表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役放棄、更に自由人へ(仮)  作者: 平泉彼方
第二章 自由気ままな冒険譚⑴
129/142

5 ま、何れにせよ子供の教育上宜しく無いな。

 読者の皆様どうもこんばんは。何とか書き上げました。


 さて、今回はまた戦闘シーンが若干最後の方入ります。それでは本編をどぞ!



 ………あの後ピー態共に服を着させるのに相当な労力(MP)を使った。もう既に色々スッカラカンよ。


 けどま、子供の教育上良くないし仕方ない。


 現在、あの変態長耳(※エルフでない方)にはLuNA製造のルナハウンズ正社員用スーツを着せている。イメージとしてはSPのスーツ等を思い浮かべれば分かり易いだろうと思う。


 但し、只のスーツだと思う勿れ……生地の強度と伸縮を両立させた最高傑作スーツだと我が社は自負しているしね。


 生地の基本である糸に関してはするべくクロード(蜘蛛)監修の元彼の眷属達に最強の糸を出させてその線維を研究して得た。その上で、編み方も母の人脈から研究者を雇って色々工夫して貰った。


 ただ、本人からしてみれば現時点でも満足行かない様で、実は今も研究を続行している。本人からの要望によって旧版を回収して最新のモノへと随時更新している。故に私と実家倉庫以外に彼曰く“半端モノ”は出回っていない。


 ちなみに今回出したのはちゃんと更新したばかりの“最新モノ”である。


 今回のスーツもまた見事であり、彼の拘りを所々感じさせる……今回は特に属性耐性を入れる為に糸の加工を少し拘った様で、色彩も黒一択で無くなっている。


 具体的には、旧式の基本属性と実家領ではされている『風・火・土・水』が司る『緑・赤・茶・青』の色彩を黒と混ぜた様な色がスーツ生地のベースカラーとなっている。その上で、効果を上げる為なのか裏の術式を助ける為にそれぞれのシンボルが透かしとして入っている。


 ただ、きっと着る人によっては前世のヤの付く職業の方々(旧版のドラマ・映画の方)に見えるんだろうなぁ…



 現在、ウサ耳取れば正にそう見えるし…



「うん……普通に怖いと思う」



 サングラスで唯一可愛いかったパーツである目を隠し、色とりどりのスーツを素肌で着込んでいる状態……それに龍や鬼の刺繍とドスやピストルがあれば完璧ですね…


 いや〜…ここまで酷いとは思わなかった。



 そして、溜め息を吐きたくなる私を他所に喜んでいる馬鹿一名。



「わぁ、格好いい…」



 君、さっきまで“イヤァァ来ないでぇぇぇ〜”とか言って逃げてませんでしたか?つか、服着ていればいいの?OKなの?それで良いのか?!


 つか、そもそも存在がアウトだと思うのは私だけなのか?!!



 スーツ姿のまま筋肉披露(お色気の術)を使う変態→任侠にグレードアップしたナニカ。そしてそれを惚れ惚れとした表情(?)で眺める軍服(長耳入り)。


 本当……何このカオス。



 …と言うか、このままコイツらに迷宮攻略するまでベビーシッター任せて見るか?教育上宜しくないのは承知の上で…



 そんな心の声が聞こえていたのか知らんが急に軍服が此方へ走って来て腕を掴まれた。しかも筋肉スーツまで連れてきて…つか、お前らは寄るな、触るな……変態が移る。


 と言うか…さっきから変な所触ろうとしていないかコイツら?



 さっと手を払うと、私は軍服を担いだ状態で回し蹴りをした…飛んで行く筋肉、だが次の瞬間復活する筋肉……面倒だな。けど、お仕置き決定。


 再度私は落雷させた…今度は死なないギリギリの位の威力で。



 バチ、バチチチ…バリバリバリ、ドガッシャァァアアアアアン!!!!!!



 一瞬強い光りが空間を占めたと思ったと同時に鳴り響く破壊音……これだけなら並の魔獣は脳が沸騰して即死するんだが、可笑しいな。ちょっと焦げて煙が上がってプスプス鳴っている程度しか効いていないか………痺れた様子はあるが、倒れもしないと。


 う〜む、私の腕が落ちたか?


