁止が出るグロ映像…馴れてなかったらきっと暫くハンバーグ等ミンチ肉が喰えなくなる事間違い無し。


 そんな分けで皮膚も目玉も肝も何もかもズタズタ…幸い毒袋?毒腺?だけ、何故か隔離された様な形になっていた。その上長い事食事していなかったのか消化器はスッカラカンだったので何処がとか言わんが破れていても大丈夫だった。つまり肉は食用として利用出来る様です。嬉しい事に甲羅も何とか残った。


 さっさと周囲で散り散りになっている雑魚を雷撃で仕留め、グロ肉と一緒にそのまま亜空間倉庫の素材置き場に放り込んでおいた。



 そして、背後を見ると抉れた地面に突っ伏してオロロロロ〜と反吐を履いている変態共と軍服が目に入った……さっと顔を逸らした事は言うまでも無い。


 …何と言うか、ドンマイ。



 だけど、やっぱり読み通り体力だけは有る雑魚ボス倒したらやっぱり次への道が開いたか。何と言うかやり方がエグイと言うか、敵が気持ち悪いと言うべきか…


 まあだけどこれも本来なら出来なかった冒険であって、私はなんやかんや楽しんでいる。



「ほら、さっさと来ないと置いて行くよ。」


『『!?』』「!」



 それに、新たな出会いも合った訳だし。



 ある意味このダンジョンを作ったセンス皆無な相手にも感謝しないと…本当、敵と地形設定するセンスはないと思うけど。まあ最後の階で会った時にでも教育的指導すればいいかな。


 では参りますか。














 現在200層目、全体の2/5攻略済み。


 戦闘の概要:亀(=魔物)がひっくり返されて虐待?した後舌に集中している血管から血液アタックされてアボン。


 亀&護衛の魔物達: (´;ω;`)


 ……何と言うか、ルーナちゃんに目を付けられたなら諦めるしかない。と言うより魔王様(ルーナちゃん)からは逃げられないから仕様がない。御愁傷様、大人しく素材になって活きよう(合掌)


 さて、ダンジョン編はまだまだ続きます!次回もどうぞ宜しく御願い致します。

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