 試しに目端に写った此方を狙っている雪豹へと同じ威力の落雷を落として見ると、やっぱり一発でK.O.している。今も帯電しているのかバチバチ言ったままだしやはり効いているか。


 なら考えられる事と言えば…いや、だが……しかし…え、マジでそれしかないのか……信じられん。



 だが、確かにギャグ補正とやらは存在するのか。



 かつて地球で傭兵として親父(ファーザー)の元働いていた時親父(ファーザー)の好んだネット小説に一時期そう言うのが出ていたんだったな……確か即死級の攻撃を正面に受けても見える怪我をする程度、しかも直ぐ治る様な怪我で被害が済むと言う最強の補正能力だったか?


 よく親父(ファーザー)自身が欲していたが、現実にはあり得ない話しだとその時ばかりは鼻で笑っていた。


 けど、こうして自分がその補正に実際直面する事となるとは……しかも転生先の所詮異世界で。



 まったく、『セカイ』もまだまだ広い事だ。



 アフロのヅラをいつの間にか外し、復活している変態(長耳)(※エルフryk)……自分達も連れて行けと語外に喚かれ、結局何となく五月蝿いので本当に仕方が無く連れて行く事になった。



「足手纏いなったらさっさと置いて行くから。それとその軍服担いで来て。」



 アイアイサーと地球の軍隊式のハンドサインしながら(何処で学んだよ…)1匹?1人?が軍服(エルフ)を担いだ。そして再び地球式のサムズアップ(だから何処でryk)


 そしていつの間にか忍冬唐草模様(泥棒風呂敷)を鼻から掛けてフラフラしている変態(長耳)(※エryk)……本当どのタイミングでそれ仕舞って来た?荷物何故か漏れているんでけど、何気に福沢先生が落ちているし…


 つか、そもそもその辺に住んでいたの?住居だったのこの冬山?!そんな裸一貫で住めるのか、このクソ寒い雪山?


 それ以外にも色々突っ込みたい所があるんだが、時間がないので割愛。



 私はくるりと方向を変え、さっさと進む事にした……疲れるからもう色々諦めたとも言う。



◇・◆・◇・◆・◇・◆・◇・◆



 さて、何々……雪山を越えたら今度は火山地帯でした。


 わーい。これで暖がとれるね、冬眠冷めるね…って巫山戯んなァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!?!?!?!?!?!



 泣きたい様な脱力した様な気分になりながら、私は変態共からスーツ(上半身)を回収した……彼らは暑いそうで変態に逆戻りです本当にありがとうございました。


 担がれた軍服は何か言っているけど知らない…そもそもその服見た目と違って内部は温度調節出来る様に術式仕組んでいるから大丈夫だろうと思うし。


 海軍用だから海底火山にも対応出来るようになっているしね。



 実際、潜水活動は最近出来るようになって来たからな……ラウツェンスタイン領。



 アレだ、一応海に面している所には離島みたいなのが点々としているんで万が一遭難者とかが出た時のレスキュー隊として活動出来るようになっているって事だ。


 過去の戦闘の名残か島に海底へと移転させる移転陣。他にも純粋に自然発生した魔素の影響で精霊が波を起こして海難事故が発生する等。我が領でも行方不明者が最も多い地域であるのが海面に面した場所……観光地兼海産物と塩の産地兼終身刑受刑者収容所(長いな…)というだけではない。


 結構軍の出動要請が多く、海底へと行ける手段の需要は結構あると判断したので頑張った……主に理解を中々得られなかった機械工学の技術者達一同が。



 そんな訳で海底火山に対応出来るタイプにしたのだった。




 ま、こんな風に回想している暇もないな……現在囲まれている。変態スーツ達も分かっているのか警戒している。あの耳がピクピク動かなければもう少し緊張感が出ていた事だろう…


 敵は……300くらいか。



 何ともまあ、生温い…


 私や軍服は兎も角、ギャグ補正(変態)を倒すにはそんな数じゃあ足りんな…ああ、全然足りん。弾丸(HP)火力(MP)も全く一切足らん。速さも筋力も命中率も何もかもが足りない。


 そんなのじゃあ直ぐ終わってしまう……戦闘開始と共に終わる。


 いや、戦闘等ではなく“殲滅”になってしまう。


 そんで、変態諸君。



「それで君達は満足か?」



 NO WAY!!(あり得ない!!!)



 憤怒の表情を浮かべ、完全にナメプされて切れた変態達は首を勢い良く横へ振るう……頭に血が上った為か、若干全身から紅い蒸気が上がって見える。


 可愛い顔に隠された獰猛で鋭利な牙を剥き、いざ切り裂かんと云わんばかりに剥き出しになった先端の尖った爪……野生の、捕食者を捉えんと向けられた百の視線が敵を突き刺す。


 ひるんだ敵は、その場に踞る。



 私はその遣り取り等当然無視し、散歩に行くような歩で敵へと向い……目についた巨炎鼠と思しき魔物の首を刎ねた。


 魔物達は何が起こったのか分からないと言った表情で首が外れ、その数秒後に遅れて血潮が周囲へと撒かれた…臭い、魔物の獣臭に溢れた紅い雨が被食者へと降り注ぐ。


 その様を、不思議そうな表情で見ている魔物達。だが次の瞬間私へヘイトが一気に集まった……大方仲間を殺したとでも言いたいのだろうか、理性無き魔物風情が。まあ弱者らしいと云えばそうか。


 だがつくづく馬鹿な連中だ……力量差を見分けられぬとは。今の内に逃げればいいものを。尤も、見逃す事何てあり得んが。



 これ程多量に集まった高く売れる珍しい素材(エモノ)を私がみすみす逃す筈がないだろう?



 笑顔を呆然とした表情の愚かな変態共へと向ける……馬鹿者が、ここは戦場だ。命が大事なら目の前の敵から目を離すな。


 例え『ギャグ補正』でも油断してると死ぬぞ…



 きっと今の私は奇麗な笑顔をしているのだろう……その証拠に周囲が震えている。



「殺っておしまい、地形ごと。」



 その一言を皮切りに戦闘と呼ぶには余りにも一方的な殲滅が開始した。


 次々と向かって来た魔物達は血・肉・皮へと解体され、後に残るのは血痕だけ……いや、血痕も残らず地形ごとその姿を消滅させた(=汚い花火がマグマへと落ちて蒸発した)。


 敵を次々葬って行く変態共…戦闘能力は私の足下並か。


 彼らの様子を見て大丈夫そうなので、我々へと雑魚を嗾け囮にしてそのまま逃げんとする愚かな敵さんを探知した…あの方向へとマグマを経由して逃げているか。形は魚?蜥蜴?


 分からん…だが、どうも弛んだ形だな。


 ただ、奴は周囲に自分の足下程度の雑魚を護衛のつもりなのか連れている…更に上質な素材だな。高値で売れる。なるべく傷を負わせずに仕留めたいものだ。


 ボスも含めて、ね。



 どのみちあのボスを倒さないと次へ進む扉が開かんように設計されている様だからな……術式を解読した結果だが。



 雪山ではボス戦が無かった。だが、ここでは有る…大方雪山登山の後消耗した所でここに閉じ込め熱中症で獲物を仕留める寸法か。


 通用すれば確かに有用だな…通用すれば、だけど。


 残念。私に通用するって?そんな分けない…この程度の雪山は霊山の訓練に比べればカスだ。それにここの敵は私よりも何段も格下。正直勝負にもならない。


 確かに魔術式を封じられていればこの環境自体で詰む。だけど、そうするとこの環境を維持する事も出来ない…残念だったね。私へ対抗する手段は最初から無いと言う事だ。



 そんな分けで、私も戦闘開始〜。



「ボスさん、はいりますどうぞありがとうどうもこんにちははじめまして。」



 酷い挨拶(自覚)しながらボスの潜っていたマグマの川へ巨大な岩石を降らせて通路へと誘導した…ボスはまんまと釣られて雑魚共と此方へ来る。巨大な山椒魚へ亀の甲羅と蛙の長い舌を足した感じか……初めて見る魔物だ。


 周囲を固めるのはこれまた珍しい魚人の姿をした魔物…明確な違いとして、鱗ではなく溶岩の様な黒っぽく紅いゴツゴツした表面をしている。



 鎧の素材……或いは剣鞘か鈍器。



 まあその辺はドワーフの親方に見せれば彼らが勝手に改造するだろう。これ程素材が有ればまあオークション用と私の分も確保出来るだろうし。


 戦闘は…残念だけど今回は純粋に魔術式で仕留めるか。これ以上獲物を壊したらこっそり実家へ跳んだ時、親方に殺されかねないからな。



 では、状況開始。



 そんな分けで変態度が若干下がった分怖い感じの上がったイロモノ兎集団……ちなみにちゃっかり火の耐性もったスーツを着ていた奴等は未だにスーツの上着ています。完全マフィアか任●の『先生』ですね。


 それなのにウサ耳ピョコピョコ。


 さて、次回は戦闘シーン……但し、魔術式を使うと直ぐ終わってしまいそうな予感もする様なしない様な…と少しフラグを立てたので長引くと思います。次回もどうぞ宜しく御願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